ハーメルンバンドリ作家合同企画(テーマ交換・オリキャラ無し) 作:大里野上
テーマ「変わらないモノ」
作者ホーム https://syosetu.org/?mode=user&uid=232184
紹介作品 https://syosetu.org/novel/189657/
作者Twitter https://mobile.twitter.com/FINsFGOo826?s=09
「ふぅ…、だいたい片付いた、かな」
自分の部屋をぐるりと見渡して、一息つく。
クリスマスも終わり、もうすぐに今年が終わる少し前の今日、あたしは自分の部屋を掃除していた。とは言っても、普段からこまめに掃除をしているのでそれほど時間はかからなかったけど。
まぁでも、午後にはつぐのお店にみんなで集まってから、Circleに行く約束をしてるし、早めに終わるに越したことはない。
あとは…、あ、押入れのかたずけしてないや。
まだ手付かずだった場所を思い出したので、掃除を再開する。
「ん…しょっと、あれ?何これ?」
押入れの中にあったモノを整理していると、埃をかぶったクッキーの缶を見つけた。
蓋には『おおきくなったあたしたちへ』と書いてある紙が貼ってあった。
確か“コレ”って…
………
「「「「タイムカプセル?」」」」
掃除も一段落して、12時を少しすぎた頃に羽沢喫茶店に着いた。
あたしが来た時にはもう4人とも揃ってて、あたしが最後だったみたい。ひまりに至っては、10時くらいにもう着いてた、って聞いたけど大掃除とかもう済ませたのかな?
それよりも、押入れから出てきた謎のクッキー缶について。気になるから家から持ってきたけど、あたしの記憶が確かならコレはタイムカプセルだったはず。………多分。
「うん…、小学生の時に作ったのだと思う」
「あ〜、そんなのもあった気がする」
「ねえねえ、これ開けてみない?」
「え?まぁ、いいけど…」
「じゃあ、あけちゃいますか〜?」
「何が入ってるんだろうね?」
みんな、コレに興味津々らしい。何入れたかなんてもう忘れたけど…、やっぱり気になるものらしい。かくいうあたしも何が入ってるのか気になってる。
「じゃあ、開けるよ」
みんなの顔をちらっと見ると頷いて返してくれたので、缶の蓋をそっと掴む。
何が入ってるのか、昔のあたしは何を入れたんだろうか、そんな興味が強かったのか、すんなりと蓋を開けることが出来た。
覗いてみると、中には小学生の頃の写真や、大きくはなまるのかかれたテストの答案用紙、他にも綺麗なビー玉がいくつか入ってたり、ハンカチのような布に色違いの5つの缶バッチが並んで付けられてあったりと、色々なモノが入っていた。
やっぱりタイムカプセル…かな、これは。
「わ!この写真に写ってるの小さい頃の蘭だ!超可愛い〜!!」
「あ、こっちにはモカちゃんが写ってるよ!」
「やっぱりモカちゃんは小さい頃からべりーきゅーとだね〜」
「お、この缶バッチってあれじゃないか?ほら、ひまりが欲しい色なくて駄々こねて泣いてたやつ!」
「あー…あったね、そんなことも」
「えぇ!?私そんなことしたっけ?」
「あ〜、これつぐのテストだ〜。満点で花丸かかれてる〜!」
「多分、嬉しくて入れたのかな…?懐かしいなぁ…」
「…他にもなんかないかな?」
みんなが中に入っていたものを見て楽しんだり、懐かしんだりしてるので、あたしも、なにか面白そうなものがないか缶の中を探ってみる。
…ん?これなんだろ…、手紙かな?
缶の底から、一通の手紙を見つけた。裏返して見ると、『みらいのあたしへ みたけらんより』と、少し拙い字で書いてあった。
これ、昔のあたしが書いた手紙?書いた記憶はうっすら残ってるけど、内容については全く思い出せない。何を書いたのか気になるので、封をするために止めてあった花形のシールをはずし、中身をだして読んでみる。
内容は、なんでこの手紙を書こうと思ったのか、なんでタイムカプセルを作ろうと思ったのかが書いてある。
更に手紙を読み進めていこうとしたその瞬間に
「蘭?蘭ー!らーんー!!」
「!、ひまり?どしたの?」
「何回呼んでも反応しないから何かあったのかなって」
「あぁ、ごめん。で、なに?」
「そろそろ予約してる時間だから、Circleに行こーって思って」
「もうそんな時間?うん、わかった。行こうか」
気づかないうちに考え込んでみたいで、もうみんな先に行っていた。とっさに手紙をポケットに突っ込み、先に行った皆の後を追いかけた。
………
最後のパートを弾ききり、演奏は終了。
…うん、今日もいい感じ。でも、ギターソロの場所で少し間違えてたから直さないとかな。
練習を終えた感想を心の中で呟きながら、ちらりと時計を見ると、時計の針はそろそろでなくちゃいけない時間をさしていた。
「みんなお疲れ様〜!」
「おつかれ、今日もいつも通りだったね」
「でた、蘭のいつも通り〜」
「いつも通りなんだからいいでしょ?」
「ま〜ね〜」
「片付けして出るかー」
「うん、そうだね」
使った機材などを片付けて、忘れ物もないかチェック。無くなったものもないのでスタジオを出る。お店の人に軽く挨拶をしながら外に出ると、すでに辺りは少し暗くなってきていて、星もチラホラと見える。
6時を少しすぎたくらいだけど、冬だから日が沈むのが早くなっていてもう2〜30分もすれば、日も完全に沈んでさらに暗くなるとわかる。
「もう暗くなってきてるし早く帰ろうぜ」
「そうだね、それに寒いし…」
「さんせ〜い、こう寒いと眠くなっちゃうしね〜」
「さ、さすがに外で眠くはならないかな…?」
「えぇ〜、そう〜?」
「眠いなら家で寝る!ほら、早く帰ろ?」
そんなくだらないことを話しながら帰る。
別れるところで「また明日」と言い、それぞれの家へ帰っていく。帰宅し、ただいまと言いながら家に入るけど、返事がないのでまだ誰も帰ってきてないのがわかった。
自分の部屋に戻り、背負っていたギターケースからギターを取りだしスタンドに立てかけてから、部屋着に着替える。
あ、手紙のこと忘れてた。
脱いだばかりのパンツのポケットからクシャクシャになった紙を取り出し、破れないよう慎重に広げていく。
ひまりに呼ばれて最後の方まだ読めてなかったんだよね、とクッションに寄りかかりながら座り、途中まで読んでたところから、再び読み進めた。
………
「みらいのあたしは大丈夫ですか…って、あたしこんなこと書いてたんだ」
昔の自分が書いたことを読んで少し恥ずかしさを感じる。
何に対しての大丈夫なのかはわからないけどあたしは大丈夫だよ、と数年越しの自問に答えながらさらに読み進める。
他にも、身長はどれくらいになりましたか?とか、グリンピースは食べれるようになりましたか?とか。他愛ない質問が書いてあったりして、懐かしいなぁって過去に耽ったりして。
あ、グリンピースは食べ物じゃないと思ってるから。食べれるようになるとは思わないでね、過去のあたし。
最後まで読み終わったと思ったら、紙の隅っこに小さな文字でなにか書いてあった。こんな隅に何を書いたのか気になり、目を凝らしてみるとこう書いてあった。
『みらいでも、あたし達はいっしょにいますか?』と。
…なにこれ、みんなとバラバラになるか心配してるの…?
ほんとに…あたしってば馬鹿だなぁ。
…ちゃんと、一緒にいるよ、大丈夫、心配しないで。あたし達はいつも通り、ずっと一緒だから。たまに喧嘩したりするけど、バラバラになることは絶対にないから。
「だから、心配しないで」
目を瞑り、微笑みながら、あたしは独り言を呟いた。
………
その後、手紙を読み終え少ししてから、キザったらしい事を言ったのが恥ずかしくなりベッドで足をバタバタしていると、ちょうどお父さんに見られ更に恥ずかしかったのはナイショの話。