ハーメルンバンドリ作家合同企画(テーマ交換・オリキャラ無し) 作:大里野上
テーマがシチュエーションを限定しているものであり、作家がいかにそのシチュエーションを面白く書くか、何を取り入れるか、楽しみになりますね。
テーマ「Roselia 闇鍋」
作者ホーム https://syosetu.org/?mode=user&uid=202903
紹介作品 https://syosetu.org/novel/196831/
作者Twitter https://mobile.twitter.com/sswriterhameln
作家ご本人の書いた前書き
初めましての方は初めまして。ご存知の方は、どうも。
希望光と申します。
今回はこの、『バンドリ作家合同企画』に参加させていただきました。
大里様、ありがとうございます。
今回のお題は、『Roseliaで闇鍋』というものだったのですが……正直私の表現力で何処までRoseliaを表現できるか……また、彼女達を生き生きとさせられるかなど不安な事だらけ且つ、初めての試みでしたが、なんとかやり遂げたので、見て頂けると幸いです。
と、前置きはこの辺にして本編の方をどうぞ。
※注:微ホラーの可能性がありますのでご注意下さい。
とある日、Roseliaのメンバーは、今井家へと集まっていた。
「今日は何の用かしら。練習は休みだけれど、なんで食材を持って集まれなんていったの?」
「それには同意見です。説明してもらえますか?」
友希那と紗夜が、リサへそう言うのだった。
「あー、えっとね。実は今日、みんなで闇鍋をしようと思って」
「「闇鍋?」」
リサの言葉に、2人は口を揃えて聞き返すのだった。
「うん☆」
「なんでまた闇鍋なのかしら」
「それはね———」
リサの言葉がそこまで行った途端、トテテテと言う足音ともに、あこが現れた。
「あこ達がやろうって提案したからだよ!」
「そうなの?」
「うん。で、アタシと燐子もそれに賛成したってわけ」
リサの言葉を聞いた紗夜と友希那は、若干引くのであった。
「そんな露骨に引かなくても……」
2人に引かれたリサは、若干落ち込むのだった。
「あの……お2人は……食材は持って来られましたか?」
「ええ。リサに何か食べ物を持ってきてといわれたから」
「私も今井さんに同じことを言われたので、用意してきました」
あこの背後から現れた燐子に尋ねられた2人は、そう答えるのであった。
「じゃあ、早速準備しよっか☆」
「ふっふっふっ……我らがRoselia……今深淵の闇に誘われし……えーっと……りんりん!」
「……漆黒の宴」
「漆黒の宴ぇ!」
それを合図に、リサが土鍋をテーブルの上に置いた。
「あ、私達の分の具材も出してこないと」
「その後は部屋を暗くして……具材を入れるだけ!」
そう言ったあこは、燐子と共に部屋のカーテンを閉め始めた。
「……嫌な予感がしてきたわ」
「……私もです」
そう言った紗夜と友希那を他所に、3人は着々と部屋の準備を整えていく。
それも、やる気満々と言った具合に。
「……燐子が大分乗り気みたいね」
「今回提案したのが燐子だからね☆」
そう言ったリサは、燐子の方へと視線を向けた。
それに釣られて、紗夜と友希那も同じ方を見る。
「白金さんがですか。意外です」
「そうね。ところでリサ、私達は何かやることはあるのかしら?」
うーん、と少し考え込んだリサは、こう言うのであった。
「じゃあ、手を洗ってきて☆」
「……それは手伝いではないと思うのですが」
「紗夜の言う通りだわ」
「やる事がないんだよね〜……。正直3人で手が足りてるし」
「そう。ならリサの言う通りにして待たせて貰うわ」
そう言って立ち上がった友希那は、洗面所へと向かった。
「私もそうさせてもらいます」
紗夜も友希那に続いて洗面所へと足を運んだ。
そして、洗面所から2人が戻ると、
「じゃあ、早速始めよっか☆」
「待ってました!」
「その前に……今日の説明を……」
「あ、そうだった。じゃあ燐子、説明よろしく☆」
リサに頼まれた燐子は、全員に向けて説明を始めるのであった。
「今回の闇鍋の……ルールを説明します……。先ずくじ引きで決めた1番手から順に……1人2回、時計回りに具を引き揚げていきます……」
「トップバッターから時計回りに2周するのね」
はい、と燐子は友希那の言葉に頷くき説明を続けた。
「このルールで……第1ラウンドと具を総入換した……第2ラウンドを行います」
「第2ラウンドまであるから、食材を2種類用意しろと言ったのですね」
「そーだよ☆」
「そして最後に……引き揚げた食材は必ず……完食してください」
その言葉に、一同は頷いた。
「では……今井さん……くじの方お願いします」
「オッケー☆あこ、引いて」
「……じゃあ、これ!」
そう言って、リサが持っていた5本のくじのうちの1本をあこが引いた。
そこに書かれている名前は、あこの名前であった。
「お、あこが1番だね」
「じゃあ、あこから時計回りなのね」
「となると……宇田川さん、湊さん、私、今井さん、白金さんの順番ね」
「そう……なりますね」
順番が決定したところで、リサが部屋の明かりを落とした。
「じゃあ、具材入れて行こうか」
「そう言えば今回『闇鍋』ですが、汁は何なのですか?」
「今回は坦々胡麻だよ〜。あ、辛くは無いよ」
「なるほど」
紗夜は納得した様に頷くのであった。
そして、1人ずつ暗闇の中で持ち寄った具材を投入していく。
全員が具材を入れ終えた後、暫しの間煮込んだ。
「よし……そろそろかな。じゃあ、あこ」
「フッフッ……我が闇を含みしこの……」
「……灼熱の窯」
「灼熱の窯を食す用意はいいか!」
あこが全員にそう促す。
「もちろんよ」
「私もです」
「オッケー☆」
「私も……大丈夫」
全員からの了承を確認したあこは、取皿と箸を手に取った。
そして、ぐつぐつと音を立てる鍋から、適当なものをすくい揚げ、自身の持つ取皿へと移した。
「では……いただきます!」
「あこちゃん……熱いと思うから……気を付けてね……」
心配する燐子を傍らに、あこは自身が取った具材を口に運んだ。
「……あこは何を取ったのかしら」
「それは本人に聞いてみなければ考え様がありませんね」
と会話を繰り広げる2人を他所に、あこは自身の口の中にあるものが何なのかを考える。
「なんか……ヌメヌメするけど、ホクホクもしてる……」
「ヌメヌメするけど」
「ホクホクしている?」
あこの感想に、紗夜と友希那は首を傾げるのであった。
「でも、美味しいです!」
「食べ終った?」
「うん!」
「じゃあ、次は友希那だね」
「そうね」
リサに促された友希那は掴んだ箸を、鍋の中の具材に箸を伸ばす。
そして、掴んだ食材を躊躇うことなく取皿へと移す。
「いただくわ」
それだけ言った友希那は、取皿の中にある食材を箸で掴み口元へと運ぶと、それを一口齧った。
「……ッ?!」
それを齧った直後、彼女は異常な反応を見せた。
「ゆ、友希那?!」
「湊さん?!」
リサと紗夜が慌てる中、友希那は齧り掛けの具材を何とか取皿に置くと、左手で口元を覆った。
「……誰……こんなものを……鍋の中に入れたのは……」
涙ぐんだ声で、友希那はそう言うのであった。
「ゆ、友希那。何を食べたの?」
「湊さんがそこまで言うなんて……いったい何なのかしら……?」
そんな2人に対して、友希那はこう答えた。
「ゴーヤよ……! アレは……人の食べるものでは無いわ……」
「ゴ、ゴーヤ?」
「ああ……友希那は苦いもの……特にゴーヤ嫌いだもんね……」
友希那の言葉に、2人はそれぞれの反応を示すのであった。
「……えっと、ゴーヤ入れたの……あこです……」
申し訳なさそうに、あこがそう呟くのであった。
そんなあこを、燐子とリサが慰めるのであった。
「あこちゃん……落ち込まないで……」
「そうだよー。あこが落ち込む必要無いって。それに、友希のだって食べれるよね? だって、Roseliaのリーダーだもんね?」
そう言ったリサは、友希那へと駄目押しで挑発を掛ける。
対する友希那は、その言葉に反応するのであった。
「……もちろんよ。私はRoseliaのリーダー。これぐらい食べられて当然だわ」
「そうかなくちゃね☆」
まんまとリサの口車に乗せられた友希那は、取皿に入っているゴーヤを震えながらも箸で掴むと、口へと含んだ。
「……ッ!」
口の中でゴーヤを噛んだ友希那は、再び涙目になりながら、口元を覆うのであった。
そして、数分の格闘末、友希那はそれを飲み込んだ。
「……食べ……たわ……」
「友希那?! 顔真っ青だよ?!」
「大丈夫よリサ……これぐらいはなんとも……」
「え、えーっと……次に進めても……」
「構わないわ……」
燐子に尋ねられた友希那は、進める様に促すのであった。
「じゃ、じゃあ……氷川さん……」
「わかりました」
紗夜は、流れる様な動作で箸を掴むと、迷う事なく鍋の中から具を引き揚げる。
そして、1度取皿を経由してから口へと運んだ。
「……こ、これは……!」
「ど、どうしたの紗夜?! 辛いものでも引いたの?」
「い、いえ……。ただ、少し嫌な感覚がしただけです……」
そう言った紗夜は、暗闇の中で他のメンバーには分からなかったが、渋い顔をするのであった。
「で、紗夜は何を引いたの?」
「恐らくですが……人参……」
「それなら……恐らく私が入れたものね……」
「湊さんが……」
ええ、と頷いた友希那はこう答えるのであった。
「冷蔵庫の中のものを適当に取ってきたら、それだったのよ」
「そ、そうなの……」
「急に言われたものだったから」
リサは
「まさか……人参が入っているなんて……。迂闊だったわ……」
「え、えーっと紗夜……早いところ食べよ?」
「少し……心の準備を……」
その一言を聞いたリサは、紗夜が人参嫌いである事を悟った。
「……行きます!」
意を決した紗夜は、箸で掴んでいる人参を即座に口に入れると、飲み込むのであった。
「……食べました」
「えっと、紗夜も大丈夫……?」
「ええ……なんとか……」
「まさか……闇鍋がこんなに恐ろしい物だったとわ……」
「私も知りませんでした……」
———絶対に違うと思う。
その言葉を、リサは必死になって飲み込むのであった。
「取り敢えず、次はアタシの番だね」
「リサ姉、気をつけてね……」
不安そうに見守るあこを傍に、リサは箸を鍋の中へと伸ばす。
「じゃあ、これ」
そう言って、箸で掴んだものを取皿へと移した。
「いただきます」
全員が固唾を飲んで、リサの反応を見守る。
そんな事など露知らずのリサは、自身が引き揚げたソレを口の中へと運んだ。
「……ん?」
「どうかしたの、リサ?」
「これ……美味しい☆」
「「「「へっ?」」」」
突然のリサの言葉に、一同は同じ反応を示した。
「あなた、今何を食べてるの?」
「うーん、なんだろう。魚なんだけど……どこかで食べたことあるんだよね〜」
「そ、それ……多分私が入れたやつです」
燐子がそう言った。
「りんりんは、何を入れたの?」
「鮭の……切り身……」
「鮭の切り身ですか」
「あ、じゃあこれ鮭か。この鍋の汁で煮詰められてて美味しくなってるよ〜」
と、リサは満足げに言うのであった。
「なんか、私達だけハズレを引いてる気分ね」
「同感です、湊さん」
「食べ終わったよ」
意見を合致させている2人を他所に、リサは鮭を食べ終えるのであった。
「じゃあ次は……私……ですね」
「りんりんファイト〜!」
あこの声援を受けた燐子は、鍋へと箸を伸ばす。
そして、箸が何やらプニっとした食感のものをとらえる。
「……?」
燐子は首を傾げながらも、ソレを自身の取皿へと移した。
「なんでしょう……これ?」
「何々? どうかしたの?」
「何だか……不思議な感触で……。兎に角……食べてみます」
そう言った燐子は、恐る恐ると言った具合で掴んでいるものを口の中へと運んだ。
「……あ、これお豆腐です」
「お豆腐?」
「それでしたら、私が入れたものです」
あこが首を傾げていると、紗夜がそう答えたのであった。
「やはり私と紗夜だけハズレを引いたのね……」
「その様ですね……」
「2人とも〜そんなに落ち込まないで〜。まだこの回2周目があるんだから」
「そういえば、そんなルールだったわね」
と、言ったところで燐子が豆腐を食べ終えたので、再びあこから時計回りに鍋の中身を食していく。
「じゃあ、これ!」
あこが高らかに引き揚げたのは、鮭の切り身であった。
「これは……鮭だ!」
「じゃあ、次は私ね」
素早く食べ終えたあこを見て、友希那は僅かに震える箸で鍋の中身を引き揚げる。
そして、取皿に移した具をそっと口の中へと運んだ。
「……これは豆腐ね。美味しいわ」
それだけ言った友希那は、先程とは打って変わって素早く平らげた。
「では、私ですね」
間髪入れずに紗夜が鍋から具を引き揚げ、それを食べた。
「……これは……恐らくですが、最初に宇田川さんが食べたものですね。この味は……里芋?」
「それなら、アタシが入れたやつだよ」
紗夜の疑問に、リサが答えるのであった。
そんな紗夜も、1周目よりも早く食べ終えるのであった。
「じゃあアタシか。……っとこれは、ゴーヤかな?」
リサは、躊躇う事なくそれを口の中へと入れた。
「うん。中々イケる」
「……正気を疑うわ」
「そんな酷いな〜……」
「事実よ」
友希那とそんな会話を繰り広げるリサであったが、普通にゴーヤを完食した。
「この回最後……ですね」
そう言った燐子が、箸を伸ばす。
そして掴んだものは———
「人参……かな?」
掴んだ感触で予想を立てた燐子は、それを食べた。
「人参……でした」
と言った具合で、闇鍋の第1ラウンドは終了した。
そして、リサが鍋の中身を一旦全て引き揚げ、新たに具材を投入していく。
「じゃあ、仕切り直して第2ラウンド行こっか☆」
「そうね。このままでは終わらないわ」
謎のスイッチが入ったらしい友希那が、そう答えた。
「お、友希那〜。乗り気だね〜」
「やるからには全力で行くわ」
「私も負けていられません」
友希那の言葉を聞いた紗夜もまた、己を奮い立たせるのであった。
そして、先程と同様に持ち寄った食材を鍋に投入して、十数分程度煮込むのであった。
「じゃあ、またくじ引きだけど……あこもう1回頼める?」
「あことしては、りんりんに引いてもらいたいんだけど」
「そう? じゃあ燐子、頼んでも良い?」
「……はい」
燐子は、リサに差し出された5本のくじのうちの1本を引き抜いた。
そのくじが示したのは、紗夜であった。
「えっと、紗夜から時計回りね」
「ということは、紗夜さん、リサ姉、りんりん、あこ、友希那さんの順番だね!」
「わかりました」
覚悟を決めたらしい紗夜は、決意の篭った口調で受け応えると、鍋の中身へと箸を伸ばした。
「……では、これを」
紗夜は、箸で掴んだものを自身の取皿へと移した。
そして、息を吹き掛け冷ましてから口の中へと運んだ。
「これは……味が染みていて美味しいです」
「……どうやらハズレというわけでは無いみたいね」
紗夜の反応を見た友希那は、そう呟くのであった。
「紗夜は食べ終わったみたいだし、次はアタシだね」
続いては、リサが鍋へと箸を伸ばした。
「じゃあ、アタシはこれ」
暗がりの中で、漸く掴めたそれをリサは自身の取皿へと運んだ。
そして、紗夜と同様に覚ましてから口の中へと入れた。
「……ん? なんだろうこれ……」
「今井さん、その……どんな食感……なんですか?」
「なんだろう……べちゃっとしてる……」
リサは正体不明のそれを、食べ切った。
そして、リサが食べ終えたのを確認した燐子が、鍋へと箸を伸ばした。
「私はこの……柔らかそうなものを」
「りんりん、何取ったの?」
「なんだろう……? お肉かな?」
燐子は恐る恐るといった具合で、箸で掴んだものを食べた。
「……お肉だ。豚肉……?」
「あ、それならアタシが入れた奴だよー」
「今井さんが……ですか。とても……美味しいです」
そんな会話を続けている間に、燐子は食べ終えた。
「次はあこの番ですね!」
あこは意気揚々と、鍋の中身に箸を伸ばした。
「……これだ!」
高らかな叫びと共に引き揚げたそれを、あこは齧った。
「……ッ?!」
直後、あこは声にならない呻きをあげた。
「あ、あこちゃん……?!」
「あ、あこ?! どうしたの?!」
そんな様子のあこに、リサと燐子が駆け寄った。
「こ、これ……ピーマンだ……」
暗がりで伺えないであろうが、その瞳に涙を溜めたあこは、そう言った。
「そのピーマンなら、入れたのは私よ」
「湊さんがですか」
「さっきも言ったじゃない。冷蔵庫のものを適当に取ってきた結果だって」
と言うことを、友希那は若干のドヤ顔で言うのであった。
「うぅ……りんりん……」
「あこちゃん……食べなきゃ……」
「そうだけど〜……」
「ほら、あこ口開けて。食べさせてあげるから」
燐子に泣きつくあこに、リサはそう告げた。
「……うぅ……」
「ほら頑張ってあこ。飲み込んじゃえば一瞬だよ」
「あこちゃん……これ食べられたらもっと……カッコ良くなれると思うよ」
燐子の言葉に、本当? とあこは尋ねるのだった。
「……うん。私は、ピーマンを頑張って食べたあこちゃんの方が……今よりもカッコいいと思うよ」
「アタシもそう思うな〜。これ食べれば、闇の力が強まるかもよ〜?」
「2人がそう言うなら……」
2人に促されたあこは、リサの差し出した齧り掛けのピーマンを口に含んだ。
そして、目をギュッと瞑りながら、その苦味に耐えながら噛み砕き、飲み込んだ。
「凄いじゃんあこ。ちゃんと食べれたじゃん!」
「あこちゃん……凄く……カッコ良かったよ」
「……えへへ。ありがとう」
そう言ったあこの表情は、無理に作った笑顔といった具合だった。
「———じゃあ、この回最後ね」
そんな中、友希那の言葉が木霊する。
「いくわよ」
それだけ言った友希那は、迷う事無く箸を鍋へと伸ばした。
そして、箸に絡まった何かを掬い上げる。
「なにかしら?」
疑問に思いながらも、それを口の中へと運んだ。
「これは……ラーメン?」
「多分……あこが入れたやつです……」
先程より若干落ち着いたあこが、そう言った。
「美味しいわ」
友希那はそれだけ告げ、完食するのだった。
それを見た一同は、次が最後ということに対して、改めて気持ちを入れ替えた。
「じゃあ、この回で最後だね」
「そうなりますね。中々厳しいものでした」
「でも……結構楽しめたと思います」
「それには賛成ね」
「……我が産みし闇を、徳と堪能できたであろうか……」
「あこちゃん……無理しないでね……」
「大丈夫だよりんりん……」
「少し待ってからにしましょう」
紗夜の提案により、あこの調子が戻りきった所で2周目に入ることとなった。
そして、あこが元に戻ったと思われるあたりで、紗夜が口を開いた。
「皆さん、準備は?」
「オッケーだよ」
「できているわ」
「私も……です」
「あこもいけます」
それを聞いた紗夜が、再び鍋の具へと箸を伸ばした。
そして、おもむろに具を引き揚げた。
「……では、いただきます」
最後の回ということもあってか、紗夜からはある種のオーラが感じられるのだった。
「……これは、麺ですね」
「ということは、ラーメンだね」
リサがそう返すのであった。
そして、紗夜が食べきると同時ぐらいで、リサが鍋の中身へと箸を伸ばす。
「じゃあ、これ」
そう言って、引き揚げたものを冷ましてから、口の中へと運ぶ。
「……あ、これピーマンだ」
リサは少し驚いた様な声を上げていたが、何事もなかったかの様に完食するのであった。
「私も……行きます」
意を決したらしい燐子は、直感的な位置へと箸を伸ばした。
「これ……!」
漸く掴むことができたそれを、取皿を経由して口の中へと移した。
「……なんでしょうか、これ。凄く……ペチャペチャします……」
首を傾げる燐子ではあったが、難なく食べ切った。
「次は……あこの番……!」
先程の事もあってか、あこは慎重に鍋の中身へと箸を伸ばしていった。
そして、先程とは違った感触のものを掴むと、取皿に移す。
「……なんだろう? プルプルしてる」
首を傾げながらも、あこはそれを口の中へと放り込んだ。
「……ん? 美味しいです!」
そう言ったあこは、満面の笑みを浮かべていた。
「本当の最後……いくわよ!」
ある一点に狙いを定めた友希那は、その箇所へと箸を伸ばす。
そのまま、そこにあったものを掴むと、自身の取皿へと移し、冷ました後に口の中へと入れる。
「……これは、大根ね。味が染み込んでいて美味しいわ」
そう感想を告げた友希那も完食し、闇鍋は終了を迎えた。
その後、片付けをした一同は、食休みを取るのであった。
「中々お腹に溜まるものね」
「ええ。あの量だけしか食べていないとは言え、満腹です」
「アハハ、2人ともなんだかんだノリ気になってたからね☆」
「紗夜さん」
そんな感じで会話を繰り広げている中、あこが不意に紗夜へと問い掛けた。
「宇田川さん、どうかしたの?」
「紗夜さんは、結局なに入れたんですか?」
「……そ、それは……その」
「ポテトとかだったりして?」
リサが冗談めかしてそう言った瞬間、紗夜は顔を赤く染めて背けるのだった。
「え、紗夜……もしかして……」
「食品なら……なんでもいいと言われましたので……」
「じゃあ……私と今井さんが食べたのって……」
「煮込んだポテトみたいだね……」
そう言ったリサは、苦笑するのであった。
「りんりんは? 何入れたの?」
「私は、大根を……」
「私が最後に食べたやつね」
「紗夜が最初に食べたやつもそうじゃ無いかな?」
「恐らく……」
未だに顔の赤い紗夜が、そう返した。
「で、友希那さんがピーマンで、リサ姉が豚肉だっけ?」
「ええ」
「そうだよ☆」
「で、あこがラーメン……アレ、おかしいなぁ……」
全員が入れたものを確認したところで、あこが急に首を傾げた。
「何がおかしいの?」
「……友希那さん、そのですね……あこ、最後に食べたのが
「……? それがどうかしたのかしら?」
「その……《[誰がこのこんにゃくを入れた》》のかなー……って思って」
あこのその一言に、Roseliaのメンバー諸共、部屋の空気が凍りつくのであった。
はい、こう言った感じでしたが……いかがだったでしょうか?
恐らく……というか確実に、他の参加者の方々に比べて、能力が足りていないものだったと思います……。
ですが、楽しんでお読み頂けていたら、私としては幸いなことです。
最後に、こんな未熟者を企画に参加させて下さいました大里様ありがとうございます。
次回以降の企画も、機会があれば参加させていただきたいです。
では、私はこの辺りで……次の方の作品もどうぞお楽しみに!