ハーメルンバンドリ作家合同企画(テーマ交換・オリキャラ無し) 作:大里野上
テーマ「サイエンス・フィクションもの」
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「あこちゃんは私だけの物だよ?」
どうしてこうなったのか、この言葉に尽きる
私はまた選択肢を間違えたのか
「あこちゃんが悪いんだよ?私以外の人の事考えるから。あこちゃんは私の事だけ考えてればいいんだから 」
彼女はそう言って私の心臓に凶器を突き刺す
もう慣れてしまった痛みだ
幻聴か、ゲームオーバーなんて声が聞こえた気がした
何度も何度も、止まることは許されないジェットコースターは
いつ終着点に着くのだろう
「──ろ、起きろあこ」
「・・・お姉ちゃ、ん」
起床を促す声が聞こえ目を開けると見飽きた天井と心配そうに私の顔を覗き込む姉の顔が見えた
「おはよう、あこ。魘されてたみたいだけど大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
魘されてた、か
あれが夢であってくれればどれくらい良かったか
汗のせいか、体がベタベタで気持ち悪い
「シャワー浴びてくるね」
慣れたと思っていたけどやっぱり慣れないものだなぁ
親友に─されるのは
始まりはいつだっただろうか
親友、白金燐子がヤンデレ化したのは
何を言ってるのかわからないと思うけど私にもわからない
家で遊んでいたらいきなり押し倒してきた
その時は悪ふざけかと思ったけど彼女はそんな事するような性格ではない
そんな事考えてると彼女は私の口を口で塞いだ
キスだキス
驚いた、初めてが同性の無理矢理とは
抵抗はした
でもダメだった
彼女は非力だったけど私に覆いかぶさる状態だったからビクともしなかった
どんどんキスはこどものものから大人の深いものへと変わっていた
頭がぼーっとしてなにも考えられなくなった
私の口内は彼女の下で蹂躙され彼女色に染め上げられる
とてつもなく長く感じたそのキスは終わり私と彼女には銀の橋がかけられた
そこで私の意識は途切れた
いや、途切れてしまったと言うべきか
目が覚めると見覚えのない天井だった
ふと腕に重みを感じ視線を落とせばなんということでしょう、手枷がはめられている
しかも鎖で繋がれている
その時の私は混乱し彼女の名前を呼んだ
「りんりん!りんりん!何処にいるの!」
結構な大声を出したけど返事はない
彼女は居ないのか
「なんなの、これ・・・」
私はその状況を理解出来なかった
いや、したくなかったのかもしれない
意識が無くなる前に会ったのは彼女だけ
しかも彼女は私に何をした?
馬鹿な私でもわかった
この状況は彼女が作り出したものだと
その事実に私は余計に困惑した
どうして彼女がこんな事をしたのか
そんな事を考えていると鍵の回る音がした
彼女が帰ってきたのか・・・?
ぱたぱたと、足音が聞こえてくる
その足音は次第に大きくなる
それと同じように私の鼓動も大きくなり速くなる
足音が止むと甲高い音を立てて部屋の扉が開く
そこに居たのは
「やっぱり、りんりんだったんだね」
紛れもなく親友、白金燐子だった
「ただいま、あこちゃん」
「ただいまって・・・ねぇりんりん、なんでこんなことするの?」
私は冷静だった、自分でも理解できないほどに
「だって、あこちゃんが悪いんだよ?私以外の女の話ばかりで私の事はなにも言ってくれないんだから。あこちゃんは私だけを見てればいいんだよ?」
彼女は淡々と、まるで当たり前だと言うようにそう言った
(私の意思は無視なんだ)
「ねぇ、りんりん。私達は親友だけどさ、恋人じゃないんだよ?恋人にしても以上だけどさ?」
そう言うと彼女は表情を曇らせて慌てたように言う
「え・・・?何言ってるの?あこちゃんは私のモノでしょ?」
もはや理解するのもめんどくさかった
「やめてよ、気持ち悪い」
私らしくないとは思った
でも私もいつまでも子供ではない
「私の意思は無視して私のモノ?ふざけないでよ。確かにりんりんのことは好きだよ?でもそれは親友として、別に女の子同士の恋愛を否定はしないけど少なくとも私は男の子が好き。だからさっさとここから出して!」
自分でも驚く程饒舌だ
彼女は俯いて何かを呟いている
表情は見えなかった、だがその姿は不気味だった
彼女は顔をあげると服のポケットからなにかを取り出す
それは、ナイフだった
「りんりん、何するつもり・・・?」
聞いてみたが彼女はなにも答えない
彼女はそのナイフで私の胸を刺した
痛みを通り越して熱い
私はその突き抜けるような痛みに咽び泣く
彼女はナイフを抜き刺す
何度も何度も機械の様にそれを繰り返す
その度に何かが削られる様な感覚がした
体の感覚が無くなってきた
視界もぼやけ
そして暗転した
そんな事が何度も繰り返し1ヶ月はたっただろうか
繰り返していく中わかったことがある
私の行動によって目が覚める日が変わるということ
選択肢を間違えればゲームオーバー
正解なら新しい展開がある
まるでゲームの様だ、なんてね
そんな事ありえないのに
何考えているんだろう
「あれ・・・」
視界がぼやけてきた
こんな事1回もなかったのに・・・
「あこちゃん!」
あれ、なんでりんりんが
そこで私の意識は途切れた
目が覚める日と真っ白な天井だった
顔を傾けると点滴があり、それが繋がれている先は私だった
体を起こそうとしても力が入らない
声を出そうにも喉が渇いて声が出ない
困ったな、と呑気に考えてると扉を叩く音がした
その先にいたのは
「・・・あこ?」
お姉ちゃんだった
お姉ちゃんは私が起きている事に気づくと慌てて私の傍に駆け寄ってきた
「よかった、目が覚めたんだな!今先生を呼んでくるからな!」
お姉ちゃんはそう言うと走り出した
病院では走っちゃダメなのにな
しばらくすると白衣を着た医者らしき人が来た
「宇田川あこさん、大丈夫かい?喉が渇いているだろう」
そう言って水を差し出してきた
私はそれに警戒する
何回目かは忘れたが彼女に睡眠薬を盛られた記憶がある
しかし喉が渇いたのも事実
素直に頷いておこう
「ありがとうございます」
力を振り絞って出たのは掠れるような声
私が体を動かせないのに気づいたのか医者らしき人は水を飲ませてくれる
水がこんなに美味しいと感じることはないだろう
「さて、君はどういう状態か理解してるかい?」
「・・・いいえ」
目眩がして倒れたと思ったら病院
意味がわからない
いやわからないことはないが
不可解なことがいくつもある
「私はどれくらい眠っていたんですか?」
こんな状態なのだから相当長く眠っていたのだろう
そう思っていた私に医者は衝撃の事実を突きつける
「1ヶ月弱だね」
そんなに・・・
「君は今までゲームの中にいたんだ」
は?
私の頭はイカれたのだろうか
「君は今までゲームの中にいたんだ」
「2回も言わなくていいです(全ギレ)」
なんか、今まで考えてたのがバカみたい
しかもゲームにしてもタチが悪い
あんなのクソゲーだ
「で、ゲームってどういう事ですか?」
「それは彼女に聞いてくれたまえ」
「彼女?」
なんだろう
嫌な予感がする
「あこちゃん・・・おかえり」
「」
待って、どういう事・・・ん?
彼女しか出ないゲーム?
彼女はゲームの中でどんなことを言っていた?
『あこちゃんは私の事だけ考えてればいいんだから』
「まさか・・・りんりん」
「あこちゃんが悪いんだよ?だって──」
もうゲームであって欲しい
助けて、お姉ちゃん