『魔術師』
それは、魔術と呼ばれる奇跡の業を用い万物の心理を追い求める誇り高き探究者ーー
そんなことはどうでもいい!!!
俺は前世で、ある男に憧れていた…その男の名は、
『ロックオン=ストラトス』
またの名を、
『ニール=ディランディ』
飄々としていながらも、心の中には煮えたぎるようなテロを憎む想いがあるなどギャップを感じさせるキャラではあったものの、俺が尊敬し畏怖したのは射撃における絶対的自信と精度。男として俺はこんな人になりたいと思っていた。
そんな願いが叶ったのか、俺はロックオン=ストラトスまたの名をニール=ディランディの姿として生まれ変わった。これから俺はロックオンとして生きていくのかとワクワクしていたのだが、俺が生まれ変わったのは地球ではなく科学の科の字もない世界だった。代わりに魔術というものが発展した世界だった。
絶望した。だが同時に違う希望が見えてきた目に見えた戦争はなくなっていたが『天の智慧研究会』という組織が世間を騒がせていた。奴らが行っているのは非人道的な人体実験にテロ行為などおおよそ外道と呼ばれる事だ。テロ行為というだけで俺こと『ニール=ディランディ』が動く理由になる。この名前を聞いた時、運命を感じざるを得なかったとそんなことを考えていた。
数年後、十五歳の夜
「昔の俺はのんきなもんだった。ロックオン=ストラトスになれるとかそんなおとぎ話を見ていられたんだから、あの世界のロックオンはつらい目にあって決意をして覚悟を決めて戦った。それなのに俺という男は俺自身に酔ってしまった。それがこのざまだ」
ニールの周りには、魔術師たちの残骸が転がっていた。
「最初は正しいことをしたはずなのに涙が止まらなかった。今では涙すら出ない」
最初に、銃で外道を殺した。始めて目の前で人を撃った時は気持ち悪くて何もできていなかった幸い撃たれた外道は、即死だったため返り討ちにはされなかった。
「心の中には虚無感だけが残る。誰にも褒められない、認められない。こんな事を彼らは続けていたのか」
外道を倒したのに周りからは何にも思われない。それはそうだろう十歳を過ぎたばかりの子供が外道をたおしたとは誰も思わないし、まず子供が人殺しをしていたという事実が浮き彫りになれば親にも白い目で見られる。得があるのは世界の皆。泥をかぶるのはニール。ニール自身は損しかない。
それでもなお世界のためにみんなのために………
でも、人を殺した罪は消えない。
だから、人殺しをした罰を受けよう、無関係な人を巻き込んだ事も罰として受けよう。
「いずれ罰は受けよう…外道を狩りつくした後で」
こうして彼は孤独の道を歩いて行く、誰にも理解されなくていい。ただ己の信念の赴くままに………
「それが、ソレスタルビーイング」
あの世界とは違い一人しかいない組織。だから目的も少し違う
「外道殲滅を掲げる私設魔術組織」
彼は世界のために一人でその手に力を取る。
「俺の名はロックオン=ストラトス」
こうして今日も彼は戦場へと闊歩する。
第一話 非常勤講師と狙撃手
「……遅い!」
魔術学院東館校舎二階の最奥、二年次生二組の教室。教室の最前列に座るシスティーナ=フィーベルは、苛立ちを隠そうともせずにいた。
「どうゆうこと!もう授業開始時間が過ぎてるのに!」
「確かに少し変だよね……」
システィーナ=フィーベルの一つ隣の席に座るルミヤ=ティンジェルも首をかしげる。
「何かあったのかな?」
少し前に、一から七まである魔術師の位階、その最高位、第七階梯に至った大陸最高峰の魔術師であるセリカ=アルフォネア教授が直々にこのクラスに来て
「今日から、ヒューイ先生の後任を務める非常勤講師がやってくる」
そして、その教授が
「中々、優秀な奴だよ」
と、言ったのだがその前評判は早々に瓦解しそうだった。
(やれやれ、これならまた家でGNスナイパーライフルを整備していたほうがよかったな)
そんなことを考えていると、
「あー悪い悪い、遅れたわー」
「やっと来たわね!あなた魔術学院の講師としての自覚は……ってあ、あ、貴方は!」
「…………違います。人違いです」
「貴方みたいな男の人がそういてたまるもんですか!」
「人に指をさしてはいけないって習わなかったんですか!」
「なんで逆ギレ!?というか授業始めてください!」
「そうかっかすんなよ。……あぁ、だから白髪なのか」
「変に納得しないでください!それと私のは銀髪です!」
はたから見れば、夫婦の痴話げんかそのものだった
(にしても、フィーベルはなんであんなにかっかしてんだ?)
「えー、グレン=レーダスです。短い間ですがよろしくお……」
「自己紹介はいいんで早く授業始めてくれませんか?」
「はぁ~わかったよ。えーと一時限目は魔術基礎理論Ⅱか……」
するとグレン先生は直を手に取り
自習。
そう黒板に書き込んだ
「え?」
「眠いから」
すると十秒もしないうちに、寝息が聞こえてきた
「ちょっと待てええーーーーッ!?」
そこからは、酷いの一言だった。授業は全部自習。やったとしても適当なもの、極めつけは決闘の反故。正にロクでなしに相応しい人間だった。
しかしある日、
「魔術って……そんなに偉大で崇高なもんかね?」
リンという生徒がグレン先生に質問したのがきっかけだった。
「ふん。何を言い出すかと思えば。貴方には理解できないでしょうけど」
普段ならば「ふーん」で話は終わるはずが
「何が偉大でどこが崇高なんだ?」
その日はなぜか食い下がった。
「そ、それは……」
さすがのシスティーナもその反応に戸惑った
そこからは、魔術に対する演説だった。内容は魔術は人殺しに物凄く役に立っているという内容だった。それを聞いたシスティーナは言葉を失い、しまいには
「あなたなんか大嫌い!!」
先生の頬をたたき、泣きながら教室を出て行った。
「あーあ、やる気でねーから自習にするわ」
そう言うとグレン先生も教室を出て行った
(たしかに、魔術は人を殺すのに最適なものだ。だがそれを実感できる奴は魔術を使って人を殺したという事実が付随してくる。グレン先生……あんたはもしかして……)
その時、俺の脳裏には、かつて一度だけ共闘した『愚者』のアルカナをもつ人の後ろ姿がうかんでいた。
「昨日は、すまなかった」
「え?あ、はい?」
次の日の朝、珍しく早くから学院にいるグレン先生がいた。しかも、自分の非を認めシスティーナに謝ったのだ。
(どうゆう風の吹き回しだ?)
「さて、これから授業を始める」
この発言にはクラスのみんなが驚く。
すると、教科書をさらりと見た後に、きれいなフォームで窓から外へとなげた。そして一言
「お前らって本当にバカだよな」
(いきなりなんだ。教科書投げたと思ったらバカ発言。さすがの俺でもキレるぞ)
そして案の定、クラス全体から批判が飛ぶ。だがそれをのらりくらりとかわし、黒板に【ショック・ボルト】の詠唱を書き出した。
『雷精よ・紫電の衝撃以って・打ち倒せ』
「さてこれが、基本的な詠唱だが」
『雷精よ・紫電の・衝撃以って・打ち倒せ』
「こうするとどうなる?」
(この講師何言ってんだ?こんな簡単な問題赤子でもできる)
だが、周りはそうでもなかった
「こりゃ酷い全滅…「右に曲がる」…なんだできる奴いるじゃねーか。お前名前は?」
「ニール=ディランディ」
「そうか、ならニールこれを五節にすると?」
「射程が落ちる」
「一部を消すと?」
「出力が落ちる」
「全部正解。まぁ、極めたんならこれくらいやらねーとな」
誰もが圧倒されていた。ただ、この講師とニールには自分達には見えない何かが見えているのは確かだった。
「それじゃあド基礎を教えてやる興味ないやつは寝てな」
これで寝てる者はいなかった。
ダメ講師グレン覚醒
学院中の中をこの噂が駆け巡った。何でも今までにない術式を覚えるための講義ではなく、その式がどうゆう原理で発動されるかなど、これまでにない講義がなされており、ほかの若い講師が勉強しに来るぐらいに人気になっていった。
(だが、グレン先生よう。なんでそんなに俺に当てるんですかね!)
あれから事あるごとにニールに色々と指名してくる。今まで目立たないようにしていたニールだが、流石にそうもいっていられなくなった。
(最悪だ……あの先公いつか仕返ししてやる)
心の中でそう決意したニールだった。
これが続くかは正直わかりません。好評だったら続きを書きます。バンドリ!の二次創作もよかったら見てください。
この作品の続きを書いた方がいいか
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そう思う
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そう思わない
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バンドリを書け!