あれから長い年月が経ち兄上と義姉様の子孫達は役割を果たして亡くなって逝った。
そして今、
兄上から託された運命の子が10歳になった為、私は偶然か必然かわからないが、兄上と同じ名を持つ大和にこの話をした。
兄上から頂いた菊の紋はこの子が生まれた瞬間に壊れた。
そして生まれ持って兄上の記憶を・・・そして義姉様の記憶を夢という形で見ており兄上達の残した物を全てこの子に託すことに決めた。
そして今、この子を連れて兄上達の墓の前に来ている。
そう・・・・私は兄上に日ノ本大和の物語が始まりを迎えた事を伝える為に来たのだ。
すると墓から・・・いや。この山の封印が解けて私達の前に表れたのだ。
side兄上
どの位経ったのか俺は今、永らく浴びていなかった陽の光を浴びている。
「兄上・・・兄上・・・兄上!」
と声が聴こえる。
恐らくは封印が解けたのだろう。
目を開けると隣には最愛の妻である輝夜が俺と同じ様に目を開け始めて目の前には立派な九尾になった八坂がいる・・・そしてその隣に居るのが
「お主。名はなんと言う?」
と聞くとまだ若い少年はピンと立ち
「日ノ本大和。10歳です。」
と答えた。
「日ノ本大和か。」
と俺は呟き輝夜を起こす。
輝夜が起きたのを確認して
「輝夜。俺達の子孫。日ノ本大和だ。」
と伝えると
「貴方と同じ名前なのにゃ。・・・なら貴方はこれからミナトと名乗るのにゃ?」
「という事になるな。」
と言って2人で立ち上がり
「日ノ本大和。まずは自己紹介をしよう。俺の名は大和。これからはミナトと名乗るがな。」
と言うと次に輝夜が
「私は彼の妻の輝夜にゃ。よろしく大和。」
と言うと大和は頭を下げて
「お会いしたかったです。えっと何代前になるかはわかりませんがお爺様とお祖母様でよろしいですか?」
と聞いてきた。
「そうだな。・・・八坂。この子の両親は。」
と聞くと下を向き
「この子が生まれて直ぐに亡くなりました。この子の母親は兄上達の直系の子孫でこの子を産んで直ぐに・・・父親は輝夜義姉様の妹様の子孫の1人でこの子が1歳の時に私にこの子を託して・・・とあるテロ組織に殺させました。それも私の目の前で。・・・でも兄上の子孫達は兄上の意思・・・志をしっかりと受け継ぎ立派に生き抜きました。そしてこの子は短命の呪いはありません。兄上の望んだ物語の主人公です。私の娘とも仲良くしています。」
と答えてくれた。
「そうか。役目を子孫達は果たしたか。」
と俺が言うと輝夜が
「立派に生き抜いたのね・・・八坂。私の産んだ子はどうなったの。」
と輝夜が八坂に聞くと八坂は
「義姉様の産んだ子は私が九喇嘛と名付けさせて頂きました。
彼は・・・私達日本妖怪の和を日本全国の妖怪達に広めてくれました。彼はいつもこう言ってました。
「父上と母上が私を遺して逝ったのは和を広める為。父上の3大勢力の救済はその第1歩。でも私は父上達ほど優秀ではありません。だからこの日ノ本の国、日本は私が和を広めたい。父上達の物語の序章の為に」といつも言ってました。そしてその言葉の通り彼は日本に和を広め卑弥呼と言う人間にして彼の唯一の弟子と子を作り最後は日本全てを挙げて葬儀を行いました。」
と言っていた。
「あの子を遺したのは間違いでは無かった。
正直に言うと俺はあの子に業を残し過ぎたのではないかと今、後悔しているが」
と言うと輝夜が
「あの子は大丈夫だと私は何度も言ったのにゃ。間違い無かったにゃ。」
と言っている。
「そうだな。輝夜の言うことに間違いは無かった。・・・八坂。今までありがとう。お前を妹に持って俺は幸せだ。」
と言うと八坂は泣き出して
「兄上の為に頑張りました。」
と言って俺にとっては数時間ぶりの・・・そして八坂にとっては数百年ぶりに俺に泣いて抱き着くという行為が行われるのだった。
だが俺と輝夜には最後に本当の仕事が残っている。
「八坂。悪いがここで俺達はお別れだ。」
と言うと八坂は
「どういう事ですか!」
と言って来た。
「俺と輝夜の最後の仕事。それは大和の力の1部となることだ。」
俺がそう言うと俺と輝夜は力を大和に・・・この世界の物語の主人公である日ノ本大和に与えて行った。
少しずつ俺と輝夜の身体は薄くなっていき最後は9割を大和に・・・残りは八坂に力を与えて俺達は本当の役割を果たし終えてほんとうにこの世界から消えるのだった。