「ただいま」
住んでいるマンション6階の玄関のドアをガチャと開ける。
ドタドタと奥から足音が聞こえる。
「「お帰りなさい!」」
妻と娘が玄関に来て俺を出迎えに来てくれる。
娘は俺に抱きついてきた。
「はは。ただいま三緒、三玖」
抱きついてきた三緒をよっと抱っこする。
後ろから三玖がムスッとした顔で俺を見てきた。後でしてやろう...
「そんな顔するなよ三玖後でしてあげるから」
「ホントに?」
三玖が上目使いで見てくる。なにこの生き物。天使かよ。
「あ、ああ」
三玖はくるりと回って...
「楽しみにしてるね」と笑顔で言ってリビングに戻っていった。これは夫婦の営みをするという意味だ。大抵こうなると三玖の機嫌を取るためにはこれしかなかった。以前にも戦国武将とかやってみたが効果はなかった。今日は長い夜になりそうだな。
抱っこしていた三緒を下ろしてリビングに入る。そこで目にしたのは...
「フータローご飯出来てるから」
三玖は腰ちょっと上まで伸びた髪をポニーテールにして言った。料理をするときはいつもポニーテールだ。しかし料理を止めると同時にポニーテールを止める。
机の上に広げられた料理だった。時間は既に7時を回っていた。
どの料理も三玖が全て作った手作り料理だ。こう見えても三玖は今、昔お袋がやっていた上杉家の喫茶店の2代目オーナーをやっている。
俺は一旦寝室に入ってスーツから私服に着替える。
着替え終わると既に席に着いている三玖と三緒が俺を待っていた。料理は家族全員で食べた方が美味しいからな。
いただきますをして料理を口に運ぶ。
うん。美味い。
当時のダークマターとは言えないが石コロッケを作ったやつとは思えない。
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その後お風呂の時間がやってきた。
「三緒。ママと入りましょうね」
「やだ。パパと入る」
「フータローお願いできる?」
「ああ」
俺は二言で了承したあと寝室からパジャマを取ってきた。
風呂の湯船に浸かるとたちまち三緒が俺に抱きついてきた。
「三緒は甘えん坊だな」
「......」
三緒は黙りを決め込んだ。
こう見えて三緒は引っ込み思案で、自信がない。しかし俺に似て頭がよい。
「三緒ね。大きくなったらパパと結婚するの!」
娘には一回は言われたい言葉が出てきた。
「はは。それは楽しみだ」
「ダメ。パパは私のもの」
三玖が風呂のドアを開けて入ってきた。バスタオルを巻いてって入る気満々かよ。
その後三玖と三緒の親子喧嘩をしばらく見させられたフータローであった。
まぁ、幸せならなんでもいい。
次回は四葉編です