「雄英体育祭!! ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!! どーせテメーらアレだろ!?こいつらだろ!? 敵の襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!
ヒーロー科1年!A組だろぉぉ!?」
放送席のプレゼントマイク先生の紹介の元、スタジアムに入場する私たちに、観客席から数え切れない人々の視線が一度に注がれた。
「わあああ…人がすんごい…」
緑谷くんが緊張のあまりか、少しぎこちない歩き方をしながら辺りを見回した。
「大人数で見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか、これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな…」
「めっちゃ持ち上げられてんな…なんか緊張すんな爆豪!」
「しねえよ、ただただアガるわ…」
「ふわァァァ…見てみて!玲奈ちゃん!すっごいね!見渡す限り、人!人!人だよ!」
上から真面目に分析する飯田くん、ソワソワしながら爆豪くんに同意を求める切島くん、とてもヒーローを目指すようには見えない凶悪な顔をする爆豪くん、興奮した様子で私の肩をバンバンと叩く透だ。
「透、痛いって、まあ盛り上がる気持ちも分かるけどね」
私は緊張しながらもこれから始まる大イベントを前にワクワクを隠すことが出来なかった。
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「選手宣誓!!!」
手に持ったムチを鳴らしながら、開会を高らかに宣言するミッドナイト先生、いつ見てもギリギリな衣装だと思う。
18禁ヒーロー ミッドナイト
パッと見、その手のクラブの女王様にしか見えないが、れっきとした雄英教師である、近代ヒーロー美術史の担当をしている。
「18禁なのに高校に居てもいいものいいか?」
思わず呟く常闇くんに被り気味に肯定する峰田くん、彼は本当に素直というか欲望に忠実というかなんというか…。
「静かにしなさい!!選手代表!!1-A 爆豪勝己!」
ミッドナイト先生がそう言うと、爆豪くんは朝礼台へ歩き出した。
「せんせー……俺が1位になる」
ポケットに手を入れながら気だるげにだがとんでもない事を言い放った。
「絶対やると思った!!!!」
「調子乗んなよ!A組オラァ!!!」
「何故品位を貶めるようなことをするんだ!!」
「ヘドロ野郎!!!」
A組のクラスメイトだけでなく、他クラスからも非難轟々だったが、爆豪くんは親指で首を切るポーズをしてさらに外野を煽り立てる。
「さーて!選手宣誓も終わったし、早速第1種目へ行きましょう!! 所謂予選よ!!毎年ここで多くのものが涙を飲むわ!! さて運命の第1種目!今年は!!これ!!!」
爆豪くんの選手宣誓(?)を見事にスルーしたミッドナイト先生は背後に投影されたプロジェクターへ向き直る。
そこには
『障害物競走』
とだけ書かれていた。
「計11クラスでの総当りレースよ! コースはこのスタジアムの外周約4キロ! 我が校は自由さが売り文句、コースさえ守れば何をしたって構わないわ! さぁさぁ位置に着きまくりなさい!!」
ミッドナイト先生が説明をするとスタートゲートが開き、スタートのライトが点滅しだした。
明らかに人数と見合わない広さのゲート、つまりこのスタート地点で既にふるいにかけられているということ。
てことはやる事はひとつ…!
『スターーーート!!』
案の定、我先にと走り出す一同でスタートゲートはごった返す。
私は混雑に巻き込まれないようにと、後ろに下がると、体力テストの50m走のように後ろに向かって水を噴射した。
先頭付近から冷気が漂って来た為、あぁ…やっぱ轟くんがなんかやったんだなと思った。
A組のみんなも予想していたようで各々の方法で回避して前へと繰り出して行っていた。
しかしその先には…
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『さあ!!いきなり障害物だ!!まずは手始め、
第1関門ロボ・インフェルノ!!』
そこには入試の時に戦った仮想敵が居た、しかも0ポイントのお邪魔敵が大量に。
「多すぎる!!向こうが見えねぇぞ!!」
「ヒーロー科のヤツらこんな奴と戦ってたのか!?」
口々にそう叫ぶ他クラスを尻目に抜け道を考える。
目の前で1台のロボットがいきなり氷に覆われて活動を停止した、なるほど轟くんは強行突破か…
A組のみんなも個性を使いロボットの上を飛び越えたり、戦いながら進み始めた。
「まぁ私も上かな?」
私は地面に向かって、水を発射すると、その反作用でロボットの上を飛び越した。
ロボット地獄を抜け出す手前で、確認した所、トップとは少し差があるけど大体10位前後にはいると思う。
ロボット地獄を抜け出すとそこには…
『第2関門はザ・フォール!!! 落ちればアウト!! それが嫌なら這いつくばりな!!』
底が見えない大穴を前に、狭い足場にロープがただかけられているだけのステージだった。
「これ高所恐怖症の人はダメだね。」
私は第1関門で水を使いすぎた為、とりあえずロープの上を渡ることにした。
「まぁ私なら落ちても這い上がってこれるしイケるイケる。」
私が渡り終える頃に、先頭集団は既に最終関門に辿り着いていたようだった。
「…地雷原ねぇ、ここまでやるかねぇ…」
目の前で起こる爆発と吹き飛ぶ人間に、思わずため息が出てしまった。
『ちなみに地雷の威力は大したことねぇが、音と見た目は派手だから失禁瀕死だぜ!!』
『人によるだろ、てか俺必要か?』
プレゼントマイク先生曰く、怪我をするような威力ではないそうだ、相澤先生がボソリと呟いた一言に思わずニヤけてしまったが…
「まあここも飛んでくのが良さそうだね。よーく見ると地雷の位置も分かるけど、避けて進むより強行突破の方が早そうだ。」
ただ地雷原を全て飛んで突破するには残りの水分量が心配なので少しずつ飛んで、地雷がない所に着地することで水分量を節約しながら地雷原を突破することにした。
「予選って言ってたからガス欠になっちゃいけないしね。」
途中、緑谷くんがとんでもない爆発を起こして頭上を飛んで行った以外に特に何も無く、私は障害物競走を完走した。
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「さあ!順位が出揃ったわよ!確認しまくりなさい!!!」
ミッドナイト先生がそう言うと上から順番にプロジェクターに順位が映し出された。
私の順位は…………
水谷玲奈 13位 予選通過
「んー13位か…さすがに10位には入れなかったみたいだね。」
一応後に響かない程度に全力は出したがトップ10には入ることが出来なかった。
「予選通過は上位42名!!残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されてるわ!」
最後に上位42名の顔がプロジェクター映し出された。
「いよいよ次からは本戦よ!!ここからは取材陣も白熱してくるわよ!キバリなさい! さて第2種目は、コレよ!!!」
先程のようにミッドナイト先生がプロジェクターに向き直るとそこには
「騎馬戦」と出た。
「参加者は2~4人で自由にチームを作って、騎馬を作ってもらうわ! 基本は普通の騎馬戦と変わらないけど、先程の順位に応じたポイントが各自に割り振られるわ!」
「入試みてぇなポイント稼ぎって訳だな、わかりやすいぜ」
「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが違うってことだな」
ミッドナイト先生の説明中に誰かが補足していた、結構A組のみんなって思ったことすぐ言うよね、でも先生話してる時に話すと…
「あんたら私が説明してるのにすぐ言うね!!!少しは黙って聞いてなさい!!」
ほらミッドナイト先生怒っちゃった…
「ええそうよ!そして与えられるポイントは下から5ポイントずつ!42位が5ポイントで、41位が10ポイントみたいな感じよ…そして1位に与えられるポイントは…」
『1000万!!!』
ミッドナイト先生がヤケクソ気味にそう言い放った途端、予選1位通過の緑谷くんに一斉に視線が注がれた。
私も思わず見た、私で150ポイント。
2位の轟くんですら205ポイントなのに…
クイズ番組の最終問題みたいなトンデモ倍率に、私は再びため息をついてしまった…
そして一言…
「ここまでやるか雄英高校…笑」
思わず引いてしまった私は正しいと思う。
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