水人間のヒーローアカデミア   作:まーしー34

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初投稿から2年も経つのに未だ原作の4巻までしか進んでいない小説があるらしいですよ(自虐)
亀更新にも程がある筆者で申し訳ございません。
こんな拙作ですが、見てくださる方がいらっしゃる限りは細々とですが投稿していこうと思いますので、暖かく見守っていただけると嬉しいです。

では雄英体育祭、騎馬戦編スタートです!!



第17話 雄英体育祭の巻 (3)

「上に行く者には更なる受難を、雄英に在籍する以上何度でも聞かされるよ、これぞ『Plus ultra!』予選1位通過の緑谷出久くん!!持ち点1000万ポイント!!」

ミッドナイト先生が雄英高校の校訓を交え、改めて言い放った。

 

当の緑谷くんは最初はトンデモな点数と周りの目線というプレッシャーに押しつぶされて、顔面蒼白+滝汗という、こちらもとんでもない事になっていたが、さすがヒーローを目指すだけあって覚悟を決めたような顔つきに変化していた。

 

 

その間もミッドナイト先生からルールが説明される。

簡単にまとめると、

 

1、制限時間は15分

2、個人に振り当てられたポイントの合計かわ書かれたハチマキを騎手は頭に巻く。取ったハチマキは首から上に巻く

3、例えハチマキを失っても、騎馬が崩れても、即座にアウトにはならない

4、ただし、通常の騎馬戦のルールと同じく騎手が地面に触れることや、悪質な崩し目的の攻撃は一発退場となる。

 

これが大まかなルールとなる。

 

 

「てことは42名からなる騎馬、10~12組がずっとフィールドにいるってわけか…」

「一旦ポイントを取られて身軽になっちゃうのもアリかもね。」

「それは全体のポイントの分かれ方を見ないと判断しかねるわ三奈ちゃん」

さっき注意されたばかりなのでヒソヒソではあるが、各々が話し始める。

 

「それじゃこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!!」

 

「「「「「「15分!?」」」」」」

 

周りが途端にざわつき始めた、入学間もなくということもあり、同じクラスならともかく、他クラスの生徒の個性を把握してないという事を考えると短い時間だ。

 

「なるほどね、ヒーローになったら、自身のサイドキックとの連携、他事務所とのチームアップだったり、現場での協力は必要不可欠…こないだの戦闘訓練もそうだったしね。」

私がそう言うと、周りにいたA組クラスメイトも、なるほどと頷いた。

 

そして15分の交渉タイムが始まった。

周りでは爆豪くんに人だかりが出来ていた。

確かに、彼の文字通り爆発力のある個性は魅力だ。しかも予選3位通過という事もあって持ち点も200ポイントと高い。

最後に合計が高い騎馬が勝ち残るなら、自身の騎馬が高得点なのは理にかなっている。

 

 

「さてと、私は誰と組もうかな?」

私は『水』ということもあり爆豪くんとは相性が悪い。予選2位通過の轟くんもそうだ。

私の身体は、熱いと蒸発するし、冷たいと凍る。私は意外と組む相手が制限されてしまうのが悩みどころだ…

 

 

私がそう考えていると後ろから男性の声がした。

「おい、そこの水色の髪の女」

とかなりぶっきらぼうな聞き方をする。

 

「なんです……か?……水色の髪って私の事ですか?」

何故か彼の言葉に返事をした途端、少し目眩がした。

 

「なん…だと…」

紫色の髪を逆立て、目元が酷いクマに覆われた男子生徒が、目を見開いて驚いていた。

 

「どうかしたんですか?」

私がそう聞くと、ブツブツと「ありえねぇ…確かに使ったはず」と呟いていた。

 

「…ん?尾白くん?この人と組んだんだね?すぐにチームを組んだってことは知り合いだったの?」

紫髪の彼の後ろに、尾白くんともう1人小さい男子生徒が付いてきていた為話しかけたが、少し様子がおかしい…

 

「ん?尾白くん?どうしたの?」

と私が聞くと、ブツブツ言ってた紫髪が口を開いた。

 

「そいつは答えねぇよ…俺が『洗脳』したからな」

 

「洗脳?」

私が思わずそう聞き返すと彼が話し始めた。

 

「俺の名前は心操人使。俺の個性は『洗脳』俺の言葉に答えたやつを洗脳して自分の言いなりに出来る個性だ。人間になら効くんだけどな…お前には何故か効かなかった…

お前…本当に人間か?

 

 

 

彼の言葉に私は激しい怒りと同時に深い悲しみを感じた…。

 

 

 

私の触れてはいけない弱い所、

嫌な記憶が逆流する………………。

 

 

 

 

 

『玲奈ちゃんって人間じゃないみたい』

 

 

 

 

 

しかし今はケンカしている場合じゃない、私は可能な限り、怒りを押さえ込み口を開いた。

 

 

「それは少なくとも初対面の人に言う言葉じゃ無いよね?アンタも『洗脳』なんて敵みたいな個性じゃん?人のこと言えるの?…………って言うのと同じ事だよ、心操くん?」

 

私が語気を粗めに答えると、紫髪はハッとして、心底申し訳なさそうに顔で「スマン…」と頭を下げて謝ってきた。

 

自分の過ちに気づいて、素直に謝れるとこを見ると、ぶっきらぼうなだけで根は優しくて誠実なんだろうなと思った。

 

 

「…それで?心操くんは私と組みたくて声掛けてきたんでしょ?どうするの?」

私が腕組みをしながら聞いた。

 

 

「ああ…近距離から遠距離までカバー出来る水の個性。攻撃にも防御にも転用できる優秀な個性だと思ったから勧誘したんだ……けどいいのか?お前を侮辱したような奴と組んでくれるのか?」

そうおずおずと話す心操くん、その様子から少し言いすぎたかな?と思うが、まあおあいこだろう。

 

「いいよ、ただ私も条件がある。その2人の洗脳を解いたら仲間になるよ。洗脳されたままじゃ2人の気持ちはどうなるか、それぐらい分かるでしょ?」

私がそう言っても洗脳を解除しない心操くん。

 

 

私がその様子にため息をつきながら、

 

「あのね…多分心操くんって普通科だよね?2週間前にA組に来てた人の中で見た覚えがある、普通科って体育祭の順位によってヒーロー科編入も検討されるって言ってたよね? もし君が体育祭で優秀な成績を収めてヒーロー科に編入したとして、この2人はどう思うかな?」

 

我ながら意地悪な事は言っていると思うが、そう諭すように話した。

 

「分かった…」

と観念した様子で心操くんは洗脳を解除した。

 

2人の虚ろな目に光が戻り、何が起こっているのか分からず、辺りを見回していたが、私はそんな2人に構わず話し出した。

 

「さて、2人には何が起こってるのか分かんないと思うけど、この4人でチームを組むからよろしく、時間もないし、早く自己紹介と個性の説明、作戦も考えるよ」

 

 

「「「えっ!?」」」

3人が驚いた様子で私を見た。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「よォーーーし!組み終わったな!準備はいいかなんて聞かねぇぞ!?さァ上げてけ鬨の声!!血で血を洗う雄英の合戦が今!狼煙を上げる!!」

司会のプレゼントマイク先生がそう言うと会場全体でカウントダウンが始まる。

 

「じゃあ行くよ」と私は前騎馬の位置でチームメイトに声をかける。

 

 

「「「「「3!!!!」」」」」

 

 

「尾白くん!」

「おう!」

 

 

「「「「「2!!!!」」」」」

 

 

「庄田くん!」

「はい!」

 

 

「「「「「1!!!!」」」」」

 

 

「心操くん!」

「ああ…」

 

 

「START!!!」

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

プレゼントマイク先生の合図の元、騎馬戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

私達のチームは上から

 

尾白猿尾 予選11位通過 160ポイント

水谷玲奈 予選13位通過 150ポイント

心操人使 予選28位通過 75ポイント

庄田二連撃 予選34位通過 45ポイント

 

合計で430ポイントのハチマキを騎手の心操くんがつけている。

全体で見ると上から5番目という高ポイントになった、そして騎手が未だ実力の分かっていない普通科の生徒となると、狙われるのは必至だが…

 

 

 

「実質それの争奪戦だ!!!」

「はっはっは!緑谷くん!いっただくよ〜!」

奪えば勝利が確定する、緑谷くんのハチマキを狙っているチームがほとんどだった。

 

…ていうか透の上半身か見えてないってことは、あの子今上裸ってこと!?

後騎馬の佐藤くんと口田くんがちょっと気まずそうにしてるって事はそうだよね!?

透明だからってガードが薄すぎる、見えてないにしても女の子なんだし、後で注意しとかないと…。

 

「でも流石緑谷くん、いい人と騎馬を組んだね」

重力を操れるお茶子に、全方向中距離攻撃と防御に長けている常闇くん、そして名前と個性は分からないけどサポート科の女の子とサポート科だけに許された装備も相まって、隙のない騎馬になっている。

 

 

「作戦通りやれば大丈夫!気張ってこう!」

「おう!水谷が頭がキレるやつで助かったよ」

私がそう言うと後ろから尾白くんの声が聞こえた。

 

ちなみに私が前騎馬、尾白くんと庄田くんが左右後騎馬、騎手が心操くんとなっている。

 

「それじゃ作戦通り行くよ!!」

「「「おう!!」」」

私の号令の元、近くにいるチームに向かって攻撃を仕掛ける。

 

 

 

 

「左前から来るよ!! A組の女子が前騎馬のチーム! 」

サイドポニーの女子生徒が私たちの接近に気づいて声を上げた。

 

 

「多分B組だけの騎馬だよね!? 庄田くん!個性とか分かる!?」

 

 

「はい!騎手の拳藤さんは『大拳』といって拳を大きくすることが出来ます!パワーもそれに比例して強くなります! ちなみにB組の委員長です。

前騎馬の柳さんは「ポルターガイスト」身近なものを操れます!ちなみに趣味はネットサーフィンだそうです。

後騎馬の1人、取陰さんは「トカゲの尻尾切り」自身の身体を切り離して自在に操ることが出来ます。ちなみに推薦入試枠の1人です。

もう1人は小森さん、個性は「キノコ」です!文字通り胞子を操ってどんな所でもキノコを繁殖させることが出来ます。ちなみに目がしいたけです!」

 

矢継ぎ早に庄田くんはそう言い放った。

 

 

「ありがと!なんか要らない情報もあったけど」

「目がしいたけってどういうこと!?」

「アレだろ、栗みてぇな口のアレだろ」

「そう言う事です!」

上から私、尾白くん、心操くん、庄田くんである、急拵えのチームなのに何故か息ぴったりである。

 

 

「あっ!庄田くんがいるノコ!」

「ヤバいあいつ私たちの個性教えたっぽいよ」

「くっ、なら出し惜しみ出来ないわねやるわよ!」

騎手の拳藤の号令の元、敵騎馬が接近してきた。

 

 

私が取陰さんの飛んできた手を弾きながら接近し、声が聞こえる距離に来た瞬間、心操くんが口を開く。

 

 

「くくっ…口の軽い仲間を持つと苦労すんな、委員長様…」

「なんですっt……」

心操くんの憎まれ口に、思わず反応してしまった拳藤さんから目の光が失われ、動きが止まった。

 

「反応してくれて助かったよ」

通り過ぎる瞬間に心操くんがハチマキを掠め取る。

 

 

「えっ!? 一佳!?どうしたの?」

「ヤバい逃げられるノコ!」

「委員長!! くっ、何かの個性の影響で反応がない!」

慌てふためく敵騎馬から攻撃が飛んでくるも、尾白くんの尻尾や私の水流で軽くあしらうと、範囲外へ脱出する。

 

 

 

 

「よし!上手くいった!!」

私たちの作戦は、A組、B組とメンバーが揃って居るのを利用し、情報を武器に心操くんが挑発し、洗脳した隙にハチマキを取る戦法だ。

 

 

 

「俺の個性が初見殺しだから何とかなってるが、そんな数は取れねぇぞ!第一相手が挑発に乗ってこねぇとダメだ!」

 

「分かってるよ!だから取ったハチマキは絶対死守!私と尾白くんが居れば防御は可能だから!」

 

「3人いるおかげで死角もないからね!」

 

「点数表示を見る限り最低でも1000点以上は確保したい!次は、障子達のとこに行こう!」

 

…やっぱり息がピッタリである

 

 

 

 

その後も…

 

 

 

 

「触手ってなんかエロいよな…複製ってアソコも増やせんのか?」

 

「なっ………!?」(洗脳済み)

「後ろのチビからハチマキを奪え」

「障子てめぇ!!オイラ達を裏切るのか!?」

「………。」

 

 

 

「透明だから服脱いでんのか知らねぇけど、この個性社会で透明なのが見える奴が居るかも…とか考えたことねぇの?雄英体育祭って全世界に放送されてんだぜ?いいのか?上裸で?」

 

「ええっ!?嘘っ/////………!?」(洗脳済み)

「貰ってくよー」

 

 

 

「いやー流石心操くん、私を素で煽るだけあって挑発はお手の物だね…」

「いや…その節はすみませんでした…」

「いや心操の挑発はすげぇよ…あんなん返事しねぇのが無理だ…」

「結構えげつない事言ってますよね…」

 

 

これで拳藤チームの205ポイント、葉隠チームの370ポイント、峰田チームの405ポイント、そして持ち点の430と合計で1410ポイントだ。

 

 

 

そしてそこで…

 

 

「タイムアーーーップ!!!」

 

試合終了の合図がされた。

 

 

 

私たちは心操くんの「出来れば目立ちたくねぇ」との一言で中央の争いに参加しなかった為、実況ではあまり触れられることはなかったが、手堅くポイントを取り、ハチマキを守り抜いた為、高ポイントを維持することが出来た。

 

 

決勝戦進出チームは

1000万465ポイントの轟チーム

1650ポイントの爆豪チーム

1410ポイントの私たち

675ポイントの緑谷チーム

の4チーム、合計16名となった。

 

「以上4組が最終種目へ進出だァァァ!!さあ!これから1時間の昼休憩を挟んでから午後の部だぜ!じゃあな!!!!」

 

 

 

 

「さて、みんなのおかげで2回戦突破が出来たわけだけど…」

私がそう言って今まで共に戦った仲間を振り返る。

 

「ああ…ここからは敵同士だ…」

「もしかしたらこの4人の誰かと当たるかもしれないが…」

「手加減はしませんよ!」

心操くんはニヤリと笑い、尾白くんは尻尾をうねらせ、庄田くんもファイティングポーズを取っている。

 

「うん!誰が勝っても恨みっこなしだからね」

そう言って4人で拳を突き合わせた。

 

 

 

 

 

 

~雄英体育祭最終種目~

 

「トーナメント形式1VS1のガチバトル」

 

 

 

 




〈補足〉
玲奈ちゃんに心操くんの洗脳が効かなかったのは、玲奈の身体が普通の人間のそれとは掛け離れているからですね。
身体を組織する全ての物が水で出来ているので、人間の脳と玲奈ちゃんの脳は構造が違うって事になります。


後、庄田くんがめっちゃ喋ってるのは気にしないでください、書いてる内にいつの間にかこんなキャラクターに仕上がってしまいました…


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