小説は今まで書いたことないので駄文だと思いますが、暖かく見守ってくれると幸いです!
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第1話 水人間 雄英高校ヒーロー科を受けるの巻
「
と幼い頃に両親に聞かれた。
「私お父さんとお母さんみたいなレスキューヒーローになりたいの!それでいっぱい人を助けたいの!」
と私は答えた。
それを聞いた両親はそうかそうか!玲奈ならきっとなれるぞ!と喜んでいた。
それから10年経った今でもその夢は変わらない。
両親も卒業した雄英高校の受験を受けるために玲奈は長い青髪のポニーテールを揺らしながら家を出る。
「じゃあお父さん お母さん行ってきます!!」
「おう!頑張れよ!!」
「お母さん受かるって信じてるからね!」
両親の言葉を胸に私はバスに乗って雄英高校へ向かった。
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side 雄英高校
「でっかいなぁ…」
天高くそびえる校門を見て私は思わずそう呟いた。
数々の名のあるヒーローを生み出した名門校にふさわしい圧倒的な存在感だ。
あちらこちらで私と同じように圧倒される子や合格するぞ!と意気込む子もいる。
それと共に、
「綺麗な青髪…」
「モデルみたいな体型」
「美しい…」
という声も聞こえてきた。
確かに私の容姿はそこそこ整っていると思う、身長は女性にしては高く170cmを超えるが…
ふと周りを見渡すと、視界の端でもじゃもじゃ頭の少年が転びそうになってた。
放っておくと間違いなく、顔面から転んでしまいそうな彼を気の毒に思い、私は思わず『水』になった手を伸ばそうとした。
しかし、彼がいきなりフワリと浮き上がったのを見て手を引っ込めた。
どうやら傍に居たボブカットの女の子の『個性』のようだ。
恐らく、手で触ったものを浮遊させる個性だと思う。
私の手が水になったのを見て、近くの受験生がギョッとしていたが、それに気付かないふりをして私は校門をくぐった。
「受験会場はこちらでーす! 受験される方は受験番号の札を持って受験会場の方へお進み下さーい!」
係員と思しき人に受験番号を見せると受験会場へと案内された
分かれた先の受験会場にも100名をゆうに超える受験者が居てさすがの倍率だと感じた。
するとそこに場違いなほどハイテンションな声が響いた。
『エビバディセイイエェェェイ!! 今日は俺のライブへようこそだゼー!』
雄英高校で教師を務める『ボイスヒーロー プレゼントマイク』の声だ。
しかし、緊張した受験会場に彼の声にノる余裕のある人間は少なく、ただ静寂だけがが広がった…
(プレゼント・マイク ドンマイ)
と心の中で呟く玲奈だったが、彼は静寂にもビクともせず、終始ハイテンションのまま説明を始めた。ヒーローならでは?流石の胆力である。
『最後にリスナーへ我が校『校訓』をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!“Plus Ultra”!それでは皆、良い受難を!』
『Plus ultra!!』私はこの言葉が好きだ。尊敬する両親の口癖でもあり
困難に立ち向かうヒーローにふさわしい言葉だ。私はこの言葉を胸に抱きながら試験に望もうともう一度決心した。
『ハイ、スタートー!』
周りが『え?』と困惑する中をプレゼント・マイクが叫ぶ。
『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!走れ有精卵どもぉ!ぼやぼやしていると試験終わっちまうぞぉ!?』
受験生たちがその声に慌てて一気に走り出す。私も乗り遅れては行けないと走り出した。
その後ろにポツンと残された、もじゃもじゃ頭の少年を見たが私は特に気にせず走り出した。
私の個性は『水人間』読んで字のごとく身体が水で出来ている。
両親は消防ヒーロー「フレイムバスターズ」というプロヒーローだ。
父が水流を操る『水流操作』 母が自分の身体に水を溜め込む『タンク』
主に火災現場や被災地で活躍するレスキューヒーローである。
そんな2人に生まれた私
母は流産したのではないかと、出産直後に涙を流したそうだが、水が集まり私が産声を上げると医者も両親も驚いたそうだ。
私は両腕を水に変化させ、仮想敵にまとわりつかせることで配線をショートさせ、無力化させていく。
今回の試験は、このロボット型仮想敵を倒すこと。水を使える私には相性が良い試験だ。
他の受験者はロボットの大きさにも圧倒されながらも、着実にポイントを稼いでいる。
「私も負けてられないな」と向き直ると、そこには周りのビルを優に超える、「超巨大」なロボが居た。
『ハイジョシマス』と機械的な音声と共に巨大な拳を振り下ろす。
「危ねぇ!!」
「雄英ここまでやるか!?」
と様々な悲鳴が飛び交う中私も拳の範囲内から逃げ出した。
ボゴォォ!!という、とてつもない豪音と砂煙を見て、私も(マジか)と冷や汗を流した。
周りでは「こんなのに勝てるか!!」と言う悲鳴と
『そうそう!言い忘れていたが、その巨大なロボはおじゃま虫だ!!0ポイントだが超強力だゼ!!』とご機嫌なプレゼント・マイクの声が響き渡っていた。
(そんな大事なこと言い忘れるなよ)
と内心思いながらも、私は巨大ロボの足元から離れ地道にポイントを稼いでいた。
途中で危なそうな受験生達も助けながらだったので、思うようにポイントは稼げなかったが、レスキューヒーローを志す以上要救助者は放って置けない。
『試験終了まであと1分!!』
プレゼント・マイクの声がまた響く。
その時、巨大ロボの足元に瓦礫が挟まって身動きが取れない少女を発見した。
あのままでは間違いなく踏み潰されてしまう。
そう思った私は近くにあった池に手を伸ばすと、池の水を取り込み巨大な腕を作り出した、その腕でロボを殴りつけようと思った瞬間。
何かが飛び出した。
校門前で見つけたもじゃもじゃ頭の少年だと気づいた瞬間
「SMASH!!!!!!」
と拳を振り抜いた。
ロボは装甲を粉々に砕け散らして、もう二度と動くことは無かった。
周りも「スゲェェェェ!!」と興奮気味である。
流石雄英高校 凄い個性がいるなと思ったが。
「おい あいつ落ちてねぇか?」
「てか気絶してね?」
の声に彼を見る。
ロボットを殴りつけた右腕は、折れてしまったのかあらぬ方向を向き、足からも血を流している。
あのままだと地面に衝突してしまうと思った私は、落下地点に一目散に駆け出した。
落ちても良いようにさっき取り込んだ池の水を使い彼の落下地点に向かって水のクッションを作り出したが。
地面に衝突する瞬間に、瓦礫に挟まっていた少女が少年にビンタし身体を浮かせたことで、彼は地面との衝突を免れた。
私は少しホッとしたが 彼らの所に行き怪我の度合いを見ることにした。
少年は私の作った水のクッションの上に倒れ込み、少女は青白い顔をしてグロッキーになっていた。
『終了!!!!!!』
プレゼント・マイクの声が3度響くと、周りの緊張が一気に解けたことにより。
「あいつ、何だったんだ?」
「いきなり0ポイントのロボに飛び出したりして」
「増強型の個性なんだろうけど…規格外だ」
水のクッションの上で倒れ伏し、ピクリともしなくなったボロボロの男子の周りで、ザワザワとしながら話す受験生たちに、
私は「何故助けないんだ」と内心イラッとしながらも、受験生を押しのけて2人に近づいた。
私は少女の方に近づくと
「私よりもあの子の方を見てあげて」と言われたので
「分かった あなたも気持ちが悪いなら1度吐いた方が楽になるよ」
と伝え、重症の彼の方に向かった。
「大丈夫!?」と言いながら少年に近づくと少年は青白い顔でこちらを見た
触ると不味いと思い視診した所、骨がグチャグチャに折れ、内出血が酷く熱を持っていた。これは冷やした方が良いと思い、水を操作し彼の腕を包み込んだ。
私が応急処置をしていると、受験会場に杖をついた老女が現れた。
「お疲れ様~、お疲れ様~。ハイハイ、ハリボーだよ。ハリボーをお食べ」
両親から聞いたことがあるが、彼女は「リカバリーガール」という方だ。
珍しい治癒系の個性の持ち主で、雄英高校の校医をしている医者だ。
「すいません!!こっちに重傷者がいます! 右手右足を酷く骨折していると思われます!」と私が叫ぶと
「おやおや 本当だねぇ… この水のギプスはお嬢さんのかい?」
とリカバリーガールが近づいてきた。
私はそうだと答えると、リカバリーガールは少年に向き直り
『チユーーーーー!!』という音と共に唇を伸ばし、個性が発動される。
内出血で赤黒く腫れ上がり、バキバキに骨折していた手足が一瞬で治癒されていく。
(これがリカバリーガールの個性『治癒能力の超活性化』か)と見ていると。
「水のギプスねぇ、昔いた少年を思い出すよ。今はヒーローをやってたかね?確かフレイムバスターズって言う」と呟いた。
「あ もしかしてそれ父ですかね?」と言うと
「そうかいそうかい! あの水谷の娘か!」と笑い出す。
親娘でもすることは同じかい、と呟きながらリカバリーガールは去っていった。
「そうかお父さんも同じことしてたんだ」と思わず嬉しくなる玲奈であった。
「へぇ 現役ヒーローの子どもか」
「なるほど水を操る個性か」
と周りから言われていたが、玲奈の耳には届いていなかった。
次の筆記試験もこなし、玲奈は帰路に着くのであった。
「お父さんと同じことしてたって話そ」と内心ウキウキしながら…
玲奈ちゃんの受験模様でした。
この時点では他の人達には「水を操る」個性だと思われています
実は『水人間』だと知られたらどういう反応になるのでしょうか?
ちなみに玲奈ちゃんは両親をとても尊敬しているのでややファザコン マザコン気味です。