水人間のヒーローアカデミア   作:まーしー34

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続きです!
特に書き溜めなどはないのでちょこちょこ更新していきます!


第2話 入学試験結果&講評の巻

 

 

 

 

 

~時は少し遡り 雄英高校入学試験中

 

 

 

雄英高校 視聴覚室

 

暗い部屋の中にいくつものスクリーンが投影されていた

入学試験の中継を見ながら採点する雄英高校教師陣とプロヒーロー達が倒されたロボ敵の数をカウントしながら『ある』ことを見ていた。

 

それは敵を倒した時のヴィランポイントだけではなく ヒーローとして欠かせない『レスキュー』ポイントを見るためだ。

 

ヒーローはただ敵を倒せば良い訳では無い 人を救ってこその『ヒーロー』なのだ。

ちなみにこのレスキューポイントの存在は受験生には知らされていないが合否に関わるとても大きな要因になっている。

 

 

教師陣いわく『人助けした人間を排斥しちまうヒーロー科など あってたまるかって話だよ!!! 綺麗事上等!! ヒーローってのは命を賭して綺麗事を実践する仕事だ!!』との事である。

 

 

 

 

「実技総合成績が出ました」

その声とともに一際大きなスクリーンに受験生の名前とポイントが表示された。

 

 

「いやーー今年の受験生は特に優秀だね! 良個性のオンパレードだ!」

1人の審査員が興奮気味に声を上げた。

その声に続き審査員が各々の感想を言い始めた…

 

 

「特に成績1位の彼の個性は派手で強力な上に終盤まで敵を倒し続けたタフネスぶりも評価点だな!!」

「しかしレスキューポイント0点とは… 「ぶっ殺す!!!」とか口にしてたしヒーローとしては少し難があるかもしれんがな…」

 

「対象的にヴィランポイント0点で8位の彼だね あの巨大ロボに立ち向かったのは過去にもいたが ブッ飛ばしたやつは久しく見てないね」

「俺は思わず Yeah!!!って叫んじまったよ(笑)」

 

 

「他にも触れたものを浮かす個性を持つ娘だったり珍しい個性もいたな」

 

 

「あーーー彼女もいいとこいってなかった? ほら2位の水谷って娘」

 

スクリーンの左列2番目に『水谷玲奈』の名前があった。

 

「そうそう 見た感じ水を操作する個性かな? 水を上手く使ってロボをショートさせたり 水を纏った腕をふるってロボを叩き潰してたね!」

「いや!入学願書を見たところ個性は『水人間』らしいぞ? どういうことだ? 扱えるのは水流だけじゃないのか?」

「攻撃一辺倒かと思えば 怪我をしそうな受験生を水の壁で守ったりな!あれは周りが見えていないとなかなかできる事じゃないぞ?」

 

彼女についても審査員は色々と話している。

ちなみに彼女の点数は ヴィランポイント33点 レスキューポイント 42点の合計75ポイントでバランス良く高得点となっている。

 

 

「ん? てか水谷って聞いたことないか?」

1人の審査員が名前を見て気がついた。

 

「確か雄英卒業のプロヒーロー フレイムバスターズの娘らしいな ほら父親の方は講師で何度も雄英に来てるだろ?」

 

「なるほどプロヒーローの娘なら納得だわな」

 

 

 

 

(まったく…ガヤガヤと)

興奮が醒めない審査員達がワイワイ話している中で1人の男が、まるで

審査などには興味が無いような無機質な目線でスクリーンを眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

~試験から1週間後 「水谷家」

 

「玲奈〜~!!! 雄英から手紙が来てるわよ〜〜!!」

と1階から母親の声が聞こえる。

 

 

『とぷん……』

と玲奈の部屋にあるドラム缶の水に波紋が広がった

 

「んんーーーーわかったぁぁぁ…」

ドラム缶の水が浮き上がった瞬間そこには青色の髪の毛をたなびかせた

『全裸』の玲奈が立っていた。

 

彼女は『水人間』身体の組織全てが水で出来ている異形型個性の持ち主である。 起きている時は人間の姿だが、寝ている時など意識が途切れている場合は人型を維持することが出来ないため、寝る時はこうしてドラム缶の中で眠っているのだ。

ちなみに服は水ではないため寝る時は裸になる必要がある。

 

 

欠伸をしながら部屋着に着替えると、まだ寝起きのため覚束無い足取りで階段を降りていく。

 

 

リビングの机には 「雄英高等学校」と書かれた封筒が置いてあった。

 

「お!どうだどうだ?」

父が興味津々という様子で近づいてきた。

 

私はソファーに座り封筒を開くと そこには書類と共に1つの小型プロジェクターが入っていた。

 

それを取り出すと「ブン!!!」 という音と共に映像が流れだした

 

 

『私が投影された!!!!!!』

 

という大きな声と共に 大きく跳ね上がった2つの前髪が付いた明らかに画風が違う濃い顔がどアップで映し出された。

 

私は少しギョッとしたが、それが直ぐに雄英高校の卒業生であり現在No.1ヒーローである『オールマイト』だと気づいた。

 

 

『初めまして水谷玲奈くん!私はオールマイトだ!なぜ雄英高校からの手紙に私が投影されたのかって? それは私がこの春から雄英に教師として勤めるからさ!さあ!あまり引っ張ってもしょうがない!早速、君の合否を発表しよう!』

 

 その言葉と共に映し出された画面が暗くなり、オールマイトの立つステージのみがライトアップされる。ダララララ、とドラムロールが鳴り響く。あまり引っ張ってはしょうがないと言った割には少しもったい振ったパフォーマンスだと思ったが、これも1つの様式美だろうと思っていると、「ダン!」と最後のドラムが鳴った。

 

『おめでとう!合格だ!! 実技が75点! 筆記テストも問題なし!! 首席には1歩及ばなかったが、一般入試次席での入学決定だ!!』

 

「やったァァァァ!!!」

 

その言葉に私は思わずガッツポーズを取った、その後ろで

 

「よくやったぞぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

「よくやったわねぇぇぇぇ!!!!!!!」

両親も2人そろって同じ言葉で喜びを表していた。

 

私より遥かに大きな声でしかも涙を流しながら喜んでいる父親と私に覆い被さるように抱きつく母親…

(お母さん重たい…といつもなら水になって逃げ出す所だが今日ぐらいはこのまま抱きつかれて居ようと思った)

 

映像のオールマイトもこうなることを予想してか笑顔で拍手を送り続けていた。

しばらくした後、画面のオールマイトがコホンと軽く咳払いをして、佇まいを直す。それに気付いた両親も姿勢を正して画面を見つめ出した。

 

『実は先の実技入試だが、受験生に与えられるポイントは、説明にあったヴィランポイントだけではなく、実は審査制のレスキューポイントも存在していた! ヒーローはヴィラン退治だけにあらず! ヒーローの本分は人助けだ!水谷玲奈くんの内訳は敵ヴィランポイント33点、レスキューポイント42点、合計75点!文句なしの合格だ!水谷少女!改めておめでとう!雄英で待っているぞ!』

 

オールマイトがその言葉を言い終わると投影されていた映像が終わった。

 

 

「これで玲奈もお父さん達の後輩になったわけだな!」

「今夜はお祝いよ!いつも以上に腕によりをかけてご馳走つくるからね!」

「それは楽しみだなぁ…母さんの料理は美味いからなぁ…」

「ちょっとあなた? 今日は玲奈のお祝いなんだから程々にしてね?」

「分かってる分かってる! いやーしかし今日はめでたいなぁ!」

 

 

放っておくと直ぐにイチャイチャしだす両親にヤレヤレとため息をつきながらも玲奈は雄英高校に入学する未来に胸を踊らせながら同封されている書類に目を通すのであった。




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あと主人公の水谷玲奈ちゃんの画像を妹に描いて貰ったのでもしよろしければご覧下さい!

水谷玲奈 水形態

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水谷玲奈 人間形態

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