水人間のヒーローアカデミア   作:まーしー34

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第7話 「戦闘訓練」後半の巻

 

 

 

 

 

~訓練ビル外 「ヒーロー」チームside

 

 

玲奈たち「敵」チームがビル内でセッティングをしている間、「ヒーロー」チームはビル外で作戦を立てていた。

 

「さてと…上鳴だっけ?私は耳郎響香、よろしく。早速だけど個性の確認をしないとね。私のは「イヤホンジャック」、この耳たぶの先のプラグを指すことで私の心音を衝撃波に変えることが出来るの。他にも微細な音を感知できるから索敵にも向いてると思う」響香が上鳴に自己紹介と「個性」の説明をした。

 

「おう!俺は上鳴電気!個性は「帯電」。 電気を使えるっつっても、俺は纏うだけしか出来ねぇから注意な! 一応放電も出来るけど狙いは付けられねぇから使い所は考えねぇと…」上鳴も響香に自己紹介を返した。

 

「うーん、狙いがつけられないとなると核がある部屋では絶対に放電出来ないね…ほぼ確実に敵を無力化できるのはいいんだけど…」

 

「耳郎ちゃんは索敵出来るんだろ? 今回の訓練にピッタリじゃん? とりあえず最初は耳郎ちゃんが索敵してそれから2人で潜入がよくね?」

 

「うん、とりあえずそれが良さそうだね。私は少し離れて歩くからもし「敵」に出会ったら放電してね」

 

「お前は鬼か!?」

 

 

 

ビーーーー!!!

2人が作戦会議をしているとヒーローチームの訓練開始を告げるブザーが鳴った。

 

「よっし!行くか!耳郎ちゃん頼む!」

「はいはい 分かってるよ…」

上鳴に言われて響香はビルの外壁にプラグを差し込み索敵を開始した。

 

 

 

 

 

~ヒーローチーム潜入の数分前 訓練ビル内 「敵」チームside

 

 

「敵」チームも「ヒーロー」チームの個性を予想していた。

 

「とりあえずヒーローチームの個性考察だね!とりあえずこの間の「個性把握テスト」で2人ともほぼ個性を使ってなかったのを見ると増強系とかでは無いのは確かだね。」

と三奈が玲奈に予想を話すと、

「うん 響香は耳たぶが特徴的だからあれが個性だと思う、形からすると何かに挿して使うのかも…もしかしたら本当のイヤホンみたいに細かな音が聞こえるのかもね。」

玲奈は響香の個性の考察をした。

 

「えー!? それってヤバいじゃん? アタシたちの動きが筒抜けってことでしょ?」

「うん でも逆にそれを利用して罠に誘導することも出来るかもね」

 

「んじゃ上鳴くんは? なんだろう 服の意匠とかから見ると明らかに電気系統の個性っぽいけど…」

「うん…けど電気を自在に操れるのか操れないかによってかなり違うからね…あの入試をクリアするってことは相当な電力は使えそうだけど…」

「てことは気をつけた方がいいかもね…いくらなんでも電撃なんて食らったら動けなくなっちゃう…」

2人で上鳴の個性考察をしていると…

 

ビーーーー!!!

ここでヒーローチームの開始ブザーが鳴った。

 

「よし…んじゃさっきの相談みたいにお願いね」

「了解!」

 

そう言うと三奈は「上の階」へと登って行った。

 

(それじゃ私はトラップの準備にかかりますか…)

もう盗聴されている可能性があるため玲奈は心の中で呟いた。

 

 

 

 

~同ビル 「ヒーロー」チームside

 

 

索敵の結果、4階から5階に上がる足音が1人分しか聞こえなかった為「ヒーロー」チームは1階に潜入した。

 

「余程身体の大きさが違わない限り足音からじゃ個人は特定出来ないからな…」

「どっちかが核を守りに行って、どっちかが奇襲するとかじゃねーの?」

響香と上鳴は奇襲を警戒する為、声を潜めながら1階に潜入していた。

 

 

 

~数分後 同ビル3階

 

「いや!? 何もねぇな!? ここまでなんもねぇと逆に怖ぇぞ?」

と上鳴が思わず声を上げてしまった。

声を出すのも仕方がない…3階まで仕掛けも何も無くスムーズに進めたが、その順調さが逆に「ヒーロー」チームの恐怖心を煽っていた。

 

「んー「個性把握テスト」を見る限り、玲奈は「水を放出して操る」個性、三奈は「酸性?の粘液を分泌する」個性だと思うからそろそろコンタクトがあってもいいと思うんだけどね…さっきから索敵してるんだけど動いてないのか何も聞こえないし…」

響香は時折壁にプラグを差して索敵をしながら上に上がっていた。

 

 

 

~同ビル4階

 

「…次は4階だな 5階に上がるには絶対ここを通過しないと5階には上がれないから仕掛けてくるならここかもな…?」

 

上鳴が4階の部屋の扉を開けるとそこは大広間になっていて部屋の奥には核が無造作に置かれていた。

 

「誰も…いない?」響香がそう呟いた。

「あ!核があんじゃん! あれ触ったら俺らの勝ちだろ?」

そう言いながら上鳴が部屋の中に足を踏み入れた。

 

「ちょ!? バk」

響香が上鳴を止めようと声をあげようとした瞬間

 

 

『ウォーターバインド!!!』

柱の陰からいきなり水流が襲ってきた。狙いは上鳴だ。

 

「うおおおお!?」

上鳴はあまりに突然だったため為す術なく水流に流された。まるで生き物のように動く水流に両手両足を拘束され、瞬く間に身体全体を覆う巨大な水の塊になり、上鳴は完全に閉じ込められてしまった。

 

「上鳴!!!」響香が上鳴を引きずり出そうとするが水の塊はその手を避けて部屋の中心へと移動した。

 

 

「………………ここまで仕掛けが無さすぎて気が緩んじゃったかな?簡単に罠に引っかかってくれてありがとう「ヒーロー」よ……全く拍子抜けだよ…」

核兵器の陰から忍装束に身を包んだ玲奈が現れた、普段の彼女から想像もつかないような邪悪な笑みを浮かべて話す玲奈は「敵」のように見えた。

 

 

「ガボガボガボ!!」(こんなもの俺の放電で!!!)

BZZZZZZZZZZZZZZ!!!!!

「ガボァ!!??」(なんでぇ!!??)

上鳴が水の中で放電するも外まで電撃は届かなかった。

 

 

「なんで!? 水は電気を通すんじゃないの!?」

響香が驚愕するとそれに玲奈が嘲笑しながら答えた。

「…これは純水だからね 普通の水なら電気を通すけど純水はほとんど通さないのよ。私の『ウォータープリズン』から抜け出す方法は無いのよ…」

 

「くそ!! 上鳴を放せ!!」

響香はまだ来るかもしれない水流に警戒しながらそう叫んだ。そう言いながらも反撃をする為にプラグを足元のスピーカーに繋げ音で攻撃をしようとしたが…

 

「おっと?今攻撃するとお前の相棒にまで被害が及ぶぞ? このまま相棒が溺死するのを指をくわえて見ているがいい…」

玲奈は自身のすぐ傍らに水を移動させると響香に向かって言った。

 

「くそっ!!」その言葉に動揺して一瞬響香動きが止まった。

その瞬間玲奈が突然叫んだ。

 

「三奈!!今よ!!」

そう叫ぶと天井がいきなり溶けて5階から三奈が飛び降りてきた。

 

「落下地点ピッタリ!! 耳郎ちゃん覚悟!!」

三奈は持ち前の身体能力を駆使して耳郎に飛びかかると瞬く間に左腕を捻りあげて床に倒して確保テープを巻いた。

 

 

ビーーーー!!!

 

「耳郎少女確保!! 上鳴少年戦闘不能!! よってEチームの勝利!」

オールマイトの声がビル内に響き渡った。

 

「よっしゃ!!…………ん?戦闘不能?」

三奈が後ろを振り向くとそこには玲奈に横抱き、いわゆる「お姫様抱っこ」をされている上鳴が居た。

 

「あはは、上鳴くん酸素不足のせいなのか分からないけど、ぐったりして「うぇーい」しか言えなくなってるの………どうしよう?」

先程とは別人のようなアホ面になった上鳴を抱えて、玲奈が困った笑みを浮かべていた。今の彼女からは先程の威圧感は微塵も感じられなかった。

 

 

「いやいや女の子にお姫様抱っこされるって…」

「ちょっと…いやかなり恥ずかしいねぇ……」

「うぇーーい?」

響香と三奈はその奇妙な状況と上鳴のアホ面に思わず笑ってしまった。




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オリジナル展開と戦闘描写は難しいですね! 玲奈ちゃんは「敵」に成りきってます笑

技解説

「ウォーターバインド」
縄状の水流が相手の四肢を拘束する技、材質が水なだけでほぼ縄と同じような使い方が出来る。

「ウォータープリズン」
巨大な水の塊で相手を拘束する技、当然中は水で満たされているので呼吸は出来ない。中から破るには水を蒸発させるしか無いためほぼ脱出不可能な牢獄と化す。
玲奈は抜け出す方法はないと言ってますがこの技を維持するのにかなり集中力がいるので玲奈に直接攻撃すれば拘束力は弱まります。
(NARUTOの水牢の術そっくりですがあれは術者の腕を水に入れないとダメなので…)

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