部屋に戻って来た
中はもう、予想通りうるさい
陽キャの集まりって感じだ
千聖「あら、戻ってきたのね。」
蓮「色々あってな......」
千聖は意外そうにそう言ってきた
まぁ、あれがなければ帰ってたしな
ほんと、俺ってこういうとこあるよな
一誠「あ、蓮ちゃんも戻って来たね!ちょうどよかった!」
蓮「あ?なんだよ。」
勇人「場も温まって来たし、そろそろゲームでもという話になってな。」
蓮(あー、はいはい。ネットであったやつね。)
正直、もうなんでもいい
こういう時は流れに身を任せる
だって、俺は何も知らないし
慣れてる奴に任せるほうが楽だ
雄馬「それで、何するんだ?」
昴「そりゃ、ド定番いくやろ!」
きりえ「やっぱ、王様ゲーム!」
蓮「!?」
千聖(あっ。)
それしたことあるよ!
いや、あれは俺であって俺ではないけど
けど、記憶としてあるからしたことあるよ
まさかの第2弾かよ
クルミ「割りばしはさっき用意しました!」
一誠「よっ!準備がいい!」
ナナ「いいね~♪」
エリ「王様なりたいなー!」
こいつら、対応力高いな
まぁ、これならしたことあるし
ルール分からないとかはないな
千聖「あらあら、蓮へ命令するのが楽しみだわ♪」
蓮「千聖様?そのような恐ろしいことを申さないでください。」
千聖「ふふ♪」
未玲(私だって......!)
やばい、味方が大魔王になった
そうだ、千聖ってこういうやつだった
てか、安心できるのが太田しかいねぇ!
一誠「じゃあ、早速始めよー!」
みんな「王様だーれだ!」
あー、この流れ懐かしい
前はパスパレとしたなー
あの時はほんとに彩が大変だったが
まぁ、いい思い出と言う事で
ナナ「あ、私~♪」
未玲「ナナちゃんかー。なんて言うか、怖いね!」
蓮(それを聞いた俺が1番怖いんだが。)
ナナ「じゃあ~、1番の人が黒歴史暴露~♪」
蓮「俺ぇ!?」
一誠、昴、勇人「ブフッ!」
雄馬「さ、災難、だな......」
千聖「た、大変、だわ......」
堂本、高尾、木崎は笑い
太田と千聖は分かりやすく笑いをこらえてる
いや、なんで初っ端で俺なんだよ
てか黒歴史ってのがまたキツイ
一誠「蓮ちゃんの黒歴史か~。」
クルミ「見た目は完璧イケメンだから気になりますね~。」
蓮「黒歴史......」
多すぎてわからん
いや、でも、一番はあれか
思い出したくもない、あの時......
蓮「俺は高3の時に1から3年の女子全員からチョコ貰ってさ。」
昴「マジ!?」
千聖「マジよ。車に積んで帰ったほどだもの。」
あれは食べ切るのに苦労した
確か、1週間ちょっとかかったし
体重もあの時だけ結構増えた
まぁ、すぐに体重戻ったけど
一誠「それでそれで?」
蓮「それでさ、卒業した後にホワイトデーあるじゃん?それで、お返しに欲しいものを生徒会にアンケート取ってもらったんだよ。それで1番多いのを全員に渡すことになったんだけど......」
雄馬「......(察した)」
蓮「その結果が、俺の写真で......」
クルミ、ナナ、エリ「あー......(それはキツイ)」
未玲(欲しい。)
蓮「結構な写真も取らされてさ......もう、終わった後は3日くらい部屋から出れなかったよ......」
一誠(てゆうか、律義にお返しはするんだ。)
駄目だ、思い出したら発狂しそうになる
忘れよう
あの時は咎使ってないし、忘れられる
よし、オッケー
一誠「さ、さぁ!次行こっかー!」
勇人「そうだな。」
みんな「王様だーれだ!」
堂本が話しを進め
2度目のくじが始まり
俺も流れに従って引いた
昴「おっ!ワイや!」
きりえ「高尾君か~!」
昴「そうやなぁ、かみやん用に優しい命令にしてもいいけど、それじゃあ場がしらける!やから、命令は4番が自分の性癖暴露で!」
ナナ「あ~、気になるところですね~♪」
クルミ「それで、4番は__」
蓮「」
クルミ「あっ(察し)」
千聖「相変わらずね、蓮。」
あれ、呪われてる?
お祓い行った方がいいかな?
いや、真面目に
蓮「まぁ、さっきよりマシだな。」
昴「顔がマジやん。」
蓮「で、性癖?それは__」
千聖「蓮は比較的純愛よ。」
昴「いや、千聖ちゃんが言うんかーい!」
千聖「いつもは優しく愛してくれるのだけれど、偶に恥ずかしがったりしてる私達を独裁者の目で__」
それから、千聖に色々な事を言われた
それも、全部あってるから何とも言えない
てか、半分は千聖のせいだからな!?
いや、千聖に限らないか......
千聖「__と言った感じよ。」
未玲「いいなぁ......///」
クルミ「未玲!顔、顔!」
一誠(う、うーん、妹のこういう姿を見るのはちょっとなぁ......)
昴「なんかごめんな、かみやん。」
蓮「いや、いいんだよ......」
千聖様、なぜ説明するんですか......
俺がただ処刑されただけじゃないですか
いや、もういい、千聖が楽しそうだし
一誠「つ、次行こっかー。」
みんな「王様だーれだ!」
また、くじを引いた
なんで2回だけでこんなダメージ受けてるんだ
俺の運良い時と悪い時の差が酷いだろ
雄馬「......俺か。」
蓮「太田、頼んだぞ。」
雄馬「あぁ。(切実すぎる。)」
いや、一番安心できるだろ
あの太田くんだぞ?
雄馬「6番が2番の肩をもむ。」
千聖「あら、私が2番ね?」
一誠「はーい!6番でーす!」
蓮「......なに?」
俺は堂本を睨みつけた
奴が千聖の体に触る?
蓮(......よし、あいつには素敵なナイトメアをプレゼントしてやる。)
雄馬「......殺す。」
一誠「雄馬が命令したのに!?それに、蓮ちゃんの目こわっ!?」
蓮「さっさとやれよ。ただし、それがお前の平穏が終わる時だ。」
一誠「千聖ちゃん、お願い、助けて。」
千聖「それは難しいわね。ああなった蓮は言うこと聞かないもの。」
一誠(え、終わった。)
堂本は絶望したような表情で千聖の肩を揉み始めた
さて、どんな夢を見せてやろうか
寝るのが恐ろしくなるような悪夢にしよう
1週間は寝れないと思えよ?堂本
千聖「中々上手ね。」
一誠「い、いや~、お母さんの肩もみしてたからかな~、あはは......(こ、怖い......)」
雄馬「一誠?今度、一緒にプール行こうぜ。沈めてやる。」
一誠(雄馬がガチギレしてるのヤバいって。てか、なんで!?)
それから少しの間、堂本にとって地獄の様な時間が続き
意気消沈した堂本の代わりに
今度は高尾が仕切り始めた
みんな「王様だーれだ!」
と、こんな感じに王様ゲームは進んで行き
最初はともかくとし、程よく全員に命令が行き渡った
何故かダメージが高い命令は俺に集中したが
まぁ、もう、それは良いという事にしよう
__________________
一誠「__じゃあ、ラスト!」
堂本のそんな声の後
俺たちは一斉にくじを引いた
正直、ここまで盛り上がると思ってなかったが
もう、これで大詰めだ
最後は......
未玲「私です。」
蓮「!」
一誠「未玲か~。」
最後の最後で堂本未玲
なんか、パスパレとした時を思い出す
あの時は数字が完全にバレてたっけ
まぁ、今回は大丈夫だろ
未玲「......3番の人、私と2人で話してください。(ここは、賭けないと。)」
一誠(攻めた!)
勇人(ほう、最後に仕掛けたか。中々、面白くなった。)
昴(あの目、本気や。本気でかみやんを狙っとる。)
雄馬(俺ではないな。)
エリ(1人持っていかれるのは悔しいけど。)
ナナ(未玲、頑張れ......!)
クルミ(ど、どうなるの......?)
きりえ(当たっとるの?当たっとらんの?どっち!)
全員の視線が集中してる
堂本未玲応援派が多いのか
それとも、この状況を楽しんでるのか
まぁ、表情を見れば大体わかるな
千聖「あら、私ではないわね。それに、みんなも違うみたい。」
未玲「!」
蓮「持ってるよな。こういう人種って。」
俺はテーブルに静かに割りばしを置いた
そこに書かれてる番号は3番
マジで持ってるよな
神に賄賂でも渡してるのかってレベルで
蓮「2人で話だっけ。分かった。」
そう言って、ソファから立ち上がった
一体、何を言われるんだか
俺はそんな事を考えながら、部屋を出て
堂本未玲もそれについてきた
__________________
少しだけ店を出て
近くにある広場に来た
そこにあるベンチで俺は腰を下ろし
横に座ってる堂本未玲の次の言葉を待ってる
未玲「あの。」
蓮「!」
短い静寂の後、堂本未玲が口を開いた
その声は今日の中では類を見ないほど真剣で
聞いてるこっちまで固まってしまう
未玲「もう分かってると思いますが、私は神谷さんが好きなんです......」
蓮「......」
未玲「あの日からずっと、神谷さんは私の王子様だって、私にはこの人しかいないって思ってたんです......だって、あんなに目から血が出るくらい、頑張ってくれたから......」
あれも見られてたのか
結構、隠したつもりだったんだけど
未玲「だから、本気で神谷さんの事が好きです。もう一生、神谷さんみたいな人には出会えないと思ってます。だから......」
蓮「......」
能力を使ってるからこそわかる
この子は嘘をついてない
外見だけで判断したわけでもなく
俺が弦巻の時期社長と知った時も、ただ1人、何も変化がなかった
本当に本気なんだ
蓮「......俺の事、どこまで知ってる?」
未玲「え?いえ、まだあまり......」
蓮「そうだよね。」
この子は真剣だ
だから、俺も真剣に取り合わないといけない
試す、とかじゃないけど
これを聞いて、さっきと同じことが言えるかな
蓮「今から言うことは嘘でも冗談でもない。全部、紛れもない事実だよ。」
未玲「......?」
蓮「俺、彼女が36人いるんだ。」
未玲「......!」
堂本未玲が目を見開いた
まぁ、いきなりこんなこと言われてもな
でも、この状況で隠すのは失礼だ
最低でもビンタは覚悟しとこう
蓮「これが世間的に認められてないのは分かってる。失望したでしょ?」
未玲「それは......」
堂本未玲はうつ向いてしまった
これで失望するなら、それが普通の反応
何を言われても、俺は文句を言えない
甘んじて受け入れる
蓮「でも、戯言ぐらいでいいから聞いて欲しいんだ。」
未玲「......はい。」
蓮「今付き合ってる皆は、俺なりに好きになって、幸せにしたいと思って、命でもなんでもかけたいと思った子達なんだ。だから、誰に失望されても俺は気にしないし、やめない。今、俺はそのために生きてるから。」
未玲「......」
俺はそれを言い切った後、軽く息をついた
これでいい
騙すくらいなら失望された方がいい
蓮「そろそろ戻ろう。気分が悪いなら、もう少し風に当たってから__」
未玲「__ない。」
蓮「?」
未玲「そんなの、関係ないです。」
蓮「......え?」
未玲「だって、お兄ちゃんから全部聞いてましたから。」
蓮(なっ......!?)
堂本の奴、話してたのか
基本他言はしないと木崎が言ってたはずだが
いや、これはやむを得なかったんだろう
仕方ない
未玲「最初は流石に驚きました。けど、あんなに人のために頑張れる人が軽薄な人だなんて思えなかったんです。そして、今、確信しました。神谷さんは、私が思った通りの人です。」
蓮(......マジか、この子。)
自分で言っといてだけど、おかしいだろ
こんな思考回路の人間、早々いないぞ
未玲「やっぱり、私は神谷さんを好きでいられます!だから、私も神谷さんの傍にいさせてください!」
蓮「......」
未玲(神様、どうか......!)
正直、戸惑ってる
まだ、会ったのは2回目の女の子
どういう人間かも知らないし、好きでも嫌いでもない
でも、この気持ちを無視するのは可哀想だと思う
だから、戸惑ってる
蓮「......ごめん。俺は君がどういう子か分からない。だから......」
未玲「......っ(そうだよね......)」
蓮「その、もう少し関わってから考えても、いいんじゃないかな。」
未玲「え......?」
甘い、対応として甘すぎる
絶対に普通の相手なら即フッてる
けど、真剣なら、てんで弱くなる
未玲「それってその、保留って事ですか......?」
蓮「そう言う事になるかな。」
未玲(ふ、フラれたわけじゃない!)
堂本未玲は分かりやすく嬉しそうにしてる
やってることは最低なんだけど
本人がいいならいい、のか......?
未玲「じゃ、じゃあ、可能性もあるってことですか?」
蓮「もし、これから関わって、君が俺を好きなままでいて、俺が君を好きになれば、その時は......」
未玲「っ!///」
俺はそう言ってベンチから立ち上がった
結構話し込んじゃったな
他の奴らも待ってるだろ
蓮「そろそろ戻らないと。行こう。」
未玲「は、はい!///」
そう言って、俺は歩き始めた
それに、堂本未玲は横に並んできて
笑顔で俺に話しかけて来た
未玲「これからは、未玲って呼んでくださいね!///君じゃ、寂しいので......///」
蓮「分かった。未玲って呼ぶことにする。」
未玲「はい!///これから、よろしくお願いします!///」
こうして、俺と未玲の奇妙な関係が始まった
これ、絶対に誤解されるな
千聖と堂本になんて説明しようか
そう思いながら、俺は見せに戻って行った
......あと、こうなったら
あっちの事も本気で考えないと