覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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アクション

 俺、神谷蓮は学習しない

 

 今まで女子に告白されることはあったが、結構、断ってきた

 

 彼女が36人いるって言っても、その辺は弁えてるからな

 

 だが、極稀にそう易々と断れない人物が現れる

 

 最近では未玲......そして、明日香だ

 

蓮(どうしよ......)

 

 とりあえず、あの場は保留と言うことにさせてもらった

 

 我ながらヘタレだとは思うが、今は簡単に選べない

 

 それをすると、どうしても贔屓が生まれる

 

蓮(面倒なことしたもんだ。)

 

 未玲のことを知るために時間を作ったのがここで裏目に出るとは

 

 ほんとに自分で自分を追い詰めてるな

 

 余計なことしやがって......(やったの俺だけど)

 

蓮(てか、オッケーする前提で話進んでるけど、それもどうなんだ?)

 

 明日香と未玲は可愛い、それは間違いない

 

 それに、すごくいい子たちだ

 

 最初こそ、未玲のことは苦手だったけど、今はそういうのないし

 

蓮(どうしたもんかー......)

 

 こんな状況、誰にも相談できないんだよな

 

 秘密にしないといけないのもそうだし、そもそも、こんな状況になる人間が少ない

 

 改めて、すごい状況だな

 

 そんなことを考えてると、部屋のドアがノックされた

 

アリス『蓮さん?いますか?』

蓮「ん?アリスか。入っていいぞー。」

アリス「あ、失礼します。」

 

 そう言いながら、アリスが部屋に入ってきた

 

 うん、今日も美少女だ

 

 マジで世界一可愛い(同率)

 

蓮「どうしたんだ?」

アリス「蓮さんが帰ってきたとメイドさんに聞いたので、会いに来ました。」

蓮「おー、そうか。」

 

 もうマジで可愛すぎる

 

 これはもう構うしかないだろ

 

蓮「よし、おいで、アリス。」

アリス「はい!」

 

 俺がそう言うと、アリスは座ってる俺の膝の上に座った

 

 すごくいい匂いするし、柔らかい

 

アリス「やっぱり、蓮さんの膝の上は落ち着きます。」

蓮「そうか。それはよかった。」

アリス「あの、蓮さん。あれも......///」

蓮「あぁ、分かってるよ。」

アリス「んっ///」

 

 アリスにおねだりされて、俺は頭を撫でた

 

 サラサラの髪が心地いい

 

 何より、気持ちよさそうにしてるのが可愛い

 

蓮「アリスは可愛いなー。」

アリス「なんだか、子どもの頃に戻ったみたいです......///」

蓮「ははは。いいじゃないか。」

アリス「自分から甘えに来ておいてあれなんですが、私、彼女です......///」

蓮「分かってる分かってる。俺は彼女としても娘としても可愛がってるから。」

 

 そう言いながら、頭を撫で続ける

 

 そんな中、俺の中にはある考えがよぎっていた

 

蓮(そう言えば、バンドに所属いてない彼女って、アリスだけだな。)

 

 今まで全く気にしてなかった

 

 ていうか、歌い手の活動してるから、バンドと同じカテゴリーに入ってた

 

 マジで今さら気づいたな......

 

アリス「蓮さん?どうかしましたか?」

蓮「なんでもないぞ。」

アリス「何か悩みですか?えっと、堂本さんの妹さんと戸山さんの妹さんとか。」

蓮「......アリス達って、俺の心読めるの?」

アリス「蓮さん、分かりやすいですから。」

 

 俺ってそんなに分かりやすいのか?

 

 いや、あいつ以外にはそんな風には言われないぞ?

 

 俺の彼女の共通能力なんじゃね?

 

アリス「それで、どうなんですか?」

蓮「まぁ、悩んでるっちゃ悩んでる。」

アリス「蓮さんっていつも女の人で悩んでますね。」

蓮「よく言われる......」

 

 つい乾いた笑いが漏れる

 

 マジで俺の悩みって女関連ばっかだしな

 

アリス「それで、今はどういう状況なんですか?」

蓮「2人にはもう告白されてて、正直、悪くないと思ってる。」

アリス「なるほど。」

蓮「でも、未玲にはお互いを知るためにって期間を作ってて、両方に答えをだせないって感じ。」

 

 アリスを撫でながら、今の状況を口に出す

 

 口に出すと、マジで墓穴掘ってるな

 

 いやぁ......バカだ

 

アリス「いっそ、付き合ってしまえばいいんじゃないでしょうか?」

蓮「アリスちゃんは思い切りがいいのね!?」

 

 って、変な口調になった

 

 それくらいビックリした

 

 アリス、変わったな......

 

アリス「蓮さんがいいなら、2人も彼女にしていいと思いますよ?」

蓮「そう簡単な話でもないんだよ。あの二人が真剣であればあるほど。」

 

 外見で判断する人間なら、別に無視できるんだけどな

 

 記憶覗いたり、仲良くなるとこうなる

 

蓮「未だに慣れないよ。真剣な人間。」

アリス「ふふっ。」

蓮「笑い事じゃないんだよ......」

 

 そう言いながら、アリスを撫でまわす

 

 こうしてると癒される

 

 余計なこと考えなくてもいいし、アリスが可愛いから

 

 これが可愛いの力か

 

アリス「ごめんなさい。お詫びに言いアイディアを出しますね。」

蓮「ん?」

アリス「きっと、今の蓮さんに足りないのは主体性です。待っているだけだから迷うんです。だから__」

 

 なるほど、一理ある

 

 自分からアクションを起こさないとダメなのはよく知る所だ

 

 そんなことを考えながら、アリスの言葉に耳を傾けた

____________________

 

 その晩、俺は部屋で1人、携帯を操作している

 

 昼にアリスから出されたアイディアを実行するために

 

 さっき、明日香には連絡をしておいた

 

 一応、事情は説明したけど、大丈夫か?

 

 まぁ、とりあえず、未玲にかけるか

 

未玲『__もしもし!?』

蓮「声でか!?」

未玲『あ、ごめんなさい。珍しくてつい。』

蓮「あ、あぁ。」

 

 耳潰れるかと思った......

 

 まぁ、いいんだけどな

 

 ビックリする気持ちもわかるし

 

未玲『ど、どうしましたか?』

蓮「デートの誘いだ。週末、時間あるか?」

未玲『はぇ?』

 

 未玲は間の抜けた声を出し、少しの間、声を発さなかった

 

 どんだけ驚いてるんだよとは思うけど、今までを考えればそうなるか

 

 我ながら苦手だったからな

 

未玲『今、デートって言いました?』

蓮「あぁ。」

未玲『デートって、あのデートですよね?』

蓮「多分、そのデートだ。」

 

 なんか、こういう反応どっかで見たことある気がする

 

 どこでかは忘れたけど

 

未玲『ぜ、絶対いきます!///何があっても!///』

蓮「その何かがマジで大切じゃないことを祈るぞ。」

 

 いや、マジでね?

 

 未玲って行動力すごいから

 

 補修とかほっぽり出すのはダメだからな?

 

蓮「それで、デートにあたって一つ、言うことがあるんだが。」

未玲『なんですか?』

蓮「その、一緒にもう1人、俺に告白してくれた子が来るけど、いいか?」

未玲「え?」

 

 そう言うと、未玲はまた間の抜けた声を出した

 

 うん、まぁ、だよなぁ

 

 俺は自分自身に呆れつつ、未玲の返答を待った

 

 


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