あんな神谷さん、見たことなかった
どんな状況でも面倒くさいが先に来る人なのに、さっきはすごく怒ってた
まるで自分のことみたいに、いや、もしかしたらそれ以上かもしれない
それくらい、見たことない姿だった
未玲(神谷さん......///)
最初は一目惚れだった
なのに、一緒にいるともっと好きになっちゃう
蓮「あー、流れる―。」
未玲「そ、そうですねー///」
今はお昼ご飯を食べてから、流れるプールに入ってる
のんびりした時間を過ごせてて、さっきの嫌な記憶はもう大丈夫
むしろ、今は楽しい気持ちでいっぱいだ
明日香(よかった。堂本さん、元気になったみたいで。)
蓮「さて、そろそろ休憩時間だな。出るか。」
未玲「は、はい///」
明日香「あ、私、飲み物買ってきます。2人の分も買ってきます。」
蓮「え、俺が買いに行くぞ?」
明日香「神谷さんにはお昼ご飯をごちそうになったので。」
明日香ちゃんはそう言ってプールから出た
やっぱり、すごく気が利く子だ
私、あそこまで考えられなかった
蓮「じゃあ、俺らは座って待ってるか。」
未玲「はい///」
神谷さんにそう言われ、私はプールから出た
もうお昼2時だからか、太陽の光が暑く感じた
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プールから出て、私と神谷さんはシートの上で座ってる
パラソルがあるから、日光は防げてるけど、それでも暑い
地面からの熱なのかな
蓮「いやー、プールに入ってるのもいいけど、これはこれでいいな。」
未玲「そ、そうですね///」
信じられない時間だ
神谷さんと出会ってから3ヶ月くらいかな
あの合コンの時よりもずっと、距離が近くなった
未玲(や、やばい///さっきから、そうですねしか言えない///)
全身が熱っぽくなって、まともに思考が出来ない
こんなの初めてだ
今まではまだ、神谷さんといてもちゃんと思考できる余裕があった
けど、さっきから、それができない
これが、本物の恋なの.......?
蓮「......どうだった?未玲。」
未玲「え......?///」
蓮「今までつっかえてたもの、取れたか?」
未玲「!」
神谷さんは優しい声でそう聞いてきた
やっぱりそうだ
神谷さんはあの時、私の為に怒ってたんだ
あんな、いつも見せない顔を見せてまで
でも.......
未玲「.......いじめられたことは、一生忘れられないと思います。」
蓮「......」
未玲「辛かったし、本当に死んでたかもしれないかもしれないですから。」
今でも偶に夢に出てくる
1年間の学校鞄を見るのも嫌だった生活が
さっき、あの3人にあった時も怖くて、足がすくんだ
でも......
未玲「でも、分かったこともあるんです。」
蓮「それは?」
未玲「今の私には、神谷さんがいる......っていうことでしょうか///」
蓮「!」
私は神谷さんに軽くもたれかかった
やっぱりだ
すごくドキドキするけど、安心もする
こんな風に思えるのは、やっぱり特別だからかな
未玲「私、やっぱり神谷さんが好きです///何年経っても、ずっと......///」
蓮「そうか。(真っ直ぐな目だ。)」
今まで、不安なことの方が多かった
過度に神谷さんへのアピールも、そうだからかもしれない
選んでもらえる自信がなかったから、不安を消すためにそうしてた
けど、それじゃダメなんだ
神谷さんは真剣に私を見てくれてる
だったら、私は真っすぐに気持ちを伝えるしかない
もう、覚悟は決まった
蓮「......」
未玲「......///」
神谷さんは口を開かないまま、遠くを見つめてる
これは、どういう反応なんだろう
蓮「はぁ......勘弁してくれ。」
未玲「っ!」
しばらくすると、神谷さんはため息をついてそう言った
この反応、ダメだった......?
私は、選ばれなかったの......?
蓮「今の未玲じゃ、俺も揺らぐ。」
未玲「え......?」
蓮「流石にもうちょっと待ってくれ......さすがに大目玉くらいそうだから。」
え、これどういうこと?
神谷さんが揺れるって......
つまり、少しでも私を好きになってくれてるってこと?
未玲「~!///」
蓮「せめて、夏休終わりか、それくらいで。」
未玲「え、あ、ま、待ちます!///何十年でも、何百年でも!///」
蓮「そんなに長くないよ?」
舞い上がってる私に、神谷さんは困ったようにそう言った
これは、夢でも幻でもない
もうすぐそこに来てるんだ
神谷さんと一緒にいられる未来が
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“明日香”
明日香(ど、堂本さん、やったね......!)
なんとなく、2人にしたほうがいいと思って離れたけど、正解だった
あれはほぼOKみたいなものだよね?
明日香(本当に良かった......)
正直、私はまだ、堂本さんのことをよく知らない
けど、辛い経験をしてたことだけはしってる
だから、あんなに嬉しそうにしてて、私も嬉しい
明日香(次は......)
私の番だ
なんとかして、神谷さんに選ばれる
チャンスはきっとある
明日香(出来る限り、アピールしよう。)
2人の姿を見ながら、私はそう意気込んで
そして、買ってきた飲み物をもって、戻って行った