目を覚ますと、茂みの中にいた
木々の隙間から日の光が差し込んで、風が葉を揺らしてる
ここはどこだろうか
全く思い出せないけど、懐かしい感じがする
蓮(んー、思い出せん。)
てか、なんか目線低くね?
それに、なんか世界が広く感じる
なんだか、子どもの時みたいだ
?「れーん!」
蓮「んあ?」
少し遠くから聞こえる、子ども特有の高い声
誰の声だ?
?「こんなとこにいたのか!1人で出歩くなって言っただろー?」
蓮(子どもか......あ、子どもなのか。)
この人物の反応からして、今の俺が子どもなのは分かった
ただ、疑問は数多く残る
なんで、俺はこんな姿になってんだ?
それに、こいつは誰なんだ?
成海なら覚えてるけど、こいつはそうじゃない
でも、全く知らないわけでもない
誰なんだ?
?「全く!お前はいっつもボーっとしてるな!ほら、帰るぞ!」
蓮「うえー。」
俺はその人物に手を引かれる
あ、そう言えばいた
毎回こんな感じで俺を引っ張りまわしてたやつ
?「蓮はダメだなー。このままじゃ、ずっと面倒みないといけないなー。」
蓮(あー、そんなこと言ってたなー。)
でも、流石に勘弁だな
男に一生面倒みられるなんて
むさくるしくてたまったもんじゃない
?「ほら、ちゃんと手、繋いでろよ?」
蓮(んーと。)
こいつの名前、なんだっけ?
遠い上に記憶喪失の後遺症かなんかで、昔の記憶は曖昧なんだよな
蓮「なぁ、お前の名前は?」
?「ん?何言ってんだ!僕の名前は__」
蓮「!」
名前を言おうとした瞬間、周りの景色が真っ白になった
おいおい、良い所で
こんなところで夢だって自覚するってことは、もう覚めるんだろう
仕方ない、咎に探しててもらうか
__________________
蓮「......んっ。」
目を覚ますと、大学の教室にいた
結構、ぐっすり眠れたな
良い感じの体のだるさだ
リサ「あ、起きた?」
蓮「あぁ、おはよう、リサ。」
勇人「熟睡だったな。」
周りはもう、生徒が散り散りになってる
もう講義は終わったんだろう
ちょうどよかった
蓮「で、どうだったこの講義?」
一誠「一回、寝てる蓮ちゃんに文句言おうとしてたけど、顔を見た途端に帰ってったよ。」
昴「イケメンは特やなー。」
蓮「あっそう。」
まぁ、この講義は問題ないだろ
さて、さっさと次の教室に行くか
そう思い、俺は席を立った
蓮「さて、次の教室行くか。」
一誠「そうだねー。」
俺は軽く伸びをしながら歩き出した
どーせ、次の教室もいい席空いてるだろ
なぜかいつも空いてるし
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“成海”
偶然と言うのは、案外、身近で起きている
特に幼馴染は、そう言うのに好かれてるらしい
成海(偶然、ね。)
なにも、偶然と言うのは無作為に起きるわけではない
自分と他の人物の行動、思考など、様々な要素が絡み
その交わった部分が、偶然となる......と個人的には考えてる
まぁ、それでも、こんなに大それた偶然が起きるとは思わなかったけどね
成海(どうしたものか。)
恐らく、彼女も......いや、ほぼ確実にそうだろう
でなければ、あんなに無理はしたりしない
いや、恐らくは......
(~♪♪♪)
成海「!」
色々と考えてると、いきなり電話が鳴った
知らない番号だ
一体、誰だろうか
成海「もしもし。」
メイド『もしもし。』
成海(おっと。)
これはまた、意外な人物だ
電話をしてきた理由はなんとなく分かるけど
ひとまず、様子を見ようか
成海「これはこれは。弦巻家のメイドさんが何の御用で?」
メイド『私としてもこのような連絡はしたくなかったのですが。』
この前のこと、根に持たれてるなー
元々、彼女とはある意味、相容れない関係ではあったけど
ここまで険悪ではなかったのに
メイド『一応、言っておきます。あまり余計なことはしない方がよろしいかと。』
成海「余計なこと?少なくとも、僕はそんなことした覚えはないな。」
メイド『とぼけるのですか?』
成海「いやはや、あくまでキューピットになるつもりだったのに。健気なヒロインの、ね。」
メイド『......』
反応がない
やはり、彼女の中でも迷いがあるんだろう
案外、綻びは多そうだ
成海「名家のメイド......それも、跡継ぎの専属だ。その地位に行くのは決して楽な道ではなかっただろう。そこまでの無理をしたんだ。何の感情もないなんて、ありえないだろう?」
メイド『......だから、何だというのですか?』
成海「僕なら、君の思いを叶えられるかもしれないよ?」
メイド『......っ!』
成海「動揺したね?」
彼女はメイドとしては優秀だろう
だが、一人の人間にすぎない
やはり、何かあるみたいだ
成海「今度、うちで皆で集まろうと思ってるんだ。君も来たらいい。なに、心配ない。蓮じゃ気付かないよ。」
メイド『......検討しておきます。』
成海「そうか。じゃあ、後日、日程と招待状を送るよ。」
僕はそう言った後、電話を切った
やはり、彼女も蓮へ、ただならぬ感情を持っているようだ
中々どうして、蓮は気を向けられやすい
成海(面白いことになりそうだ。)
僕はそんなことを考えたら、少し口角が上がった
さて、蓮の人生に新しいイベントが来た
今度はどんな行動をするのか、見守っておくとしよう