ここ数日は結構、頑張った
同窓会の為に時間を空けようと仕事を全部終わらせた
と思ったら止まらなくなって、しばらく仕事がなくなっちまった
まぁ、バカってことだな
「おはようございます。ご主人様。」
蓮「んあ、おはようございます。(あれ、あの人じゃない。って、あ、そうだ。)」
そう言えば、休みが欲しいって言ってたっけ
それにしても、今日が休みなんて偶然だなー
「メイド長から指示はいただいております。」
蓮「今日が同窓会ってこと以外は特にないと思いますけど。」
「その同窓会について。『ご主人様のファッションセンスは壊滅的です。なので、キチンとした服を用意して差し上げてください。』と。」
蓮「ひどい言われようだ。」
俺は軽くため息をついた
まぁ、ファッションは分からないし、用意してくれるなら助かるけど
流石に自分で勉強しないとだよな
一緒服選んでもらう人生はマズい
「それでは、お洋服をご用意させていただきますので、少々お待ちください。」
蓮「はい。俺は歯磨きとかしてきます。」
俺は完全に目覚めてない体を動かし、洗面所に向かった
さてと、今日は同窓会だ
正直あんまり顔と名前覚えてないけど
まぁ、どうにかなるだろ(多分)
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“眞”
今日、私はメイドではありません
氷見眞という、一般女性です
決して、私がメイドであるとバレてはいけません
眞(まぁ、大丈夫でしょうけど。)
だって、あのご主人様ですし
どうせ気づかないですよ
鈍感を極めたあのご主人様ですよ?
いつもと違う恰好をした私になんて気づかないでしょう
眞「......それでいいです。」
私はご主人様のメイドとして生涯お仕えする
それが私にとっての幸せです
幸せ、のはずです
眞(......なのに。)
この後ろ髪を引いてくるような感覚はなんでしょう
まるで私が私の意思を否定しているかのような
非常に不愉快な感覚に襲われています
眞「......もう少し、心の準備をしてから行きましょう。それがいいです。えぇ。」
私は軽くため息をつき、椅子に座りました
多少、遅れていきましょう
目立たないように入るようにしましょう
静かに入って、シレっとしていればバレないでしょう
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“蓮”
家を出て、今は会場に向かってる
と言っても、行き慣れた孤児院なんだけどな
とか考えてる間に、孤児院に着いた
蓮「おーい、来たぞー。」
成海「やぁ、蓮。一番じゃないか。珍しい。」
蓮「そんなに驚くことか?」
最近の俺は時間守ってるっての
これでも高校大学の遅刻はゼロだしな
まぁ、遅刻しようにもできなかったのもあるが
それはいいだろう
成海「まっ、皆が揃うまでゆっくりしてなよ。準備はできてるからさ。」
蓮「そうする。」
成海「あ、折角だから瑠奈ちゃんに顔を見せてあげたらどうだい?ずっと会いたがってるし。」
蓮「そうだな。そうする。」
そう言って俺は瑠奈がいるであろう部屋の方に歩いた
適当なんだけどな
多分、ここにいるだろ
蓮「おーい、瑠奈ー。」
瑠奈「あ!神谷様!」
蓮「おー、様はやめてくれー。」
扉を開けると、俺に気づいた瑠奈が駆け寄ってきた
いやー、こんなに懐かれると可愛いなー
そんなことを思いながら、俺はしゃがんで、頭を撫でた
蓮「元気だったか?」
瑠奈「はい!」
蓮「学校はどうだ?」
瑠奈「小学校はちゃんと卒業できそうです!」
蓮「そうか。よかったな。」
まぁ、ここには元教師の先生と成海がいる
勉強関連は何も問題ないだろ
後は、人間関係だけだな
瑠奈「最近、成海お兄さんにお料理を教えてもらってるんです!」
蓮「おぉ、そうなのか。」
瑠奈「はい!神谷様のお嫁さんになるために修行です!」
蓮「ん、んー、そうかそうか。」
そ、そうだよなー
さて、どうしたもんか
今の瑠奈にとってはこれが頑張る理由なんだよな
下手なことをして、また瑠奈が悲しむのは勘弁だ
瑠奈「んっ。」
蓮「頑張れよ。瑠奈の料理、楽しみにしてるよ。」
瑠奈「はい!いっぱい頑張ります!」
蓮「あぁ。」
こういうとこなんだろうな
でも、瑠奈は今まで辛い思いをしてきたし
ついつい、優しくしたくなるんだよな
蓮(大人に振り回されてきたってのは、しんどかったよな。)
成海「__蓮。皆が来たよ。」
蓮「おっ、もうか。じゃあ、瑠奈、俺は行くよ。」
瑠奈「はい!また来てくださいね!神谷様!」
蓮「あぁ。」
俺は軽く頷いて立ち上がり、部屋から出た
まぁ、近々、何か持ってくるか
今日は普通に忘れたし
成海「随分と仲良しじゃないか。」
蓮「仕方ないだろ。色々あるんだよ。」
成海「分かってる分かってる。」
蓮「同い年のくせに年上ぶりやがって。」
成海「まぁまぁ、ほら、久しぶりの再会だよ。」
成海はそう言って、ある部屋の扉を開けた
ここは、俺らが昔使ってた遊び部屋だ
昔はここで良く寝てたな(遊びとは?)
「おー!お前、蓮か!」
「わー!すっごいイケメンになってるー!」
「大きくなったねー!」
蓮「!?(だ、誰だ?)」
やべぇ、全然わかんねぇ
いや、そもそも子どもの時の姿しか知らねぇし
そのうえ記憶も全部が全部戻ったわけじゃないし
成海「もう、蓮が驚いてるじゃないか。もう少しゆっくり話してあげないと。」
「あはは!そうだったそうだった!」
「昔から、ボーっとした子だったもんねー!」
「イケメンの大金持ちになっても変わんないな!」
蓮(ひどい言われよう。)
成海「そうだよ。蓮は蓮さ。」
蓮「おい。」
こいつまで弄ってきやがるのか
てか、俺ってそんな感じだっけ
全く覚えてねぇ
成海「まっ、そんな一気にじゃなくて、ご飯でも食べながらゆっくり話しなよ。」
「おー!成海の料理かー!美味しそうだ!」
成海「ほら、蓮も。」
蓮「おう。」
と言うわけで俺は席に着き、成海が盛り付けた料理が目の前に置かれた
こいつ、今更だけど、同い年だよな?
なんか、親みたいになってんだけど
蓮「......うまっ。」
成海「そうか。それはよかった。」
こ、こいつ、やっぱり只者じゃねぇ
こいつ、出来ないこととかないのか?
俺の記憶上では苦手なこととかないんだが
蓮「お、お前、実は天才だったのか?」
成海「君にだけは言われたくないな。」
「はっはっは!2人は相変わらず仲良しだな!」
「昔からずっと一緒だもんねー!」
「いっつも半分寝ながら服の裾掴んでてねー。」
蓮(え、そうなの?)
それは多分、マジで寝てるな
だって記憶にねぇもん
な、なんで起きなかったんだ?
「蓮はほんとに手がかかってねー。大型犬の前で寝たり、バス停で寝たり、そのほかにも林の中で寝たり......」
蓮「寝てばっかり。」
「その度に成海と眞が迎えに行っててなー!いやー!大変そうだった!」
蓮(眞?)
成海「あぁ、そう言えばまだ来てないね。彼女も蓮に会いたいと思うんだけど。」
そう言えば、なんかこの前夢に出て来たな
多分、あの人物だと思うけど
眞って名前だし、一人称も確か僕だったし
多分、男だろ
どんな奴だろ
“成海”
(ガチャ)
成海(おっ。)
蓮「?」
同窓会が始まってすぐ、部屋の扉が開いた
先生は子供たちの面倒をみている
そして、まだ来てない招待客は彼女だけ
やっと来たね
成海「やぁ、眞君。来てくれて嬉しいよ。」
眞「......」
蓮「?」
今日の眞君は綺麗なワンピースに身を包んでいる
気品のある姿は、皆のイメージと乖離してるだろう
さて、蓮の反応はいかほどか......
蓮「あれ、メイドさん?」
成海「!?(なに!?)」
眞「......っ!」
蓮の発言に僕と眞君はひどく驚いた
完全な予想外
蓮が気付くわけがない、そう思っていた僕たちへの不意打ちだった
どうやら主人公は僕たちの想定など、通用しないらしい