覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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一章の最後です!


帰還

「...蓮。」

 

 蓮が意識不明になってから、2週間経った。

 手術自体は成功し、いつ目覚めてもおかしくない状態ではあった。

 しかし、蓮が目覚めることはなかった。

 

「なんで、起きないの...?」

「友希那...」

 

 蓮の病室には毎日誰かしらが来てる。

 昨日はアフターグロウ、

 今日はロゼリアだ。

 

「...やっぱり、私は恨まれてるのかしら...。」

「湊さん...」

「私が、あんな事、言わなければ...蓮は...」

「そんな事は!私達だって、神谷さんに甘えていました...」

「元はと言えば、誘ったのは私よ。」

「友希那、自分を責めても仕方ないよ。

 今は蓮が目覚めるのを信じよ。」

「...そうね。」

「__失礼します。」

「あ、先生。」

「少し、お話ししなければならないことが。」

「話ですか...?」

「はい。」

「それは、なんですか?」

「...大変、申し上げずらいですが、

 3日以内に彼が目覚めなければ、脳死となってしまいます。」

「!!!」×5

「そ、そんな!」

「まだ、死んでない...です!」

「...申し訳ない。ですが...」

 

 医師はそう言って病室を出ていった。

 

「(待って、蓮が脳死...?

 何を言ってるの?心臓は動いてるわ。

 生きてる、蓮は生きてるのよ...?)」

「__友希那!」

「蓮!起きて!お願い!!」

「湊さん!やめてください!」

「何でもするから...起きて...蓮...。」

「友希那さん...」

「...」

 

 現実が重くのしかかる。

________________________

 

 ”蓮”

 

「......」

『気分はどうだ神谷蓮。』

「......」

『まぁ、答えるわけないか。』

 

 ここは、何もない暗いだけの空間。

 

『お前、このままじゃ脳死にされるぞ。』

「......いいんじゃないか。」

『お、やっと答えたか。』

「俺は求められてない。

 今更死のうがどうでもいい。」

『...まぁ、俺はお前を殺したいわけじゃない。

 だから、アドバイスをしてやる。』

「アドバイス...?」

『お前があいつらを大切と思うなら、

 少し、あいつらの声を聞いたらどうだ。』

「...対応の差がすごいな。」

『あんまりにもつまらないからな。

 ...ま、期限は3日だ。』

「...そうか。」

 

 そう言って、俺の記憶とやらは歩いて行った。

 

「......あいつらの声、か。

 聞こえるのか、俺に...?」

________________________

 

 蓮の余命宣告から、二日が経ってしまった。

 時刻はもう夜10時だ。

 

「__蓮、起きて!」

「神谷君!」

「蓮!起きて!」

「蓮!早く起きなよ!」

「先輩!!」

 

 ガールズバンドは全員集まっていた。

 

「蓮君起きてよ!こんなの、るんってしないよ!」

「神谷君、起きて...!」

「蓮、そろそろ目覚めの時間じゃないのかい...?」

「蓮先輩、私とギター弾く約束、したじゃん...」

「蓮君ー...」

 

「蓮君!あこ達まだあったばっかじゃん!」

「神谷君、起きてよぉ...」

「蓮さん、起きろよ!そんでラーメンでも食いに行こうぜ!」

「神谷さん!また一緒にドラム叩きましょうよ!」

「神谷先輩、私まだ、何も恩返し出来てないよ...」

 

「蓮、みんな待ってるよ?、勿論、私も...」

「蓮、私を置いて行くなんて許さないわよ。」

「蓮さん、皆でまた楽しくしましょうよ...」

「先輩...」

「蓮君先輩にまだ、はぐみのコロッケ食べてもらえてないよ!」

 

「起きろよ、先輩!このままじゃ、私たちはどうなるんだよ...!」

「神谷さん...!」

「レンさん!まだ、レンさんに私のブシドーを見てもらえてません...!」

「神谷君...まだ、お礼を言えてません...!

 だから、起きて...!」

「蓮さん、私を甘えさせてくれるんじゃなかったの?

 まだ、だよ...?だからさ、起きてよ...。」

 

 各々、蓮に声をかける。

 だが、蓮は目覚めず、時間は無常に過ぎていく。

 

「...もう、時間がないよ...」

「蓮!起きなさい!」

「このままじゃ、死んでしまいます!」

「蓮...」

________________________

 

 ”蓮”

 

『__おい!神谷蓮!』

「...なんだ。」

『お前、もう時間がないぞ!

 何をしてる!』

「...何もしてない。」

『...俺はお前の記憶を見てきた。』

「...?」

『俺が想像した以上に最近のお前は幸福だったはずだ。』

「...あぁ。」

『なのに、何故お前はその日々を捨てようとする!?』

「俺は所詮、そこまで行っても人殺しだ。

 俺はもういい。」

『...これは俺の罪、か。』

「...違う、俺のだ。」

『...こうなったら...!』

 

 記憶は俺の頭を掴んだ。

 

『声を聞け!お前を慕う者たちの!

 それが、俺の罪滅ぼしだ!』

「!!」

 

 俺の頭に誰かの声が入ってくる。

 

__『蓮!起きて!』

「...友希那...?」

『まだ、出会ったばかりじゃない!』

『まだまだこれからじゃない!』

『私たちは神谷君のお陰で成長できたんだよ...?』

『もっと私たちと楽しいことしようよ!』

 

『私たちを支えて!!!』×25

 

「__これは...?」

『今、お前にかけられてる声だ。』

「俺に?」

『お前はこれを聞いても、まだ死にたいと思うか?』

「...俺は。」

 

 俺は記憶に言った。

 

「__俺は戻るよ。

 皆のもとに。」

『!そうか!なら、行け!』

「あぁ。」

『あ、言い忘れてた。』

「?」

『俺はお前の記憶と言ったな?』

「あぁ。」

『俺はお前の能力でもある。』

「は?」

『俺の名前は___。

 お前に本格的に協力しよう。

 条件は___だ。』

「いや、使ったら二の舞なんだが?」

『大丈夫だ。 

 まぁ、発動中に何らかの変化が現れるかもしれんが、まぁ、取り合えず大丈夫だ。』

「...まぁ、起きてから試す。」

『おう。じゃあな、神谷蓮。

 もう来るなよ。』

「...あぁ。」

 

 目の前が白くなっていく。

________________________

 

「__蓮!蓮!」

 

 友希那は叫んでいる。

 

「起きて!お願い!!!」

「もう時間がないよ!」

「あと、一分です!

 神谷さん!起きてください!」

 

 時計の針は進む...

 

「先輩!起きろよ!」

「起きてください!」

「蓮先輩!」

 

「__時間切れ、です。」

 

 医師はそう告げた。

 

「6月28日0時__」

「待って!」

「!」

 

 友希那が蓮に駆け寄った。

 

「蓮!蓮!蓮!!起きて!

 私のなんでもあげるから!!

 だから...お願い...起きてぇ...」

「...残念ですが、彼は__」

 

「__ん。俺がどうしたって?」

「???!!!」

「れ、蓮...?」

「?どうした?」

「ほんとに、蓮なの...?」

「いや、俺以外の何に見えるんだ__って、うお!」

 

 友希那が抱き着いてきた。

 

「よかった...よかった...

 もう、戻ってこないって...思って...」

「...はいはい。泣くな泣くな。

 俺は生きてるだろ?」

「えぇ...えぇ!」

「__まぁ、ここまではいいんだ。」

 

 俺は点滴を外した。

 

「な、何を!」

「あんた、どうも変だぞ?」

「何?」

「この点滴、水と...なんかの毒でも入ってんのか?

 頭がふらふらするんだが?」

「!!!」

「さて、早速だが試してみるか。」

「え?蓮?」

「__『咎』」

 

 情報量が増える。

 

「!れ、蓮?!」

「ん?」

「目、目が。」

「目?」

「赤くなってるわよ?」

「...充血か?」

「違うわ、黒目の方よ。」

「マジ?(変化ってこういう事?)」

 

 俺は驚いたが

 

「ま、まぁいいや。

 それで、そこの医者。」

 

 俺は医者の方を向いた。

 

「あんた達の行動はおかしい点がある。」

「おかしい点だって?そんなの__」

「まぁ、一つ言うなら、

 何でここに脳波を測る機械がないんだ?

 脳に異常があると分かってるのに。」

「!」

「そして、この点滴。

 どう考えても殺意あるよな?

 これ、毒だろ?」

「何?!なぜ!?」

「(え?自白した?!)

 ...まぁいいや。」

 

 俺はため息をついた。

 

「そう言えば昔聞いたんだが。

 患者の臓器を海外に売った医者がいたらしいんだ。

 それで、一躍、その手法は流行ったとか。」

「!___!!」

 

 医者が走って逃げた。

 

「__黒服の人。」

「はっ!」

 

 が、呆気なく捕まった。

 

「...まー、狙いは金稼ぎか。

 苦労した医者なんだなー」

「...黒服の人たち。

 そこの人はどうしてもいいわ。

 ただし、容赦はしないで。」

「かしこまりました、こころ様。」

「ま、待て!私はまだ殺してないじゃないか!」

「ふざけるな!!!」

「!?」

 

 友希那が叫んだ。

 

「蓮を殺そうとしてたですって?!

 それで、待て?!ふざけるんじゃないわよ!

 私は許さない、皆が許しても、私だけは絶対に...!!!」

「...友希那。」

「リサ...?」

「ここにいる皆は誰も許さないよ。」

 

 リサは皆の方を指さした。

 

「覚悟してなさい、あなたの名前はもう確認済みよ。」

「ブシドーに反する行為!成敗します!!」

「これ、私が壊してもいい?いいよね?」

「警察に突き出しましょう。」

「いやー死刑でー」

「さすがに無理だよ...でも、許せないよね。」

「つ、つぐ?すっごい怖い顔してるぞ?」

「このクズ野郎どもが!!!」

「オッちゃん達の餌にしようかな?

 ...いや、やめとこ。汚い。」

「これは、容認できない、よね。」

 

「ま、こんな感じ。」

「...俺が怖いんだが。」

 

 皆の怒り心頭差に俺も背筋が凍る。

 

「...えっと、まぁ、友希那?」

「なにかしら?」

「あんまり怒鳴るなよ?

 歌に影響が出るぞ?」

「...分かったわ。」

「よし。」

 

 俺は皆の方を向いた。

 

「皆も落ち着いてくれ。

 なんでそんなに怒ってるかは分からないが。」

「...黒服の人、連れて行って。

 後は任せるわ。」

「...はっ。」

「待て!待ってくれ!」

 

 医者は黒服の人に連れていかれた。

 

「(...ご愁傷様。)」

「...ねぇ、蓮?」

「?なんだ、千聖?」

「そろそろいいかしら?」

「え?何が?」

「私達、すっごく心配したわ。」

「あ、あぁ。すまん。」

「だから、あなたには私たちを安心させる義務があるわよね?」

「え?」

「あるわよね?」

「...はい。おっしゃる通りです。」

「じゃあ...皆、許可が出たわよ!」

「え?皆って__うわぁぁぁ!!!」

 

 千聖がそう言うと、皆が一斉にこっちに来た。

 

「蓮!よかったよ~!」

「蓮!よかった、ほんとうに...」

「嬉しいわ、蓮!」

「蓮く~ん!」

「レンさん!」

「え、えっと、神谷、さん///」

「ちょ、ま、これはやば___」

 

 俺は皆に抱き着かれたりした。

 

「__楽しそうだな、蓮。」

「な、成海...?」

「こんなに女の子を待たせて、大変そうだな。」

「いや、そう思うなら、助けて__」

「...おかえり、蓮。」

 

 俺はしばらく皆に埋もれていた。

 

「(やば...息...が...)」

「蓮?!(神谷さん?!)(先輩?!)(蓮さん?!)」

 

 俺は気絶した。

 

「...大変だな、蓮。」

________________________

 

『__いや!なんでまた来たんだよ!』

「皆で窒息した。」

『なんでだよ!?』

「まぁ、すぐに帰るよ。」

『...まぁ、いいが。

 それより、どうだった?

 外は?』

「楽しかったぞ。生きててよかった。

 ありがとう、咎。」

『気にすんな、蓮。』

「じゃ、帰るな。」

『おう。』

 

 俺は戻って行った。

________________________

 

「___ん。」

「あ、蓮!」

「いやー、人で窒息するんだなー」

「ご、ごめんなさい。」

 

 皆はシュンとしてる。

 

「__あはは!別にいいって!」

 

 俺は笑いながら言った。

 

「これからもよろしくな、皆!」

「!...うん!(はい!)」

 

 

 第一章 完

 

 

 

 

 




感想などお願いします!

次回から二章です!
まぁ、本番ですね。
ここからオリキャラを出したり、季節ネタ書いたり
キャラの個人の話を書いたり、バンドごとに書いたりします!

攻略情報:全員攻略済
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