覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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頼み

 みんなと結婚するための条件

 

 これについては頭を悩ませてた

 

 2年以内に5人の子どもを作るなんて、現実的に難しい

 

 俺達の置かれてる状況じゃなきゃ、不可能だろう

 

 でも、5人の未来を変えるようなことをするのを躊躇ってた

 

蓮(だが、これで迷って、チャンスを失うのは絶対に後で苦しくなる。)

 

 だから、ちゃんと話そう

 

 俺の感情と相手の感情を考えて

 

 無理なら、また考えよう

 

蓮「有咲。いるか?」

有咲「ん?蓮さん?」

 

 まず、俺が来たのは有咲の部屋だった

 

 有咲は扉を開け、首をかしげてる

 

 多分、俺が深刻そうな顔をしてるからだろう

 

蓮「有咲。頼みがある。有咲の未来が大きく変わってしまうくらいの。」

有咲「え?ど、どうしたんだよ......?」

蓮「前置きとかは言い訳がましいからしない。本題から入るよ。」

 

 俺は少し呼吸を置く

 

 数秒の静寂の後、俺は有咲の目を真っ直ぐ見た

 

 そして、ゆっくり口を開いた

 

蓮「俺と子どもを作って欲しい。」

有咲「......ん?」

蓮「俺と子どもを作って欲しい。」

有咲「~!?///」

 

 1回目、有咲は目を真ん丸にして固まった

 

 そして、2回目を言うと、顔を真っ赤にした

 

有咲「な、なんでそんな話になってんだ!?///」

蓮「......俺たちが結婚するためだ。」

有咲「!」

蓮「この先、一夫多妻が合法になる可能性がある。」

有咲「え?」

 

 有咲はまた驚いたような声を出す

 

 ここから状況を説明しよう

 

蓮「こころのお父さんが政府と掛け合って、一夫多妻を認める法案を通してくれた。それで、その条件が2年以内に子どもを5人作ることなんだ。」

有咲「そ、そんなことが......じゃあ、蓮さん自身はどうなんだ?子ども、作りたいと思ってるのか?」

蓮「これは、大袈裟でなく、子どもを作った5人の未来を変えることになる。皆のやりたいことや夢を犠牲にしてしまう。だから、迷ってた。」

有咲(蓮さんらしいな。)

蓮「でも、俺は皆と堂々と一緒にいたい。だから、ワガママを言う事にした。」

 

 俺の頭に浮かんだこころを含めた5人

 

 俺の気持ちと条件の両立

 

 前者を満たすのはそう難しいことじゃない

 

 ただ、後者となると相手の気持ちが大きい

 

 そこも全部考えて、有咲だ

 

有咲「なんで、私なんだ?」

蓮「進路について聞いた時。有咲が俺のお嫁さんになりたって言ってたから。有咲と子どもいるイメージが湧いた。」

有咲「そ、そんなこと覚えてたのかよ!///」

蓮「俺は有咲と結婚したい。有咲以外の皆とも。」

有咲「だから、子ども生んでほしいって......?///」

 

 俺は頷く

 

 有咲は俯いて、何かを考えてる

 

 それが数秒続いて、有咲はゆっくり俺の目を見た

 

有咲「.....いいぞ///」

蓮「!」

有咲「蓮さんは多分、目的達成の為に利用するみたいで嫌とか思ってただろうけど、私たちのこれからのためだ、受け入れる。けど、それ以上に蓮さんとの子ども、欲しいからさ///いつか起きることが今起きただけだし......///」

蓮「ありがとう、有咲。」

有咲「ひゃあ!///」

 

 俺は有咲を抱きしめた

 

 つい、力が入りそうになる

 

 これは愛おしさと緊張だ

 

 責任が段々と増していくことへの

 

有咲「......心配するなよ///私はずっと、蓮さんのこと愛してるからさ///」

蓮「あぁ。」

有咲「ほら、まだ行くとこあるんだろ?///行って来いよ///」

蓮「そうだな。有咲、ありがとう。俺、頑張って有咲を幸せにするよ。」

有咲「蓮さんは元々、頑張りすぎだ///頑張らないこと、覚えろよ?///その、お嫁さんからのお願いだぞ......?///」

蓮「......あぁ、有咲がそう言うなら、そうする。(可愛すぎる。)」

 

 俺は名残惜しい気持ちを抑えつつ、有咲の部屋を離れた

 

 次の子の所、行かないと

 

 でも、どうしよう

 

 この時点でもう、結構限界近いんだけど......

__________________

 

 廊下を歩いて、次の部屋に来た

 

 この子には前に相談したな

 

 そんなことを思いながら、俺は扉をノックした

 

モカ「はーい。あ、蓮君~。」

蓮「モカ。頼みがある。」

モカ「いいよ~。」

蓮「了承早くない?」

モカ「蓮君の頼みだもん~。」

 

 モカは迷いのない目でそう言った

 

 その俺への信頼はどこから来るんだ

 

 いや、されてないよりはいいんだけど

 

モカ「それで、お願いの内容は?」

蓮「俺と子どもを作って欲しい。」

モカ「!(なるほどね~。)」

 

 内容を言うと、モカは一瞬驚いた表情をした

 

 だが、すぐにいつもの表情に戻って

 

 俺の目をじっと見た

 

モカ「覚悟、決めたんだね。」

蓮「あぁ。」

モカ「待ってたよ。蓮君。」

蓮「!」

 

 モカはそう言うと同時に抱き着いて来た

 

 ふわっと良い匂いがして、柔らかい感触を感じる

 

蓮「待たせてごめんな。モカ。」

モカ「ううん、いいよ~///あたし、今、すっごく嬉しいから~///」

 

 モカは顔を赤く染め、そう言ってくれた

 

 嬉しいか......

 

 そう言ってくれるのは、俺も嬉しい

 

 どんなに愛し合ってても、子どもを作るかどうかは話が別だから

 

 こうして受け入れてくれるのは、ありがたいことだ

 

蓮「絶対、幸せにする。もし、その時が来たら結婚しよう。モカ。」

モカ「っ♡うん~♡(あ~♡好き好き好き~♡)」

 

 モカは頭をグリグリこすりつけてくる

 

 その様子が可愛すぎて、もっと一緒にいたい

 

 でも、時間と言うのはこっちの感情なんて無視して進んでいく

 

 気づけばその状態のまま十数分経っていた

 

蓮「ごめん、モカ。そろそろ行かないといけない。」

モカ「そっか~......」

 

 俺がそう言うと、モカは寂しそうな声を出した

 

 心が痛い

 

 このまま連れていきたい

 

モカ「仕方ないよね。まだ何人かに声をかけなきゃいけないだろうし。」

蓮「悪い。」

モカ「大丈夫~。でも、また、会いに来てね~。」

蓮「あぁ。分かった。」

モカ(まぁ、蓮君が来なくても会いに行くんだけどね~。)

 

 そんな会話の後、俺はモカの部屋から離れた

 

 そして、次の子の部屋に向かった

__________________

 

 モカの部屋から少し離れたところにある部屋

 

 ここにいるはずだ

 

 今日は休みだったはずだし

 

蓮「いるか?眞。」

眞「__ご主人様?」

蓮「今日は眞の彼氏として話がある。」

眞「!」

 

 正直、今も迷ってる

 

 本当にこれでいいのか

 

 眞はもっと、2人でいる時間を楽しみたいのではないのか

 

 だから、眞には話すけど、意思を尊重しよう

 

眞「どうしたの?」

蓮「日本で一夫多妻が可能になるかもしれない。」

眞「!(一夫多妻?それは、蓮の願いの為に必要不可欠。でも、深刻そうな顔をしてる。多分......)

蓮「でも、それにはある条件がある。」

眞「それは?」

蓮「2年以内に子どもを5人作ることだ。」

 

 そう言うと、眞は驚いたような顔をする

 

 メイドさんとしての眞にも話してなかったからな

 

 そりゃ、驚くか

 

眞(蓮、偶に悩んでる顔してたけど、そう言う事だったんだ。)

蓮「それで、眞に頼みがある。」

眞「頼みって?」

蓮「俺と、子どもを作って欲しい。」

眞「っ!!(蓮と、子ども......?)」

 

 眞が俯いて、動かなくなった

 

 表情が見えない、何を考えてるんだ?

 

 俺は不安を感じつつ、眞の動きを待った

 

眞「......ぐすっ。」

蓮「眞......!?」

 

 眞の目から、水滴が零れる

 

 それがポタポタと床に滴り落ちていくのを見て

 

 俺は慌てて声をかけた

 

蓮「ご、ごめん!まだ嫌だよな!」

眞「ち、ちがうよぉ......嬉しいのぉ。」

蓮「え?」

 

 眞の言葉を聞いて、固まってしまう

 

 え、嬉しいの?

 

 我ながら早すぎると思ってたんだけど

 

 てか、なんで泣いてるんだ?

 

眞「何年も、何年も、恋焦がれて、何回も諦めそうになって......でも、蓮と一緒になれた。それだけでも幸せなのに、夢にまで見た、蓮との赤ちゃんまで産めるなんて、幸せすぎて、おかしくなっちゃうよぉ......!」

蓮「眞......」

眞「ひぐっ、ぐすっ.......私、諦めなくてよかったぁ.......!」

蓮「っ.......」

 

 眞は笑いながら泣いている

 

 それはもう、幸せそうに

 

 その様子を見て、眞の葛藤とか努力が見えて、心が痛くなる

 

眞「例え、一夫多妻の条件の為だとしても、幸せだよぉ......」

蓮「それは違う。」

眞「え......?」

蓮「現実的に考えて、眞が条件的に適してるとは思った。けど、それだけじゃない。俺はちゃんと眞を愛してるし、子どもが欲しいって思った。もし、今断られても、いつかはって思ってた。」

眞「そう、なんだ.......///嬉しいなぁ......///」

 

 眞は照れた様子でそう言う

 

 普段のキリっとした態度とは違う

 

 普通の女の子の眞と姿がそこにはあった

 

眞「私、幸せだよ......///」

蓮「もっと幸せにする。愛してるよ、眞。」

眞「私も、愛してる///」

 

 眞は俺の体にもたれかかってくる

 

 愛おしい

 

 ただただ、そう思う

 

 こんなに健気で、いじらしい彼女、中々いないだろ

 

 普段は世話焼かれてるけど、甘やかした意欲が溢れてくる

 

眞「いつから、子作り始める?///」

蓮「もう少しだけ2人の時間を楽しんでからでも遅くない。一回くらい、普通にデートしよう。」

眞「嬉しい///楽しみにしてるねっ///」

蓮「あぁ。近々、行こう。」

眞「うん///」

 

 デートの行き先は考えてる

 

 デートして、眞のタイミングで始めよう

 

 幸い、まだ時間はある

 

眞「......蓮、そろそろ、行かないといけないんじゃない?」

蓮「!」

眞「子どもを5人作るってことは、5人の彼女にお願いしないといけない。そして、蓮はまだちょっと不安そうな顔をしてる。つまり、まだ、声をかけないといけないってこと。」

蓮「よくわかったな。出来るだけ、顔に出さないようにしてたんだけど。」

眞「良き妻は夫の変化に敏感なんだよ。」

 

 眞はえっへんと言わんばかりに胸を張ってる

 

 なんていうか、敵わないな

 

蓮「あぁ、後1人。正直、眞と同じくらい、これでいいのかって思ってる。」

眞「大丈夫だよ。蓮との赤ちゃんが欲しくない彼女なんていないから。」

蓮「......多分、そうなんだと思う。だから、怖い。自分のしたいこと、全部後回しにさせてるんじゃないかって。」

眞「蓮の彼女はみんな、蓮と一緒にいることを願ってるから。むしろ、このチャンス逃した方が怒るかもよ?」

蓮「それは......怖いな。」

眞「うん。だから、大丈夫。行っておいで、蓮。」

蓮「あぁ。」

 

 俺は眞に送り出され、最後の子の元に向かった

 

 迷いは消えてないが、行くしかない

 

 最後の子は正直、俺のワガママの要素が大きい

 

 だから余計に、自己嫌悪してしまうな......

__________________

 

 ついに来てしまった

 

 本当にいいのかと、自分に問いかける

 

 この子には酷なことじゃないかと

 

 心配のような感情もある

 

蓮(......いや、決めたこと。言うだけ言うのが__)

アリス「あれ?蓮さん?どうしたんですか?」

蓮「!!!???」

アリス「蓮さん!?」

 

 後ろから聞こえた声を聞いて、心臓が止まりそうになった

 

 へ、部屋の中にいなかったのか

 

 マジで驚いた......

 

アリス「だ、大丈夫ですか!?」

蓮「大丈夫だ。ちょっと心臓吐きそうになっただけだから。」

アリス「それは、重症じゃないですか?」

 

 アリスに冷静にそう言われる

 

 まぁ、多少、心配にダメージを負ったが気にしない

 

 それどころじゃないからな

 

蓮「問題ないよ。」

アリス「そうですか?じゃあ、私の部屋に何の御用で?」

蓮「アリスに頼みがあって来たんだ。」

アリス「頼みですか?」

 

 アリスは首をかしげる

 

 恐らく、今から話す内容なんて想定してないだろう

 

蓮「えっと、部屋に入っていいか?」

アリス「は、はい。」

 

 アリスは頷きながら扉を開け、部屋に入れてくれた

 

 何回も来てる、自分の部屋に次くらいには慣れ親しんだ部屋だ

 

 アリスにぴったりな、白くて、甘い香りがする

 

アリス「__それで、頼みとはなんですか?」

蓮「まず、内容だけ言うぞ。」

 

 俺はすぅっと空気を吸った

 

 今までで一番緊張するぞ

 

 けど、止まってもられない

 

蓮「アリス、俺の子どもを産んでほしい。」

アリス「......へ!?///」

 

 俺がそう言うと、アリスは顔を真っ赤にした

 

 そして、アタフタ動いている

 

 小動物みたいな反応だ

 

アリス「こ、子どもって、えっと、それは.......///」

蓮「日本に一夫多妻が採用されるよう、こころのお父さんが掛け合ったんだ。」

アリス「っ!......その条件、ということですか?」

蓮「それもあるけど、少し違う。」

アリス「?」

 

 アリスはまた、首をかしげる

 

 これは、俺のワガママだ

 

 ちゃんと言おう

 

蓮「アリスは今じゃなくていいとも思った。けど、アリスとの子どもが欲しいと思った。」

アリス「......!///」

蓮「アリスに目標があるのは分かってるし、努力も知ってる。でも、どうしても、アリスがいいと思った。」

アリス「蓮さん......///」

 

 我ながら、嫌な奴だともう

 

 俺の為にアリスの目標を後回しにしてくれと言ってるようなものだ

 

 最低最悪だってことは自分が一番分かってる

 

アリス「......蓮さんのお気持ちはよく分かりました///」

蓮「決断はアリスに任せる。嫌ならそう言ってくれ。」

アリス「嫌なんてこと、あると思いますか?///」

蓮「!」

 

 アリスはそう言うと立ち上がり、俺の隣に座りなおした

 

 そして、俺の腕に抱き着いてくる

 

アリス「私、嬉しいですよ?///蓮さんが私を選んでくれて///」

蓮「アリス......」

アリス「私の目標はあくまで、蓮さんに全部を背負わせないようにすることです......社長になる事ではありません///」

蓮(そう言えば......)

アリス「今、蓮さんが背負ってるものがそれなら、私は喜んでこの身を捧げます///でも、蓮さんはそれを抜きにしても、私が良いと思ってくれた///だから、私は幸せです///」

 

 アリスの体温が上がっていってるのが分かる

 

 天使のような女の子の熱のこもった視線を感じる

 

 まるで、今すぐにとでも言わんばかりに

 

蓮「ありがとう、アリス。」

アリス「はい、蓮さん......///」

蓮「羽丘も花咲川も年明けたら登校頻度が減るし、それに合わせて始めようと思ってるんだ。それでもいいか?」

アリス「はい///でも......///」

蓮「!」

 

 アリスの服が少し開けて、ピンク色の可愛い下着が見える

 

 その表情は紅く、目がとろんとしている

 

 その姿を見て、ついごくりと唾液を飲み込む

 

アリス「いずれ、蓮さんの子を宿す体......お試ししていきませんか?///」

蓮「......!」

アリス「きゃ♡」

 

 俺はそう誘ってくるアリスを押し倒した

 

 これ、想像以上にやばいかもしれない

 

 みんなの準備の方が重要だけど、俺の方もきっちり準備してないと

 

 もしかしたら、潰されるかもしれない

 

 今、目の前にアリスを見て、そう思った

 

 

 

 

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