煌びやかな道を歩いて来たのは、ゆっくりと回る大きな観覧車
夜に合わせてライトアップされて、とても綺麗でした
そんな観覧車に私たちは乗っています
眞「観覧車なんて久しぶりに乗りました。」
蓮「そうなのか?」
眞「一緒に乗ったじゃないですか。」
蓮「......そうだっけ?」
蓮は困惑した様子です
まぁ、覚えてないでしょう
あの時も半分くらい寝てましたから
眞「蓮は本当に覚えてないんですね。」
蓮「それはもうごめんとしか言えない。」
眞「大丈夫です。ある程度の事情は知っていますから。」
蓮はまだ、記憶喪失の後遺症があります
昔の記憶は曖昧なままです
あんな経験をしたんですから、仕方ないです
眞「あの時は蓮と初めて一緒に遊園地に行って、本当に楽しかったです。その時撮った写真は、今でも持っています。」
蓮「写真?」
眞「これです。」
私はペンダントに入れている写真を見せました
それは、眠そうな蓮に私が後ろから抱き着いてる写真
蓮は今よりも可愛い顔というだけですが、私は髪が男の子のように短くて
我ながら、全く印象が違います
蓮「あー、そう言えば、こういうのもあった気がする。」
眞「この時は楽しかったですよ。そして、この後、蓮は......」
蓮「あー、お別れ会だったっけか。」
眞「はい。蓮は特別でしたから。」
通常、お別れ会は孤児院内で行われます
でも、蓮の時は違いました
赤ちゃんの時からいて、みんなに可愛がられているのに、どこか浮いている
生れた時から特別な存在
それが、蓮でした
眞「蓮はずっと何かがおかしかった。けれど、それが魅力的だった。」
蓮「俺を好きになった理由は、それもあるのか。」
眞「恐らくそうなのでしょう。」
それは恐らく、蓮にとっては呪いのようなものなのでしょう
私はその影響を受けて、十数年経っても消えないよう刻みつけられた
いえ、その表現すら、生ぬるいのかもしれません
私の気持ちはその次元ではないですから
蓮「じゃあ、それは結果としてよかった。」
眞「?」
蓮「今、眞といて楽しいからな。彼女になってくれてよかったと思ってるよ。」
眞「!///」
蓮は静かな声でそう言いました
その言葉だけで正直、天に召されそうな程幸せなのですが......
蓮「眞はメイドとしてしか認識してない時から結構、気が合ってたし。その時点で、こうなる可能性はあったのかもしれない。」
眞「......!?///」
そう言いながら、左手が握られます
私は激しく狼狽して
抑えてるはずの感情が出てきてしまいます
蓮「俺は眞を愛してる。時が来たら、結婚しよう。これは、その約束の証だ。」
眞「っ!///」
私の左薬指に指輪がはめられました
これは所謂、婚約指輪というものでしょう
そう、私と、蓮の結婚の約束
私のこれからの幸せの象徴......
眞「そ、その///不束者ですが、よろしくお願いします......///」
蓮「あぁ、ずっと一緒に居よう、眞。」
眞「......うんっ///」
目から、涙があふれてきます
蓮と恋人になってから、何度泣いたでしょう
それくらい、私にとっては大切で
特別な人だから
蓮「ここが、観覧車の頂上だ。」
眞「!」
そう言われ横を見ると、綺麗な景色が広がっていました
ビルはキラキラと輝いて、湖に反射している
こんなに夜景を綺麗だと思うのは初めてかもしれません
蓮「でも、俺たちの頂上はここじゃない。」
眞「蓮?」
蓮「もっと、綺麗な景色が見られる。眞や、皆となら。」
眞「......そうだね。私も、そう思う。」
それから、観覧車はゆっくりと回って
景色は段々と低くなっていった
でも、寂しさは感じなかった
きっと、蓮となら、もっと綺麗な景色を見られるから
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蓮「さぁ、次が最後の目的地だ。行こう。」
蓮にそう言われ、さっきのホテルに戻ってきました
そして、長い長いエレベーターに乗る時間を過ごし
辿り着いたのは、一際綺麗なお部屋でした
眞「ここは......」
蓮「俺たちが今日泊まる部屋だ。偶にはメイドから解放されて、一緒にいるのもいいかと思ってな。」
眞「そ、そうだね......///」
多分、これはそう言う事だと思います
すごく雰囲気が良い場所ですし
恐らく......
眞「れ、蓮......///」
蓮「どうした?」
眞「その、ここに来たってことは、多分、そう言う事だよね......///」
蓮にとって大切なこと
私もそう理解しています
だからこそ思います、私が最初で嬉しいと......
蓮(あっ、そういうことか。)
眞「私、全部全部、覚悟できてるから......///」
そう、全部で来てる
蓮との子どもを産むことも、育てることも
蓮「ありがとう、眞。」
眞「蓮......///」
蓮が目の前に来る
そして、優しく頬を撫でられる
まるで、でも目はその逆で、獲物に狙いを定められてるみたい
蓮「愛してるよ、眞。」
眞「私も、愛してる......///」
その言葉の後、私たちの影は一つに重なった
そして、私はゆっくりとベッドに押し倒され
一生忘れることが出来ない夜が始まった