祭りから一週間。
蓮「__アリス、今日呼ばれた理由が分かるか?」
アリス「い、いえ、分かりません。」
アリスは困惑している。
蓮「そろそろ、アリスの親父も動いてくる。」
アリス「!」
蓮「それにあたって、アリスにライブをしてもらう。」
アリス「えぇ!?」
蓮「ま、驚くよな。」
アリス「なぜ、ライブを...?」
蓮「んー、決着をつけるから。」
アリス「!」
蓮「そろそろ、重荷は捨てたいだろ?」
アリス「はい。」
蓮「じゃ、準備しておいてくれ。
最高の歌を頼むぞ。」
アリス「はい!頑張ります!」
蓮「(あれからあいつらと話すようになって明るくなったな。いい傾向だ。」
俺は携帯を見た。
蓮「(天声の歌姫、ライブ開催。このライブはただ事じゃない、か。)」
携帯をなおした。
蓮「...ま、ただ事ではないよなー」
________________________
ライブの準備が始まった。
会場などはこころが用意してくれる。
こころ「__蓮!来たわね!」
蓮「よう、こころ。」
こころ「会場はこれで大丈夫かしら?」
蓮「あぁ、十分だ。あと、」
こころ「えぇ、警備は指定された場所に配置してるわ。」
蓮「さんきゅ。」
こころ「でも、大丈夫なの?かなり偏っているけれど?」
蓮「んー、大丈夫だぞー」
俺は会場の方を向いた。
蓮「...もう勝利へのルートは見えてる。」
________________________
蓮「__もしもし、成海か?」
成海『やぁ、蓮。ちょうど今連絡しようとしてたんだ。』
蓮「という事はやっぱり。」
成海『あぁ、愛染家は動いている。』
蓮「まぁ、目的は分かり切ってる。餌もまいた。」
成海『全く、大企業を手玉に取ろうとするなんて恐れ入るよ。』
蓮「ま、大企業で終わればな。」
成海『?』
蓮「あー、いい。じゃあな。」
成海『蓮!』
俺は電話を切った。
蓮「さて、後は詰めるだけだ。」
________________________
ライブ当日になった。
蓮「よーアリスー」
アリス「神谷さん、こんにちは。」
蓮「調子はどうだ?」
アリス「問題ないと思います。」
蓮「ならいいな。心配はないだろ。」
アリス「ですが、大丈夫なのでしょうか?」
蓮「ん?何が?」
アリス「お客さんに被害が行ったりは...」
蓮「あー、大丈夫大丈夫。」
俺はドアノブに手をかけた。
蓮「アリスは歌だけ考えてろよー。」
俺は部屋を出た。
蓮「__もしもし、こころか?」
こころ『えぇ!』
蓮「警備員の配置は済んでるな?」
こころ『完了してるわ!』
蓮「よし。」
美咲『蓮さん。』
蓮「美咲?どうした?」
美咲『無理しちゃだめだよ。』
蓮「大丈夫だって多分。」
美咲『多分って...』
蓮「じゃ、また後でなー」
俺は電話を切った。
蓮「さーて、どの位で来るかな。」
________________________
”アリスside”
アリス「(き、緊張します...)」
アリスは久しぶりのライブでひどく緊張していた。
こころ「__アリスー!」
アリス「!こころさん!」
美咲「あたしもいるよー。」
アリス「美咲さんも!」
こころ「アリスの歌、とーっても楽しみだわ!」
アリス「そ、そうですか...?」
こころ「えぇ!アリスの歌は皆を笑顔にできるわ!」
美咲「まー、天声って言われてるからね。」
アリス「そんな...それは言い過ぎです...」
美咲「そんな事はないよ。」
アリス「美咲さん...?」
美咲「アリスの歌は凄いんだから。
自信もってね。私も楽しみにしてるから。」
アリス「美咲さん...」
美咲「もちろん、蓮さんもね。」
アリス「神谷さんも...」
美咲「蓮さん言ってたよ。
アリスの歌ってやつを守らないといけないって。」
アリス「歌?」
美咲「アリスが好きな歌を守る。」
アリス「!」
美咲「それが今回の蓮さんの信念だよ。
だから、アリスは好きに歌えばいいよ。」
アリス「はい!」
こころ「そろそろ時間ね!行ってきなさい!アリス!」
アリス「行ってきます、こころさん、美咲さん!」
(そして、神谷さん!)」
アリスは舞台に向かった。
________________________
アリスが舞台に上がった。
「あれが、歌姫...!」
「すっごい綺麗な子...」
「あの歌を生で聴けるなんて!」
観客は各々反応を見せている。
アリス『皆さん、こんにちは。愛染アリスです。』
アリスが話し出した。
アリス『今日は私の大切な友人の方もたくさん見に来てくださっているので、最高の歌を披露します。』
アリスはそっと目を閉じた。
アリス『...聞いてください、一曲目。』
アリスが歌い始めた。
________________________
アリス歌っている。
「__これは...」
「なんてことだ...!」
「次元が違う...」
「新世界が見えてきた...!」
「お前、変になってるぞ?」
アリスの歌を聞き、
呆然とする者、感想を述べる者と反応は様々だ。
蓮「__完璧だな。アリス。」
俺はホールの真ん中にいる。
蓮「綺麗で優しい、まさに天声だな。」
俺は視線を落とした。
蓮「そう思わないか?アリスのバカ親父。」
アリス父「...」
目の前にはアリス父とその他もろもろが立っている。
アリス父「なぜ、ここにいる。」
蓮「お前らこそ、なんでここから来たんだ?」
アリス父「何...?」
蓮「ま、お前らがここから来るのは分かってたんだけどな。」
俺は笑いながら言った。
蓮「警備員の位置さ、不自然じゃなかったか?」
アリス父「警備員の位置だと?」
お付き「確か、反対側に異様に偏って...」
蓮「そういう事。誘導だよ。
大人数で来るのは予想済みだった。
目的はアリスの確保。
これが分かれば十分だった。」
アリス父「ふん、バカめ。誰がこれだけで...」
蓮「来ると思うわけないだろ?」
アリス父「!」
蓮「...そろそろかな。」
アリス父の携帯が鳴った。
『__もしもし、愛染家の主。』
アリス父「!?誰だ貴様は!」
『僕は久城成海。君の目の前にいる蓮の味方だ。』
アリス父「な、なぜ貴様が!」
成海『あなたの送り出した人たちは僕たちが抑えた。
ちなみに残りの3か所も抑えてるよ。』
アリス父「な、何...!」
成海『こっちは司令官が優秀なんでね。
じゃあ、後は蓮に任せるとするよ。』
電話が切れた。
アリス父「!クソ!」
蓮「気分はどうだ?」
俺はアリス父に話しかけた。
蓮「ここから予想できるあんたの行動は俺を取り押さえて強行するか、分割していくか。」
アリス父「その通りだ。」
蓮「と、分かってるなら対策位するよな?」
アリス父「!」
蓮「__こころ!!!」
こころ『__分かったわ!』
シャッターが閉まった
アリス父「!!!」
蓮「いやー弦巻の力は凄いなー。」
アリス父「貴様!」
蓮「ま、出口は開けてるから帰ってもいいぞ?」
アリス父「ふざけるな!私はアリスを!」
蓮「恩着せがましいやつだ。
お前はアリスの声を聞いたことがあったか?」
アリス父「な、なに?」
蓮「アリスの価値、だったか?」
アリス父「そ、それがどうした。
アリスの価値はお前もわかるだろう!」
蓮「さぁ、分かんねぇな。
お前が決めたアリスの価値なんて。」
俺はアリス父に近づいた。
蓮「だって、アリスの価値はアリス自身が証明するんだからな。」
アリス父「...」
蓮「お前はアリスの何を見た?何を聞いた?
答えはいい、何も見てないし聞いてないからな。」
俺はアリス父に詰め寄った。
蓮「咎!」
アリス父「!!」
蓮「アリスの心の痛みを思い知れ!バカ親父が!!」
俺はアリス父をぶん殴った。
お付き「愛染様!」
蓮「おっと、動くなよ。」
お付き「!」
蓮「ま、俺からはこれだけだ。」
アリス父「私は...」
蓮「ま、遅くはないんじゃねぇの。」
アリス父「なんだと?」
蓮「アリスの声を聞いてやる気があるなら、
チャンスはあるんじゃねぇか?知らんが。」
アリス父「神谷蓮...」
蓮「で、どうする?」
俺はアリス父を見た。
アリス父「...間違っていたのか?私は?」
蓮「間違ってるからこうなってるんだよ。」
アリス父「そうか...」
アリス父は俺を見た。
アリス父「アリスと話せるか...?」
蓮「ふん、悪くない目だ。だが話すか決めるのはアリスだ。
俺じゃない。」
アリス父「そうか...」
蓮「だが、頼むくらいはしてやるよ。」
アリス父「!」
蓮「さっさと立て情けない。」
アリス父は立ち上がった。
蓮「...これで、チェックメイト__」
?「あんたにはがっかりだ。」
パァン!!」
蓮「何!?」
アリス父「がっ!」
?「ふん、老いぼれが。」
蓮「お前!何してる!」
?「何をしてる、か。」
男は前に出てきた。
?「俺はそこの社長にリストラされた元社員だよ。」
アリス父「!ま、まさ、か...」
?「思い出したか。」
アリス父「貴様は、遠くに...」
?「俺はあの時からあんたに復讐するチャンスをうかがってたんだ!」
蓮「おい!バカ親父!何寝ようとしてやがる!」
?「無駄だ、心臓を撃てた終わりだ。」
蓮「おい!ちょっとくらいアリスに報いろよ!バカ!」
アリス父「...これも、罰、か。」
蓮「!」
アリス父「神谷蓮...」
蓮「...なんだ」
アリス父「君に、頼みたいことがある...」
蓮「...」
アリス父「私の、机、引き出しの、3番目...」
アリス父は目を閉じた。
蓮「......」
?「ふん!ざまぁみろ!クズ社長が!」
蓮「......バカが。」
俺は立ち上がった。
蓮「...(俺が思いあがっていた。この可能性を完全に捨ててた。咎もフル活用して完璧だと思っていた、なのに...)」
?「もうここに用はない。愛染アリスを狙う理由もなくなった。」
蓮「(すまない、アリス。ほんとうにすまない...)」
俺は?の方を見た
?「あ?なんだ?」
蓮「...くそ。」
俺は?に近づいた。
蓮「くそ!!!」
?「ぐっ!」
蓮「くそ!くそ!!くそ!!!」
?「ちょ...おま...やめ...!」
蓮「...クソが...」
俺は殴るのをやめた。
蓮「すまない、アリス...」
黒服の人「...神谷様。」
蓮「はい。」
黒服の人「そこのものは私たちが。」
蓮「はい。」
黒服の人「神谷様はどういたしますか?」
蓮「俺はやるべきことをします。」
黒服の人「...かしこまりました。」
こうして、決着はついた。
俺の、敗北だ...
________________________
蓮「__アリス。」
アリス「あ!神谷さん!」
蓮「ライブはどうだった?」
アリス「はい!大成功でした!」
蓮「そうか、よかった。」
アリス「あの、神谷さんの方は...」
アリスがそう聞いてきた。
蓮「...すまない。」
アリス「え...?ど、どういう事ですか...?」
蓮「アリスの親父は、殺された。」
アリス「...え?」
蓮「過去、リストラされた社員からの裏切りだった...」
アリス「そ、そんな...」
蓮「親としての心を取り戻しつつあったんだ...
なのに...」
アリス「そんな、お父様が...」
蓮「!ア、アリス!」
アリスは倒れた。
アリスの頬には一筋の涙が流れていた。
感想などお願いします!