ライブの後日、俺は学校に向かっていた。
「__ん?友希那から?」
俺は昨日、Roseliaの面々と連絡先を交換した。
『おはよう、蓮。あなたの能力を引き出す道具を見つけたわ。』
と、書かれていた。
「道具?そんなのカッターでも__」
「__きゃ!」
「!!」
俺は女の子にぶつかってしまった。
「わ、悪い!大丈夫か?」
「は、はい。こちらこそ__!!」
「?」
「(な、何、この人。か、かっこいい!)」
「すまない。ほら。」
俺は手を差し出した。
「!!だ、大丈夫です!」
「そうか?」
「はい!」
そう言って女子は立ち上がった。
ネクタイの色的に二年生だ。
「大丈夫か?怪我とかは?」
「大丈夫です!」
「そうか。」
「はい!...って、急いでるんだった!
ごめんなさい!また、お詫びに行きます!
お名前を伺っても?」
「あぁ。俺は神谷蓮。三年だ。
って、お詫びとか考えなくてもいい。
俺の不注意でもある。」
「そういう訳には!」
「真面目もいいが、今回は気にするな。
それより、急いでるんだろ?早く行った方がいい。」
「う、うーん...分かりました。
本当にごめんなさい!」
そう言って女の子は走って行った。
「ん?」
俺はあるものを拾った。
「生徒手帳?あの子のか?」
俺は悪いと思いながら名前だけを確認した。
「羽沢つぐみ、か。」
俺は余計な情報を見ないように手帳を閉じた。
そして、俺の携帯がうるさいくらいなっていた。
「あ、友希那達待たせてるんだった。」
俺は足早に教室に向かった。
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「__悪い、待たせた。」
「...遅いわよ、蓮。」
「悪かったって。」
「おはよ!蓮!」
「あぁ。」
俺は席に着いた。
「それで、俺の能力を引き出す道具って何なんだ?」
俺は聞いてみた。
「それは外傷もなく痛みを与えることができる...これよ!」
バッ!っと友希那が出したのは...
「...ボールペン?」
「違うわ悪戯用のボールペンよ。」
と、友希那はどや顔で言ってる。
「押すと電気が流れるってやつだよ~」
「でも、悪戯用だろ?流石に無理なんじゃないか?」
「試してみて。」
俺はボールペンを受け取った。
「いや、流石にこれじゃな__っ!!」
思考速度が上がった。
「うっそん...」
「どう?」
「出来た...」
「え?!嘘?!半分冗談だったのに?!」
「いや、冗談だったのか。」
「あ、やば。」
「まぁ、いいが。」
俺は周りを見てみた。
「(マジで出来てる。視野がいつもより広い。
挙動が良く見える。)」
俺は驚いていた。
「それなら、刃物で切ることもないし、安全でしょう?」
「まぁ、そうかもな。てか、これって、音も良く聞こえるようになるんだな。」
「え?」
「細かい音も良く聞こえる。」
「...これは。」
友希那は何かを思いついたという顔をしている。
「どうした?」
「蓮、今日の放課後、私たちの練習に来なさい。」
「練習?」
「えぇ。」
「まぁ、いいぞ。」
「決まりね。放課後すぐに行くわよ。」
「了解。」
そうして、時間は過ぎていった。
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放課後になった。
俺はRoseliaとスタジオにいる。
「__それで、俺は何をすればいいんだ?」
「聞いて、アドバイスをくれたらいいわ。」
「湊さん?どうして神谷さんを?」
「すぐに分かるわ。」
「?」
「蓮、あれを。」
「はいはい。」
俺はボールペンを押した。
「...ん、OK。」
「そう。それじゃあ、行くわよ!」
友希那の一声で練習が開始された。
練習内容は五曲を通す、というものだ。
「(...なるほど。本格派ガールズバンドなだけあって、完成度は高いな。だが。)」
この時で改善点は結構見つかる。
そして、通しが終わった。
「__どうかしら?蓮?」
「そうだな。まず、あこ。」
「は、はい!」
「1,3,5曲目、ずれてた。」
「えぇ?!」
「はぁ。ちょっとドラム貸してみろ。」
「?はい。」
俺はドラムをたたいた。
「__まぁ、こんな感じだ。
あこのテンポから2個くらい遅くすれば...って、どうした?」
「な、なんで、ドラム出来るんですか...?」
「見たからだ。」
「今までに経験がおありで?」
「ない。今、初めてした。」
「し、信じられない...です。」
「プロ顔負けって言うか、プロも頭を下げるって言うか...」
「まぁ、いいだろ。
それで、わかったか?あこ?」
「は、はい!」
「ならいいな。じゃあ、次、燐子とリサ。」
「はい...」
「私も?」
「燐子は4回ミスってた。リサはあこにつられ過ぎだ。」
「き、気付いてましたか...」
「あはは~...」
「燐子、キーボード借りるぞ。」
「え...?」
「ミスった所、苦手だろ。
教えてやるよ。」
俺はキーボードを弾いた。
「__ここはこうやったらいい。
分かったか?」
「はい。」
「キーボードも出来るのね。」
「見たらできる。簡単だ。」
「蓮君、すっごーい!」
「君って、まぁいい。
さて...」
俺は友希那と紗夜の方を向いた。
「二人は終始完ぺきだったな。」
「当然よ。」
「当たり前です。」
「恐らく、二人は色んなことを乗り越えてきたんだろうな。」
「「え?」」
「友希那の歌は目的意識が良く伝わってくる。
紗夜は確固たる技術のほかに何か感じるものがあった。
二人は限りなくプロに近い。」
俺は率直に感想を伝えた。
「まぁ、こんなもんだ。どうだ、友希那。」
「素晴らしいわ。」
「そうか。」
「それで聞きたいのだけれど。」
「なんだ?」
「私たちは頂点に行けるかしら?」
友希那は真剣な顔でそう聞いてきた。
「...恐らく、まだ無理だろうな。」
「そう...」
友希那は悔しそうな顔をした。
「だが。」
「?」
「俺がいるなら話は別だ。」
「どういう事?」
「俺にはお前たちを頂点にするビジョンが見えてる。」
「!」
「...と、時間切れ。」
情報量が減った気がした。
「...まぁ、そういう事。」
「蓮。」
「なんだ?」
「本当に私たちを頂点にできるの?」
「出来る。言い切ってやるよ。
そして、Roseliaに協力するのは契約済みだ。」
「なら、お願いするわ。」
「あぁ。任せとけ。」
俺は友希那と握手した。
「まぁ、今日は終わりだろ?」
「えぇ。」
俺たちはスタジオを出た。
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「__あ!リサさん!」
「あ!ひまりじゃーん!」
「こんばんはー」
「よう!あこ!」
「お姉ちゃん!」
「Afterglow?」
「なんだそれは?」
「湊さん。」
「あら、美竹さん。」
「こんばんは。」
「こんばんは。」
「なぁ、紗夜。」
「はい?」
「あの二人は仲が悪いのか?」
「いえ、そんな事はないですよ。
よきライバル同士です。」
「...なるほど。」
「それで、そっちの人は誰ですか?」
美竹という人物は疑問を投げかけた。
「神谷蓮、私たちのコンサルトよ。」
「コンサルト?この人が?」
「あぁ、こんな人が、だ。」
「この人の何がすごいんですか?」
「おー、初対面で攻めてくるな。
まぁ、普通の俺は全くすごくないわけだが。」
「?どういう__」
「__皆、お待たせー!」
「あれ?」
隣のスタジオから見たことのある人物が出てきた。
「あれ?今朝の?」
「あ!神谷さん!」
「つぐみ、知り合い?」
「うん!朝にぶつかっちゃって...」
「朝...あ。」
俺はカバンから生徒手帳を出した。
「これ、つぐみのだろ。」
「あ!よかったー探してたんですよー!」
「悪いな、拾ってから返しに行くの忘れてた。」
「いえ!大丈夫ですよ!」
「ねぇ。」
「ん?」
「私、美竹蘭って言うんだけど。」
「うん、蘭ね。」
「湊さんに聞いた話じゃすごいらしいじゃん。」
「そうらしい。」
「それでさ、私たちの練習も見てよ。」
「え?うーん、契約的にいいのか?」
「あら?構わないわよ?蓮の自由で。」
「そうか。じゃあ、いいぞ。」
「ありがと。」
「次の練習はいつだ?」
「明日。」
「じゃあ、明日行く。」
「了解。蓮。」
「お前、年下じゃ...って、いいか面倒だし。」
「じゃあ、よろしくね。」
「あぁ。」
「お!そこの先輩、練習くんのか?」
「お前は?」
「私は宇田川巴だ!」
「巴ね。よろしく。」
「よろしくな!蓮さん!」
「あぁ。」
「あ!私は上原ひまりです!蓮さん!」
「よろしく、ひまり。」
「じゃあ、私もー。
モカちゃんでーす。よろー。蓮君ー。」
「おう、よろしく。モカ。」
Afterglowの面々と自己紹介をした。
そして、連絡先を交換した。
「(最近の女子はフレンドリーなのか?)」
「じゃあ、よろしくね。蓮。」
「あぁ。」
そうして、Afterglowは去って行った。
「さようなら!神谷さん!」
「またな、つぐみ。」
つぐみは最後までこっちに手を振ってた。
「私たちも帰るわよ。」
俺たちも帰路についた。
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”氷川家”
「__ただいま。」
「あ!お姉ちゃん!おかえり!」
「日菜。ただいま。」
「うん!」
紗夜は日菜とともにリビングに行った。
「__お姉ちゃん、嬉しそうだね!」
「そうかしら?」
「うん!るん♪ってしてるよ!」
「そうかもしれないわ。」
「何かあったの?」
「すごい人がロゼリアに来てくれたの。」
「すごい人?」
「えぇ。確か最近、羽丘に転校してきたらしいわよ。
名前は神谷蓮よ。」
「神谷蓮?...あ!リサちーと友希那ちゃんといた男子?」
「そうじゃないかしら?」
「あの人すごかったんだー」
日菜は考える仕草をしている。
「日菜?」
「神谷蓮...うん!るんっ♪ってきた!」
次回『天才との邂逅』
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