蓮「__今日も暑いよなー。」
夏休みももう中盤、俺はやることもなかったので家から出てみた。
外は相変わらず太陽がご機嫌なようで、今にも丸焼きになりそうだ。
太陽、お前はもう休め!
蓮「さて、今日はどこに行こうか__」
?「__そこのあなた。」
蓮「?」
?「あなたよあなた!神谷蓮!」
蓮「え?なんで俺の名前を?......ストーカー?」
?「違うわよ!」
蓮「まぁ、冗談だが。」
俺に話しかけてきたのは小柄の猫耳みたいなヘッドフォンをつけた、いかにも生意気そうな女の子だった。
何やらこちらを睨みつけている。
蓮「それで、お前は誰なんだ?」
?「あら?名乗ってなかったわね。私は__」
??「こういうものですー!」
蓮「うわ!?なんだお前!?」
?「パレオ!」
蓮「パレオ?」
突然、髪色がカラフルな女の子、パレオが現れ、俺に名刺を渡してきた。
名刺には『玉手ちゆ』と書かれている。
蓮「えーっと、玉手ちゆ?とパレオか?」
チュチュ「その名前で呼ばないで!」
パレオ「このお方はチュチュ、とよく呼ばれますよー!」
蓮「なるほど、チュチュね。で、俺に何の用だ?」
チュチュ「そうだったわ。」
チュチュは身なりを整え真面目な顔になった。
なにやら真剣な用があるらしい。
チュチュ「__あなた、最近ガールズバンド界で噂になってるの。」
蓮「は?」
パレオ「パスパレさんを始めとしたガールズバンドの急速な成長には蓮さんが関係している、と!」
蓮「待て待て待て、誰だそんな根も葉もないうわさを流したのは。」
チュチュ「え?SNSに載ってるわよ?」
蓮「ふぁ!?」
パレオ「こちらになりますー。」
俺はパレオが出した携帯画面を見た。
そこには隠し撮りとしか思えない動画があった、発信者は『○○事務所』となっている。タイトルは『うちに凄腕のバンドマンが来た!』だった。反応には『プロの方ですか?』や『かっこよすぎ!』などなど、どこまでほんとでどこまで嘘か分からないような事が書かれてたりする。
蓮「あの事務所は......。これはあの社長とお話だな。覚悟してろよ......!」
チュチュ「そんな事はいいわ。」
蓮「いや、俺にとっては大問題だよ。」
チュチュ「ともかく、今、あなたは有名になってるの。」
蓮「あ、はい。」
チュチュ「そこで、今日はあなたをスカウトしに来たわ!」
蓮「お断りします。」
チュチュ「なんで!?」
蓮「だって、お前の下についたりしたら古風な姑みたいな事してきそうだし。」
チュチュ「しないわよ!」
パレオ「あー、分かりますー。」
チュチュ「パレオ!?」
蓮「だろ?だからお断りさせてもらう。」
チュチュ「ちょ、ちょっと!......グスッ」
蓮、パレオ「!?」
俺がどこかに行こうとすると、チュチュが泣きそうになった。
態度は偉そうだが中身は見た目通りの子供らしい。
俺はパレオと目を合わせ、何となく考えが一致した。
パレオ「......あの、蓮さん。」
蓮「なんだ。」
パレオ「一度、私たちの練習風景を見ていただけないでしょうか?見ていただいたうえで判断していただければ......」
蓮「仕方ないか。こんな小さい子を泣かすのはな。」
パレオ「チュチュ様ー!蓮さんが練習に来てくださるらしいですよー!」
チュチュ「ほんと......?」
蓮「あぁ、うん。」
チュチュ「じゃ、じゃあ、行くわよ!」
パレオ「はい!チュチュ様!」
俺はチュチュとパレオについて行った。
太陽はさっきよりいっそう輝きを増していた。
チュチュ「覚悟しなさいよ!」
いや、輝きを増してるのはチュチュの笑顔だな。
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チュチュ「__ようこそ!」
パレオ「ここが私たちのスタジオになります!」
蓮「おー。」
俺が連れてこられたのは大きな近代的なビルのような建物だった。
中には音楽の機材、デスクワークが出来る部屋など設備も整っていた。
内装はかなり綺麗で清掃も行き届いてる。
蓮「それで、バンドのメンバーは?」
チュチュ「もうすぐ来るわ。」
?「__来たぞ。」
?「おまたせ。」
?「おまたせしました!」
チュチュ「来たわね。」
入ってきたのは、一見して不良そうな子と、落ち着いてそうな黒髪、眼鏡でおどおどした子だった。
これがチュチュの言う『最強のメンバー』らしい。
チュチュ「今日は私たちの練習をこの男に見てもらうわ!」
蓮「えっと、この男です。」
?「あー、お前が。私は佐藤ますき。マスキングって呼ばれてる。」
?「私はレイヤ、本名は和奏レイだよ。」
?「ロック、朝日六花です。」
蓮「マスキングにレイヤ、ロックね。」
チュチュ「これが私が集めた最強のメンバーよ!」
蓮「ますき、レイ......あ、思い出した。」
レイ「あれ?知ってるの?」
蓮「あぁ、職ガラ?から色々情報を集めててな。お前ら二人を引っ張って来るとは、マネジメント力は本物らしいな。」
ますき「まぁ、私に関しては所属がなかったんだがな。」
蓮「アドリブで手数を増やす様から付けられた異名は『狂犬』だっけか。」
チュチュ「どう?このメンバーだけども見る価値があると思わないかしら!」
蓮「そうだな。まぁ、聞くだけ聞いてみよう。」
チュチュ「オッケー!じゃあ、聞くがいいわ!私たちの音楽を!」
チュチュはそう高らかに宣言し、演奏準備を始めた。
その後、俺はRASの技術と荒々しい音楽に圧倒された。
暴力的な音楽に俺は彼女らの世界に引き込まれ、
スカウトを受けるのは時間の問題だった。
これが、第6のガールズバンドとの出会いだった。
感想などお願いします
申し訳ないですが、水曜日と金曜日がスケジュール的に投稿が困難になってしまいましたので、その日は投稿がなしになると思います。出来るときはします。