覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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蘭です。


気弱な蘭ちゃん

 こころの件から、俺は自分の頭を整理できてない。

 今まで俺が好きという素振りはなかったはずだ。(蓮視点)

 そもそも、俺を好きなんてあり得るのか?

 

蓮(取り合えず、今日は少し頭を整理しよう、その上でしっかり考えて__)

蘭「__お邪魔します。」

蓮「......る時間もないみたいだな。」

 

 俺が部屋で考え事をしてると、蘭が入ってきた。

 でも、蘭が部屋に来るなんて珍しい。

 いつもなら絶対にノックして入って来るのに。

 

蘭「蓮__」

蓮「なんだ?__って、おい!」

 

 蘭は俺の名前を呼ぶとこっちに倒れて来た。

 とっさに受け止めたが、反応が遅れてたら危なかった。

 

蓮「おい!危ないだろ!」

蘭「......やっぱり、受け止めてくれた。」

蓮「はい?」

 

 蘭が意味の分からない事を言い出した。

 いつもの蘭らしくない。

 

蓮「どうした?」

蘭「......ずっと、こうやって蓮に近づきたかった。」

蓮「え?」

蘭「あたしは皆みたいに、素直じゃないから......」

蓮「いや、待て。何の話だ?」

 

 蘭は呟くように言った。

 でも、俺には何のことか分からない。

 

蓮「......まぁ、取り合えず離れようぜ。」

 

 俺が離れようとすると__

 

蘭「__離れないで!!」

蓮「!?」

 

 すごい剣幕で怒鳴られた。

 流石ボーカル。すごい声量だな。

 

蘭「......あ、ごめん。でも、離れないで、お願い......」

蓮「お、おう。」

 

 結局、蘭とくっついたままになった。

 今日の蘭は様子がおかしい。

 何と言うか__prrrr

 

蘭「ひっ」

蓮「電話?」

 

 俺は電話に出た。

 相手はモカだった。

 

モカ『あー、もしもしー。蓮君ー?』

蓮「あぁ。そうだが、どうした?」

モカ『そっちに蘭、行かなかったー?』

蓮「蘭なら今、俺にくっついてるが。」

モカ『あー、やっぱりー?』

蓮「やっぱり?どういう事だ?」

モカ『実は昨日ねー。こころちゃんから面白いものを貰ってねー。蘭に使ったのー。』

蓮「面白い物だと?」

モカ『うんー。』

蓮「それは何なんだ?」

モカ『えーっとねー。弱気になる薬ー。』

蓮「はぁ!?」

蘭「ひっ!......な、何......?」

蓮「あー悪い。何でもないぞー。」

モカ『というわけで、蘭の事、見ててあげてねー。それじゃー。』

蓮「おい、モカ__切りやがった。」

蘭「ど、どうしたの?」

蓮「......いーや、なんでもないよ。」

 

 俺は心の中で頭を抱えたが、今の蘭の手前、怒るのも良くない。

 俺は一度力をいた。

 

蓮「ふぅ......」

蘭「れ、蓮......?」

 

 本当に気弱になってるようで、俺の一挙一動にビクビクしてる。

 日ごろから考えればすごいギャップだ。

 

蓮「さて、蘭はいつまでくっ付いてるんだ?」

蘭「えっと......も、もう少し。」

蓮「まー、いいけど。昼ご飯までにはいったん離れてくれよ?」

蘭「うん、頑張る。」

 

 蘭はそう言うと、少し手に力を入れた。

 本気で頑張ろうとはしてるんだろう。

 ただ、力は強まって行ってるんだがな......

 

蘭「......うぅ......」

蓮「なぁ、蘭。」

蘭「何......?」

蓮「俺にくっついてるとそんなに安心するのか?」

蘭「うん......なんて言うか、包まれてる感じがして。」

蓮「そうかそうか。」

 

 俺はそう言って蘭の頭を撫でた。

 

蘭「れ、蓮......?」

蓮「いやー、蘭は可愛いな。」

蘭「え?///」

蓮「初めて会ったときは、こいつ呼ばわりだったのに今じゃこれだからなー。」

蘭「だ、だって、あの時は蓮がこんな......素敵なんてしらなかったし(ボソッ)」

蓮「ん?」

蘭「な、なんでもない///」

 

 蘭が何か言った気がしたがうまく聞こえなかった。

 けど、それから蘭は顔を真っ赤にして喋らなくなった。

__________________

 

 少し時間が経って、昼前になった。

 そろそろ昼飯の用意をしたい。

 

蓮「蘭?そろそろ昼飯の用意をしたいんだが?」

蘭「え?もうそんな時間?」

蓮「もう昼前だな。」

蘭「そ、そっか、じゃあ離れるね。」

 

 そう言って蘭はおずおずと離れてた。

 すると、その瞬間に目に涙を浮かべた。

 

蓮(いや、気弱すぎるわ!)

蘭「れ、蓮......」

 

 蘭はまるで捨てられる前の子猫みたいな目をしてる。

 

蓮「......まぁ、手でも繋ぐか、蘭?」

蘭「......うん。」

 

 蘭は俺の手を握った。

 握る力はかなり強い。

 よほど恐怖を感じたんだろう。

 俺はそう思いつつ蘭と手を繋いでキッチンに向かった。

__________________

 

蓮「さて、この状態じゃあんまり手の込んだものは作れないな。」

蘭「ごめん......」

蓮「あー、いいって。元から適当に済ます気だったし。」

蘭「うん......」

蓮「さーて、何にしようか......あ、ちょうどいいのあった。」

 

 俺はあるものを取り出した。

 

蓮「皆の味方、ミートパスタ。」

蘭「美味しいよね。」

蓮「あぁ。じゃあ、準備するか。」

 

 俺はミートパスタの準備をした。

 まぁ、麺をゆでて、ソースをあたたえるだけだが。

 そう言う作業を済ませ、ミートパスタの用意が終わった。

 

蓮「__じゃあ、食うか。」

蘭「ねぇ、蓮。」

蓮「ん?」

蘭「あたし、これ食べれない。」

蓮「え?」

蘭「右利きだから、フォーク使えない。」

蓮「あー、どうしようか......あ、そうだ。」

 

 俺はフォークにパスタを巻き付け、蘭の前に出した。

 

蓮「ほれ、あーん。」

蘭「ふぇ///」

蓮「これなら、食べられるだろ?」

蘭「うん......///」

蓮「じゃあ、食べな。」

蘭「いただき......ます///」

 

 そう言って蘭はパスタを食べた。

 食べさせてる途中、蘭はずっと顔が真っ赤だった。

 蘭に食べさせた後、俺もパスタを食べ、ソファに移動した。

 

蓮「__さて、これからどうするか。」

 

 ソファに座ってまず、それを考えた。

 流石にこのままくっついたままじゃまずい。

 後、薬はこころから貰った、という事は制限時間がある、つまり、効果が切れた時まずい。

 

蘭「__ねぇ、蓮。」

蓮「うん?どうした?」

蘭「ありがと。」

蓮「気にしなくていいぞ。」

蘭「ううん。蓮は本当に優しくて、安心できた。」

 

 蘭はこっちを見ながらそう言った。

 

蘭「蓮はいっつも、あたし達のために頑張ってくれてて、本当にかっこいい。」

蓮「お、おう、そうか。」

蘭「あと、とっても素敵///」

蓮「そ、そうか。」

蘭「だ、だからね......?///」

蓮「?」

 

 蘭は一層、顔を真っ赤にして、この言葉を言い放った。

 

蘭「あたし、蓮が大好き......///」

蓮「え?」

 

 その言葉を言った蘭の顔は凄く綺麗で、可愛いと思った。

 だが、俺はそれ以上に困惑した。

 昨日のこころ、今日の蘭、俺には訳がわからなかった。

 

蓮「お、おい、それはどういう__」

モカ「__おじゃましまーす。」

蓮、蘭「!?」

モカ「おー、甘えてますなー蘭ー。」

蘭「も、モカ?」

蓮「......来てたのか。」

モカ「うんー。蘭を迎えに来たんだよー。帰ろっかー。」

蘭「う、うん。」

 

 蘭は立ち上がった。

 

モカ「じゃあ、モカちゃん達は行くねー。」

蓮「お、おう。」

蘭「ばいばい、蓮。」

蓮「蘭、あれは__」

モカ「じゃあー行くよー。」

蓮「おい!」

蘭「蓮。」

蓮「?」

 

 蘭は部屋を出るさなか、口パクでこう言った。

 

蘭『あれは嘘じゃないよ。』

蓮「!」

 

 そう言って、リビングから蘭とモカは出ていった。

 俺は一人、残された。

 

蓮「......本当、なのか。こころも蘭も......。」

 

 俺は天井に向かいそう呟いた。

 俺はどこか、鳴くセミの声が遠く聞こえた。

 

 

 




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