俺は今、学校にいる。
「__ねぇねぇ!君が蓮君?」
「あ?」
俺は知らない人に話しかけられた。
でも、どこかで見たことがあるような...
「そうだが、お前は誰だ?」
「私は氷川日菜だよ!」
「氷川?それって、紗夜の...」
「うん!氷川紗夜は私のお姉ちゃんだよ!」
「なるほど。それで日菜、俺に何の用だ。」
「え?ないよ?」
「は?」
「お姉ちゃんに聞いて面白そうだなーって思って話しかけてみただけだよ!」
「ほう。それで、どうだ?面白かったか?」
「分かんない!」
「だろうな。」
俺はため息をついた。
「あ!日菜じゃん!」
「あ!リサちー!おはよー!」
「おはよう、日菜。」
「おはよ!友希那ちゃん!」
「なんだ、知り合いだったのか。」
「あれ?日菜と話してたの?」
「あぁ。さっき話しかけられてな。」
「お姉ちゃんに聞いて面白そうだなーって!」
「なるほどねー」
リサと友希那は納得した様子だ。
「じゃあ!私は行くね!またね、蓮君!」
「?あぁ。(またね?)」
日菜はそう言って、教室を出ていった。
「日菜は何者なんだ?全くつかめなかった。」
「日菜は天才だからねー。」
「天才?」
「うん。テストではいつも一位だよ。」
「それはやばいな。」
「いや、あなたも似たようなものじゃないの?」
「俺には条件があるからな。」
「そういうものなの?」
「いや、知らん。」
こうして、時間は過ぎていった。
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放課後だ。
「__さて、今日はアフターグロウの練習に行くんだっけか。」
「蓮君!」
「日菜?」
俺が教室を出ようとすると、日菜が走ってきた。
「何の用だ。」
「遊ぼうよ!」
日菜はこう言ってきた。
「悪いが、今日はアフターグロウの練習に行くんだ。」
「つぐちゃん達の所?」
「つぐちゃん?...あぁ、つぐみの事か。」
「私も行きたい!面白そう!」
「...蘭たちに聞け。」
俺はそう言って歩きだした。
___俺たちが校門に行くと蘭たちの姿があった。
「__遅かったね、蓮。」
「わざわざ待ってたのか?」
「皆が待とうって。」
「なるほどね。」
「それでなんだけどさ...なんで、日菜さんがいるの?」
「...なんか、練習に来たいらしい。」
「うん!」
「別にいいけど。日菜さん、大人しくしててくださいね。」
「分かってるよ!蘭ちゃんは心配性だなー。」
「まぁ、日ごろの行いを見ると...な?」
「だよね、巴。」
「まぁーそれが日菜さんですからねー」
「仕方ないよ。」
そんなこんなで、ライブハウスに向かった。
________________________
「__それじゃあ、私たちは練習始めるから。
蓮はいつも通りにして。」
「了解。」
俺はボールペンを出し、それを押した。
「__ん、OK。」
「それじゃあ!始めるよ!」
「えいえいおー!」
「......」×4
「え?!スルー?!」
そうして練習が始まった。
内容はロゼリアとほぼ同じだ。
「(なるほど。ロゼリアに比べ演奏に粗さはあるが、
これはこれでいい。王道、そんな感じだな。)」
そうして、演奏が終わった。
「__ふぅ、どうだった?蓮?」
「そうだな。悪くない。粗さはあるがそれもいいアクセントになってるし。」
「まぁ、いつも通りだね。」
「だが、改善点は多いな。直せばもっと良くなる。
聞くか?」
「上等。」
「じゃあ、俺がパートを一通りする。見て学べ。」
「え?」
「まず、蘭のギターから。悪いが貸してくれ。」
「あ、うん。」
俺は蘭のギターを受け取り、演奏した。
「__こんな感じだ。」
「うん、分かった...でも、なんでできるの?」
「一回見たからだ。」
「それだけでー?」
「それだけだ。次はモカ。貸してみろ。」
「はーい。」
それから、俺は一通り楽器を演奏した。
「__まぁ、こんな感じ。」
「...」×5
「どうした?」
「蓮さん、ドラムの経験でもあるのか?」
「いや、ない。ロゼリアでやってから二回目だ。」
「ベースもですか?」
「いや、ベースは初めてやった。ギターも。
キーボードは二回目だ。」
「二回目で...すごいです!神谷さん!」
「そうか?誰でもできるだろ。__って、日菜?どうした?」
「え?...い、いや!なんでもないよ!」
「?あぁ、そうか。」
「(待ってよ、何?あれ...?)」
日菜は蓮を見ていた。
「あそこは少しペースをだな__」
「(蓮君が演奏を始めた瞬間...私...)」
日菜は恍惚とした表情をしていた。
「(蓮君の世界に...飲まれちゃった...♡///)」
「__おい__おい!日菜!」
「わ!ど、どうしたの...?///」
「日菜、体調が悪いのか?ボーっとしてたが。」
「え?」
「もう、練習終わったぞ。」
「え?」
日菜が周りを見渡すと、そこにアフターグロウの姿はなかった。
「本当に悪いみたいだな。家まで送る。行くぞ。」
「え?あ、うん。」
俺たちはライブハウスを出た。
________________________
俺は今、日菜を家に送っている、が、
日菜の様子がおかしい。
「大丈夫か、日菜。」
「う、うん///」
さっきからこの調子だ。
朝のような騒がしさがない。
「(蓮君の演奏してる姿が頭から離れない...)」
日菜はずっとそのことを考えていた。
「(何なの?この気持ち...?分かんないよ...)」
「__おい!日菜!!」
「え?」
日菜は道路に飛び出していた。
そして、車が迫ってきてる。
ブブッーー!!
「やば__」
「日菜ー!」
俺はとっさに体が動いた。
「__れ、蓮君...?」
「__この馬鹿!」
「!」
「信号くらいしっかり見ろ!
もう少しで轢かれるところだっただろ!」
「ご、ごめん...」
「...だが、まぁ。」
「?」
「無事でよかった。怪我はないか?」
「!う、うん!」
「そうか...。本当に良かった。」
「なんで、そこまで必死になるの...?
今日、会ったばっかの私に...」
「あ?人が死ぬのをじっと見てるやつがあるか。
俺は面倒は嫌いだが、助けられる命は絶対に助けるんだよ!」
「!!!///」
「...ほら、立てるか?」
俺は手を差し出した。
「う、うん///」
日菜は俺の手を掴んで立ち上がった。
その時、日菜は気づいた。
「れ、蓮君!怪我してるよ!?」
「そう。」
「そうって、すっごい血も出てる...」
「このくらい、大したことじゃない。
むしろ、これだけで済んでよかった。」
「わ、私のせいで...」
「馬鹿だな。」
俺はそう言った。
「え?」
「俺の怪我なんて気にしなくてもいい。
だが、日菜の怪我は一生ものになる可能性があるんだ、それに比べたらマシだ。な?」
「~っ///」
「まぁ、帰るか。行くぞ、日菜。」
「う、うん!」
俺たちは日菜の家に向かった。
「(分かった、分かったよ。私、蓮君が好き///
会ったばっかりで、チョロいって言われるかもだけど...蓮君が好き///)」
天才は天才を惹きつける。
そして、これが口火になることを、蓮はこの時知る由もなかった。
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