覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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バンドリの日ですね!そして、薫さんの誕生日!!

薫さんって実はすごい人なんじゃ......


ライブ準備

こころ「__皆、集まっているわね?」

 

 弦巻邸の一室でガールズバンド30人とアリスが集まっていた。

 

美咲「うん、全員集まってるよ。」

友希那「昨日の蓮の記憶が戻りかけていると言うのは本当なの?」

 

 友希那が口を開いた。

 

 まだ信じられないと言う様子だ。

 

リサ「本当だよ。」

 

 友希那の問いかけにリサが答えた。

 

リサ「昨日、一回だけだけど俺って言ったの。口調もちょっと元通りになってる。」

友希那「でも、なんで急に?」

アリス「......まさか。」

 

 アリスが何かに気付いたような声を上げた。

 

 その時、全員の視線がアリスに集まった。

 

リサ「アリスと何かあったことは分かってるよ。」

アリス「え?」

リサ「皆は蓮の部屋に飾ってる万年筆、覚えてる?」

有咲「万年筆?」

花音「確か、低いタンスの上にあるのだよね?」

リサ「そうそれ。」

 

 リサは頷いた。

 

 他のメンバーも心当たりがある様子だ。

 

リサ「蓮の記憶が無くなってから、反応したの、あの万年筆だけなの。」

紗夜「......もしかして、あの泣いていた時ですか?」

燐子「確かに、あれはどう考えてもおかしかったです......」

あこ「気付いたら泣いてたよね?」

友希那「まさか、あれが......?」

リサ「うん。」

 

 ロゼリアの声にリサが頷いた。

 

リサ「蓮に聞いたんだけど、あの万年筆はアリスのお父さんの物だって。」

アリス「はい。間違いないです。」

リサ「蓮はあれにアリスのお父さんの愛と責任が乗ってるって言ってた。」

アリス「!」

リサ「蓮は自分が死なせたアリスのお父さんの意思を継承しなきゃいけないって、アリスが前に進めるようにするのが責任だって言ってた。」

アリス「蓮さん......」

 

 リサの言葉に全員が納得したような反応を見せた。

 

 蓮らしい、皆が皆そう思ってるようすだ。

 

アリス(じゃあ、あの時のあの行動は......)

リサ「だから、蓮の記憶が戻る理由はアリス関連だってわかるの。」

沙綾「じゃあ、なんで、今回のライブをするって話になるんですか?」

彩「そう言えば、そうだよね?」

千聖「リサちゃんの言う通りなら、アリスちゃんが記憶を戻すカギに思えるけれど。」

チュチュ「それは違うわ。」

 

 チュチュが口を開いた。

 

 全員の視線がチュチュに集まった。

 

レイ「なんで、そう言えるの?」

チュチュ「簡単なことよ。記憶は完全に消えることはないからよ。」

ますき「......それは、どういう事だ?」

チュチュ「蓮のあれ、能力と言うのかしら?」

 

 チュチュは自身の考えを説明した。

 

 蓮の能力は発動している間の事は完全に記憶する、だから、蓮の言う記憶がないは消えていると言うよりは、記憶が引き出せない状態なんじゃないか、というものだ。

 

チュチュ「これを元に仮説を立てるなら、蓮がもっとも能力を使った事で記憶を引き出すきっかけを与えれば戻るかもしれない、という事よ。」

たえ「じゃあ、それでなんでライブなの?」

巴「......そういう事か。」

蘭「蓮が能力を一番使ってたのは、あの合同ライブ。」

モカ「だからライブってわけだねー」

 

 チュチュはその言葉を聞くと深くうなずいた。

 

イヴ「でも、失敗したりしないんですか?」

チュチュ「そうね、事故の時に蓮の脳の細胞が壊れてたりしたら私の考えは全部、覆されるわ。」

つぐみ「一応、蓮さんの脳には何も問題はなかったはず......」

日菜「あたしもそう聞いたよ。」

パレオ「それでは、大丈夫ですね。」

 

 パレオがそう言うと、チュチュは立ち上がった。

 

チュチュ「私達のライブで元の蓮の記憶を呼び戻すわよ!覚悟を持って演奏する事ね!」

友希那「上等じゃない。」

香澄「皆!頑張ろ!」

蘭「蓮の記憶、叩きだしたあげよ!」

彩「最高の演奏をしようね!」

こころ「皆いい笑顔ね!」

ひまり「盛り上がってきたー!えいえいおー!」

 

 シーン......

 

 ひまりの呼びかけに誰も答える事は案の定、なかった

 

ひまり「なんでー!?」

蘭「いや、それは流石にないでしょ。」

リサ「あ、あははー。」

沙綾「わ、私は面白いとは思うよ!......やろうとは思わないけど。」

美咲「まぁ、はい。」

日菜「あはは!なんか、無視しなきゃいけない気がしたんだー!」

 

 そんなやり取りの後、各バンドはすぐに、弦巻邸で練習を始めた。

__________________

 

 ”ポピパ”

 

 ポピパメンバーはいつにも増して練習に打ち込んでいた

 

香澄「__はぁ、はぁ......」

沙綾「い、一旦、休憩にしよ。」

 

 激しい練習から、明らかに疲弊してるポピパは休憩することにした。

 

有咲「は、ハードだな。」

たえ「でも、このペースならすぐにでも仕上げられる。」

りみ「香澄ちゃん、大丈夫?」

香澄「大丈夫だよ!」

 

 香澄は明るい声音でそう言った。

 

有咲「それにしても、あれだよな。」

 

 休憩中、有咲は口を開いた。

 

有咲「たった一人のために、こんな人数が動くなんて、すげぇよな。」

 

 有咲は感慨深そうにそう言った。

 

沙綾「ほんとにそうだよねー」

香澄「蓮先輩だもん!」

りみ「すごく優しいもんね!」

たえ「それに加えて、かっこいいし。」

有咲「でも、自己犠牲の精神が強すぎんだよ!ほんとに、自分の身体の事とか気にもしねぇ......バカだよ。」

沙綾「でも、だから皆が本気で好きになった。」

 

 沙綾の一言にポピパ全員が黙った。

 

香澄「蓮先輩の記憶を戻せるように頑張ろ!」

たえ「そうだね。震えさせてあげよ。」

有咲「それいいのかぁ?まぁ、そのくらいじゃねぇと戻らないよな。」

りみ「私もがんばる!」

沙綾「うん!そうだね!」

香澄「よーし!じゃあ、練習再開しよっか!」

有咲「バカ!声枯れるぞ!」

__________________

 

 ”アフターグロウ”

 

 アフターグロウはいつも通りの練習をしていた。

 

蘭「うん、悪くないね。」

 

 あくまでいつも通り。

 

 特別に意識することもなく、ただ、いつもする練習をしていた。

 

巴「もう、ほぼ仕上がってるだろ!」

ひまり「うん!いつでもいけるね!」

つぐみ「そうだよね!」

モカ「おー、皆、自信満々だねー」

 

 他のバンドが意気込む中、いつも通りなアフターグロウはある意味、異色だ。

 

蘭「あたし達はあくまでいつも通り。そっちの方が蓮も思い出すかもしれないし。」

モカ「そうだねー。」

巴「あたしらはいつも通りの演奏を蓮さんに聞かせるだけだな。」

つぐみ「そうだね!」

ひまり「がんばろー!えいえいえおー!」

蘭、モカ、巴、ひまり「......」

ひまり「なんでー!?」

蘭「ふふっ。いつも通り、だよ。」

__________________

 

 ”パスパレ”

 

麻弥「__一旦、休憩にしましょう!」

 

 麻弥の一声で、パスパレの演奏は止んだ。

 

彩「え?もう?」

麻弥「もうって、ずっと演奏していましたよ?時計を見てください。」

 

 彩が時計を確認すると、練習開始から2時間ほど経過していた。

 

千聖「もう、そんなに経っていたのね。」

イヴ「全然、そんな風には感じませんでした!」

日菜「そうだよねー!」

麻弥「ジブンもそうでしたが、時計が目に入ったので。」

 

 麻弥はそう言いながら、肩を回したりしていた。

 

彩「それにしても、私達ってすごく演奏、上手くなったよね!」

 

 彩はそう言った。

 

千聖「彩ちゃんは特にね。」

彩「えぇ!?」

日菜「ほんとに、彩ちゃんは一番成長したよね!」

彩「そ、そうなのかな?」

日菜「うん!どうやったらそこまで成長できるか聞きたいくらいだもん!」

イヴ「はい!アヤさんは凄いです!」

彩「そ、そうかな!えへへ!」

麻弥(本当に、彩さんは歌もダンスも上手になりました。)

 

 麻弥は蓮の事を思い出していた。

 

麻弥(歌とダンスの本を読みこんで、ジブンにも色々、意見を聞きにきていましたし。)

彩「麻弥ちゃん?どうしたの?」

麻弥「え?いえいえ!なんでもないですよ!」

千聖「大丈夫?ボーっとしてたようだけれど?」

日菜「珍しいねー?」

イヴ「休息も武士の義務ですよ!」

麻弥「だ、大丈夫ですよ。」

 

 麻弥は笑いながらそう答えた。

 

麻弥(ジブンは一番成長してるのは、蓮さんだと思うんです。誰よりも努力して、誰よりも突き詰めて物事を考えて。ただ、成長しないのは自分を大切にしない事ですね。)

 

 麻弥は「フヘへ」と笑った。

 

千聖「麻弥ちゃん......」

日菜「麻弥ちゃんの笑い方って面白いねー!」

麻弥「えぇ!?」

__________________

 

 ”ロゼリア”

 

友希那「いいわよ、皆。」

 

 ロゼリアは日ごろの練習の成果を確認する作業に入っていた。

 

 演奏はもうすでに完成されており、日ごろの意識の高さが伺える。

 

 友希那はメンバーの演奏を聞き、満足げな表情を浮かべている。

 

あこ「あー!友希那さんが笑ってるー!」

リサ「ほんとだ!珍しー!」

紗夜「本当に珍しいですね。何かありましたか?」

燐子「どうしたん、ですか......?」

友希那「......あなた達、中々失礼ね。」

 

 友希那はため息をつきながら、そう言った。

 

リサ「でも、なんで笑ってたの?」

友希那「こんないい演奏を聞いたら、笑いも出るわよ。」

 

 友希那はメンバーの方を見てそう言った。

 

 いつもの友希那からは考えられないほど柔らかい表情を浮かべている。

 

あこ「確かに、すごくよかったですよね!」

紗夜「特に白金さんが。」

燐子「え......?」

友希那「確かに、すごい熱の入り方だったわね。」

リサ「一体、何があったのかなー?」

燐子「え、えっと......///」

友希那、リサ、紗夜、あこ「あっ(察し)」

 

 4人は察した。

 

 燐子はもう告白したのだと。

 

友希那「先を越されたわね。」

リサ「あはは、やるねー、燐子ー!」

紗夜「積極的なのね。」

あこ「ずるいよー!りんりん!」

燐子「う、うぅ......///」

 

 燐子は顔を真っ赤にし、しばらく、皆にいじられたとか。

__________________

 

 ”ハロハピ”

 

薫「......」

 

 ハロハピは一足早く練習を終了していた。

 

 その後、薫は椅子に座って動かなくなっていた。

 

美咲「薫さん、どうしたの?」

薫「あぁ、美咲。少し、思う事があってね。」

美咲「思う事?」

薫「あぁ。」

 

 薫は思いつめたような顔をしている。

 

はぐみ「どうしたの?薫君?」

薫「記憶を戻すのはいいんだが、少し元を辿って考えていてね。」

花音「元を辿る?」

薫「あぁ。」

こころ「それは何かしら?」

薫「聞いた話によると、蓮が事故に遭った原因は子供を助けるためだったそうじゃないか。」

花音「うん、そう言ってたね?」

薫「その後、蓮の病室に来た女性、その存在が不可解なんだ。」

 

 薫の一言に他のメンバーは首を傾げた。

 

美咲「不可解?」

薫「あぁ。」

はぐみ「どういう意味?」

薫「その女性は自身の子供をお金を稼ぐために意図的に事故に遭わせようとするほど残忍で、それを阻止した蓮の病室に来ては文句を言ってお金を渡せと言ってくるほど、粘着質だ。」

花音「い、言われてみれば。」

薫「そんな女性が、果たしてもうあきらめているのか。いや、諦めててくれると有難いんだがね......」

こころ「どうなのかしら......」

 

 5人は考え込んだ。

 

美咲「まぁ、もう何もないし。諦めてるか、忘れてるんじゃないの?」

花音「そうだよ!」

はぐみ「はぐみもそんな人見なかったし、大丈夫だよ!」

こころ「そうよ!暗い話はなしよ!」

薫「......そうだね。」

 

 薫は一末の不安を残しながら、メンバーと笑いあった。

__________________

 

 ”RAS”

 

チュチュ「__マスキング。情報は集まってるかしら?」

ますき「あぁ。これだ。」

 

 ますきは何枚かの写真を出した。

 

 そこには、例の女が写っている。

 

レイ「この人が?」

ますき「あぁ、田島文。こいつが全ての発端だ。」

 

 RASメンバーは忌々し気な表情を浮かべている。

 

 パレオに関しては、今にも殴りかかりそうな雰囲気だ。

 

ますき「調べてみて色々ヤバい噂があったぜ。」

六花「ヤバい噂......?」

ますき「あぁ。」

レイ「それって、どんなの?」

 

 レイがそう聞くと、ますきは一瞬、気持ち悪そうな顔をした。

 

ますき「こいつ、元男だぜ。」

レイ「え?」

ますき「色んな所から情報が回ってきてな、こいつは金持ちの男に取り入るために性転換の手術を受けてたらしい。」

チュチュ「待って、おかしいわ。だって、それじゃあ、子供がいるわけないじゃない。」

 

 チュチュの疑問はもっともだ。

 

 普通に考えて、その条件で子供がいるわけがない。

 

ますき「そうだ。」

 

 ますきはそれを否定することなく、呆気なく答えた。

 

ますき「こいつは元男だってことがばれて、裁判を起こされてる。」

六花「え!?」

ますき「そこで、私なりに予想してみたんだ。あの子供の正体を。」

パレオ「聞きたくはないのですが、その予想とは?」

ますき「私も言いたかねぇよ。最悪のケースだからな。」

 

 ますきは言いずらそうにした後、意を決して予想を口にした。

 

ますき「__離婚時期から考えて、あの子供、誘拐された子供かもしれないぞ。」

 

 その言葉を聞いた後、RASのメンバーは震撼した。

 

六花「そんな!」

ますき「言っても最悪なケースだ。だが、一番可能性は高い。」

チュチュ「そうだとしたら、あいつは私の想像をはるかに超えるクズね。」

レイ「自分で生んだ、そう言ってたもんね。」

パレオ「クズにクズを重ねて、もはや何も思わなくなってきたのですが。」

 

 RASメンバーの言葉には怒気が含まれている。

 

ますき「今の所は何もしてないし、あの子供も生きてる。」

レイ「パレオの脅しが少し効いたのかも。」

六花「で、でも、すぐに警察に通報しないと!」

チュチュ「そうね。それで解決されればいいのだけれど。」

 

 チュチュは神妙な表情でそう言った。

 

 この間にも、着々とライブの日に近づいていた。

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