香澄『__次は私達!』
香澄がそう言うと
ポピパの5人がステージに出て来た
香澄『蓮先輩!RASの皆は凄かったですか?』
香澄はステージ上からそう問いかけて来た
俺は香澄に向けてこう答えた
蓮「あぁ、すごかった。すごい熱くなった!」
香澄『そうですか!』
たえ『じゃあ、私達も負けてられないね。』
沙綾『そうだね!ますき達に負けない演奏しよ!』
りみ『うん!そうだね......!』
有咲『当然だっての!今日は全部のバンドに負けねぇぞ!』
そう言いながら、ポピパの5人は位置に着いた
そして、表情が変わった
香澄『それじゃあ、行きます!私達の曲は......』
たえ『蓮先輩に一番、褒めてもらった曲。』
りみ『前よりずっと、上手になりました!』
沙綾『今日は特別、全力の全力で演奏します!』
有咲『蓮先輩だけのためって、今日は素直に認めてやる!』
香澄『聴いてください、Returns!』
香澄がそう言うと、たえのギターが始まった
今の俺が見たことがないような、ポピパの雰囲気
香澄『生まれた場所から少し離れて』
蓮「!」
香澄の歌声でさらに、心臓が跳ねあがるのを感じた
いつもの元気な香澄じゃない
静かで、どこか儚げな歌声
でも、それが、段々と変わっていく
激しくなって
それに共鳴するように体が熱くなる
香澄『どんなに空が眩しくても!』
蓮「!」
香澄の声が力強くなった
気持ちが伝わってくる
本来の歌詞の意味とは違う意味を込めて歌ってる
それは、全部、俺に、いや
元の俺に向けて
香澄『__ありがとう......心が震えだす歌Returns......』
ポピパの演奏が終わった
感動、終わればそんな感情が生まれる
香澄『蓮先輩!』
蓮「香澄?」
香澄「早く、私達の所に戻ってきてくださいね!』
蓮「!」
香澄がそう言うと、ポピパはステージから降りて行った
たえ「次はハロハピだよー。」
りみ「楽しんでくださいね!」
沙綾「私達はここで!」
有咲「じゃあ......後でな!」
蓮「あぁ。」
俺の頭に何かの映像が浮かんできた
蓮(これは、皆の練習風景?)
楽しそうに練習するみんなの姿
難しいフレーズが出来なくて悔しそうにしてる子や
笑いあってる子達
蓮「俺の記憶か......?」
こころ『__蓮ー!』
蓮「こころ!?」
声がしてステージを見ると
こころが体操選手みたいな動きをしながら出て来た
美咲『ちょ、こころ!』
はぐみ『はぐみもやってみる!』
美咲『ちょ、危ないって!』
花音『す、すごいなぁ......』
薫『流石2人だね。儚い。』
こころ、はぐみに続いて
ミッシェル、花音、薫が出て来た
こころ『香澄たちの演奏、素晴らしかったわ!』
ミッシェル『そうだね。ありゃハードルあがるわ。』
はぐみ『それは違うよミッシェル!はぐみ達がもっと上げるんだよ!』
花音『そ、そうだね!』
薫『さぁ、蓮!儚い私達をぜひ見てくれ!』
こころ『いくわよ!キミがいなくちゃっ!』
ハロハピの演奏が始まった
すごく明るくて、体が勝手にリズムに乗る
こころ『キミがいなくちゃ、始まらないもん♪』
こころの歌声は可愛らしくて
薫はキメ顔でギターを弾いてる
はぐみは軽やかなステップ踏んでて
花音は優しい目でみんなを見てて
ミッシェルは心の様子を見てワタワタしてる
演奏だけじゃなくて、動きも楽しい
こころ『絆キラキラ、僕らを繋いで♪蝶々結びで飛んでく♪』
自然と頬が緩む
皆が向けてくれる笑顔も
ないもかもが
こころ『__ハッピー!ラッキー!スマイル!イェーイ!』
ハロハピの演奏が終わった
俺は勝手に立ち上がっていて
ハロハピと一緒にリズムを刻んでいた
こころ『いい笑顔ね、蓮!』
蓮「楽しかった。」
花音「うん、よかった!」
はぐみ「はぐみたちも楽しかったよー!」
薫「実に儚い演奏だったよ......!」
ミッシェル「はいはーい、次のバンド来るから下がろうねー。」
ミッシェルがそう言うと
ハロハピはステージから下がって行った
蓮「......!」
不思議な感覚
意識が薄くなったような
白くなったような、そんな感覚がした
蓮(これは......)
彩「__あっ!」
バタン!という大きな音がした
ステージを見ると、転んだと思われる彩がいた
日菜『あはは!緊張しすぎだよ、彩ちゃんー!』
彩『も、もう!日菜ちゃん!』
千聖『まぁ、いいじゃない。緊張も解けたでしょう?』
イヴ『まさか、ヒナさんはそこまで考えてたんですか!ブシドーです!』
麻弥『あははー、そういう事にしておきましょう!』
蓮「ふっ。」
千聖『蓮も笑ってくれてるわよ?これでいいわね?」
彩『じ、じゃあ、いいかな!』
蓮、麻弥(え?いいの?)
笑った身ではあるが、俺はそう思った
彩のチョロさは中々だな
千聖『じゃあ、蓮にも笑ってもらったところで曲に行きましょう。』
イヴ『私達のブシドー、お見せします!』
麻弥『ジブンも頑張ります!』
日菜『るんっ♪てさせてあげる!』
彩『聴いてください、もういちどルミナス!』
彩がそう言うと、パスパレの演奏が始まった
アイドルらしい、明るい曲調だ
彩『すれ違う温度、心が擦り切れて痛い』
彩の歌声が入るとまた世界が変わった
全員が綺麗で、輝いてる
これが、アイドルの輝きってやつなのだろうか
彩『Lie......本当はね、知っているはずなんだ』
サビに入った
蕾から咲くような盛り上がり方だ
蓮「......いい曲、だな。」
自然とそんな言葉が出た
彩『遠くまで響く熱い思い......』
彩以外のメンバーの追いかけも綺麗で
姿勢が勝手に上に上がる
彩『__もういちど、ルミナス♪』
演奏が終わった
背伸びしてた足が戻って
空から降りて来たような感じがした
彩『私達はここまででしゅ!って、あ。』
日菜『あはは!彩ちゃん、そこかむ~?』
千聖『彩ちゃんらしいわね♪』
麻弥『そうですね!彩さんは彩さんですね!』
イヴ『こうじゃないとアヤさんじゃありません!』
蓮「そうかもな。」
彩『皆ひどいよ~!』
そんな彩の様子を見て俺たちは笑った
少し笑ってると彩が咳払いをした
彩『コ、コホン!じゃあ、次はアフターグロウだよ!』
日菜『じゃあねー!蓮君ー!』
麻弥『また後でー!』
イヴ『ブシドー!』
千聖『もう後半ね。蓮、最後まで楽しみなさい。』
パスパレは下がって行った
するとすぐに、アフターグロウが出て来た
蘭『__畳み掛けるよ!』
蓮「早いな!」
モカ『モカちゃん達は蓮君を倒すからねー。』
ひまり『うん!最高に熱くして蓮さんを倒すよ!』
巴『あぁ!全力でかかってこい!蓮さん!』
つぐみ『た、倒れちゃダメですよ......?』
いつもより熱気があるアフターグロウ
その中でつぐみを見ると、心が休まる気がする
蘭『行くよツナグ、ソラモヨウ!』
蘭がそう言うと、照明が変わった
まるで、夜の風景みたいだ
蘭『夢物語で終わらせるもんか、空よ連れて行け......』
蘭の歌声から始まった曲は
そこから、すぐにトップギアになった
アフターグロウらしい、ロックな曲調
本当に倒されそうだ
蘭『夕影の、優しい空がそれぞれの思いを紡いで......』
モカ、ひまり、巴、つぐみ『新たな!』
蘭『「いつも通り」になる!』
アフターグロウの歌詞はすごく心に響いてくる
いつも通り、それが伝わってくる
蘭が先頭に立って、皆を引っ張る
そんな感情が歌詞になってて
蘭『共にいたいと願う、理由を抱いて!』
照明が明るくなって
それはまるで、朝日が昇ってきてるようだった
蓮(これを記憶がある俺はどんな気持ちで聞いたんだろう?)
蘭『__止まらないから......』
演奏が終わった
蓮「......っ!」
演奏が終わって気が抜けると
何故かふらついてしまった
体中に熱がこもってる
つぐみ『れ、蓮さん、大丈夫ですか!?』
蓮「だ、大丈夫。」
蘭『あたし達の熱は伝わったみたいだね。』
モカ『でも耐えきったねー。』
巴『あぁ、流石だ!今回は蓮さんの勝ちだ!』
ひまり『そうだね!』
そう言いながら、アフターグロウは下がって行った
つぐみ『蓮さん!次が最後です!楽しんでくださいね!』
蓮「あぁ、ありがとう。つぐみ。」
そう言うと、つぐみも下がって行った
動いてないのに、激しい運動をした後みたいだ
すごく充実感がある
蓮「す、すごいな。俺の体力までなくなりかけなる。」
友希那『__あら、まだ早いわよ?』
蓮「!」
気が付くと、もうロゼリアがステージにいた
いつの間に移動してきたんだろう
リサ『お疲れだねー、蓮ー!』
紗夜『それはそうです。皆さん、真っ直ぐ神谷さんにだけ音を伝えていましたから。』
あこ『あこだったら、もうダウンしてるよー!』
燐子『わ、私も倒れちゃってるかも......蓮君、すごい。』
5人は笑みを浮かべながら俺を見てる
すると、友希那が口を開いた
友希那『疲れてしまってるようだけれど、もう少し付き合ってもらうわよ。』
蓮「疲れてない。」
友希那『え?』
蓮「ロゼリアのみんな見たら、元気出たよ。』
友希那『......そう。』
友希那は小さく笑った
他の4人もたがいに目を合わせてる
友希那『正直、あなたに聞かせたい曲はいくつもあったわ。』
蓮「!」
友希那『だけど今日「あなたの」ロゼリアが送るのはこの曲。』
友希那は少しうつ向き、黙った
そして、顔をあげた
友希那『FIRE BIRD』
友希那がそう言うと
会場内の空気が変わった
友希那『空がどんな高くても、羽が千切れ散っても......』
蓮「__!」
世界が広がった
少ししか歌ってないのに
風を感じたような気がした
友希那『消えぬ夢へ燃え上がれ!』
そこから一気に曲が変わった
最初の静かさが一切消えて
走り抜けるような、そんな感じになった
友希那『だけどそれは......』
リサ、紗夜、あこ、燐子『愛故の!』
友希那『背負う翼だと!』
盛り上がりが増していく
そして、一気に爆発した
友希那『飛べよ!鵬翼のヴァイオレット!』
それからはさらに走り抜けた
それは、圧倒的な存在感と合わさって
本当に火の鳥がいるようにも感じる
(__これが、ロゼリアだ。)
蓮「!」
友希那『__そして、新世界へ!!』
ロゼリアの演奏が終わった
すれと同時に俺は激しい頭痛に襲われた
蓮「ぐっ!!」
友希那「蓮!!」
友希那がステージから飛び降りて来た
リサ「ちょ、どうしたの!?」
あこ「もしかして、無理しすぎ!?」
皆の声が遠くに聞こえる
紗夜「神谷さん!気を確かに!」
燐子「蓮君、だ、大丈夫ですか......!?」
色々な情報が混雑して入ってくる
(もう少しだな。)
蓮「___っ!」
友希那「蓮......?」
頭痛が治まった
あの一瞬ですごい量の汗をかいた
蓮「なんだったんだ、今の......?」
あこ「大丈夫?蓮君?」
蓮「大丈夫。治った。」
俺はそう言って立ち上がった
状態はいたって正常だ
リサ「あ、焦ったー......」
紗夜「どうしたんですか?」
蓮「分からない。でも......」
燐子「?」
蓮「いや、なんでもない。」
俺は気御取り直して
5人に笑顔を向けた
蓮「いい演奏だった。最高だった!」
友希那「当然よ。」
リサ「だって、蓮のロゼリアだもん!」
蓮「思うんだけど、俺のってなんだ?ロゼリアはロゼリアなんじゃないか?」
紗夜「いいんですよ。」
あこ「そうだよ!」
燐子「私も、それがいいです......!」
蓮「?」
俺は疑問に思ったが
それを飲み込むことにした
友希那「それじゃあ、私達は着替えてくるわ。」
蓮「分かった。」
リサ「待っててねー!」
あこ「ばいばーい!」
紗夜「では、後程。」
燐子「それでは、また......」
そうしてロゼリアは歩いて行った
蓮「まぁ、みんな待ってようかな。」
__________________
あれから、少し皆を待ってると
すぐに出て来た
そして、今は帰り道だ
ひまり「__あー!楽しかったー!」
リサ「だよねー!」
イヴ「レンさんはどうでしたか?」
蓮「楽しかった。すごいな皆。」
俺はそんな感想しか言えなかった
それぞれのバンドに会った世界をうまく言葉にできない
千聖「これは、あなたが作ったものよ。」
蓮「?」
香澄「そうですよ!蓮先輩がいなきゃこんなに上手になってないです!」
沙綾「だよねー。」
たえ「神ー。」
こころ「あら?蓮は神様なの?素敵ね!」
薫「蓮が神か、それは儚いね......!」
蓮「実感ないけど、大げさすぎる......」
そんな会話をしながら歩いてる
この人数の言葉を聞き分けるなんて
俺は聖徳太子なんだろうか
チュチュ「でも、蓮の記憶は戻らなかったわね。」
蓮「悪い。」
ますき「気にすんなって!」
レイ「そうだよ。今日の1番の目標は蓮を楽しませることだから。」
アリス「はい!だから、蓮さんは気にしないでください!」
蓮「そうか......」
俺の記憶の片鱗は見えた気がした
でも、あと少し、もう少し何かが......
蓮「......くっ。」
ガサガサガサ!!!
歩いてると、近くの草が揺れた
ますき「__蓮!逃げろー!!!」
蓮「ぐっ......!!!」
鋭い痛みを腹部に感じる
そこからは赤い血が滲んでる
蓮「なん、だ......?」
田島「久しぶりだな、クソ男。」
友希那「っ!!!」
誰だ、このおばさん
なんで俺を刺して......
田島「お前のせいで入らなかった金の恨みだ!!思い知れ!!!」
蓮(何を......言って......)
俺の意識はそこで途切れた