役決め
蓮「__うーん!良い朝だ!」
記憶が戻って最初の朝
俺は気分よく目を覚まし
洗面、朝食を済ませ
かなり久し振りの登校をしていた
ちょうど一か月くらい登校してなかったから
月ももう10月、体育祭も結局すかしたし
蓮(それにしても、寒くなって来たなー。)
通学路の木も段々、緑の葉が減って
冬に近づいて行ってるんだと感じる
そんな事を思ってると、俺の横に黒塗りの車が止まった
こころ「__おはよう!蓮!」
蓮「あ、おはよー。」
車の中から顔をのぞかせたのはこころだ
いつも通り、明かる態度で俺に話しかけてくる
俺はそんなこころの頭を撫でた
こころ「ん......///」
蓮「なんか用か?」
こころ「蓮も乗って行くかしら?」
蓮「うーん、やめとく。」
こころ「なんで?」
蓮「歩きたいんだよ。健康のために。」
俺は笑いながらそう言った
すると、こころは納得したように笑った
こころ「そう!じゃあ、あたしは行くわ!」
蓮「おーう、またなー。」
こころ「えぇ!また会いましょう!」
そうして、こころを乗せた車は走って行った
蓮「さてと、俺もさっさと学校行くかー。」
そう呟いて、俺も学校に向かって歩いて行った
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学校に着いた
俺は靴を履き替えて
教室に来た
蓮(__いやー、感覚的には久しぶりに感じるなー。)
俺はそんなのんきな事を思いながら
教室のドアを開けた
六花「__お、おはようございます!蓮先輩!」
蓮「」
俺はドアを閉めた
そして、学年とクラスを確認した
もちろん、間違えてない
俺は再度、教室のドアを開けた
蓮「なんでいる?」
六花「えっと、皆さんに呼ばれまして......」
蓮「皆さん?」
俺は教室の中を見渡した
あこ「おーい!蓮君ー!」
蘭「蓮の席、ここだよ。」
モカ「おはよー、蓮君ー。」
ひまり「おはようございます!」
巴「よう!先輩!」
友希那「何をボーっとしてるの?」
リサ「早くおいでよー!」
教室の窓際の後ろから2番目
そこに学年関係なくバンドをしてるメンバーが集まっていた
周りの生徒もチラチラあいつらの方を見てる
俺はため息をつきながらあいつらの方に歩いて行った
蓮「なんでいる?」
リサ「え?同じクラスだからじゃん?」
友希那「そうよ。」
蓮「お前らじゃねぇよ。そこの1,2年生の奴らだよ!」
俺は何で朝からこんなでかい声を出してるんだろう
蘭「え?いちゃダメなの......?」
蓮「え?」
ひまり「そ、そうなんですか......?」
蓮「......」
そう言って、1,2年生組はシュンとした
そんな様子を見て
俺は物凄い罪悪感に襲われた
蓮(え?俺が悪いの?いや、でかい声出したし悪いのか?)
あこ「蓮君......」
六花「蓮先輩......」
リサ「あーあ、1年生泣かしたー。」
蓮「はぁ!?」
友希那「流石、羽丘の魔王ね。」
蓮「おい待て。なんだそれ。」
友希那から聞き捨てならない言葉が聞こえた
だが、そんな事を言ってる場合じゃない
蓮「いや、お前らの事は嫌いじゃない。ただ、周りの奴らも困惑してるから気をつけろ__」
蘭「嫌い、じゃない......?」
蓮「?」
つぐみ「じゃあ、好き、じゃないんですか......?」
蓮「え?」
巴「蓮さん、そうなのか?」
蓮「......え?」
全員が涙目で俺を見つめてる
え?俺この場で何を求められてるんだ?
蓮「......お前らは、好きだ。」
1,2年「......」
そう言うと、全員が静かになった
そして......
バタン!!!
蓮「えぇ!?」
全員、一斉に倒れた
なぜか、リサと友希那まで
蓮「なんでだよ!?」
巴「こりゃ、すげぇや......///」
リサ「強すぎ......///」
六花「えらい事や......///」
友希那「流石、羽丘の魔王///」
蓮「いや、ほんとになんだそれ。」
そして、5分ほど経った後
事態は収束し、俺は席に座れた
蓮「__それで、なんでここにいるんだ?」
蘭「蓮を見に来た。」
巴「あぁ、そうだ!」
あこ「むしろそれ以外であるかな?」
蓮「あってほしいんだよ。分かれ。」
俺はそう言いながらため息をついた
蓮「もういっそ来るのは良い。だが、周りにもう少し配慮しろ。」
ひまり「はーい!」
つぐみ「頑張ります!」
蓮「いや、頑張る事じゃねぇよ!?」
日菜「__蓮君ー!来たよー!」
薫「主役は遅れてやってくる。儚い......!」
麻弥「おはようございます!蓮さん!」
蓮「羽丘組オールスターじゃねぇか!」
まぁ、こうやって周りに人間が集まるのは良い事だ
少し多いんだがな
リサ「あ、そう言えば蓮?」
蓮「なんだ?」
リサ「蓮が休んでた間のプリント、まとめてあるよ!」
蓮「あ、悪いな。どのくらいあるんだ?」
リサ「はい!」
リサはそう言うと
プリントの山が机の上に置かれた
蓮「うっわ。」
モカ「これはすごいー。まるで山だねー。」
蓮「まぁ、一か月休んでたし、こんなもんか。」
俺はプリントをめくって見た
色々な教科のプリントがある
その中で一つ、異彩を放つものがあった
蓮「合同、文化祭?」
日菜「それに目をつけたね!蓮君!」
蓮「!?」
俺がそのプリントを手に取ると
待ってたとばかりに日菜が口を開いた
日菜「今回の文化祭は花咲川と合同でやるんだよ!」
蓮「へぇ。発案者は?」
日菜「あたし!」
蓮「知ってた。」
予定調和だな
るんっ♪とするから!
とか、言ったんだろうな
蓮「それにしても、文化祭か。」
巴「楽しみだなー!」
あこ「だよね、お姉ちゃん!」
蓮「花咲川と合同って事はRAS以外は全員揃うわけだな。」
六花「チュチュさんたちは私が招待するので、多分、全員揃いますよ。」
蓮「へぇ、チュチュたちも来るのか。」
俺はプリントを見た
そして、少ししてあること思った
蓮「俺、誰と回ろうかな。」
リサ「!」
麻弥「よく聞いてくれました!」
蓮「!?」
麻弥「蓮さんと回る人は競合が激しいので対策をしているんです!」
蓮「発案者は?」
麻弥「羽丘、花咲川の生徒会です!」
蓮「そうか。」
俺はそう言って、机の上にあったプリントを片付けた
そして、チャイムが鳴った
蘭「戻らないとね......チッ。」
蓮「蘭さんー?舌打ちが聞こえましたよー?」
モカ「じゃあ、あたし達は戻るよー。またねー。」
ひまり「また来ます!」
つぐみ「さようなら!」
巴「じゃあな!」
あこ「またねー!蓮君!」
六花「失礼しました!」
日菜「まったねー!」
薫「儚い!」
そう言って、全員、各々の教室に戻って行った
薫のあれは判断に困るんだが
こうして、俺の1日が始まった
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今日は文化祭の出し物を決めるらしい
正直、あんまり興味はない
面倒じゃなければいいくらいだ
蓮(さて、寝るか!)
リサ「蓮ー?」
蓮「ん?なんだ?」
リサ「また寝ようとしたでしょー?」
蓮「寝る寸前だった。」
リサ「もー、こんな時くらい起きてなよー。」
友希那「仕方ないわ。蓮だもの。」
蓮「失礼だな。俺だって1時間くらい起きてられる。」
俺はそう言って、体を起こした
そして、出し物決めは進んで行った
蓮(__眠い。)
15分経った頃、俺は激しい睡魔に襲われていた
正直、退屈だし眠たすぎる
委員長「それでは!A組の出し物は白雪姫の演劇です!」
出し物は演劇らしい
俺はそれだけ聞くと、顔を伏せた
蓮(よし、俺は裏方でサボるか。)
そう決めて、俺は本格的に寝ようとした
そして、役決めに入った瞬間
女子「__王子役は神谷君がいいと思います!」
蓮「は?」
リサ(あ、目覚ました。)
不穏な声が聞こえて、目を覚ました
そして、俺の名前を出した女子の方を見た
委員長「まぁ、そうだよね!」
蓮「いや、おかしいだろ!俺は拒否する。」
委員長「じゃあ、神谷君が王子役がいいと思う人ー!」
委員長がそう言うと、クラスの女子全員が手を挙げた
もともと女子高なだけあって、数は半数を上回った
蓮「って、おい!友希那、リサ!」
リサ「いやー、蓮しかいないかなって!」
友希那「王子役が似合うのは蓮だけだもの。」
と言う、顔面偏差の高い2人が
俺以外の男子の心を抉る事を言い出した
もうやばい、男子からの視線がやばい
委員長「じゃあ、多数決って事で神谷君に決定!」
蓮「」
委員長「じゃあ、次、白雪姫!」
女子たち「はい!!」
蓮「!?」
委員長がそう言うと、クラスの女子全員が手を挙げた
リサと友希那も例外じゃない
蓮(え、もう怖い。)
男子「な、なぁ!俺、王子役したいんだけど!」
蓮「!(きゅ、救世主!)」
女子「......」
俺は心の中でそう叫んだ
だが、現実とは残酷だった
勇気ある男子の言葉が教室に響いたのと同時に
あげられていた女子の手はほぼ下がったのだ
挙がってるのは気を使ったリサと友希那だけだ
女子「......ちっ、空気読めよ。」
女子2「神谷君だから私らあげてんだけど。」
男子「」
蓮「」
心無い言葉を浴びせられた男子の心が砕け散る音が聞こえた
流石にこれは気に入らない
蓮「だ、大丈夫か?」
男子「あ、あぁ、悪いな。」
蓮「いや、俺こそ悪かった。」
男子「だが、やっぱり、王子はお前だ。」
蓮「!」
男子は俺の肩に手を置いた
その手には確かな重みがある
男子「後は頼んだ、神谷......」
蓮「おい、おい!!」
その男子はまるで魂が抜けたように倒れた
男子の顔は少し、青白くなってる気がした
蓮(な、なんて事だ。)
男子2「くっ、あいつ、無茶しやがって......!」
男子3「あのイケメンハーレム野郎に勝てるわけなかったんだ......!」
男子4「また1人、尊い犠牲が......!」
蓮「」
なんで、こうなった
役を決めるだけで犠牲者がでるなんて
リサ「蓮。」
蓮「リサ......?」
リサ「これ以上、犠牲を出さない方法は一つだよ。」
蓮「......分かってる。」
俺は青白くなった男子から目を離した
そして、こう言った
蓮「俺が、王子役するよ......」
女子「きゃー!!!」
これしかないんだ
俺が犠牲になって、他の罪のない命を守るしかないんだ
教室では女子が黄色い声を上げ
男子は俺に敬礼をしていた
委員長「じゃあ、白雪姫役決めよう!」
委員長の一声から白雪姫役決めが始まった
すごい勢いのジャンケンだった
いつリアルファイトになるんだと
そうハラハラしながら俺はそれを見ていた
クラスの男子は怖がって教室の端で固まっていた
俺は思った、女子は怖いんだと
委員長「残ったのは女子さんと今井さんだね!」
リサ「あ、あはは(なんでだろ、嬉しいのにそう感じない......)」
女子「負けない......!」
まともなやつなんて友希那とリサだけだった
正直、最初はだれでもいいと思ってたが
今は素直にこう思う
蓮(リサ、まじで勝ってくれ。)
俺は手を合わせ、祈った
手汗がすごい
友希那(蓮の子の顔、レアね。)
蓮(多分あの女子が来たら俺の身が危ない。神様仏様黒服様。)
そして、リサと女子が手を出した
勝負の結果は......!
リサ「__か、勝っちゃった?」
蓮「よし!」
リサ「!///(れ、蓮が喜んでくれた!?///)」
蓮(た、助かった。リサなら安心だ。)
友希那「良かったわね、蓮。」
友希那は慈愛を込めた目で俺を見て来た
分かってたんだろうな俺の気持ちを
リサ「れ、蓮!よろしくね!」
蓮「おう、よろしく。」
こうして、王子役と白雪姫役が決まった
その先の役決めは活気なく進行していった
個人にできないですね、これは。
文化祭編になっちゃいました。