覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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こたつの中での出来事

 ハロウィンパーティーから少し経って

 

 今日は11月7日だ

 

蓮(__なんか、寒いな。)

 

 俺はそう思ってカレンダーを確認した

 

 そして、俺は少し頷いた

 

蓮「あぁ、今日は立冬か。」

 

 今日は冬の始まりってわけか

 

 今思えば、あいつらに出会ったのも春か

 

 本当に、色々あったなぁ

 

蓮(ライブやったり、失血したり、ぶっ刺されたり。)

 

 今年、刃物で刺された選手権とかすれば、

 

 俺、世界一なんじゃねぇか?

 

 いや、そんな賞いらないんだが

 

蓮(まぁ、それにしても冬かー。)

 

 冬に備えた準備がいるな

 

 俺はそう思い、物置部屋に向かった

__________________

 

 30分後

 

蓮「__よし!」

 

 これぞ日本の冬

 

 平穏の象徴、日本最高峰の発明

 

 こたつだ

 

蓮「いやぁ、やっぱこれだなー。」

 

 俺は早速、こたつの中に入った

 

 この家、寒いんだよなー

 

蓮(今日はこのままダラダラするか。)

チュチュ「__蓮、いるの?」

蓮「チュチュかー。」

チュチュ「何をしているのかしら?」

蓮「日本にいると言う幸せを噛み締めてる。」

 

 俺がそう言うと

 

 チュチュは首を傾げた

 

 まぁ、何言ってるか分からないよな

 

蓮「それで、なんか用か?」

チュチュ「次のライブについての相談よ。」

蓮「あぁ、なるほどな。じゃあ、座ってくれ。」

チュチュ「えぇ。」

 

 チュチュは俺の体面に座った

 

 俺も体を起こした

 

チュチュ「......これ。」

蓮「?」

チュチュ「なんでもないわ。始めましょう。」

蓮「了解。」

 

 それから

 

 俺とチュチュの打ち合わせが始まった

 

 チュチュは詳細な説明をした

 

チュチュ「__こんな感じよ。」

蓮「オッケーオッケー。いつも通り、まとまってるな。」

チュチュ「当り前よ。」

蓮「まぁ、強いて言うなら、ここの部分なんだが__」

 

 俺はそれから

 

 チュチュに修正する点を話した

 

 ライブに関する知識もついたもので

 

 このチュチュにも話が通じる

 

 すごいなぁ......

 

チュチュ「なるほどね。」

蓮「後は直前のチェックになるな。」

チュチュ「そうね。その時も頼むわ。」

蓮「了解。」

 

 チュチュとの打ち合わせは

 

 思いのほか早く終わった

 

 いやー、チュチュがいると楽だわ

 

チュチュ「......」

蓮「どうした?」

チュチュ「......眠たい。」

 

 チュチュは目を細めながらそう言った

 

 また、ライブの準備で睡眠不足なんだろう

 

蓮「寝るか?」

チュチュ「少し寝るわ。」

 

 バタッと、チュチュは寝転んだ

 

 本当に疲れてるみたいで

 

 チュチュはすぐに眠りについた

 

蓮「マジで、すぐに寝たな。」

 

 俺はそう呟いてから

 

 チュチュが持ってきた資料を見た

 

蓮(ほんと、これ作るのにどんな時間かかるんだよ。)

 

 すごく細かくまとめられてて

 

 チュチュの音楽への熱意を感じる

 

 ちゃんとプロデューサーしてるな

 

蓮「さてと、俺は何するかね......あ、そうだ。」

 

 俺はある事を思いついた

 

 そして、チュチュの方に移動した

 

蓮(女の子の寝顔を拝むのは今の俺の特権ってな。)

 

 俺は小さく笑いながら

 

 チュチュの顔を覗き込んだ

 

チュチュ「スゥ......スゥ......」

蓮「おー......」

 

 気持ちよさそうに寝てる

 

 流石、こたつだ

 

 てか、小動物感がすごい

 

チュチュ「ん......」

蓮「!」

 

 しばらくチュチュを見てると

 

 俺の服の裾を引っ張ってきた

 

 引っ張ってみたが、放してくれそうにない

 

蓮(これは、困ったなー。)

 

 俺は一瞬そう思ったが

 

 最終的にこの結論に至った

 

蓮(俺も寝るか。)

 

 そうして、俺はチュチュの隣で寝転び

 

 目を閉じた

__________________

 

 ”夢”

 

 目が覚めると

 

 俺はどこか分からない場所にいた

 

 ここは、どこかのホールか?

 

蓮(ふむ?)

 

 舞台上に目を移すと

 

 小さな女の子がピアノを弾いていた

 

 その演奏は決してうまいとは言えない

 

 その証拠に、審査員のような連中は微妙な表情をしてる

 

蓮(あれは......チュチュか?)

 

 その女の子は

 

 かなり小さいが間違いない

 

 チュチュだ

 

 でも、なんでこんな?

 

咎『__俺が発動してるからだ。』

蓮「咎?」

咎『たくっ、寝言で発動させやがって。バカがよぉ。』

 

 え?咎って寝言でも発動したの 

 

 あれって、意識を能力に向けるために

 

 呼んでるんじゃなかったっけ?

 

咎『これは、能力の一つ、再現性の応用だ。』

蓮「そんなのあるのか?」

咎『あぁ。』

 

 咎が言うには

 

 現実で眠っているチュチュに接触してるために

 

 夢の中に介入してる状態らしい

 

 基本的にここではなんも動かせない

 

 仮に動かそうとすれば、体に負荷がかかるらしい

 

蓮「なるほどな。」

咎『まぁ、しばらく見てみようぜ。』

 

 咎がそう言うので

 

 俺は舞台上に目を移した

 

 やっぱり、審査員の表情は苦い

 

 でも、その中で1人、異様な人物がいた

 

 チュチュと似た髪色の女性

 

咎『どうやら、あれが母親みたいだな。』

蓮「!」

咎『記憶を見るに、この親に問題があるみたいだ。』

 

 これは俺も分かった

 

 だって、この会場で一人

 

 チュチュを褒めてるからだ

 

咎『毒親ってやつだな。』

蓮「あぁ。」

 

 演奏が終わって

 

 審査員の反応を見てるチュチュの顔は今にも泣きそうだ

 

 そんな中でも、母親だけはほめちぎってる

 

蓮「......うるさい。」

咎『!』

蓮「うるさいんだよ!静かにしろ!」

 

 俺はチュチュの母親に向けて叫んだ

 

 だが、聞こえてないみたいだ

 

咎『無駄だ。それはオブジェクトみたいなもんだ。話しかけようが殴ろうが何も起きない。』

蓮「くっ!」

 

 面倒な仕様だな

 

 でも、これじゃチュチュが可哀想すぎる

 

咎『干渉出来るのは、夢を見てる本人のみだ。』

蓮「!」

咎『だが忘れるなよ。現実のお前に負荷がかかるってな。』

 

 咎はそれだけ言って

 

 溶けるように消えていった

 

 俺は同時に、舞台の方へ走った

 

蓮「__チュチュ!」

チュチュ「......」

蓮「!?」

 

 駄目だ、気付いてない

 

 干渉方法があるのか

 

 あいつ、それを教えないで消えやがった

 

蓮「っ!」

 

 突然、体がふわっと浮いた

 

 これは、夢から覚めかけてるのか

 

蓮「聞け!チュチュ!」

チュチュ「......?」

 

 やばい、なんて言えばいいんだ

 

 全く考えてなかった

 

 いや、時間がない

 

蓮「泣いてんじゃねぇぞ!!チュチュ!!お前は__」

チュチュ「......蓮......?」

 

 それから、目の前が真っ白になり

 

 夢の世界から覚めて行った

__________________

 

 ”現実”

 

 夢から覚めた

 

 だが、なんか変な感じがする

 

 なんか、唇辺りが......

 

チュチュ「......///」

蓮「ん!?」

 

 何という事でしょう

 

 目が覚めたらチュチュとキスをしているじゃありませんか

 

 って、ふざけてる場合じゃねぇよ

 

蓮「す、すまん!」

チュチュ「......大丈夫よ///」

 

 まさか、さっきの接触ってそういう事か

 

 てか、なんでこんなことになってんだ

 

チュチュ「流石に驚いたわ///起きたらキスしてるなんて///」

蓮(じゃあ、さっきの夢は......)

チュチュ「蓮......?///」

蓮「辛かったな、チュチュ。」

チュチュ「!///」

 

 俺は目の前にいるチュチュを抱きしめた

 

 チュチュは小さい時から何も変わってない

 

 何があっても泣くのを我慢して

 

 辛いのを隠して

 

 まだ、こんなに小さいのに

 

チュチュ「さっき、夢に蓮がいた気がしたわ。」

蓮「!」

チュチュ「蓮、夢の中にいたのかしら?」

蓮「あぁ、いた。」

チュチュ「......そう。」

 

 俺が答えると

 

 チュチュは知ってたかのように頷いた

 

チュチュ「蓮の目が赤くなってるから、そんな事も出来ると思ったわ。」

蓮「あ、そっか。」

チュチュ「まさか、人の夢にまで入れるなんて、驚きだわ。」

蓮「いやぁ、俺も今、この機能知ったから。」

チュチュ「なによそれ。」

 

 チュチュは笑いながらそう言った

 

 まぁ、笑うしかないよな

 

チュチュ「さっき、辛かったと言ったわよね?」

蓮「あぁ。」

チュチュ「実は、今、そうでもないの。」

蓮「え?」

チュチュ「むしろ、今は幸せよ。」

 

 チュチュは俺の胸に顔をうずめた

 

チュチュ「目の前に努力じゃどうしようもない次元の人間がいるんだもの。」

蓮「え?おれのこと?」

チュチュ「そうよ。」

 

 チュチュは迷いなくうなずいた

 

 まぁ、確かに能力は努力とかの問題じゃないけど

 

チュチュ「でも、優しいわね。こんなに心配してくれるなんて。」

蓮「前にも言ったけど、努力を認めてやれるのは自分と近くで見てたやつだけだからな。」

チュチュ「そう......///」

蓮「チュチュ?」

チュチュ「ねぇ、蓮。もう一回、キスしないかしら?///」

蓮「え?」

 

 チュチュは突然、そう言ってきた

 

 俺は驚いて、こたつに足をぶつけた

 

蓮「いっつ!」

チュチュ「慌ててるわね。」

蓮「いや、慌てるだろ。そんな事、女の子が言うんじゃありません。」

 

 いや、九割俺の責任なんだけどさ

 

 チュチュがそんなの言うと思わないだろ

 

チュチュ「ねぇ、蓮。」

蓮「ん?」

チュチュ「好きよ///」

蓮「んん!?」

チュチュ「勿論、Loveよ?///」

 

 チュチュは嬉しそうにそう言った

 

 俺は開いた口が塞がらなくなった

 

チュチュ「チャンス。」

蓮「っ!?」

 

 チュチュは何かを呟いたかと思うと

 

 突然、キスをしてきた

 

 しかも、かなり深めの

 

蓮(なっ!?チュチュ!?)

チュチュ「///」

 

 俺達しかいない部屋の中に

 

 水音と呼吸音だけが響く

 

 あまりに長くて、酸欠になりそうだ

 

チュチュ「__はぁ、はぁ......///」

蓮「ち、チュチュ......?」

チュチュ「その名前、今はなし///」

蓮「え?」

チュチュ「本名で、呼んで?///」

蓮「......ちゆ。」

 

 俺がそう呼ぶと

 

 ちゆは嬉しそうに頬を緩めた

 

チュチュ「どうしたの?///」

蓮「本気、なんだな?」

チュチュ「えぇ、当り前よ!///」

蓮「そっか......」

チュチュ「蓮は答えてくれる......?///」

 

 ちゆは上目遣いでそう問いかけて来た

 

 俺はそれにこたえるため、口を開こうとした

 

蓮「俺は__」

ますき「__おーい!蓮ー!」

蓮、チュチュ「!?」

レイ「来たよ、チュチュ。」

六花「お邪魔します!」

パレオ「来ましたよー!チュチュ様ー!」

 

 すると、RASの4人が入ってきた

 

 俺とちゆは慌てて離れた

 

パレオ「おやおやー?お二人仲良くお昼寝ですかー?」

チュチュ「そ、そうよ。」

蓮「疲れて寝ちまってな。」

レイ「ライブの打ち合わせしてたみたいだね。お疲れ様。」

蓮「あ、あぁ。」

 

 俺とちゆは体を起こし

 

 4人の方に顔を向けた

 

ますき「今日は立冬だから、鍋の材料持ってきたぞー!」

蓮「あ、あぁ。」

ますき「台所借りるなー。」

レイ「こたつ出したんだ。」

六花「いいですね!」

パレオ「心休まります~♪」

 

 4人はそう言いながらこたつの中に入ってきた

 

 俺とちゆは少し距離を話した

 

蓮「なぁ、ちゆ。」

チュチュ「その名前で呼ばないで。」

蓮「!?」

パレオ「蓮さん、ボケましたかー?怒られますよー?」

 

 あれ?おかしいな

 

 さっきまでは......

 

 そう考えてると、チュチュは耳元に口を近づけて来た

 

チュチュ「その呼び方は二人きりの時だけ。」

蓮「!」

チュチュ「分かったわね?」

蓮「......あぁ。」

パレオ(あらあら、まぁまぁ♪)

 

 それから、俺達はますきが用意した鍋を囲んだ

 

 これが、こたつの中で起きた最初の出来事だった

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