覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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夜の体育館

 11月中旬

 

 今日は球技大会らしい

 

蓮「__ふぁ~......」

 

 寝てたから全く知らなかった

 

 どうやら、何種目かあるらしく

 

 俺はバレーボールに出るらしい

 

リサ「__おーい!れーん!」

蓮「あ、リサ。」

リサ「おはよー☆」

友希那「おはよう、蓮。」

蓮「おはよう、友希那。」

 

 リサと友希那は走って近づいて来た

 

 この2人もバレーボールらしい

 

友希那「いつも通り、やる気なさそうね。」

蓮「そりゃ、運動嫌いだし。」

リサ「もー、頑張ろうよー!」

蓮「面倒くさい......」

 

 バレーボールなんてやったことないし

 

 どうせ、端っこに立ってるのがおちだろ

 

 俺は大きくあくびをした

 

リサ「もうすぐあたし達の番だよ!」

友希那「行きましょ、蓮。」

蓮「はいはい。」

 

 俺は2人の後ろについて

 

 コートに向かって行った

__________________

 

 俺は心底面倒に思いながらコートに入った

 

 さっさと終わってくれねぇかなー

 

女子たち「__きゃー!!神谷くーん!!///」

蓮「へ?」

リサ「あっ。」

 

 コートに入ると

 

 周りにいる女子から声援が上がった

 

 いや、なんだこれ?

 

蓮「なんだこれ......?」

リサ「蓮は人気だからねー。顔良いし。」

友希那「あなた、よく放課後呼び出されていたでしょ?」

蓮「」

 

 俺って人気あったのか

 

 てか、何だよこの反応

 

 漫画の世界かよ

 

蓮「いや、これ目立ちすぎだろ。」

リサ「見た感じ、1年生から3年生までいるねー。」

友希那「あそこにあこがいるわ。」

蓮「」

リサ「モカ達もいるねー!あそこに六花も!」

 

 まじかよ

 

 勘弁してくださいよ

 

 俺は流しに流したかったのにさ

 

リサ「これは頑張らないとね~。」

蓮「すいません、急に腹痛が痛くなりました。」

リサ「はいはーい、腹痛は痛くならないよー。」

友希那「頑張りなさいよ。勝てばすぐに終わるわ。」

蓮「面倒くさい......」

 

 なんだよ、顔がいいってさ

 

 俺だって好き好んでこんな顔で生まれてないんだよ

 

蓮(能力使って先回りして勝てばいいや。カラコン入れてるし。)

 

 俺は小声で咎を呼んだ

 

 周りの反応的にバレてないな

 

リサ「また能力使ったねー。」

蓮「なに!?何でわかった!?」

リサ「何となく、悪い顔してたから。」

友希那「計画通りって言ってそうな顔をしてたわ。」

蓮「いや、どんな顔だよ。」

 

 まぁ、いいや

 

 そんな事をしてるうちに

 

 試合が始まった

 

 俺達のチームのサーブからだ

 

リサ「じゃあ、誰が行くー?」

蓮「俺に任せろ。」

リサ「おっ、やる気になった?」

蓮「いや、ない。」

リサ「え?」

蓮「だからこそ、サーブをしたいんだ。」

 

 俺がそう言うと

 

 リサは首をかしげながらボールを渡して来た

 

 俺はボールを受け取ると、ラインの後ろに立った

 

蓮「くっくっく、サーブだけで終わらせてやる......!」

リサ「え?......あっ(察し)」

蓮「ほらー、とれよー。取れるもんならな。」

 

 俺はそう呟いて

 

 相手コートに向かってサーブを打った

 

相手チーム「え?」

蓮「成功。」

 

 俺が打ったボールは

 

 ネットをかすめ、ネットの真下に落ちた

 

 相手チームは誰も反応できなかった

 

審判「Aチーム!」

蓮「よし。」

 

 俺のチームの点だ

 

 さてさて、始めようか

 

蓮「さぁ、蹂躙の時間だ。」

リサ(あー、やっちゃったね。)

友希那(悪い顔ね。)

 

 それからの展開は早く

 

 永遠にサーブはこっち

 

 素人ばっかりのチームで拾えるはずもなく

 

 点差は永遠と開いて行く

 

 そして......

 

審判「__Aチーム、勝利です。」

蓮「やったぜ。」

 

 俺達は一切点を与えることなく勝利した

 

 これぞ必殺、お友達クラッシャー

 

 あ?なんだって?ズルだって?

 

 違うな、最終的に勝てばいいんだよ

 

 周りの奴らだって歓声あげるだけで何も言わないしな

 

リサ「う、うわー、悪魔だ。」

蓮「ふっふっふ、これが最強の技だ。」

教師「あのー、神谷君?」

蓮「はい?」

 

 話してる途中、教師が近づいて来た

 

 俺は首をかしげながら振り向いた

 

教師「次の試合から、あれは禁止です。」

蓮「え?いや、あれはルールの範囲なんですけど?」

教師「禁止です。次にしたら反則です。」

蓮「」

 

 こうして、俺の無敵の技

 

 お友達クラッシャーは封印を余儀なくされ

 

 正々堂々挑んだ次の試合は、

 

 あっけなく敗北した

__________________

 

 それから、球技大会は終わり

 

 俺は罰と言う名目の元、

 

 後片付けをすることになった

 

 いや、なんで罰を貰わないといけないんだ

 

蓮「__さてと、これを体育倉庫に持って行けと。」

 

 俺はボールが入った箱を持って、

 

 体育倉庫に向かい

 

 そして、中に入った

 

蓮「あー、重かった。」

 

 重いものを持つのは苦手だ

 

 腕疲れるし、腰痛くなるし

 

 俺はそんな事を考えながら、

 

 荷物を置いた

 

六花「誰かいますか?」

蓮「あれ?六花?」

六花「あ、神谷先輩!」

 

 俺が荷物を置くと

 

 六花が物陰から顔をのぞかせた

 

 そして、嬉しそうな顔で俺に近づいて来た

 

六花「先輩もお片付けですか?」

蓮「なんか、罰則食らってな。」

六花「罰則?」

蓮「一回戦のあれがまずかった。」

六花「あっ、あれですか。」

 

 六花は手を叩いた

 

 いやね?ルールの範疇だから

 

 実は俺は悪くないんだぞ

 

六花「私は良いと思いましたよ!良い感じに狡くて!」

蓮「こ、狡い......」

六花「あ、ご、ごめんなさい!」

蓮「いや、いいんだよ。」

 

 俺は心に若干のダメージを負った

 

 だが、すぐに気を取り直して

 

 話を変える事とした

 

蓮「俺は片づけ終わったし、出るかー。」

六花「はい、そうですね。」

 

 そう言って、

 

 俺は倉庫のドアを開けようとした

 

 だが、様子がおかしい

 

 全く、ドアが動かないんだ

 

 鍵が掛かってる?みたいだ

 

蓮「あれ?」

六花「どうしたんですか?」

蓮「ドアが開かないんだが?」

六花「え?」

 

 六花は首をかしげた

 

 そして、ドアを開けようとした

 

 だが、やはり動くことはなかった

 

六花「......」

蓮「これは......」

 

 閉じ込められた

 

 いや、なんでだよ

 

 さっきまで開いてただろ

 

 どうしたんだよ、これはよぉ

 

蓮「困ったな。」

六花「そ、そうですね......」

 

 体育倉庫の中は密室

 

 外に出る窓なんてものはない

 

 そして、ドアは開かない

 

 つまり、詰んだって事だ

 

六花「ど、どうしよう。携帯も持ってないし......」

蓮「まぁ、ここで待つしかないだろうな。」

 

 俺はそう言ってマットの上に座った

 

 そして、少し息をつき、

 

 六花に話しかけた

 

蓮「まぁ、騒いでも疲れるし。ゆっくり待とうぜ。」

六花「お、落ち着いていますね。」

蓮「まぁ、今の状況じゃどうしようもないしな。ゆっくりしようぜ。」

六花「は、はい。」

 

 六花はそう言うと、俺の隣に座った

 

 俺は首をかしげて、六花を見た

 

六花「ふ、不安なので......///」

蓮「そうか(?)」

 

 まぁ、六花はか弱い女の子だし

 

 こういう状況になれてるわけないよな

 

 俺も閉じ込められるのは初めてだが

 

蓮「さて、待ってる時間暇だし、何か話すか。」

六花「はい!」

蓮「まずは何の話があるか。」

 

 よくよく考えれば

 

 六花と2人になるのは久しぶりだな

 

 確か、人生相談受けた時以来か?

 

 いや、最初に2人になった時の話が人生相談ってなんだよ

 

 てか、相談しないといけない立場なの俺だし

 

 てか、話の内容浮かばないし

 

蓮「六花は学校、楽しいか?」

六花「え?」

 

 考えた末に出たのがこれだ

 

 いや、どこの父親だよ

 

六花「楽しいですよ!お友達もいますし!」

蓮「そうかそうか。」

六花「神谷先輩はどうですか?」

蓮「楽しいぞ。面白い奴らもいるしな。」

 

 俺はそう言ってから、少し考えた

 

 そして、ある単語が浮かんできた

 

蓮「もうすぐ、卒業か。」

六花「!」

 

 無意識でそんな言葉が出た

 

 もう、11月だ

 

 卒業って言葉も出て来る

 

蓮「この学校にいるのも短かったな。」

六花(そっか、神谷先輩、卒業しちゃうんだ......)

蓮「六花?」

六花「え?」

 

 六花が喋らないので話しかけると

 

 少し驚いた声を上げた

 

蓮「どうした?」

六花「なんでも、ないです......」

蓮「?」

 

 これは何かあるな

 

 なんでかって?

 

 こいつらの何もないは、

 

 絶対に何かあるからだ

 

蓮「いやいや、何かあるだろ?話してみろって。」

六花「えっと......」

蓮「話くらい聞くぞ?」

 

 俺がそう言うと

 

 六花は少しうつ向き

 

 少しすると、ゆっくり口を開いた

 

六花「......先輩が卒業しちゃうのは、寂しいと思ってしまって。」

蓮「え?」

六花「卒業しちゃったら、廊下で見かける先輩を見れなくなっちゃう......」

 

 六花は小さい声でそう言った

 

 俺?てか、寂しい?

 

蓮「どういう事だ?」

六花「私、廊下でたまに見かける先輩の姿が好きです。」

蓮「え?」

六花「......///」

 

 俺は六花の言葉にたいそう驚いた

 

 すると、六花は言葉を続けた

 

六花「私は、神谷先輩の事が好きです。///」

蓮「っ!」

六花「廊下で先輩の姿を見ると、お腹の奥が熱くなって、胸がどきどきして、おかしくなります///」

蓮「......」

六花「でも、不思議と嫌な感じはしなくて、むしろ、心地よくて......///」

 

 六花は胸を押さえている

 

 まさか、六花まで、俺を......

 

六花「始まりは、先輩の記憶がない時です///」

蓮「記憶がないとき?」

六花「はい。先輩は怖い人たちから私を助けてくれて、それで守れてよかったと言ってくれました///」

蓮(そう言えば、そんな事もあった。)

六花「その時から、先輩を好きになりました///」

蓮「!!」

 

 六花はそう言ったと同時に

 

 俺の方に身を乗り出して来た

 

 俺は後ろに手をついて

 

 六花を受け止めた

 

蓮「ろ、六花?」

六花「神谷先輩、私の初めて、貰ってください......///」

蓮「!?」

 

 六花の顔が近づいてくる

 

 六花の頬は真っ赤で、

 

 綺麗な瞳は涙で潤んでる

 

六花(神谷先輩......///)

 

 お互いの唇が近づくにつれて

 

 六花の息遣いを感じる

 

 その時......

 

蓮、六花「っ!?」

 

 突然、ガチャっと鍵が開く音がした

 

 俺と六花は慌てて距離を取り

 

 ドアの方を見た

 

蓮「......ん?」

 

 だが、ドアが外から開かれることはなく

 

 数秒の時間が経った

 

六花「あ、あれ......?」

蓮「取り合えず、出よう。」

 

 俺はそう言ってドアを開け

 

 六花と2人で倉庫から脱出した

__________________

 

 ドアを開けて外に出ると

 

 そこは真っ暗な体育館だった

 

 人の気配は全く感じない

 

蓮「あれ?誰もいない?」

六花「え......?」

蓮「さっき、鍵、誰か開けたよな?」

 

 確かにガチャって音を聞いた

 

 倉庫は外側からしか開けられない

 

 何かの誤作動で開くような作りでもない

 

蓮、六花「......」

 

 いや、これやばいよな

 

 目を凝らしてみると

 

 体育館のドアも窓も開いてない

 

 誰かが入ったような形跡はない

 

 勿論、慌てて出て行くような足音も、

 

 全く、聞こえなかった

 

六花「あの、神谷先輩......?」

蓮「......言うな。」

 

 俺は六花の発言を止めた

 

 これは流石に化学的に説明がつかない

 

 いや、俺の能力の時点でもう説明付かんし

 

 俺は動揺しまくってるが、

 

 ゆっくりと口を開いた

 

蓮「帰るか。」

六花「はい。」

 

 そう言って、俺達は出口に向かう事にした

 

 すると、六花は全然、違う方向に歩いて行った

 

 俺は慌てて声をかけた

 

蓮「ちょ、六花!?」

六花「え?」

蓮「なんで、そっちに歩いて行った?」

六花「え?だって、神谷先輩が......」

蓮「俺はこっちにいるぞ?」

六花「え......?」

 

 そう言うと、

 

 六花の顔が段々と青くなっていった

 

 俺も背筋が凍った

 

蓮「六花、俺はこっちだ。しっかりついて来い。」

六花「せ、先輩......」

蓮「なんだ?」

六花「手を、繋いでください......」

蓮「......分かった。」

 

 俺は六花の手を握り

 

 そして、能力を発動させた

 

 その後は何事もなく学校から出る事が出来た

 

 だが、体育館から出るまでの間

 

 背後に人間じゃない何かの気配を感じたが

 

 これは、六花には秘密にしておこうと

 

 俺は強く心に誓った

 

 

 

 

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