覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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オーディション

 俺は今、かなり頭を悩ませている

 

 今日はパスパレ関連の仕事で事務所に来てる

 

 そこで、もう、2時間はパソコンと睨めっこだ

 

蓮「__どうしたもんか......」

彩「おつかれー!蓮くんー!」

蓮「彩?」

 

 しばらく睨めっこをしてると、

 

 彩が部屋に入ってきた

 

 あいつらも練習の日だったか

 

彩「何してるの?」

蓮「仕事だ仕事。」

彩「あ、そっか。」

 

 彩はハッとした顔でそう言った

 

 なんと言うか、アホの子か?

 

 いや、それが彩の魅力なんだが

 

彩「でも、なんだか難しい顔してるね?」

蓮「あぁ、少し困ったことがあってな。」

彩「困ったこと?」

蓮「これの事だ。」

彩「どれどれ?」

 

 彩はそう言うと、

 

 パソコンの画面を見た

 

 すると、次第に顔色が変わった

 

彩「こ、これって......!」

蓮「見ての通り、ドラマのオーディションだ。」

 

 今回の話はあの社長が持ってきた

 

 まじで、これは難しい

 

 なんせ、パスパレから2人

 

 1人は千聖で決まりだが

 

 2人目は......

 

蓮「千聖は決まったんだが、2人目が決まらなくてな。」

彩「そうなの?」

蓮「麻弥には断られたし、イヴに負担を増やしたくないし、日菜はあれだからな。」

彩「あー......」

 

 俺の話を聞くと、

 

 彩は深く頷いた

 

 まぁ、納得いくよな

 

 特に日菜

 

彩「あれ?私、話聞いてないよ?」

蓮「いや、彩はとちるし。」

彩「なんで!?」

蓮「じゃあ、出てみるか?」

彩「!」

 

 俺がそう言うと、

 

 彩は俺の方に身を乗り出してきた

 

彩「やりたい!やらせてください!」

蓮「お、おう。まぁ、頑張れよ。」

彩「うん!」

蓮「じゃあこれ、台本な。」

彩「ありがとう!」

 

 俺は彩に台本を渡した

 

 彩はそれを大切そうに抱えた

 

彩「よーし!頑張るぞー!」

蓮「おーう、頑張れよー。」

 

 彩はすごい勢いで部屋から出ていった

 

 俺は軽く頬をかき

 

 こう呟いた

 

蓮「大丈夫かねぇ......」

 

 俺は大きな心配を抱えながら

 

 周りを片付け、家に帰った

__________________

 

 彩に台本を渡して2日

 

 俺は心配になり、事務所に足を運んだ

 

 そして、レッスンスタジオを覗いた

 

彩「__わ、分からないなってきたよぉ......」

 

 案の定、彩は頭を抱えていた

 

 今回は彩にとって未知の世界

 

 そりゃ、勝手も分からないよな

 

千聖「__あら、蓮じゃない。」

蓮「お、千聖。どうしたんだ?」

千聖「それはこっちのセリフよ。」

蓮「俺は暇だったからきたんだよ。」

千聖「嘘ね。彩ちゃんが心配だったんでしょう?」

蓮「さぁな。」

 

 こ、こえぇ

 

 なんで俺の考えてること分かるんだよ

 

 あれか?千聖はエスパーか?

 

蓮「まぁ、いいや。暇なら、彩にアドバイスでもしてやってくれ。」

千聖「あら、私に暇な時間があると思ってるのかしら?」

蓮「千聖が無理なら、そこに隠れてる3人でもいい。」

日菜、イヴ、麻弥「!!」

蓮「じゃあ、頼んだぞ。」

千聖「あなたは何か言ってあげないの?」

蓮「演技の事で俺は何も言えねぇよ。」

 

 俺はそう言って

 

 軽く手を振りながらその場を去っていった

 

 "パスパレ"

 

千聖「全く、格好つけね。」

日菜「るんっ♪てくるね!」

イヴ「正しく、ブシドーですね!」

麻弥「ブシドー、ですね。」

千聖「行きましょうか。彩ちゃんが困ってるわ。」

日菜「そうだねー。」

イヴ「いざ、尋常に!」

麻弥「た、戦うんですか?」

 

 その日のレッスンスタジオでは

 

 彩のオーディション練習の手伝いをする

 

 パスパレの姿が目撃されたとか

__________________

 

 それから3日が過ぎ

 

 取り敢えず、一次オーディションは終わった

 

 その結果は......

 

イヴ「__お二人共、おめでとうございます!」

麻弥「いやー、よかったです!」

日菜「おめでとー!」

彩「皆、ありがとう!」

千聖「少し、大袈裟だけれど。」

 

 2人は見事、

 

 一次オーディションを突破した

 

 報告では、千聖は言わずもがな

 

 だが、あの彩まで噛まなかったらしい

 

 俺はそのことにたいそう驚いた

 

蓮「さて、喜ぶのもいいが。次に目を向けよう。」

千聖「分かってるわ。」

彩「2次オーディションだね!」

蓮「わかってると思うが、難易度はかなり高いぞ。」

千聖「えぇ。」

彩「う〜、緊張するよ〜!」

蓮「いや、早すぎるだろ。」

 

 今はこんなこと言ってても

 

 彩は絶対にやりきる

 

 そう言う奴だしな

 

蓮「頑張れよ、2人とも。」

彩、千聖「!」

日菜「珍しいねー。」

麻弥「蓮さんがデレるなんて。」

蓮「誰がデレてるだ。」

イヴ「デレデレです!」

蓮「はいはい。」

 

 たくっ、こいつらは

 

 俺は少しため息をついた

 

蓮「祝勝会の企画でも、立てといてやるか。」

 

 俺は小さく、そう呟いた

 

 日菜がニヤニヤしてた気がするが

 

 気にしないことにした

__________________

 

 それから時間が経ち

 

 2次オーディションの日が近づいてきた

 

 俺は様子を見に、事務所に来た

 

蓮「__さてと、頑張ってるかねー。」

 

 俺はスタジオの中を覗いた

 

 そこにはやっぱり、あいつらがいる

 

 最終仕上げ、ってところだろうな

 

 俺はしばらく、

 

 あいつらの練習を見ていた

 

彩『3番手、丸山彩です!よろしくお願いします!』

 

 本番さながらな気合いだ

 

 見た感じ、演技も上手くなった

 

 この短期間で、よくここまでにしたな

 

 俺は感心しながらあいつらを見ていた

 

彩『__こ、こんな感じかな!』

麻弥『凄いです!彩さん!』

日菜『いいじゃんー!いけるよー!』

イヴ『アヤさんにブシドーを感じました!』

彩『えへへ、ありがとうみんな!』

 

 これは、当日も大丈夫だな

 

 俺はそう思い、その場を去ろうとした

 

千聖『__彩ちゃん?』

彩『どうしたの?』

千聖『あなたは蓮に告白するの?』

彩『え!?///』

蓮「!?」

 

 スタジオからそんな声が聞こえ、

 

 俺は足を止めた

 

彩『こ、告白......////』

日菜『そう言えば、彩ちゃんまだだったよね!』

麻弥『オーディションが終わったあとに、なんて、最高ですね!』

イヴ『今が好機!ですよ!』

彩『そ、そうかなぁ.....///』

千聖『頑張りなさい、彩ちゃん。』

彩『.....うん///』

 

 彩は深く頷いた

 

 俺は聞かない方がいいと思い、

 

 その場を離れ、事務所から出た

__________________

 

 帰り道

 

 家に向けて歩いてると、

 

 ポケットに入れてる携帯がなった

 

 日菜からだ

 

蓮「__なんだ?」

日菜『あ、もしもし!』

蓮「どうした?」

日菜『蓮君、さっきの話、聞いてたでしょー?』

蓮「!」

 

 まさか、気付いてたのか

 

 流石というか、なんと言うか

 

 俺は頭をかいた

 

蓮「それで、用はなんだ?」

日菜『蓮君、当日、会場に行ってあげなよー。』

蓮「なに?」

日菜『聞いてたならわかるでしょ?だから。』

蓮「......」

日菜『行ってくれるよね?』

蓮「さぁな。考えとく。

日菜『!』

 

 俺はそう言って電話を切った

 

 そして、少し空を見上げた

 

蓮「......帰るか。」

 

 そう呟いて

 

 俺は家に帰っていった

__________________

 

 2次オーディション当日

 

 俺は会場にいる

 

蓮(結局、来るんだよなー。)

 

 俺はそんな事を思いながら、

 

 建物の中を進んで行った

 

 そして、あいつらの姿が見えた

 

蓮「彩、千聖。」

彩「あ、蓮くん!」

千聖「やっぱり来たわね。」

蓮「やっぱりってなんだ。」

 

 俺はそう言いながら、

 

 2人に近づいた

 

蓮「暇だったんだよ。」

千聖「あらそう?」

 

 嘘です、めちゃくちゃ準備してました

 

 しかも、今日、心配すぎて寝れてません

 

 なんて事は死んでも表に出さない

 

蓮「まぁ、その、なんだ。」

彩、千聖「?」

蓮「自分達がしてきたこととパスパれのことを信じてオーディションに臨め。」

彩、千聖「!!」

蓮「そうすれば、結果なんていつの間にか着いてきてるんじゃね?」

 

 俺はそう言って

 

 2人に手を振りながら

 

 後ろに振り返った

 

彩「あ、あれ?どこ行くの?」

蓮「......コーヒー買いに行く。」

彩「そう?」

蓮「あぁ。」

 

 そう答えた後

 

 俺はその場を去ろうとした

 

彩「あ、待って!蓮くん!」

蓮「なんだ?」

彩「このオーディションが終わったら、言いたいことがあるの。」

蓮「......あぁ、分かった。待ってる。」

 

 俺はそう言って

 

 その場を後にした

審査員「丸山彩さん、どうぞ。」

彩「はい!」

千聖「楽しみなさいね、彩ちゃん。」

__________________

 

 2人のところに行ってから、

 

 1時間ほど経過した

 

 俺は近くの公園のベンチに座ってる

 

蓮(そろそろ、終わる時間だ。)

 

 今の俺は物凄くソワソワしてる

 

 そろそろ通報されるんじゃないか?

 

彩「__蓮くんー!」

蓮「あ、彩。」

 

 俺がそんな心配をしてると

 

 彩は元気そうに俺の方に走ってきた

 

 この態度、手応えありか?

 

蓮「オーディションはどうだった?」

彩「全部、だしきったよ!」

蓮「そうか。」

 

 彩は満足げにそう言った

 

 俺はその様子を見て、

 

 心がスッと軽くなった

 

蓮「やりきったな、彩。」

彩「うん!」

 

 彩は元気に頷いた

 

 俺は小さく笑った

 

彩「そ、それで、なんだけど///」

蓮「!」

彩「オーディションの前に言ったこと、覚えてる?///」

蓮「あぁ、覚えてる。」

 

 俺がそう答えると

 

 彩はパァと明るい表情になった

 

 そして、大きく深呼吸した

 

彩「じ、じゃあ、言うね!///」

蓮「あぁ。」

彩「わ、私は......///」

 

 彩は少し呼吸をした

 

 そして、勢いよく口を開いた

 

彩「蓮くんのことが、だいしゅきでしゅ!///」

蓮「え?」

彩「あ......///」

 

 内容は伝わってきた

 

 言いたい事はわかる

 

 でもさ.......

 

蓮「ここで噛む?」

彩「あー!言わないでー!///」

 

 彩は恥ずかしそうにしゃがみ込んだ

 

 確かに、これは恥ずかしい

 

蓮「でも、まぁ、彩らしいな。」

彩「うぅ.......あんなに練習したのに......」

蓮「いいじゃないか、彩らしくて。」

彩「!///」

 

 俺は彩の肩に手を置いた

 

 そして、こう言った

 

蓮「前に言ったろ?誰も完璧な丸山彩なんて求めてないって。」

彩「うん......///」

蓮「もちろん、俺もそうだ。だから、あれが彩の告白でいいんじゃねぇか?」

彩「それとこれとは話が別だよ!////」

蓮「あはは、だよな。」

 

 彩は顔を真っ赤にしながら抗議してきた

 

 誰も告白で噛むなんて思わないだろ?

 

 いやー、彩らしい

 

蓮「でも、気持ちは受けとったぞ、彩。」

彩「......うん///」

 

 彩はその場で立ち上がり

 

 俺の顔を真っ直ぐ見た

 

彩「大好きだよ、蓮くん!」

蓮「あぁ、ありがとう。彩。」

彩「じ、じゃあ、私、行くね!」

蓮「お疲れ様。」

彩「うん!」

 

 彩はそう言って、

 

 元気に公園を出ていった

 

 俺はその後ろ姿を眺めていた

 

蓮「......すぐに、答えを出す。」

 

 俺はそう呟いた

 

 もう、答えを出さないといけない

 

 いつまでも、あいつらを待たせてられない

 

蓮「__?」

 

 突然、俺の携帯がなった

 

 誰からだろう?

 

 俺は携帯を手に取り

 

 画面を見た

 

蓮「友希那?」

 

 俺は電話に出た

 

友希那『もしもし、蓮?』

蓮「あぁ、俺だ。」

 

 友希那の声はいつもより低い

 

 何か、あったのだろうか?

 

 そんな事を考えてる俺に

 

 友希那はあることを言った

 

 それは、あまりに突然で

 

 俺は雷に打たれたような衝撃を受けた

 

友希那『FUTURE WORLD FESの出場が決まったわ。』

蓮「!!!」

 

 そうか、あいつらもとうとう

 

 夢の舞台に行く日が来たのか

 

友希那『それでなのだけれど。』

蓮「なんだ?」

 

 俺が聞き返すと

 

 友希那はすぐに答えた

 

 まるで、いつもの会話のように

 

 流れるような声でこう言った

 

友希那『あなたにも見て欲しいの。私たちの演奏を。』

蓮「それは、FUTURE WORLD FESに俺も行くってことか?」

友希那『間違いないわ。』

蓮「......分かった。」

友希那『!!』

 

 こう答えるしかなかった

 

 Roseliaの夢の舞台に立つ姿

 

 見たくないわけが無いからな

 

蓮「最高の演奏、期待してる。」

友希那『えぇ......!』

 

 そうして、俺は電話を切り

 

 ポケットにしまった

 

蓮「楽しみ、だな。」

 

 俺は冬に近づいた

 

 澄み切った空に向けて

 

 そう呟いた

 

 

 

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