覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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新参者

 年内で最後のライブが終わって

 

 まぁ、年も変わりまして

 

 俺は絶賛、ダラダラしてる

 

 部屋にこたつもあるし、いいなぁ

 

友希那『__蓮、いるの?』

蓮「んあ?友希那?」

香澄『私もいますよー!』

蓮「香澄も?何か用か?」

 

 俺がそう聞くと、2人は部屋に入ってきた

 

 ただ思う、確認してほしいと

 

 俺はそんな事を考えながら体を起こした

 

香澄「失礼します!」

蓮「あ、うん。なんか用か?」

友希那「少し話があって来たの。」

蓮「話?」

友希那「まぁ、取り合えず聞いてちょうだい。」

蓮「あぁ、分かった。」

 

 俺がそう答えると、

 

 2人はこたつに入ってきた

 

 そして、話しを始めた

 

香澄「実は、蓮先輩に見てほしい子達がいるんです!」

蓮「俺に?」

香澄「はい!」

蓮「ふむ。」

 

 実を言うと、

 

 最近、俺の名前は知れ渡ってるみたいで

 

 色んなバンドからそう言う話が来る

 

 だが、俺はあくまであいつらの手伝いであって

 

 あんまり他のバンドを見るのは......

 

 あいつらが怖いから断ってた

 

 でも、今回はこいつらから行ってくるのか

 

友希那「かなり珍しいバンドよ。蓮にも一見の価値があるわ。」

蓮「珍しい?友希那がそこまで言うのか。」

香澄「どうですか?」

蓮「んー、まぁ、今回はお前らの頼みだし、暇だからいいぞ。」

香澄「じゃあ、連絡しておきますね!予定は明日ですよ!」

蓮「明日!?」

 

 俺は香澄の突拍子もない予定に驚き

 

 こたつに足をぶつけた

 

 すごい痛かった

 

 それから2人は部屋から出て行き

 

 俺は再度ダラダラし始めた

__________________

 

 ”翌日”

 

 香澄たちの住む家の敷地内

 

 その前に5人の影があった

 

 その5人はそれぞれ楽器を担いでおり

 

 全員、唖然とした表情を浮かべている

 

?「__こ、ここであってるんだよね......?」

??「ま、間違いないよ!だって、地図通りだったし......」

香澄「あ!みんな来たね!」

?「あ、香澄さん。」

友希那「いらっしゃい、Morfonica。」

 

 5人が唖然としていると

 

 大きな門の向こうから香澄と友希那が声をかけた

 

 2人に気付くとMorfonicaは一斉に頭を下げた

 

ましろ「こ、こんにちは。」

香澄「うん!こんにちは!」

透子「え、あの、皆さん、ここで住んでるんですか!?」

友希那「えぇ、そうよ。みんなここにいるわ。」

七深「お、おー。」

瑠唯(なんで、そんな事に?)

 

 5人はみんな首を傾げ

 

 その間に門が空いた

 

香澄「入って!準備出来てるよ!」

つくし「は、はい!今日はよろしくお願いします!」

 

 そうして、7人は敷地の中に入って行った

__________________

 

 敷地に入りしばらく歩き

 

 7人はライブハウスのような建物に来た

 

 そして今は練習部屋にいる

 

透子(ど、どんだけ歩くの......?)

つくし(う、家より全然広い......)

 

 Morfonicaの5人は困惑しつつ

 

 部屋の真ん中で突っ立ている

 

ましろ「あ、あの、ここでいいんですか......?」

香澄「うん!」

友希那「多分、もう準備も出来てるわ。」

蓮「__やっべぇ!遅刻遅刻ー!!」

Morfonica「!?」

 

 友希那がそう言ったと同時に

 

 蓮が部屋に駆け込んできた

 

友希那「ギリギリセーフよ。」

蓮「あ、そうか?よかった。」

香澄「みんな!この人が蓮先輩だよ!」

 

 ”蓮”

 

 と、超急いで走ってくると

 

 急に香澄に紹介された

 

 そこには初めましてな5人組がいる

 

 俺に見てほしいのはこの5人か

 

蓮「お前らがこいつらの言ってた新参者か。」

つくし「は、はい!Morfonicaです!」

蓮「そうか......」

香澄「蓮先輩?」

蓮「一つ、お前たちに言っておくことがある。」

Morfonica「?」

 

 俺は声のトーンを低くし

 

 Morfonicaの5人に話しかけた

 

蓮「バンドをするうえでこれは最も大切なことだ。」

透子「た、大切な事......!?」

七深「それって?」

蓮「......友希那を、怒らせるな。」

つくし「......え?」

瑠唯「......?」

 

 俺がそう言うと5人はポカンとした表情を浮かべた

 

 そして、こちらを睨む気配を感じ

 

 俺の背筋は凍りかけた

 

友希那「蓮?」

蓮「はい、ごめんなさい。」

つくし(な、なんて綺麗な90°......!?)

透子「ちょ、やばこれ!完璧な90℃じゃん!」

ましろ「言っちゃだめだよ、透子ちゃん!(?)」

 

 それから、暫くして落ち着き

 

 俺達は部屋においてあるテーブルとイスを出し

 

 飲み物とお菓子を出してもらった

 

蓮「__まぁ、自己紹介をしておこう。俺は神谷蓮。なんか、色々訳あって、こいつらの手伝いしてたりしてる。」

ましろ「倉田ましろです......」

つくし「二葉つくしです。」

透子「桐ケ谷透子でーす!」

七深「広町七深でーす。」

瑠唯「八潮瑠唯です。よろしくお願いします。」

蓮「ふむ。」

 

 これは中々、個性的なメンツっぽいな

 

 取り合えず、つくしはやらかすタイプだな

 

 そんな雰囲気がある

 

蓮「さて、今回の依頼はバンドのレベルアップと言ってたが、どういう部分が必要なんだ?」

ましろ「え?えっと......」

つくし「多すぎて分からないと言うか......」

蓮「ふむふむ。」

瑠唯「取り合えず、先輩方のバンドを拝見して全体的なレベルがあまりに低いので、気になる箇所をご指導していただければ構いません。」

蓮「なるほど、オッケー。」

 

 見た感じ、ましろがボーカル、

 

 透子がギター、七深がベースで

 

 つくしがドラム、瑠唯が......

 

蓮(あの楽器は......バイオリンか?)

瑠唯「......何か?」

蓮「いや、なんでもないぞ。」

瑠唯「そうですか。」

 

 段々と友希那の言ってた意味が分かってきたぞ

 

 なるほど、珍しいわけだ

 

 確かに、今までにないバンドだろうな

 

蓮「じゃあ、一回演奏を見せてくれ。」

つくし「はい!」

メイド「準備は整っております。」

蓮「あっ、ありがとうございます。」

透子(はや!)

蓮「じゃあ、準備してくれ。」

 

 それから5人は演奏の準備をした

 

 そして、少しすると準備が整った

 

ましろ「__じ、じゃあ、行きます!」

 

 ましろの一言から5人の演奏が始まった

__________________

 

 演奏を聞いた感じ

 

 確かに、あいつらのレベルには及ばない

 

 流石に演奏としてはあいつらに分がある

 

 でも、個人のレベルとなったら話は変わる

 

蓮(......化け物だな。)

 

 ベースの七深とバイオリンの瑠唯

 

 この2人は群を抜いて上手い

 

 瑠唯は多分、経験者なんだろう

 

 けど、七深は指の状態を見るに初心者に近い

 

 どうなってんだ?(人のこと言えない)

 

 そんな事を考えてるうちに

 

 Morfonicaの演奏が終わった

 

ましろ「__ど、どうでしたか?」

蓮「まぁ、取り合えず。七深と瑠唯が出来る奴ってのは分かった。」

七深「!」

瑠唯「ありがとうございます。」

蓮「後はまぁ、始めたばかりって聞いてたけど、想像よりすごかった。」

 

 まだまだ荒い部分もあるけど

 

 期待の新人感あって俺は好きだな

 

 何と言うか、研いでない包丁がある感じ

 

つくし「あの、改善点などは見つかりましたか?」

蓮「うん、見つかってるよ......って、やべ!」

友希那、香澄「蓮(先輩)!?」

蓮「コンタクト外れた。人前出てるのに......」

Morfonica「え?」

 

 あんまりこの目を見られてくないんだよな

 

 普通の人が見たらびっくりしちゃうし

 

蓮「だからコンタクト嫌なんだよな。ずれると痛いし。」

七深「な、なんですか、それ......?」

蓮「あー、なんて言うんだろ?」

友希那「これは蓮の能力と呼ばれるものよ。」

透子「能力!?なにそれ!?」

香澄「すごいんだよ!なんでもすぐに覚えられるし!」

友希那「覚えたことを何倍にもするし、未来を見たりも出来るわ。」

ましろ(???)

 

 こいつら、なんで詳しく説明してるの?

 

 目に見えて困惑してるぞ

 

 そりゃ、完全にヤバいやつだからな

 

蓮「まぁ、とりあえずあれだ。俺がこいつらの手伝いを出来てる手品はこれってことだ。」

つくし「な、なるほど(?)」

蓮「じゃあ、まぁ、今日は導入って事で軽く練習するか。」

透子「はい!よろしくお願いします!」

つくし「あ、それ私が言おうとしてたのに!」

 

 まぁ、ここからMorfonicaを指導した

 

 最初こそ、少し警戒されてたが

 

 何か終わる頃にはいい感じに馴染んで

 

 次からも練習を見ることになった

 

 まぁ、これが

 

 俺と新参バンドMorfonicaの出会いだった

 

 

 


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