覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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感情

蓮「__ふーむ。」

 

 俺は今、自室でパソコンと睨めっこ中だ

 

 画面にはMorfonicaの演奏の映像が映っている

 

蓮(これはどこから手を付けるかねー。)

 

 昨日見た感じ、呑み込みは早そうだし

 

 練習には真面目だし、悪くない

 

 ただ......

 

蓮(まだまだワンマンチームって印象なんだよなぁ。)

 

 七深も出来る奴とは思うけど

 

 やっぱ、瑠唯が頭一つ抜けてるな

 

 バイオリンの目新しさもさることながら

 

 ブランクがあると言われても信じられない技術

 

 でも、それじゃ、少しバランスがなー

 

蓮(Morfonicaの最初の課題は瑠唯のレベルに合わせる事だな。)

 

 全員が瑠唯のレベルに並べばよくなるだろうし

 

 さらなる成長も望める

 

 俺もバイオリン覚えるし

 

メイド『__ご主人様、いらっしゃいますか?』

蓮「はい、いますよ。」

メイド『お客様がお目見えです。』

蓮「客?」

 

 客、って誰だろう

 

 最近、俺あての客が多すぎて誰か分からん

 

 でも、金持ちのおっさん達はアポ取るし

 

 勿論、あいつらは客扱いになるわけないし

 

 成海あたりか?

 

蓮「すぐに行きます。」

メイド『それでは客間にお越しください。』

蓮「はい。」

 

 俺は答えると席から立ち上がり

 

 人前に出る用の服に着替えてから

 

 メイドさんに言われた客間に向かった

__________________

 

 家の中だってのに客間までが遠すぎる

 

 どんだけ歩かないといけないんだよ

 

 俺はそんな事を思いながら客間まで来た

 

蓮「おまたせしましたー。」

瑠唯「__こんにちは。」

蓮「あれ?」

 

 客間に入るとそこには瑠唯がいた

 

 いつも通りの真顔で行儀よく座ってる

 

 聞いた話によるとお嬢様らしいし

 

 やっぱ、様になってるな

 

蓮「何か用か?今日は練習もないが。」

瑠唯「少し意見をお聞きしたかったので。本日はアポもなしにすみません。」

蓮「いや、別に気にしなくていいぞ。基本的に暇だしな。」

 

 俺はそんな事を言いながら瑠唯の目の前に座った

 

 そして、メイドさんが紅茶を置いて行き

 

 少し落ち着いてから話が始まった

 

蓮「さてと、何から話すか。」

瑠唯「まずは昨日の練習を見た率直な意見をお願いします。」

蓮「昨日ねー。」

 

 てか、ちゃんと話す内容考えてるのか

 

 すごい助かるなー

 

蓮「悪くはないと思うぞ。雰囲気も悪くない、向上心もある。」

瑠唯「そうですか。」

蓮「ただ。」

瑠唯「!」

蓮「まだ、瑠唯のワンマンチームって感じはしたな。」

 

 一瞬、瑠唯が期待外れと言う顔をした

 

 だから、瑠唯が聞きたそうな話をすることにした

 

 明らかに顔色が変わったな

 

蓮「夜の空で例えると、瑠唯が月で他の4人が小さい星って感じ?」

瑠唯「......」

蓮「七深は出来る奴だけど周りに合わせてるし、やっぱり瑠唯が頭一つ抜けてる。」

 

 俺のそんな話を瑠唯は静かに聞いてる

 

 どっちかと言うと、七深の方に反応した

 

蓮「さて、今のMorfonicaの印象はこんな感じだが。どうだ?」

瑠唯「大体正解です。」

蓮「まぁ、大体の人間はみんなこう答えるだろ。」

 

 瑠唯が相手だし、もうちょっと深い話がいいだろ

 

 俺はそう考え、近くに置いてあるパソコンを出した

 

蓮「これ見てみ。」

瑠唯「はい?」

蓮「これには昨日のお前らの演奏の映像がある。これを見てもう少し踏み込んだ話しようぜ。」

瑠唯「!」

 

 それから、俺と瑠唯は映像を見ながらのミーティングを始めた

 

 瑠唯は話が分かる奴と言うか理解が早くて

 

 ものすごーく助かった

__________________

 

 あれから少し話し込み

 

 結構な時間が経った

 

 中々に有意義な時間を過ごせたんじゃないだろうか

 

蓮「__まぁ、こんな所だろ。」

 

 俺はそう言って、

 

 凝り固まった肩を回した

 

瑠唯「ありがとうございました。参考になりました。」

蓮「いいっていいって。俺も話してて楽しかったよ。」

瑠唯「たった一回の練習でここまで改善点を知れるなんて、驚きました。」

蓮「ん?そうか?瑠唯だと驚いてるように見えないな。」

 

 俺は少しからかうようにそう言った

 

 だが、瑠唯の表情は変わることはなかった

 

 やっぱ、すごい落ち着いてるよなー

 

瑠唯「少し、気になっていたのですが。」

蓮「ん?」

瑠唯「どうして、先輩方と一緒に暮らしているのでしょうか?」

 

 瑠唯は突然、そんな事を聞いてきた

 

 これは、どう答えるべきなんだろう

 

 全員と付き合ってるからです!とか言える?

 

 いや、絶対にやばいだろ

 

蓮「ふ、深いわけがあってな......」

瑠唯「知っていますよ。皆さんとお付き合いをしている事は。」

蓮「なに!?」

瑠唯「ここに来る前に聞きました。」

 

 あいつら何やってんの!?

 

 こういうのってべらべら喋る事じゃないだろ

 

 もう少し倫理観?を持ってほしい

 

 人のこと言えないけどな

 

蓮「そ、そうか。」

瑠唯「想像してた人物像と違って戸惑いました。」

蓮「?」

瑠唯「イメージでは女性を手籠めにする最低男と思っていました。」

蓮「うん、仕方ないけどもう少しオブラートに包んで?」

 

 俺は瑠唯のノーモーションストレートをくらって少しダメージを受けた

 

 いや、普通に考えたらそう思うだろうけど

 

 最低ではないと願いたい

 

瑠唯「想像以上に真面目な人でそれも驚きました。」

蓮「あ、うん。高評価でよかった。」

瑠唯「これからもよろしくお願いします。」

 

 瑠唯はそう言って頭を下げて来た

 

 なんか礼儀正しいやつが珍しいな

 

 基本的に呼び方以外年上扱いされないし

 

瑠唯「それでは、今日はお暇します。」

蓮「おう。また練習の時な。」

瑠唯「はい__っ!」

蓮「!(やば!)」

 

 瑠唯が部屋を出て行こうとすると

 

 絨毯が少し浮いてたのか足を取られ

 

 重力に従い体が倒れて行った

 

蓮「__っと、大丈夫か?」

瑠唯「!///」

 

 危なかった

 

 何とか能力使って

 

 瑠唯を抱き留める事が出来た

 

蓮「悪いな、こんなことになって。」

瑠唯「い、いえ......///」

蓮「一人で立てるか?」

瑠唯「はい、大丈夫です__っ!」

蓮「おっと。」

 

 瑠唯は一人で立とうとしたが

 

 足をひねってるのかうまくバランスが取れず

 

 俺の方に倒れて来た

 

瑠唯「......っ///」

蓮「あー、やっぱひねったか。」

瑠唯(......なんなの?///)

 

 これは申し訳ないな

 

 取り合えず、手当てしないとな

 

蓮(確か、あの部屋に湿布とかあったような......ん?)

瑠唯「......///」

 

 少し考え事をしてると

 

 瑠唯が俺の服の胸元を掴んできた

 

 てか、この体勢、色々と不味いな

 

 色んなものが当たってるし(冷静)

 

蓮「どうした?」

瑠唯「......いえ///」

蓮「ん?」

瑠唯(この、感情は......)

蓮(なんだ、どうしたんだ?)

 

 瑠唯ならすぐに離れると思ったけど

 

 むしろ離れないことを主張するような行動をとってる

 

 瑠唯は一体全体どうしたんだ

 

蓮「......なぁ、瑠唯。」

瑠唯「......はい///」

蓮「瑠唯は甘えたいのか?」

瑠唯「え?」

蓮「いや、何となくそんな気がしただけなんだけどな。」

 

 こういう大人っぽい子に限ってさ

 

 甘える時は甘えるみたいな

 

 そんな奴もいるんだよな

 

瑠唯(少し違う、この感情は......でも///)

蓮「瑠唯?」

瑠唯「少し、疲れてるのかもしれません......///」

蓮「え?」

 

 まぁ、確かに結構な時間話してたし

 

 疲れるっちゃ疲れるかもな

 

 今の状況に関係があるかは考えないぞ

 

蓮「じゃあ、少し休むか?仮眠取れる部屋もあるし。」

瑠唯「もう少し、このままでお願いします///」

蓮「え?まぁ、いいぞ?」

瑠唯(感情のままに動く、そう、これは練習よ///)

蓮(足の手当てもしないとなんだけどな。)

 

 それからしばらく

 

 瑠唯が俺にもたれかかってる状態が続いた

 

 離れた後の瑠唯はどこか嬉しそうな顔をしていた気がした

 

 まぁ、それからは足の手当てして

 

 瑠唯を家まで送って行きました

__________________

 

 ”晩”

 

友希那「__蓮。」

蓮「は、はい。」

 

 夜、俺は友希那の前で正座をしている

 

 なんでこうなった

 

 俺は何もしてないぞ(無自覚)

 

友希那「あなた、また女の子をタラし込んだわね。」

蓮「え?いや、俺は何もしてないんですが......」

友希那「はぁ......」

 

 俺は友希那に大きなため息をつかれた

 

 いや、俺は何もしてない

 

 たらし込んでもない

 

 ない......よな?

 

 

 

 

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