朝、俺はいつより早く目を覚ました
横では千聖が眠っている
俺は起こさないようにゆっくりベッドから出た
蓮(__さてと。)
俺は室内の椅子に腰を下ろし
机に肘をついた
蓮(可愛い顔で寝てら。)
普段は大人になりすぎてる節がある
でも、中身はまだまだ子供なわけで
俺の前では素直な姿をさらしてくれる
それにちょっとした優越感を感じる
蓮(とまぁ、可愛い女の子を眺めるのもいいが。)
俺は机に置いてある一通の手紙を見た
思い出したら頭が痛くなってきた
面倒なことこの上ないな......
蓮(今週日曜の夕方に会いに来る、か。)
手紙を送って来た時点で分かってるが
俺がここに住んでる事は把握してる
そして、名前も分かってる
どこから俺の情報が漏れたって言うんだ?
いや、問題はそこじゃないかもしれない
何か、他の問題も......
千聖「蓮......?」
蓮「あ、起きたか。」
俺は千聖の方に歩み寄り、
そして、しゃがんで目線を合わせた
蓮「おはよう、千聖。よく眠れたか?」
千聖「えぇ。とても幸せな夢を見れたわ。」
蓮「そうか。」
千聖「蓮はどうかしら?」
蓮「俺は夢を忘れたな。」
俺は笑いながらそう言い、
千聖の方に手を差し出した
蓮「体は大丈夫か?」
千聖「何も問題ないわ。蓮は上手ね。」
蓮「......それはノーコメント。」
今、一瞬で変な汗が出て来た
確かに、かなりの急ピッチで経験詰んだし、
勿論、成長もしてると思う
でも、ああ言われると、なんだかなぁ
千聖「さぁ、行きましょう?朝ごはんもあるし。」
蓮「そうだな。(千聖が相手だと助かるな。)」
俺と千聖は部屋の中にあるシャワールームでシャワーを浴び
その後、朝ごはんを食べてる部屋に向かった
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高3はもう受験モードだ
特に羽丘は進学校なわけで、受験にはうるさい
まぁ、俺は特に何か言われることはないんだが
成海「__やぁ、蓮。」
蓮「よう、成海。」
今、俺の席の横は成海だ
俺の数少ない男の友人だし
かなり、楽に学校生活を送れてる
でも、今日は少し様子がおかしいな
蓮「......どうかしたか?」
成海「あぁ。少しだけ厄介かもしれない。」
成海は少し、俺の方に寄ってきて
周りに聞こえない小さな声で話し始めた
成海「3日前、先生の日記と君の事が書かれた書類が盗まれた。」
蓮「なに?」
成海「あれにはアバウトであるとは言え、君の住んでる場所などが書かれてる。何かあったかい?」
蓮「もう来てるよ。その犯人と思われる人物からの手紙が。」
成海「手紙だって?」
蓮「これだ。」
俺は昨日送られてきた手紙を出し、
それを成海に見せた
その瞬間、成海は驚いた顔をした
成海「これは......!?」
蓮「成海が思ってる以上に面倒だろ。」
成海「だが、なぜ今更接触してきたんだ?」
蓮「俺もわからん。だが、向こうは俺に用があるんだろう。」
金目的か、それとも他か
まるで見当がつかないな
出来れば金目的がいいんだけど
蓮「まぁ、なるようになるだろ。多分。」
成海「全く君は......」
成海は呆れたようにそう言ってきた
まぁ、我ながら楽観的だとは思うけど
蓮「てか、孤児院は大丈夫だったのか?窓ガラスとか割られてたら片付け大変だったろ。」
成海「いや、窓ガラスなどは割られてないよ。」
蓮「なに?」
成海「むしろ、荒らされた後はあったけど、窓、鍵は触られた跡はなかった。」
蓮「それは、妙だ。」
成海「え?」
先生は子供達のために鍵は何回もチェックする
人間だから間違える事もあるかもしれないけど
でも、鍵をかけ忘れた日にちょうど、
狙いすまして盗みに入る事なんてあるか?
蓮「成海。今日、孤児院に行っていいか?」
成海「え?良いと思うけど、どうしたんだい?」
蓮「少し気になることがある。」
成海「分かった。放課後すぐに行こう。」
成海が頷いたと同時にチャイムが鳴った
俺と成海は授業に臨み、
いつも通りの過程をこなした
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放課後、俺は友希那達に声をかけた後、
成海と共に孤児院に来た
相変わらず、子供達が遊びまわってて
昔を思い出せるいい場所だ
成海「先生、蓮が来ましたよ。」
先生「おやおや?どうしたのかな?」
蓮「少し、お話を伺いたいので、お時間をいただけないでしょうか?」
先生「大丈夫だよ。久城君、子供たちを頼むよ。」
成海「はい。任せてください。」
成海がそう答えた後、
俺と先生は室内に移動した
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俺と先生は対面に座り
少し落ち着いた後に話を始めた
蓮「__ここに泥棒が入ったと聞きましたが、大丈夫でしたか?」
俺は静かな声でそう尋ねた
先生はいつも通り穏やかな顔をしてる
先生「いやぁ、まさかカギをかけ忘れてしまうなんてね。蓮君は大丈夫だったかい?」
蓮「はい。セキュリティは万全ですから。」
先生「本当に良かったよ。」
先生は昔から表情が読みずらい
考えを悟られないのが上手いんだ
でも、今回は確信めいたものがある
先生「......そろそろ、来る頃だと思ったよ。」
蓮「!」
先生「久城君があの話をすれば、君なら違和感を感じ取ると確信していた。」
やっぱり、確信犯だったわけか
しかも、向こうから話したって事は
俺が気付く事を前提にしてるわけだ
先生「本当に君は強く、賢くなった。」
蓮「いえ、俺は強くも賢くもありませんよ。先生。」
俺は先生の細めた目を見据えた
少し申し訳なさそうな目をしてる
蓮「教えてください、先生。なぜ、今になって俺の父親をけしかけて来たのか。」
先生「......」
俺がそう尋ねると、先生は少し深呼吸をして
聞いたこともないような重々しい声で話を始めた