覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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再開

 受験が終わり3年は自由登校になった 

 

 自由な時間が増えると、やることが無くなるが

 

 今日の俺は少し用があって外に出てる

 

蓮「__ここか。」

 

 俺が訪れたのは、遠方の病院

 

 特に何の変哲もない、ただの病院だ

 

蓮「メイドさんは待機しておいてください。」

メイド「かしこまりました。」

蓮「それでは、行ってきます。」

 

 俺はそう言って、病院の中に入った

__________________

 

 窓口で受付を済ませた

 

 俺は薬品の匂いが充満する廊下を歩き

 

 ある病室の戸を叩いた

 

 中から声が聞こえ、俺は病室に入った

 

蓮「__失礼します。」

?「えっと、あなたは......?」

 

 中にいるのは若く見える女性

 

 俺の方を見て不思議そうな顔をしてる

 

 俺は構わず近づいて行った

 

蓮「初めまして、小田佳奈恵さん。神谷蓮と申します。」

佳奈恵「何で、私の名前を?」

蓮「母さん、と言えば分かりますか?」

佳奈恵「え......?」

 

 俺がそう言うと小田佳奈恵は目を丸くした

 

 まぁ、向こうからしてみれば、

 

 幽霊になったようなもんなんだけど

 

佳奈恵「え?ほ、本当にあの子なの......?」

蓮「えぇ。先生に居場所を聞いてきました。」

佳奈恵「ゆ、夢、じゃない......」

 

 見るからに困惑してる

 

 でも、段々と表情が変わって行った

 

佳奈恵「よ、よかった、生きてて、良かった......!」

蓮「!」

 

 小田佳奈恵は涙を流しながらそう言った

 

 どういう意味で泣いてるかは分からないけど

 

 本当にうれしそうに見えた

 

佳奈恵「ごめんね、私、私......」

蓮「気にする必要はないです。」

佳奈恵「そんな敬語なんて使わないで。」

蓮「分かった。」

 

 先生曰く、精神状態は大分回復してる

 

 もう、すぐにでも普通の生活に戻れる

 

 だからこそ、今来た

 

蓮「今日はお礼に来た。」

佳奈恵「え?」

蓮「少し、失礼。」

佳奈恵「!」

蓮「......さようなら。」

 

 俺は小田佳奈恵の頭に手を当てた

 

 驚いた顔をしてる

 

蓮(咎、記憶に介入しろ。)

咎『......いいんだな?』

蓮(あぁ、構わない。)

咎『じゃあ、始めるぞ。』

 

 俺は咎を小田佳奈恵の脳に侵入させた

 

 今日、ここに来た目的はこれだ

 

咎『記憶の操作を開始する。』

 

 咎は小田佳奈恵の脳内になる、

 

 俺と八代晴馬の記憶を消していく

 

 その間、俺は小田佳奈恵の記憶を見た

 

蓮「......」

 

 俺が腹にいる時の生活

 

 生まれてくる子供への期待

 

 そして、手放すときの後悔

 

 そのすべてが痛いほど伝わってくる

 

咎『......完了だ。』

 

 咎の声と共に俺は手を離した

 

 その後、すぐに小田佳奈恵は目を覚ました

 

佳奈恵「あれ?あなたはどなた?」

 

 小田佳奈恵は不思議そうな顔でそう言った

 

 どうやら、記憶を消すは成功したみたいだ

 

蓮「すみません、病室を間違えたみたいです。」

佳奈恵「あ、そうですか。誰かのお見舞いですか?」

蓮「えぇ、恩人の見舞いに。」

 

 俺は静かな声でそう言った

 

 小田佳奈恵は疑う様子もなく

 

 そもまま会話を続けた

 

佳奈恵「そうなんですか?病室はナースさんに聞けばわかると思います。」

蓮「ありがとうございます。」

佳奈恵「いえいえ、しっかり話してあげてくださいね。」

蓮「はい。......失礼しました。」

 

 俺はそう言って、

 

 静かに病室を出て行った

__________________

 

 病室を出て、俺は廊下を歩いている

 

 その途中、脳に咎の声が響いた

 

咎『あれで、よかったのか?』

蓮(あぁ、構わないよ。)

 

 これは、元から決めてた事だ

 

 俺のルーツを知って、母親を知って

 

 俺はこうするべきだと決めていた

 

蓮(記憶を見て分かっただろ。小田佳奈恵の中の俺の存在を。)

咎『分かってる。あの女の記憶にはどれも後悔の念があった。それが色んな悪影響を及ぼしてるのも分かった。)

蓮(そういう事だ。あの人のこの先の人生におもりはいらない。だから消したんだ。)

咎『でもよ、やっと巡り合えた肉親だぞ?お前は何も感じないのか?』

蓮(なにもないさ。)

 

 俺は迷いなくそう答えた

 

 そう、俺には肉親として、

 

 小田佳奈恵に思う事は何もない

 

蓮(命の恩人に恩を返した。それだけいい。)

咎『たくっ......』

 

 咎は呆れたようなそう言った

 

 自分の能力に呆れられるとはな

 

蓮(もう引っ込んでいいぞ。お疲れ様。)

咎『へいへい。俺は寝るぞ。』

蓮(あぁ、おやすみ。)

 

 咎は引っ込んでいった

 

 脳がいつもの感覚に戻った

 

 それと同時に少し息をついた

 

蓮(さようなら、母さん。)

 

 もう2度と会う事はないだろう

 

 これからもただの他人

 

 何も関係は変わりはしない

 

蓮(さっさと帰ろ。)

 

 俺はそう思い、

 

 車に戻って行った

__________________

 

 長い道のりを車で走り、

 

 俺は家に帰ってきた

 

 もう、全員帰ってきてる時間だ

 

蓮「__はぁ、疲れた。」

 

 部屋に戻ってすぐ

 

 俺はベッドに寝ころんだ

 

 長時間車に乗るのには慣れない

 

 一気に疲れが来た

 

蓮(......少し、寝るか。)

 

 夕飯まであと3時間くらい

 

 俺はゆっくり目を閉じ、

 

 次第に意識が落ちて行った

__________________

 

 ”廊下”

 

美咲「__あれ?これ。」

 

 美咲は広い廊下の真ん中で物を拾った

 

 それは綺麗な黒色の長財布

 

 美咲には持ち主が一瞬で分かった

 

美咲「これ、蓮さんのだ。珍しいな、落とし物なんて。」

 

 美咲は不思議そうな顔で財布を眺めた

 

 そして、少しだけ笑った

 

美咲(仕方ないから、持って行ってあげよ。)

 

 美咲はそう考えて、

 

 蓮の部屋に向かって行った

__________________

 

 ”美咲”

 

美咲「__蓮さーん?入るよー?って、寝てるの?」

蓮「zzz......」

 

 部屋に入ると、蓮さんはベッドで眠っていた

 

 今日は珍しい事が続いてる

 

 蓮さんはかなり忙しいから、

 

 あんまり昼寝とかはしたりしない

 

 今日はどうしたんだろ

 

美咲「蓮さん?財布落としてたよ?」

蓮「んん......」

美咲「あら。」

 

 体をゆすっても蓮さんは起きない

 

 くすぐったそうに体を捩ってる

 

美咲(か、可愛い......///)

 

 滅多にこんな姿は見られない

 

 蓮さんはいつもすぐに起きるし、

 

 寝起きもいいから珍しい

 

蓮「みさ......き?」

美咲「あ、起きた?」

 

 ”蓮”

 

 目を覚ますと

 

 美咲が俺の顔を覗き込んでいた

 

 なんで、俺の部屋にいるんだろうか

 

 もう、夕飯の時間か?

 

蓮「夕飯か?」

美咲「ううん、夕飯まではあと2時間くらい。私は財布を届けに来たんだよ。」

蓮「え?落としてたのか?わざわざ悪いな。」

美咲「大丈夫大丈夫。暇だったから。」

 

 美咲は手を振りながらそう言った

 

 まさか、財布を落としてたとは

 

 注意が散漫してたな

 

蓮「まぁ、1時間寝れば十分だな。」

美咲「珍しいね。蓮さんが昼寝なんて。」

蓮「ちょっと疲れててな。」

 

 俺は体を起こしベッドに座った

 

 美咲はそれ同時くらいに俺の隣に座った

 

美咲「あんまり無理したら、またリサさんに怒られるよ?」

蓮「気を付けるよ。怒られるの嫌だし。」

 

 俺は苦笑いを浮かべながらそう言った

 

 リサ、怒ったら怖いんだよな

 

 それこそ、鬼神かなんかかってくらい

 

蓮「さて、折角起きたし何か作業するか。」

美咲「そう?じゃあ、あたしは出て行くよ。」

蓮「そうか、じゃあ、後でな。」

 

 美咲はそう言ってベッドから立ち上がり、

 

 ドアの方に歩いて行った

 

 その時、急に足を止めた

 

美咲「そう言えば、なんか蓮さん、薬品の匂いするね。」

蓮「!」

美咲「病院でも行ったの?今日、出かけてたじゃん。」

蓮「なんでもないよ。」

美咲「......」

 

 俺は何食わぬ顔でそう答えた

 

 だが、美咲は疑いのまなざしを向けてる

 

 そう思ってると、美咲が俺の方に戻ってきた

 

美咲「......また、怪我したりしてないよね?」

蓮「してないしてない。」

美咲「じゃあ、なんで病院行ったの?」

蓮「なんでもないよ。」

美咲「......病気、とかじゃないよね?」

蓮「!」

 

 美咲は心配そうな顔でそう言った

 

 俺ってすごい愛されてるなって思う

 

 俺には本当に何もないんだけど

 

蓮「そんなんじゃないよ。ただ見舞いに言ってただけだ。」

美咲「見舞い?誰の?」

蓮「......俺の、母親。」

美咲「え?」

 

 俺がそう言った瞬間、

 

 美咲の表情が変わった

 

 かなり驚いてるのが分かる

 

美咲「え?でも、蓮さんの両親って......え?」

蓮「俺の両親は生きてるよ。(まぁ、片方は死んだようなもんだけど。)」

美咲「でも、なんで今更、蓮さんが会いに行ったの?理由は?」

 

 美咲は焦ったままそんな質問をしてきた

 

 まぁ、もっともな疑問だろ

 

 美咲たちからすれば親は俺を捨てたやつら

 

 それだけの認識だからな

 

蓮「母親の記憶を消しに行った。」

美咲「え?」

蓮「ただ、それだけだよ。」

 

 美咲がさらに困惑してる

 

 別に隠す必要もないし、

 

 俺は話すことにした

 

美咲「なんで、そんな事を?」

蓮「色々あってな。」

美咲(色々、か。)

 

 正直、かなりショックだった

 

 本人を目の前にしても、

 

 親と思う事ができなかった

 

美咲「......詳しく聞かないけどさ、無理しちゃダメだよ?」

蓮「してないよ。」

 

 俺はそう言ってベッドから立ち上がった

 

 そして、美咲にこういった

 

蓮「暇だし、遊ぼうぜ。」

美咲「仕方ないなぁ、付き合ってあげるよ。」

蓮「サンキュ。」

 

 それから俺と美咲は夕飯までの時間、

 

 ゲームをして遊んでた

 

 まぁ、俺ゲーム下手だから

 

 全敗したんだけどな

 

 

 




R-18バージョンも出してみました。
18歳以上でお時間のある方はお試しを
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