目を覚まして時計を確認すると、
デジタル時計は11時と表示していた
蓮「__やば、寝すぎた......」
なんか、頭が痛い
完全に寝すぎてるやつだこれ
俺はそんな事を考えながら体を起こした
蓮「あれ......?」
なんか、体が重い
いつもとの感覚にズレがある
視界も定まり切ってない
蓮(気のせい、だろ。)
多分、しばらくしたら元気になる
俺はそう考えて、
朝昼兼用のご飯を食べに行くことにした
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長い廊下を歩き、ご飯を食べる部屋に来た
席に着くとすぐにご飯が出せれ
俺は食事を始めた
蓮(お、おかしい。)
全く食欲がわかない
食べ物がのどを通ってくれない
こんな事、今までなかった
蓮「はぁ......はぁ......っ!!」
呼吸も、コントロールできない
これ、やばい、動けない......
蓮「うぐっ!!!」
ガタッ!という音とともに、
俺は椅子から落ちた
体が言う事を聞かない
蓮(なんだ、これ......)
チュチュ「__蓮!なにをしてるの!?」
蓮「チュ......チュ......?」
チュチュ「ひどい顔をしてるわよ!?」
チュチュは心配そうに俺の顔を覗き込んでる
やばい、心配をかけるわけにはいかない
俺は自分の体に鞭打って、無理やり動かした
蓮「だ、大丈夫。今世紀最大の転び方しただけだから......」
俺はそう言って立ち上がった
さっきよりも視界が揺れてる
チュチュ「転んだって、そんなわけないでしょ!?」
蓮「あ、あはは__あっ......」
チュチュ「蓮!!」
蓮(体が、動かない......)
意識が遠ざかっていく
チュチュが何を言ってるかもわからない
蓮(なんか......眠く......)
そこで、俺の意識は完全に途切れた
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”食堂”
チュチュ「誰か!誰か来て!蓮が!」
巴「__ど、どうした!?」
チュチュが叫んでると、
外から巴が部屋に入ってきた
部屋に入ると巴はギョっとした
巴「お、おい!蓮さん!」
チュチュ「入ってきたら倒れてて、それで、一回立ち上がって、また倒れて......」
巴「倒れた?しかも、この顔色は......」
巴は蓮の額に手を当てた
その瞬間、大きく目を見開いた
巴「す、すげぇ熱だ!」
チュチュ「っ!!」
巴「ともかく、部屋に運ばねぇと!チュチュは何か飲み物を持ってきてくれ!」
チュチュ「お、OK!」
それから、巴は蓮を部屋に運び
チュチュは飲み物を取りに走った
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”蓮”
頭が痛い、気持ちが悪い
暑いか寒いかはっきりとしない
今、自分がどこにいるかもわからない
世界が揺れ動き続けてる
俺は今、どうなってるって言うんだ
蓮「__う、ぐ......」
有咲「れ、蓮先輩!?」
蓮「あり、さ......?」
ぼんやりと有咲の姿が見える
どんな表情をしてるかは潤んでハッキリしない
でも、頭痛で意識が逆にハッキリしてきた
有咲「だ、大丈夫か......?」
蓮「ここは、どこだ......?」
有咲「ここは蓮先輩の部屋だ。倒れて巴さんが運んだんだよ。」
蓮「そ、そっか......それは、心配かけた......」
俺はそう言いながら体を起こそうとした
でも、10㎝ほど動かすと、
重力に従って体が落ちて行った
有咲「む、無理すんなって。すごい熱があるんだから......」
蓮「熱......?」
有咲「そうだよ。42℃もあるし......」
有咲は心配そうな声でそう言った
マジか、そんなに熱あるのか
そりゃ倒れるわ
有咲「辛くないか?苦しくないか?」
蓮「あ、はは、大丈夫だっての。」
俺は無理やり笑顔を作り、そう言った
でも、流石に辛い
そんな事を思ってると、
有咲は俺の方に顔を近づけて来た
有咲「嘘つくなって。そんなつらそうな顔してるくせに。」
蓮「お見通し、だな......」
有咲「当り前だろ。これでも、蓮先輩の......彼女、なんだからさ///」
蓮「そう、だな......」
こんなにいい子が彼女で嬉しい
朦朧とする意識の中、俺はそう思った
頭がボーっとする
正常な判断が出来ない
蓮「なぁ、有咲......?」
有咲「なんだ?」
蓮「ちょっと、甘えてもいいか......?」
有咲「え?///」
俺がそう尋ねると、
有咲は顔を真っ赤にした
有咲「な、なにするんだ?///」
蓮「添い寝、して欲しい......」
有咲「なっ......!///」
有咲は動揺の表情を浮かべた
そして、なにやら唸り始めた
有咲(れ、蓮先輩がこんなこと言うなんて、よっぽど辛いのか。私が添い寝したら、楽になったりするのかな......?///)
蓮(何、考えてんだろ......)
数秒間、有咲は唸り続け
そして、意を決したようにベッドに入ってきた
蓮「......!」
有咲「ほら、一緒に寝ようぜ。」
有咲はそう言って俺を抱きしめた
胸に抱きよせられてるけど、
いつもほどテンパれない
有咲「いつもお疲れ様、蓮先輩。」
蓮「有咲......?」
有咲「頑張り過ぎなんだって。こんなに体調崩すほどなんだから。」
有咲は優しく頭を撫でながらそう言った
なんだろう、すごく、落ち着く......
有咲「最近、まともに寝てなかっただろ?受験も終わったんだし、ゆっくり寝たらいいのにさ......」
蓮「......」
有咲「今はさ、ゆっくり寝てもいいから、大人しく寝てな?」
蓮「......分かった。ありがとう、有咲......」
有咲「......おう。」
俺は有咲に抱き着いた
有咲は優しく頭を撫でて、
優しく抱きしめてくれる
そんな状況の中で、俺は、
ゆっくりと眠りについて行った
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”蓮の部屋”
蘭「__有咲、交代だよ......って。」
有咲「あ、あぁ、蘭ちゃん?」
蓮の部屋に入った蘭は
ベッドで一緒に寝てる蓮と有咲を見た
そこには抱き合っている蓮と有咲の姿があった
有咲「こ、これは、蓮先輩に頼まれて......」
蘭「うん、分かるよ。」
有咲「え?」
蘭「蓮、人に抱き着いて寝る癖ないから。あたし、何回も忍び込んでるし。」
有咲「あ、そう......?」
蘭の言葉に有咲は疑問を残したが
理解があるようなので気にしないことにした
蘭「それで、出られる?」
有咲「いやー、蓮さんが放してくれないくて......」
蘭が有咲に尋ねると
有咲は苦笑いを浮かべながらそう答えた
蘭はそれを見て小さく笑った
蓮「んん......ありさ......」
有咲「ん!?///」
蘭「寝言、みたいだよ。」
有咲(ちょまま、可愛すぎだっての!///反則だろこれ!///)
蘭「じゃあ、今日は有咲に任せるよ。皆にも言っとく。」
有咲「あ、あぁ、ごめんなー///」
蘭「いいよ。ごゆっくり。」
蘭はそう言って部屋から出て行き
有咲は蓮の方に向き直った
蓮は穏やかな寝息を立てて眠っている
蓮「すぅ......すぅ......」
有咲「ほんとに、可愛いな......」
有咲は蓮の頭を撫で
そして、額にキスをした
その時、蓮の表情が少しだけ柔らかくなった気がした
有咲「......好きだぞ、蓮先輩。」
蓮「お......れ、も......」
有咲「!///」
蓮「......すぅ......」
有咲(な......っ///)
何かを言いかけた蓮だったが
その先は聞けず、寝入ってしまった
有咲(なんだよそれー!///)
有咲は心の中で叫んでから
悶々とした状態が続き
ベッドに入ってるにもかかわらず、
眠ることは出来なかった