覚醒救世主と夢を目指す少女達   作:火の車

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季節

 卒業式から一晩明けた

 

 昨日はお祭り騒ぎで大変だったが

 

 俺もかなり楽しめた

 

 今日は3年生組以外は学校で

 

 俺は今、部屋で外に出る用意をしてる

 

リサ『__蓮ー、いるー?』

蓮「あぁ、いるぞ。」

リサ『じゃあ、入るねー。』

 

 リサはそう言うとドアを開け、

 

 俺の部屋に入ってきた

 

リサ「あれ、どっか行くの?」

蓮「あぁ、先生に挨拶にな。」

リサ「あ、孤児院行くんだ。」

蓮「あぁ。」

 

 俺が頷くと、

 

 リサは俺の方を見てこう言ってきた

 

リサ「アタシも行きたい!」

蓮「え?まぁ、別にいいが。」

リサ「やった!蓮とお出かけしたかったんだよね!」

蓮「じゃあ、ちょっとだけどっか行くか。」

リサ「うん!じゃあ、準備してくるね!」

 

 リサはそう言って、

 

 元気に部屋を出て行った

 

 うん、可愛いな、異常なし

 

 俺はそう1人で頷いた

__________________

 

 季節は流れる

 

 この間までもっと寒かったのに

 

 ちょっとだけマシになってきた

 

 もう、春に近づいて来てるんだな

 

蓮「もう、春だな。」

リサ「そうだね~。冬ももう終るね。」

 

 もう少しでこの辺に来て一周

 

 あいつらと出会って、大体一周か

 

 ほんと、時間が早く感じるな

 

リサ「今、みんなの事考えてたでしょ?」

蓮「んー......不正解。」

リサ「え?」

蓮「リサの事も考えてた。初めて会った時の事とか。」

リサ「そ、そっかー///」

 

 リサは顔を赤くしてモジモジしてる

 

 まだ初心な部分もあって、可愛いな

 

 まぁ、リサが可愛くない時なんてないんだが(自慢)

 

リサ「ね、ねぇ、蓮?///」

蓮「なんだ?」

リサ「あのさ、手とか繋ぎたいなって......///」

蓮「あぁ、いいぞ。」

リサ(早っ!?///)

 

 俺はリサの手を握った

 

 今更こんな事で喜ぶんだもんな

 

 とか、そんな事を考えながら

 

 少しそのまま歩いた

 

蓮「......そう言えば。」

 

 少し歩いて、俺はふと口を開いた

 

 まぁ、突然思いついたことなんだが

 

リサ「どうしたの?」

蓮「いや、俺、なんだかんだでリサと一番一緒にいると思ってな。」

 

 学校の俺の世話役もリサだったし

 

 一番飯つくりに来てたのもリサ

 

 他にもリサとの時間は多かったりする

 

蓮「しかも、最初は大体リサが多いな。」

リサ「そう言えば、そうだね?」

 

 リサって正妻ポジだったりする?

 

 いや、俺は誰が1番とかは決めないけど

 

 端から見ればそう言われそうだな

 

蓮「リサって、いっつもいい位置にいるよなー。」

リサ「なにー?あたしが最初じゃ嫌だったのー?」

蓮「いや、別に。」

 

 俺は首を横に振った

 

 これは本当だ

 

 リサが嫌とか、ありえないだろ

 

リサ「むぅー。」

蓮「そう怒んなって。」

リサ「だってー......」

 

 リサはそう言いながらも、

 

 こっちに何かをアピールしてきてる

 

蓮「はいはい、分かったよ。」

リサ「......///」

 

 俺はリサの頭を撫でた

 

 もう、アピールが可愛すぎるよな

 

 もう、嫁にしたい、いや、既にそうだった

 

リサ「蓮......///」

蓮「あー、うん。」

 

 今度はリサは目を閉じ、

 

 こっちに顔を向けて来た

 

 俺はそれに吸い寄せられるように顔を近づけた

 

成海「__あの、2人とも?」

蓮「成海!?」

リサ「っ!?///」

成海「いや、本当に申し訳ないんだけど。そういう事は家でした方がいいよ。」

 

 目と鼻の先にリサの顔が来た瞬間、

 

 横から成海が控えめに声をかけて来た

 

 俺は顔を放し、成海の方を見た

 

成海「蓮が来るのが遅いから来てみれば......まさかだったね。」

蓮「す、すまないな。」

リサ「ごめん......///」

成海「いや、いいんだよ。奥さんといれば、そういう事もあるさ(?)」

 

 成海は笑いながらそう言ってきた

 

 こいつ、どの目線から見てるんだよ

 

 一応、俺と同い年なんだが

 

成海「ほら、孤児院に行こう。みんな待ってるよ。」

蓮「あぁ。」

リサ「お邪魔します!」

 

 俺とリサは成海について行き、

 

 孤児院に向かった

__________________

 

 孤児院ではいつも通り、

 

 子供たちが楽しそうに遊んでる

 

 その風景は少し懐かしさを感じる

 

子供「__神谷様!」

蓮「ん?あっ、あの時の?」

 

 孤児院に入ると、

 

 最初にババアの事件の時の子供が走ってきた

 

 この子はあの事件の後、親が見つからず

 

 ここに住むことになったんだ

 

 名前は瑠奈だ

 

 そう、女の子だったんだ(男だと思ってた)

 

蓮「その、様付はやめないか?」

瑠奈「神谷様は、神様なので神谷様です!」

蓮「そ、そうか(?)」

 

 ババアから助けて以来、

 

 俺は瑠奈から神様のような扱いをされてる

 

 様付はやめて欲しいんだが

 

蓮「瑠奈はだいぶ良くなったな。見た感じだが。」

瑠奈「はい!もう元気です!」

蓮「そうか、よかった。」

 

 俺はそう言いながら瑠奈の頭を撫でた

 

 将来、子供とかできたらこんな気分なんだろうか

 

 元気に走り回ってくれてるのは嬉しく感じる

 

蓮「元気に遊ぶんだぞ。」

瑠奈「はい!神谷様!」

蓮「じゃあ、行ってこい。」

 

 そう言うと、

 

 瑠奈は俺から離れていった

 

 他の子ども達とも馴染んでるみたいだし

 

 ひとまず安心だ

 

リサ「神谷様だって。」

成海「蓮、まさかそんな趣味が。」

蓮「いや、さっきの会話聞いてただろ。」

リサ「あはは!冗談だって!」

 

 2人は笑いながらそう言ってくる

 

 俺は溜息を付いた

 

先生「おや、いらっしゃい蓮君。」

蓮「あ、先生。」

先生「卒業おめでとう。嬉しく思うよ。」

 

 先生はいつも通り穏やかな声で話してる

 

 まぁ、少なくとも一回は俺の卒業を見てるし

 

 親心というのもがあるんだろうか

 

成海「先生、あの話はしなくてもいいのですか?」

先生「あぁ、そうだね。」

蓮、リサ「?」

 

 2人は何かの話をしてる

 

 あの話とは何だろう

 

先生「最近、院の人手不足を感じてね、新しい従業員を雇ったんだ。」

蓮「新しい従業員?」

「__あの、先生?これはどこに持っていけばいいですか?」

蓮「......え?」

 

 先生が話してる途中、

 

 後ろから、見覚えのある女性が走ってきた

 

 若々しい外見をした、セミロングの茶髪だ

 

先生「小田佳奈恵だよ、蓮君。」

佳奈恵「あれ?この前、病室に来てた人?」

 

 小田佳奈恵は俺の方を見てる

 

 俺は驚いたまま、固まってしまった

 

成海「彼女は働く場所がないと、先生のもとに来たんだ。それで、ここで働くことになった。」

リサ(そっか、蓮はお母さんの記憶を消して......)

佳奈恵「あなた、なんでか他人に思えない......」

蓮、リサ「っ!!」

 

 偶然、そう呼ぶには出来過ぎだ

 

 記憶がないまま、ここまで来て

 

 また、俺と出会った

 

 なんてことだろう......

 

佳奈恵「なんだか、少し私に似てるような......」

蓮「......気のせいですよ。」

リサ、成海「っ!」

先生「......」

 

 俺は落ち着いた声でそう言った

 

 そして、軽く会釈をした

 

蓮「初めまして、神谷蓮です。孤児院の子供たちをよろしくお願いします。」

佳奈恵「え?あ、はい!頑張ります!」

蓮「はい。」

先生「小田さん、その荷物は私の部屋に運んでください。」

佳奈恵「はい、分かりました!失礼しますね、神谷さん。」

蓮「......はい。」

 

 小田佳奈恵はそう言って、

 

 建物の方に走って行った

 

 俺はその後姿を見送った

__________________

 

 それからしばらく、

 

 俺とリサは孤児院内で子供たちを見ていた

 

 それの中には、子供たちと遊ぶ小田佳奈恵の姿もある

 

リサ「あれで、よかったの?」

蓮「......あぁ。」

リサ「でも、折角の肉親で、お母さんなのに。」

 

 リサは心配そうにそう言ってくる

 

 でも、俺には少しの後悔もない

 

 これでいいんだ

 

蓮「運命、なのかもな。」

リサ「運命?」

蓮「記憶を消した程度じゃ、親子の縁は切れないらしい。」

リサ「!」

 

 俺はため息交じりにそう言った

 

 なんとも奇妙な運命だよ

 

 呆れるくらいに上出来だ

 

蓮「......でも、よかった。見たいものが見れた。」

リサ「?」

蓮「見てみろよ。楽しそうだろ?」

リサ「うん?そうだね?」

蓮「俺はあの人の記憶を見てる。だから、幸せになってほしかったんだ。」

リサ「!」

 

 図らずもそれが叶った

 

 そして、それを見守れる

 

 ほんと、運命的だ

 

蓮(もう少し、見守っておくかな。恩人の生末ってやつを。)

リサ「ほんと蓮は蓮だよねー。」

蓮「?」

 

 リサはそう言いながら、

 

 そっと俺の手を握ってきた

 

 そして、俺の方をジッと見てる

 

リサ「自分の事はなーんにも考えないんだからさ。」

蓮「考えてるよ、ちゃんと。」

リサ「!」

 

 俺は握ってる手に力を込めた

 

 そして、リサにこう言った

 

蓮「俺には、お前らがいる。」

リサ「!///」

蓮「家族はお前らがいればいい。」

 

 俺はそう言って、リサの手を引き

 

 孤児院の外へ向かって歩いて行った

 

リサ「じゃあさ、蓮?」

蓮「なんだ?」

リサ「あたし達に全てをかける覚悟はある?」

蓮「!」

 

 リサは悪戯っぽい笑みを浮かべてる

 

 なんとも可愛い質問だ

 

蓮「友希那みたいなこと言うのな。」

リサ「あはは!」

蓮「まぁ、全てをかける覚悟はある。逆にさ。」

リサ「!///」

 

 俺はリサに顔を近づけた

 

 瞳に俺の姿が写ってる

 

 リサの顔は真っ赤だ

 

蓮「全てをかけられる覚悟、出来てるか?」

リサ「っ!///は、はい......///」

蓮「ははっ、可愛いやつだな。」

 

 季節は回る

 

 これで、長い季節が1つ終わった

 

 そして、新しい季節になって新しい風が吹く

 

蓮「じゃあ、これからどこか行くか。」

リサ「うん!」

 

 さてさて、

 

 これからの新しい季節

 

 一体、どんな風が吹くんだろうか

 

 俺はそんな事を考え、少し笑った

 

 

 




次回から大学生編です。
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