新天地
蓮たちの住む豪邸
その敷地内は桜が満開になって
暖かい風が吹いている
その心地良い天気は絶好の入学式日和だ
リサ「__わぁー!晴れたね!」
紗夜「そうですね。」
リサ達は黒や紺色のスーツに身を包み
数か月前より少し大人になったように見える
だが、その中に蓮の姿はなかった
千聖「蓮は今日も寝坊かしら?」
花音「さっき起きてるのは見たけど......」
友希那「何か用意があるらしいわよ。」
麻弥「用意ですか?」
薫「きっと、儚い事だろう......!」
そんな会話から3分ほど経つと、
新大学生組のいる部屋のドアが開いた
全員の視線はそこに注がれた
蓮「__おはよー。」
大学組「......え?」
蓮「ん?どうした?」
日菜「れ、蓮君、それは......?」
蓮「大学に行く用意だが?」
燐子「......???」
部屋に入ってきた蓮は服装こそしっかりしてる
だが、何故かその顔には丸メガネが装着されており
端麗な容姿を綺麗に隠している
そんな姿を見て、全員が困惑した
彩「な、なんでそんなのかけてるの......?」
蓮「あ、これか?これは大学で女子に囲まれないようにするための対策だ。」
友希那「......そういう事ね。」
蓮「もう高校みたいなことは懲り懲りだ。大学では絶対に失敗しないぞ!」
蓮は今までにないほど意気込んでいる
周りはこのテンションについて行けず
丸メガネをつけた蓮を凝視してる
千聖(く、クソダサいわ......)
リサ(それでいいの?)
花音(変装としての完成度は高いかもだけど......)
彼女たちにとって、蓮がこんな格好をするのは少なからずダメージがある
そんな事は梅雨知らず
蓮は1人で嬉しそうな表情を浮かべてる
蓮「大学行こうぜー。これから楽しい大学生活の始まりだー。」
リサ「お、おー......」
薫「儚い......」
そうして、蓮たちは車に乗り
これから通う大学に向かった
__________________
”蓮”
少しの間車に揺られ俺たちは大学に着いた
キャンパス内には同じ新入生が数多くいる
そんな人混みの中を歩いてる
蓮「__人多いなー。」
日菜「これみんな新入生なんだー!すごいなー!」
麻弥「高校の時も生徒は多かったですが、ここまで来ると壮観ですね。」
蓮「それにしても、この辺女子生徒集まり過ぎじゃないか?」
友希那「確かに、まるで何かを待ってるみたいだわ。」
リサ「あー、それは__」
周りの女子『キャー!!///』
蓮「っ!?(トラウマ)」
建物の近くまで来た頃
後ろから黄色い声援が響いた
俺はトラウマで背中がぞわっとしたが
今回は俺じゃない、眼鏡あるし大丈夫だ!
蓮「な、なんだ?」
リサ「あたし、友達に聞いたんだけどさ。この大学、なぜか有名な美男美女が集まりやすいんだって。」
蓮「美男美女が集まる......って事は、この声援は。」
薫「来た、という事だろう。」
俺は目を凝らし向こうを見た
だが、目を凝らすまでもなかった
大量の人間の中、特出したのがいた
一誠「__おー、結構女の子いるじゃーん!」
雄馬「お前、それを知ってて入ってんだろ。わざとらしい。」
昴「それは雄もやろ?もち、わいも!」
勇人「お前ら、あんまりたらし込むなよ。」
蓮「おぉ。」
何ともイケメンな奴らだ
それぞれタイプは違うが、全員顔がいい
4人固まれば絵になるレベルだ
千聖「あら、太田雄馬じゃない。」
蓮「知ってるのか?」
千聖「私と同じ、子役をしていた子よ。ただ、彼の方が有名だったわ。」
蓮「ほう、千聖以上と。」
女子「__そう!太田君は昔から子役で活躍して今はモデルとして活躍中なんだよ!」
蓮「!?」
な、なんだこいつ
無駄にテンション高いし、詳しいし
所謂イケメンオタクと言う奴か(?)
女子「太田君だけじゃなくて、堂本一誠君は芸能界からスカウトが来てて、高尾昴君は長い間の関西生活からの関西弁と人懐っこさが売りで、木崎勇人君は若くして起業してて、あの3人のリーダー的な存在でもあるの!」
蓮「へ、へぇ......」
女子「高校では南北東西に分かれてたけど、4人ともこの大学に集まった!これはもう奇跡だよ!」
女子のハイテンションに疲れて来た
でも、取り合えずあの4人の事は分かった
まぁ、別に関わる気もないんだがな
日菜(うーん、蓮君の方がかっこいいかなー。)
友希那(蓮が上ね。)
麻弥(失礼ですが、蓮さんに軍配ですね。)
花音(蓮君に慣れてるから、別に何とも思わないかな?)
燐子(蓮君が一番......!)
蓮「......?」
なんだろ、すごい視線を感じる
まぁ、害のある物でもないしいいや
俺はそう思い、建物の方を向いた
蓮「じゃあ、俺、代表挨拶あるから行くよ。」
リサ「あたしも行くー。」
薫「私も同行しよう。」
日菜「あたしもー!」
俺達は後ろの騒ぎを無視して
建物の中に入り
俺は指定された場所まで歩いて行った
__________________
少し時間が経って入学式の時間になった
俺はなんか控室?みたいなところに来て
代表挨拶の順番を待ってる
緊張なんてものはもうし尽してるし
別にこんな事は造作もない
そんな事を思ってる内に俺の順番が来た
蓮『__おはようございます。新入生代表、神谷蓮です。』
壇上から見える景色は壮観だ
すごい生徒の数がすごい
右の方にはリサ達が座っててt
左の方にはイケメン君たちがいる
蓮(さて、何か反応は。)
「なにあれ、ダサ......」
「あんなのが代表なの?絶対に四天王の方が良かったじゃん......」
「私達の代の品格が疑われちゃうって......」
蓮(成功だ!メイドさんたちに作ってもらっててよかったー!これで、大学では平和に過ごせる!)
女子からの評価は最低
もう罵詈雑言が飛び交ってる
でも、今はそれすらも嬉しく感じる
もっと言ってくれ(ドMじゃないよ。)
リサ(......蓮はかっこいいのに。)
友希那(この場にいる女子たちの目は節穴ね。)
千聖(あのクソダサ眼鏡があると言っても......)
燐子(蓮君がバカにされると悔しい......)
日菜(あの眼鏡、すごすぎ。)
彩(うぅ......)
蓮「?」
なんか、右側から禍々しいオーラを感じる
絶対にリサ達だ、分かるぞ
俺は右側から来るオーラに耐えながら
差しさわりの無い挨拶を済ませた
まぁ、色々あったが
スタートダッシュは大成功だ
__________________
なんだかんだで入学式が終わった
女子からの評価は地の底に落ちた
もう、完璧なスタートを切った
これからは大学に来るときはこのメガネをつけるだけの簡単なお仕事だ
やっと、平和に過ごせる......
蓮「な、なんで、そんなに不機嫌なんだ?」
紗夜「......なんでもありません。」
と思ってたんだけど
なぜかみんなが不機嫌だ
なんでこんなに不機嫌なのか分からない
日菜「むぅ~、納得いかない!」
リサ「ほんと!なんであんなに蓮をバカにされないといけないわけ!?」
蓮「いや、それが狙いなんだけど......」
友希那「それにしても我慢の限界があるわよ。」
薫「これは、儚くない。」
みんな、すごい怒ってる
いや、それだけ愛されてるんだけど
流石に今回は許してほしい
花音「蓮君の気持ちもわかるけど......」
燐子「もう少し......何とかならないの......?」
千聖「流石にこのままでは私達も正気でいられないわ。」
彩「蓮君がバカにされると私達も悲しいし......」
蓮「そ、そう言われてもな。」
これは、機嫌取るのに時間がかかるな
まぁ、でも時間をかければ大丈夫だろう
俺がそんな事を考えてると
どこからか異様な声が聞こえて来た
男「__なぁ、君、新入生?」
女子「は、はい、そうですが......」
男「君、可愛いね~。俺、2年何だけどさ、サークル入んね?」
女子「い、いえ、遠慮しておきます......」
男「そういうなって!」」
女子「っ!」
騒ぎの方に目を向けると
いかにもチャラそうな男に新入生の女子が絡まれていた
あの男、邪な匂いがする
絶対にそう言うサークルだろうな
蓮「......はぁ。」
リサ「蓮?」
千聖「どこに行くの?」
蓮「......ゴミ掃除。」
俺はそう言って、能力を発動させ
騒ぎの中心に向かって歩いた
近寄りたくないのか
男と女子の周りには人間が集まってなく
良い感じに空間が出来てる
蓮「__こんな昼からナンパとは、随分とお暇なんですね。先輩。」
男「あぁ?」
男は俺の方を睨みつけて来た
周りは俺を見てざわざわしてる
まぁ、クソダサ男が出て来たんだ
そりゃ戸惑うよな
蓮「こんな大衆の面前で女の子を強引に......恥ずかしくないんですか?」
男「あー、うるせ。」
蓮「!」
男「年下が年上にデカい顔するんじゃねぇよ。」
男はそう言いながら胸倉を掴んできた
別にこれくらいなら力負けしないけど
初日に暴力振るうのはまずいよなー
男「おーおー、こんな眼鏡かけちゃって。ダサねー。」
蓮「あはは、そうでしょう。」
男「......なに笑ってやがんだ?」
男の顔が見るからに変わった
イラついて不機嫌になってるな
この程度でそんなになられても困る
大人になってほしいな
男「調子乗ってんじゃねぇぞ!この根暗男!」
蓮「っ!」
リサ「蓮!!」
男が俺に手を挙げてきた
これは流石に予想外で
俺は顔でそれを受けるしかなくなってしまった
取り合えず歯を食いしばった
蓮「__痛い。」
男、女子。周りの生徒「!?」
こいつ、ためらいなく殴って来やがった
俺は内心、怒りを感じつつ
男の方を睨んだ
男「な、何だお前は!?」
蓮「あ?俺の事か?そうだなぁ......」
男「っ!(ち、力つよ!)
俺は男の胸倉を掴み、
反対の手を大きく振りかぶった
蓮「俺はただの新入生首席だ......このバカ男が!!」
男「ぐへぇ!!!」
俺は男の顔面を強打し
胸倉を掴んだ手を離した
筋トレして少し力尽いたし、中々強くなった
蓮(......?)
なんだか違和感がある
周りがあまりにも静かすぎるんだ
なんだ、何があった
周りの女子『__きゃぁぁぁ!////』
蓮「!?(な、なんだ!?あのイケメンズか!?)」
「隠れイケメンキター!///」
「かっこいいー!///」
「こっち向いてー!///」
蓮「なっ......!(なぜ!?)」
麻弥「れ、蓮さん!」
蓮「麻弥......?」
人ごみの中から麻弥が顔をのぞかせ
目の位置を指さしている
俺は自分の目の辺りを触った
すると、そこにあるはずのもの感触がなかった
蓮「......あっ。」
俺がかけてたメガネが無くなってる
周りを見て見ると
眼鏡は歪んで地面に落ちてる
多分、殴られたときに落ちたんだ......
「今年一番きたよー!///」
「さっきは悪口言ってごめんなさーい!///」
「こっちに来てー!///」
リサ(うーん、この掌返し。)
友希那(なんだかすっきりしたわ。)
紗夜(ざまぁみろ、ですね。)
日菜(やっぱり、これがるんっ♪てする!)
千聖(流石、蓮ね。)
花音、麻弥(やっぱり、こうなるんだ(ですか)......)
燐子、彩(蓮君、かっこいい......///)
薫(儚い......!)
周りからの黄色い声援
なんだか、高校の時を思い出す
いや、人数増えたから悪化してるよな
俺は人ごみの真ん中で頭を抱えた
蓮(し、しまったーーー!!!)
これが俺のキャンパスライフのスタートだ
どうやら、俺はどうやっても
平和に過ごすことは出来ないらしい......