実はもう一つ連載しているのですが、そっちは停止中です。
こちらで練習していきたいと思います。
完結するまでがんばりたいので、お付き合いください。
ではでは~。
その日は、朝から風が強かった。雲行きが怪しく、今にも雨が降り出しそうなそんな天気だった。
俺は視線を空から、前方に下げた。
ここは住宅街を通る道路。そして、俺の通学路でもある。俺は今高校一年、中三の時頑張って勉強して、やっと入れた行きたかった高校。憧れの高校生活。
でも、中学の時と変わったことは特にない。まぁ、俺が変わろうとしていないのが原因かもしれないが…。俺はいつも受け身だ。自分で何かをしようとしない。常に受け手になり、常に傍観者となる。
そして俺は今、インパクトのある出来事を待っていた。
毎日毎日同じ道。
毎日毎日同じ生活。
俺は、退屈していた。
それが、
どれだけ幸せな事かを知らずに………。
――――――
「ふぁぁぁあああ……、今日も退屈だな…」
俺の名前は、
今は高校からの帰宅途中だ。
毎日、毎日、同じことの繰り返しでさ―――――!! もういい加減退屈なんだよね。こう、ドカンッ! とすごいことないかねぇ…。
俺は頭の中でそんなことを考えながら、家へたどり着く最後の曲がり角を曲がった。俺は起こそうと思えば、ドカンッ! とすごいことは起こせる。
3か月前に告白され、それから付き合うことのなった彼女と……!! イロイロす・れ・ば♡
「くっそ、眠い…」
眼を擦りながら前を見る。すると、俺の身体を支配していた眠気は、一瞬で消え去った。
「…パ、パトカー?」
俺の家の前には人だかりができており、何台ものパトカーが車の上に付いている赤色灯を、光らせていた。
俺はしばらく動けずにいた。そりゃ、仕方ないだろう。これが俺の待ち望んだ超展開だとしても、俺だってほんとに来るとは思っていなかったんだから。
「……さっさと歩けホラ!!」
突然聞こえてきた大声で、俺は意識を取り戻す。俺の家から警察が出てきた。後ろにはフードを被り、手錠をかけられた俺と同じくらいの背格好の奴が続いている。
「まさか……」
あれは、犯人? ならば、つまりこれは殺人事件!?
俺は急いで家へと駆けだす。入口を囲むようにできている人だかりを、かき分け押し倒しながら進む。
入口で「KEEP OUT」と書かれた、黄色いテープがあったが乗り越えた。その時、警察が俺を抑え込もうと迫ってくる。
「君! 入ってきたら駄目だろう!!」
「うっせぇよ!! ここは俺の家なんだよ!!」
俺が感情に任せ、そう言うと警察は驚き、大人しくなった。だが逆に、いつの間にいたのか、記者たちが一斉に俺の姿を撮り始めた。目が痛くなるぐらいのフラッシュをたきはじめる。
「何! そうなのか、なら早くこっちへ…!」
気を付かってくれたのか、中年を過ぎたおっさんの警察が、記者の俺の間にはいってくれ、中へ誘導してくれた。
「………、くっ」
玄関の前に立っていたのは、犯人と思われる男。俺は何かを言おうとしたが、まずするべき、家族の安否の確認の方優先させた。
だが、
「帰ってくるのが遅かったじゃないか――――」
目の前の男が、口を開き、ニヤけながらしゃべりだした。
「――――
「お前……」
「どうしたんだい? いつも見たく、偉そうに『
口ではそう言っているが、まったく寂しそうじゃない。むしろ、これ以上ないぐらいに楽しそうだ。
というか、なんでこいつがこんな恰好を。
「あーあ、兄さん口開けっ放し。まるで、理解不能に陥ってみてるみたいだね。しょうがない、僕がすべてを説明してあげるよ」
海人は――俺の弟は、相も変わらず楽しそうに、そう言いだした。だが、警察がそれを許さなかった。
「何を言っている。早くこっちへ来い!!」
警察は手錠につながっている紐を、思いっきり引っ張る。けれど、海人は動かない。
「この事件を引き起こしたのは、この僕だ」
警察は不審に思い、もう一度引っ張る。なおも、海人は動かない。
「そんでもってこの事件は、殺人事件で――――っす☆」
俺は自分の拍動が速くなっていくのを感じた。
もう、耳をふさいでこのウザったらしいしゃべりから、逃げてしまおうとさえ考えてしまった。でも、腕は動かなかった。
「んで~、僕ちんが殺したのは、母さんと父さんと、ついでに家にいた
嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…嘘だぁぁぁあああああああああああああああああああ!!
俺の心臓が、身体を突き破らんほどの速さで拍動を続ける。
そんな、そんな。なんで、なんでなんで。
心臓は、緩みなく動き続けているのに、呼吸がうまくできない。
「かっ、は……」
「あーもう、兄さんはだらしないなァ…。いつもはあんなに頼りになるのに、なりすぎるのに。いざとなったらこれか。…いい気味だな、陸人」
その言葉を最後に、海人はこの世界のルールから解き放たれた。
今まで海人の手をつないでいた手錠を、力づくで砕き割った。そして、流れるような動作で警察全員を殴る。とても人は殺せないような強さで。しかし途端に、警察たちは力なく崩れ落ちた。
「またね、兄さん」
まだ俺がうまく呼吸できていないにも拘らず、海人は一方的にそう言い、警察の持っていた拳銃を取出し、俺に向けてくる。
くそっ……俺は、まだ母さんと父さんの姿を、愛結の姿を見てない……のに!!
うずくまっている俺に、ゆっくりと近づき言った。
「
何言ってんだかわかんねぇよ。
海人は俺の身体に向かって何度も発砲した。
「ぐあっ……がっは…」
しばらくして、あれほど速く動いていた心臓が、ついに動きを止めた。
――――――
あるところに、12の神様がいました。
その12はとても仲が良く、いつも一緒にいていつも一緒に遊びました。
ですがある日、いつもいる12のうちの1が、いなくなってしまいました。
残りの11は一生懸命探しました。来る日も来る日も探し続けました。
そして、ついにその1を見つけることができたのです。
その1は、遠く遠くの世界にいて、禁忌とされる遊びをしていました。
下の世界で過ごす、ヒトを使った遊びを。神々のルールで見守ることしか許されていない、ヒトに干渉する遊びを。
残りの11は、すっかり変わってしまったその神を止めることにしました。
しかし、話しかけても耳を貸さず、力で意識を戻そうにも、自分の周りに強力な結界を張っていました。
どうしようかと話し合った結果、禁忌には禁忌を、ということで、ヒトを使い1を止めることにしました。
結果はうまくいかず、その1に他の11は世界から消されてしまいました。
その事実は、神世界にすぐ伝わり、上位神が1の封印にやってきました。
1は上位神には、敵わずすぐに封印されました。めでたし めでたし。
――――――
俺は、死んだ。あっけなく、弟に殺された。
家族の最後の姿も見れずに。大好きだった彼女の最後も見れずに。
家族の無念を、愛結の不幸を憂う暇もなく、殺された。
海人に何も言えなかった。罵詈雑言も言えず、理由すら聞けず。
ましてや、殴ることなどできずに。
「……復讐がしたい」
気づかないうちに声が出ていた。
…あれ?
俺死んだんじゃねぇの? なんで声とか出てんの?
俺はおそるおそる、目を
結果、俺の目は
え、俺って生きているの? どうやら、そういうわけでもなかった。
俺は、刺された瞬間のうずくまっている恰好で、いる。俺の眼前には、真っ白な雲が広がっている。所々に、穴が開いていて山やら海が見えている。綺麗だ……、キラキラ光っている。こんなときでなければずっと見ていたいそう思える幻想的な風景が広がっていた。
俺は現状を確認するため、取り合えず立ち上がった。
俺がいるのは、どうやら空の上。360度壁などなく、永遠と空が広がっている。少し上に首を持っていけば太陽が見える。地上にいた頃より、大きく見えるのは気のせいじゃないだろう。
次に自分の身体を確認した。着ているのは、高校の制服。腹や腕、足、胸のあたりが赤く染まっているのは、たぶん血だろう。やはり俺は海人に殺された。その事実は覆らない。
なら、ここは天国か?
――――いや、本当は分かってる。これがあの、超有名なテンプレ展開だってこと。
俺だって、その手の小説は読む。大好物だ。ウキウキするよね、俺TUEEEEEEEEEEEEEEEE!! は。
「参ったな…。目が覚めてからの一言目がそれとは…、先が思いやられるな」
突然聞こえてきた、高い声。先ほどまで、人の気配すらなかったのにだ。
俺はとっさに後ろを振り向く。
「あんたが―――神か?」
「ん、まぁ然り。神と呼んでもいいよ。一応名前はあるけど」
そこにいたのは、少年の形をした何か。俺の目では全貌を捉えられない、大きくてという意味ではない。ただ、何なのかが分からないのだ。理解できない。見えているのに、見えていない。
俺は、神というものに直面して息をのむ。
「それで、俺は―――」
「死んだよ。弟に刺されてそりゃ、もうあっさりと」
質問し終わる前に、答えを出された。
神は、何かイライラしているように見える。
「何を―――」
「イライラなんかしてない。ただ、不愉快なんだ」
また、質問し終わる前に答えを出された。
そして、先ほどから少年の形をした神は、動きを見せていない。いや、動いているのかもしれない。でも、その動きも俺が理解できていないのだろう。理解できなければ、言葉にできない。
昔の偉い人は言いました。
人は言葉にできないものは、視界に映らないのだ。
ふむ、見識があるね。今は、そんなことはいいんだ。
「な―――」
「お前らヒトと会話をすることだ」
またも、即答された。いや、即答はおかしいか。だって質問してないもん、ただ質問の前に答えられた。
この神の前でなければ、俺はこう思っていただろう。お前と会話する方が不愉快になる、と。でも、何故か今は思わない。むしろ、申し訳ありませんと思っている。
これは、可笑しい。なんだろう、神のなせる技か?
「なにをしている。質問があるなら手短にしろ」
お? どうやら、心は読めないらしい。……なるほど、おそらく俺の発した言葉からその先まで読み、それで回答しているのか。
さすが、神すっげぇぇ……。
「なら、1つ。神よ、この状況の説明をお願いします」
俺は跪き、そう言った。
こんなことするつもりなど、毛頭なかった。口調だっておかしくなってる。
神は答えた。
「別に説明するほどのことはない。ただ、お前を転生させる。それだけだ」
転生。
やっぱり来たか。俺は嬉しさいっぱい。期待いっぱいだ。少しにやけてしまう。
「はっ…! ありがたき幸せを…」
「ん、良い。……そうだ、あと1つあった。願いをかなえてやる、なんでも言え」
唐突になんだ。いや、願ってもないことだけどさ。この神なんか、説明下手なんだよなぁ。神ってそういうもんなのかな、さっきのあの能力、一言しゃべるだけで全部理解できるあれ。ま、あれがあったら説明の必要性無くなるよな。
さて、これはアレだ。チート能力もらう奴だ。ま、もう決まってるけど。
……まて、訊いてないことが1つあった。
「質問よろしいでしょうか?」
「ん。手短にな」
「転生とは、どこにでしょう?」
「あー、言ってなかったか。"ONE PIECE"だ。確かそんな名前だ」
"ONE PIECE"キター。嬉しい、これはI am Happy.だよ。
でも、俺は…。
「では、願いを言います」
「ああ、言え」
「俺を元の世界に転生させてください」
「…へぇ」
俺には、やらなければいけないことがある。母さんと父さん、そして愛結に「さよなら」も言ってない。だから、言う。
そして、海人に理由も聞いてない、復讐もしてない。だから、復讐する。
そのチャンスが来た。なら、神だろうと利用させてもらう。それだけだ。
「それは、無理だ」
けど、突き付けられたのは残酷な事実。俺は揺れた。
「な、何故!?」
「俺はお前らのヒトの世界の仕組みまで干渉できない。事実、お前と会話をすること自体難しいことだったんだ。だから、無理だ」
「そ、そんな……」
どうやら、神といっても色々とあるらしい。そのことは神の言葉から容易に想像できた。俺は頭を抱える、精神的に。無論、神の前なのでそんな行動はとれない。
「でも、条件付きならいける。というか、むしろ最初からそのつもりだった」
「本当ですか?」
「ああ、お前が神になればいい」
「え?」
俺が神になる。なんか、良くわからないことを言われた。頭が混乱し始める。
「お前が支配者になれ。"ONE PIECE"世界の」
ちょっと待て、説明下手杉。何? 意味が分からん。
「そんでもって、その世界の神を殺すんだ。そうすれば、神になれる」
いや、話一旦止めろし。いや、言葉にはできないんだけど。
神は止まらない。
「ま、詳しいことは後にするか。これからは、お前がオレで、オレがお前だからな」
一番意味不明なことを流れで話された。脳のキャパシティをオーバーした。
「そうですか、説明ありがとうございます」
いや、おい俺。説明ありがとうじゃねぇよ。少ししかわかんねぇよ。
「で、願いはそれでいいか? なら、お前を少し強くしとく。お前の記憶の中から一番扱いやすく、一番成長するものを」
あ、まてまて、それってアレですか。俺の記憶にある力を、俺が使えるようになる奴?
いや、わかんないな、ちゃんと説明してください神様―。
「あ、これでいいか。斬魄刀、これを強くしておく。何の記憶だこれ? 『俺の考える最強斬魄刀』?」
ちょ、神さん。それアウトォォォオオオオオオオオオ!! あー恥ずかし、恥ずかしいよー。いや、周り誰もいないけど、精神的にね。
やっべぇ、中二全開じゃん。はーずかースィー!!
「何をジタバタしている? とりあえず、これを強化しておく。あとで、試してみろ。あと、お前の記憶を斬魄刀で検索したところ、結構引っかかったんで、使えそうなのも強化しといた」
え、ジタバタできんの? ほんとだ。現在の恰好を確認すると、体勢が横になってる。
んー、どういうことだコレは? 多分、一時の俺の感情が神の支配力を超えると、自由になれるのか?
うーむ、これも俺の記憶にある知識を総動員しての、仮定だからあってるかは保証できんなァ。
あと、神の言っている「強化しといた」は、「使えるようにしといた」なのか、使えるのを前提にして「そのパワーアップをしといた」なのか、はっきりしてほしい。
その違いによって、俺の今後は変わる。後者だったら、何の意味もない。0に何かけても0やん?
「ありがたき幸せを…」
あ、偽俺でてきた。やっぱ、一時の感情によるものなのかな? 今はもう恥ずかしくないし。…そこまでね。
「んじゃ、以上だ。行け」
「どこにでございましょう?」
「後ろ」
ほんと、徹頭徹尾説明下手だなこの神。
まぁ、いいや。もう会わねェ。
「では、行ってきます」
「ああ、早く行け」
俺は後ろに出来てた黒い穴に向かって、歩き出した。
いつの間にできたんだろう、これ。
――――――
批評を受け付けています。よろしくお願いします。