【あ~あぁ。死んじゃった、死んじゃった】
声が響いてくる。何だろう? 誰だろう?
【ったくさァ。あいつの言ってたことはあながち間違いじゃないよ? 物語の中なんだから、登場人物に気ィ使うなよ】
物語? 何のことだ。というか誰だ?
【忘れてんのかよ……。ま、仕方ないか。死ぬほどの衝撃受けたもんな】
少なくとも、登場人物には気は使わないと思うぞ。俺は。
【性格まで変わってるよ……。狂ったのか?】
知らない。何も。俺は元からこうだったんじゃないか?
【別に何でもいいや。目的だけは忘れないでね】
目的? 何だっけ?
【お前なぁ……。"神"だよ"神"。お前は"神"を目指してたの!】
"神"? なんでそんなものに?
【……なんだっけなぁ。元の世界に帰りたいとかほざいてたぞ】
元の世界。良く分からないな……。
【俺も詳しくは知らん。とりあえず5年…いや10年待ってて】
何の期間だ? それは。
【生き返るための時間だよ】
―――――――
【よお。生きてるか?】
お前は……この前の。
【ははっ。この前って、11年経ってんだけどな。悪い1年オーバーしちゃった】
良いよ別に。10年立ったことすら気づかないんだから。……ずっと、ずっと記憶の海を流れてた。
【へぇ、どうだったの?】
何もわからなかった。何も感じなかった。黒く塗りつぶされている部分も多かったしな。
【そうか。覚えてるのは何なの?】
世界の、事かな……。海とか土とか……。でも、大切な人の事を忘れてるんだ…。
【忘れてるんだろ? なら、そこまでの人じゃないんじゃない?】
違うんだ……。死ぬ前に命を懸けて守ったんだ……。それだけは覚えてる。名前も顔も思い出せないけど……。
【あー、へー】
知ってるのか?
【知ってるっちゃー、知ってる。知らないっちゃー、知らない】
なんだよそれ。訳わかんねェな。
【まー、いいじゃん。そんな事は、生き返って思い出していけばいいの!】
確かに……そうだな。
【だろ? お前の身体は再生させといた。一応成長もしてるぞー】
ん。ありがとう。
【そんじゃ、"神様"目指して頑張ってくれ。俺のためにも、お前のためにもな】
ああ。任せてくれ。……そういや、名前は何だ?
【ん、俺? 俺はスルトだ】
違うよ。俺の名だ。
【あ、ああ。お前! お前の名はマヤダ・リクト。いや、なんか恥ずかしいな……】
はははっ。ありがとう、んじゃな。
―――――――
んー。世界の匂いがする。いい気分だ、生きてるって素晴らしいな。
ガラにもなくそんなことを思う。俺のガラってのも良く分かんないけどな。
とりあえず目を開く。
見えてきたのは、空。あれが、空か。
立ち上がって、周りを見渡すと砂だらけだった。これは、砂漠か?
スルトに聞いてみるか。
ここはどこだ?
【ここは、アラバスタ王国。砂漠の国だ】
アラバスタ王国……。聞いたことあるような気が少しするんだけどな。思いだせねェ。
なんとか思い出そうと、記憶の引き出しを探っていたその時。
爆撃音と地響きが鳴り響いた。
なんだ? 音のする方へ向き直る。
見えたのは、城。黒い煙も上がっている。行ってみるか、とそこまで思い至ったけど――――
【お前裸だぞ?】
そう、再生したのは身体だけなので今俺は何も着ていない。誰かいないかな。…………ん、発見。
空を何かが飛んでいた。あれは……
俺は霊子を使って空を歩きながら近づき、踵落としで叩き落とした。
「………ぎゅへっ…!?」
気を失っている間に、服を剥ぎ取り、剣も一応奪っておいた。
【……あ】
頭に響いてきた声。
どうした? スルト。
【まずった。斬魄刀再生させてない】
斬魄刀? あー、これも聞いたことあるような無いような気がしなくもなくない。
ってか、考えてて自分でも良く分からなくなってきた。
【丁度いいや。5分待って。その剣を斬魄刀に変える】
おう。任せた。
剣を両手のひらの乗っけて、少し待つ。その間にも、遠くで聞こえる爆撃音や地響きは止むことがなかった。
「う…、うう……あれ? 私は…?」
そばで気絶していた隼――もとい男が目を覚ました。びっくりしたんだよな。叩き落とした隼が突然人間の男に変わったから。
「んん…っは! 貴様! 何者だ!?」
「まあまあ、落ち着けよ。まず自分の恰好を確認しろ」
「何? …………何――――――!!? なぜ裸なのだ? って、その服は私のだ!」
「うるせぇよ。叫ぶな、殺すぞ?」
俺が若干キレると、目の前の男は叱られた子供のように黙った。
【おし、出来た】
マジか、お疲れ。
手のひらに乗っていた剣は、その姿を変え、一本の日本刀になった。俺はそれを腰に差し、男に聞いた。
「この国のことを訊きたい。答えてくれたら命は保障しよう」
すると、男は少し考える様子を見せたが、素直に答えてくれた。
「今この国は存続の危機だ。敵の名は"
「ふーん。で、敵のボスは誰?」
「それは…………"王下七武界"の1人、"砂漠の王"と呼ばれ民衆の支持を受けている男。サー・クロコダイル」
「サー・クロコダイルねぇ…………」
男は唇をかみしめながら、身体を震わせながらそう言った。相当に憎いのだろう。
けど、覚えがない。誰だそれは?
「それで、勝てそうなの?」
「……勝てそうとかではない。勝たなければいけないのだ、だから勝つ。それだけだ」
「そうか、んじゃ頑張れ」
「え、え? 縄、え? 縄………」
俺は一応の礼を言い。手足を縄で縛り、その場から立ち去った。
さて、これからどう行動するかな……。最終目標は"神"。でもどうすりゃなれるのか、いまいちよくわかんない。
とりあえず、この国でも征服するか……。この国を利用してさらなる国を奪う。
そういや、この世界で一番偉い奴はなんていうんだ?
【世界政府の最高権力者"
ふーん。どうすれば会える?
【わかんねっ! でも"聖地"マリージョアに行けば会えるんじゃないか? 本部がそこにあるはず】
ありがとう。最初はこの国の征服だな。邪魔する奴はぶち殺す。
―――――――
「ふぃ~。着いた」
あれから1時間かけてやっと着いた。ここの名前は確か"アルバーナ"。
今現在、"反乱軍"vs"国王軍"の真っただ中だ。
ここら辺の知識はスルトに聞いた。知ってるならさっき教えろよという感じだ。
「いたぞ! "ハヤブサのペル"だ!! ぶち殺せ!」
流れ弾に当たらないように歩いていると、後ろから襲い掛かられた。
マジかよ。俺喧嘩とかしたことないんだけど。
「この国のために、死ね!!」
「あぶねっ!」
敵はきっと、"反乱軍"。人数は5人。銃を持ったやつが3人に、剣持ったやつが2人。
俺、"ハヤブサのペル"じゃないんだけどな。
まぁ、降りかかる火の粉は払うだけ。戦闘ってのも体験してみたかったし。
斬魄刀で使えるのは?
【"
なんだろ……。すげぇ、恥ずかしいんだけど……。
けど、今は気にしない。解号や、能力は頭に入っている。
「主を守れ、"甲羅玄武"」
斬魄刀が形状を変え、呼び出したものが姿を現す。その姿は、大盾と剣が合体した形だ。剣が大盾の尻尾のように見える。
俺の刀がいきなり姿を変えたので、"反乱軍"の奴らは驚いたように声を上げた。
「んなっ……!」
「…ペルじゃない!?」
「お、おまえ、"能力者"かっ!?」
ペルじゃないのはあってるけど、"能力者"のほうは全然違う。
奴らの言っているのは、"悪魔の実"といわれる、超常・異常な力を宿した実を食した者の事だろう。
だが俺は、"神"になる者だ。
「おら、かかってこいよ」
時間がないので、安っぽい挑発をする。剣を持った二人がそれに乗り、2人そろって突っ込んできた。
「調子に乗んな!」
「死んで後悔しろ」
左右から同時に切り込んでくる。俺はそれを手にもつ大盾でガード。その後盾を地面と水平に構え、突き出ている剣で右の奴を突き刺す。
剣には毒がぬってあり、触れると細胞が死滅する。
敵はそれを難なく避けた。それなりにデキル奴らみたいだ。
くっそめんどくさいな。全員殺そっかな…。
「いや、逃げるか」
一度大盾を持ったまま、突撃し、吹き飛ばしたところで俺は後ろに向き直り、一目散に逃げ出した。
「て、おい! 逃げてんじゃねェぞ」
「それでも"王国軍"かよ!」
後ろの方で声がするが気にしない。俺は"王国軍"じゃ無いからな。
―――――――
「お前ら! 大丈夫か?」
シスイが逃げ出した後、"反乱軍"達の元に"反乱軍"のリーダーであるレインが現れた。
「れ、レイン…」
「ペルが現れたと聞いたのだが……」
レインは息を切らせている。急いできたのだろう。
「いや、ペルじゃなかった」
「……? ペルじゃない?」
「ああ。ペルの恰好をした別の誰かだ」
「しかもそいつは"能力者"だった。剣の形状を変化させる能力だ」
「…………、」
レインはその報告を聞き、考え込むように顎に手をあて俯き始めた。
(剣を……剣の形状を………変化させる? まさかっ……)
「なんだっけ……リクトだっけか? はははっ、まさかな……」
自分で言った言葉を、自分で軽く笑い流す。そんなレインをほかの"反乱軍"は不思議そうに見つめていた。
―――――――
走りに走り、走り続けた結果。なにやら騒がしい音がする場所へ着いてしまった。
正確には鋭い剣戟音。
建物の影から戦いの様子を伺うと、頭に手ぬぐいを巻き緑のハラマキをした三刀流の男と、それと素手で渡り合う坊主頭の男が命の取り合いをしていた。
「ぅっつ……!?」
突然ズキリっと頭痛がした。なんだろう?
あのハラマキ手ぬぐい……見たことがある。かもしれない。
「おれがお前に勝った時……おれは鉄でも斬れる男になってるわけだ」
ハラマキ手ぬぐいが、そう嬉しそうにそう言った。あの顔、自分を信じて疑っていない。
坊主頭はそれを聞いても、何の動揺もしなかった。
「意気込みに水を差す様で悪いんだが……おれはこの"スパスパ"の
自慢のようにそう語る坊主に、刀を向け強く出るハラマキ手ぬぐい。
「……ああ、よくわかったよ。だがそういう
「口先だけは斬れる様だな」
会話もそこそこに、勝負を仕掛ける2人。
坊主頭が足裏を剣にした振りおろしを、両手の刀で防御するハラマキ手ぬぐい。
坊主、ハラマキ、とまたも言葉を交わす。
「お前は何分持たせてくれるんだろうな…」
「お前が持ちきれねェよ」
坊主が体を回転させ、ハラマキの両手の刀をずらす。そのスキを突くように攻撃。右手の指全てを剣に変え抉る。
「"
ハラマキは右手の刀をすぐに引き、それを防御。坊主は左手も同様にし突き出す。ハラマキもまた左手の刀で抑える。
両社押し合いのまま、またも先手は坊主。右足の裏を剣に変え、回し蹴りの要領でハラマキの頭を狙う。
ハラマキは身体を最大限反らすことでそれを避け、すぐさま距離をとる。
ひざ立ちになり、頭を下げ、両腕を交差させ、刀を頭の後ろに持っていく。ここで初めてハラマキが攻撃に出る。
「"
敵の反応を許さない速度で距離をつめ、交差させた腕を引き抜く。坊主の身体は斬れなかったが、衝撃でバランスを崩し仰向けに倒れこむ。
そこを狙い、さらに追撃をかける。
「"
上から縦2本、横1本に交差させた刀を力任せに叩きつける。その時に撒き散らされる砂埃。
立ち上がった坊主の身体を見たハラマキは、驚きを隠せずにいる。
「……言った
「……アザ一つ残らねェってのは……ちょっとショックだな」
ハラマキのその言葉に、坊主は顔一つ動かさずに言う。それは皮肉だった。
「そりゃそうだろう……おれとお前は、今まで会った事がねェんだからな」
ハラマキは緊張した様子で、刀を構える。
そこで坊主が仕掛ける。右足の前面を剣に変え、跳び蹴りの要領で斬りかかる。
ハラマキは身体を半身にすることで避ける。だが、認識が甘い。
「……!!! そうか!」
坊主はすぐに右足の裏を剣に変え、そのまま振り下ろす。坊主は"全身刃物人間"。太刀筋に表も裏もありはしない。
ハラマキはギリギリのところで右手の刀を滑らせ、ぶった切られるのを回避する。だが、そこでも甘かった。
「く…………!!」
目の前に鋭い爪先が迫っているのにギリギリまで気づけなかった。本当にギリギリだったので倒れこむことでしか避けれなかった。
そのまま横回転を何回か繰り返し、壁に当たって顔を上げると目の前には坊主。縦に開いた両手を押し付けてくる。とっさに左右の刀を交差させ防ぐが、後ろの壁まで指の方向で斬れるほどの威力。
「"
必死で止めるハラマキの腕がビリビリと震えはじめる。
「吹き飛べ……」
「ぐあァ!!」
耐え切れずに衝撃に身を任せるハラマキ。断裂された建物の瓦礫に飲み込まれる。
瓦礫と瓦礫の間に挟まれ、死んだように動かない。
その様子を見て、坊主が口を出す。
「……フン……さっさとおれに斬り傷でもつけてみろ。そんな事だと、一生おれの身体を斬れないぞ」
ハラマキは悲鳴を上げる身体に鞭打ち立ち上がる。一緒に自分の100倍以上の大きさの瓦礫を持ち上げながら。
「悪ィが、お前はおれが鉄を斬る勇姿を、見ることァできねェ……」
顔に血管を浮かび上がらせながら、坊主を強く睨みつける。
「おれが鉄を斬る時は……お前がくたばる時だからな……!!!」
「………もっともだ……」
いくらハラマキに強く出られようと、気にする表情を見せない坊主。その眼からは熟練の兵士が持つ絶対的な自信が窺えた。
いつまでたっても坊主を斬れない不安を持ち上げた瓦礫に乗せ、坊主にぶつける。
「ウァあ!!!」
「何もかも微塵に斬り刻んでやるっ!!」
「押して押して押し殺す。これが"豪剣"の極意!!」
「"
迫ってくる100倍以上の大きさの瓦礫をすべて等形大に切り刻む。
「ブった斬ってやる!!」
自らを鼓舞し、坊主の斬った瓦礫へ突っ込むハラマキ。目の前の瓦礫の山から突然現れたハラマキに、驚き後手に回った坊主。
三本の刀を使いこなし、攻撃を上手く繋げていくハラマキに対し、坊主は両腕を剣にしハラマキの攻撃を防いでいるも、後ずさりせざるをえない。そのせいで隙を作ってしまった。
その隙を逃さず、ハラマキは身体全体を回転させ、両手の刀で下から顎を叩き上げる。
「く……」
坊主は何とか体勢を立て直し、右足前面を剣に変え蹴りこむ。だがそれも後手。
ハラマキはその攻撃を予測し、構え、防ぐ。そして足を出したままの不安定な体勢の坊主の顔面を、またも刀でたたっ斬る。
坊主は後ろへ倒れこむのを一回転して回避し距離を取るが、それも後手。
ハラマキは坊主の首を挟む
「"
一気に閉じる。
「"
「…………!!!」
衝撃で坊主の身体が吹き飛ばされる。だがまたも身体を何回転かさして、坊主は体勢を整える。
「くっそ……ムカつく野郎だな…!!」
「同意見だ……忠告しとくが、おれを"剣士"だなんて思うなよ…」
そこで坊主は腕を支柱とした何層もの、ねじれた剣を作った。
「てめェを殺す武器なら、千とある……!!! "
その剣を超高速回転させる。
それを見て、先手を取られまいと駆け出すハラマキ。
「剣士じゃなけりゃ、"発掘屋"かよ!!!」
「"殺し屋"だ」
ハラマキの振り下ろした刀を超高速回転する剣で受け止める。
瞬間、火花が散った。
回転する剣に弾かれまいと、必死になるハラマキ。それを見て、坊主は腕を開きハラマキを前のめりにする。
「発掘作業はおれには不可能。何もかも……抉り斬っちまう」
「しまっ……」
ハラマキが顔を上げた瞬間、胸の部分を抉り抉り斬る。鉄をシュレッターに掛けた様な音とともにハラマキは胸から血を飛び散らせる。
眼を見開き、膝をつき、息を荒くする。
そんなハラマキの腹に容赦なく"
「ぐあァ………!!!!」
肉が削られ、骨が削られ、血が噴出す。あまりの痛みに口と手に持っていた刀を離す。
「一瞬の読み違いが招くものは……死だ」
両膝を地面につけ胸を手で押さえるハラマキに、さらに両手を剣にし、胸を斬りつける。
吹き飛ばされたハラマキは、連絡用通路を支える支柱にぶつかる。頭をぶつけ、地面に倒れ伏した。
「フン…………」
坊主は一度手についた血を舐めとり、ハラマキに近づく。
「………!!!」
震える身体を必死に持ち上げ、残す力で坊主に向き直る。
「素手で何をもがく? "
指全てを剣に変え、斜めに振り抜く。その時、後ろの支柱も粉々に斬れる。
悲鳴すら上げず、ただ血を流れ出す。
支柱の土台部分が粉々になり、連絡用通路にひびが入り崩れ落ちてくる。
「安らかに……」
坊主がハラマキに背を向け一言。
ガラガラ、ドガガララ、と石が落ちてくる。
坊主は仕事が終わり、首をコキ、と鳴らしながら、その場を離れる。だが、しばらくして額に汗を流しながら、振り返る。
ハラマキが、立ち上がっていた。
「何で、立ってる……あれだけ斬り裂いたのに……!!?」
坊主は驚きで声を漏らしている。
ハラマキは、何も言わず岩の下から刀を一本取り出した。
「…………何なんだ……貴様は!!!」
坊主は自分のわからない事が起きている不安を声に出す。
「貴様、何をした!!? あれだけの斬られて……!! それだけの血を流してなんで生きている!!!」
ハラマキは荒い息を吐きながら坊主を見つめる。
「……いいさ。次で完全に息の根を止めてやる……」
「刀の意志が伝ってくる……」
ハラマキは近くの葉っぱに刀を振るうが、斬れず。近くの石に刀を落とすと、今度は斬れた。
「…………刀一本でおれの技を受けきれるとは思えねェ」
手に持った刀の切先を坊主に向ける。
「いいんだ。もう受けねェ……」
「覚悟アリか、上等だ」
坊主は足裏を剣に変え、スケートの様に滑る。ハラマキは刀を鞘に戻し、構える。
「一刀流『
「"
次の瞬間、坊主は血を流し倒れこみ、ハラマキは刀を鞘に戻していた。
「礼を言う」
―――――――
おれは見入っていた。鳴り響く頭痛を忘れ、目の前に繰り広げられる戦いに見入っていた。
あいつ、ホントにこの戦いで成長しやがった。………まずくね?
【まずいぞ。あいつはいずれ、とんでもない大物になる】
だよね。このままじゃ俺らの計画に支障が出そうだ。どうする?
【まだ雛のうちに
おし、任せっっつぅ!? いってェ……!!
【どうした?】
さっきから頭痛がっ……!!
何だこれ? 痛い、これは……無視できない痛さだ。
【いや、無視しろ。今しかない、
でも…辛いんだけど。集中できないって。
【
くっそ。
俺はクラクラする頭でハラマキを見据え、奴の前に出る。
ああ、痛ェ……。ハラマキが霞む。
「あ? てめェ、ビビの……」
「違ェよ。俺はヤマダ・リクト、短ェ間だけどよろしく」
「……どういう意味だ」
「てめェを、ここで殺すって意味だ」
血を流しすぎて今にも倒れそうなハラマキに向けて斬魄刀を抜く。
やべェな。頭痛がいきすぎて手が震えてきやがった。早くしないとな。
目線の先のハラマキは、笑みを浮かべていた。
「へへっ……おれはまだ成長する。ここをしのげば必ず……」
ハラマキも刀を俺に向けていった。
「おれの名は、ロロノア・ゾロだ……」
その瞬間、一際鋭い頭痛が俺を襲った。
批評受け付けてます。よろしくお願いします。