BURN   作:はち8

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004.土狼

「ぐっ……くそ……!!」

 

 

痛い痛い痛いっ!!!

脳みそを槍で貫かれたみてェだ。

 

 

「フゥー……フゥー………」

 

 

あまりの痛さに、頭を抱える俺の前には、刀を三本構えたハラマキの男――ロロノア・ゾロがいた。荒い息を吐いている。

 

 

「"(おに)"……"()り"!!!」

 

 

そのロロノアが、高速で突っ込んできた。交差する刀が目の前を過ぎる。

重い衝撃で俺の身体が吹き飛ぶが、頭痛で麻痺してる俺の痛覚は、何の反応も見せなかった。

 

 

「ハァ、ハァ。てめェは、何者(なにもん)だ?」

「ぐ、ふぅぅ……。俺ァ、"神"になる(もん)だ」

 

 

やばいな、末期だ。早いとこ、終わらせねェと。

 

 

【だから言ったじゃん? 早く殺しなって】

 

 

うるせェよ。なんだよこの痛み!

 

 

【知らないよ、俺だって。アレじゃないの? 記憶が戻る的な】

 

 

記憶が? じゃ、なんだよ。ロロノアは、俺の知り合いなのか? でもあいつは俺の事知らなかったぞ。

 

 

【だから知らねェって。俺、昔は世間と離れたところに住んでたんだよ! だから、"神"っぽい知識持ってねェの!】

 

 

ちィ、クソ神が……!

うっ!! 痛みが酷くなったァ……!!

 

なにこれ、脳みそ破裂すんじゃね?

 

 

「何してやがる、早く立てよ。おれを殺すんじゃねェのか?」

「うっせェ、黙ってろ。今殺してやる」

 

 

斬魄刀を強く握る。痛みは無視しろ。目の前の敵だけに集中しろ。

 

 

「"斬月(ざんげつ)"!!」

 

 

俺の斬魄刀が姿を変える。

俺の身長ほどの、柄も鍔もハバキもない、出刃包丁の様な巨大な刀身のみになる。

 

 

「悪ィけど、速攻で終わらせる」

 

 

くぅううう……痛ェ。より一層痛くなった。

 

俺は痛みを我慢しながら、斬月を引き上げ、一気に振り下ろす。

 

 

「"月牙天衝(げつがてんしょう)"!!」

 

 

振り下ろした斬月の刃先から、巨大な斬撃がロロノアに向かって放出される。

ロロノアは驚きで一瞬身体が固まり、回避が遅れた。ギリギリになって身体を半身にするが、右腕が犠牲になった。

ロロノアの右腕が宙を舞う。

 

 

「グゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっっ!!!」

 

 

悲鳴を上げたのは、俺のほうだった。

脳にはち切れんばかりの痛みが、自己主張を強くする。痛い! 痛い! 痛い!!

ロロノアは一瞬顔をしかめただけで、後は俺のほうを不思議そうに見ている。

 

俺は頭を抱え(うずくま)る。

 

何だこれは? これは何だ?

脳みそに何かが流れてくる。俺は死ぬ前に何をしてた?

俺は死ぬ前も右腕を斬り落とさなかったか?

 

 

「ア……ああ………」

 

 

そうだ。レインだ。ビビだ。

俺はビビを救うために、レインを殺した。右腕を斬り落として。

 

 

「思……い、だした……」

 

 

俺はビビを救いたかったんだ。それで、死んじまった。

ビビは、生きてんのか?

 

 

「おい。何がしてェんだ? お前」

「いやァ、悪い悪い。ちっとばかし、待ってくれや」

 

 

俺は立ち上がり、痛みのなくなった頭を振る。

そして斬月を構え、ロロノアを見据える。

 

 

「やっと、思い出した。俺の大切な人のことを」

「何だかわかんねェけど、やる気になったみてェだな……」

「ああ。こっからは全力だ」

 

 

ロロノアは歩くだけで、血を流している。一撃で死にそうだな。

だが、気力で身体を支え、俺を殺そうとしている。尊敬する。けど、手は抜かない。

 

 

「噛み砕き、其の血肉としろ。"異竜(アロサウルス)"」

 

 

新たに斬魄刀を呼び出す。

現れたのは、恐竜の歯の様なギザギザとした大太刀。

 

ロロノアは左腕を牛の角の様に構え、突進と同時に何度も刀を突き出してくる。

 

 

「"牛針"!!」

 

 

俺はそれを異竜でガードし、攻撃が終わった後、斜めに斬りつける。

ロロノアは刀を引き防ぐ。

 

その時、手の持っている異竜がぐんと、重くなった。

 

 

「うらァ!!」

 

 

振った力に任せて回転。一回転してまた斬りつける。

ロロノアは刀でまた防ぐ。

 

その時、手に持っている異竜が、またもぐんと、重くなる。

 

 

「っるあァ!!」

 

 

さらにもう一度、振った力に任せて回転。一回転して斬りつける。

ロロノアはもう一度刀で防ぐが、その刀が折れた。

 

その時、手に持っている異竜が、またもぐんと、重くなる。

 

 

「くそ……!! おれの刀が……」

「死ねや!」

 

 

重くなった異竜を、身体全体を使って振り回す。

 

異竜の能力は、斬りつけるたびの攻撃力と重量の、上昇。

 

ロロノアは折れた刀を捨て、残る1本で俺の剣を受け止めようとする。けれど、受け止めきれず残る刀も折るはめになった。

邪魔をする者が無くなった俺の剣は、止まるところを知らずそのままロロノアの身体を断裂した。

 

 

「ぐふっ……!!」

「まだだァ!!」

 

 

それだけでは収まらず、さらに異竜を横薙ぎにしてロロノアの身体を吹き飛ばした。

面白いようにその身体は宙を飛び、壁に激突した。

 

 

「く、そォ……」

 

 

頭を切ったようで、大量の血を流してる。先ほど俺が斬った腹からも流しており、さらに言えばさっきの戦いでも、凄い量の血を流していた。

 

それなのに、ロロノアは立ち上がる。

 

精神力とか、そういう問題じゃない。だからこそ、危険だ。ここで殺すべきである。

先手を取らせないように、重くなってきた異竜を引きずりながら走り出す。

 

 

「うらァ!!」

 

 

回転して上から叩きつける。頭に当たり、鈍い音を立てる。

死んだかと思ったが、身体を震わせながら立ち上がった。焦点の定まらない目で俺を見て、何かを呟いた。

 

 

「…お…えは、ふづ。う…で、はい…らえあ………」

「いい加減に死ね!!」

 

 

最期の止めだ!! という思いで、殴りつけるように異竜を振り回した。

その攻撃はまたも頭に当たり、プツンっ、と糸が切れたようにロロノアは倒れた。

 

 

「フィー……重い、重い」

 

 

俺は異竜を解除するのも忘れて、その場に落とし、へたり込んだ。

色々なことが次々に起こりすぎた。一旦整理する必要があるだろう。

 

俺は倒れこみ、深く寝た。

 

 

 

―――――――

 

 

 

俺が目を覚ますと、近くにいたロロノアがいなくなっていた。

誰が、運んだんだろう? そんなことを考えていると、人が走る音と、話し声が聞こえてきた。

 

 

「ナミさん、ホントにこっちに……?」

「うん、うん……。ごっぢにいだァ、ゾロのどなりにィ……」

 

 

ゾロ―――ロロノアのことだ。なら、あいつらは……ロロノアの知り合いか?

そらは、まずいな。

仮説から、あいつらはここにいた死体のロロノアを持ち出す。それを見た仲間は、当然怒りをあらわにするだろう。そして行き着いた結論が、復讐だ。

まずいまずい。

 

俺はその場から離れ、建物の陰に身を隠す。

 

 

「ハァハァ、あ?」

「あ、あれ? いなぐなっでる……」

 

 

走ってきたのは、金髪ぐるぐる眉毛に、オレンジ色の髪の毛の綺麗な女の子だ。

そのオレンジは涙を流している。声も涙声だ。

もう一人のグル眉は、怒り爆発吸っていたタバコを握り潰し、踏みつけ、地面に擦りつけていた。

 

 

「くそ……逃げやがったな」

「ごめん。ごめんね……(わだじ)がおぞがっだばっかりに……」

「ああ…。違うよナミさん。ナミさんのせいじゃないって……」

 

 

オレンジはそれからずっと、謝り続けていた。

俺は気分が悪くなり、その場から離れた。

 

 

 

当てもなく、歩き続けると、怪しい集団とバッタリ会った。

その集団の先頭にいるのは、メガネを掛け、一本の刀を腰に下げている女性。

その後ろには、同じ服を着た男ども。そいつらは皆、背中にカモメのマークを背負っている。

 

 

そう、何を隠そう目の前の集団は、海軍だった。

 

 

 

―――――――

 

 

 

「ぐそぉ! ぐそぉぉ!! おでが、おでが弱いから……」

「やめろよ、ルフィ。そんなことしたって、ゾロは……」

「……そんなぁ、Mr.ブシドーが……」

 

 

宮殿の前で、"麦わらのルフィ"、ビビ、ウソップ、チョッパーは、涙を流していた。理由は、船員の死。

"海賊狩りのゾロ"が死んだことだ。

 

 

「あ、サンジ! ナミ! ど、どうだった?」

 

 

チョッパーが、塵旋風の向こうにサンジとナミを見つけ、声をかける。

 

 

「悪ィ、みんな。もう、いなかった……」

「ごべん、ごべんね……」

 

 

ナミが謝ることによって、場の空気はより一層重くなった。

 

 

そんな時、みんなを励ます声が上がった。

 

 

「皆さん、顔を上げましょうよ」

 

 

声の主は、ツチカタ・ナオヤ。"土狼(どろう)"と呼ばれる、"麦わらの一味"の1人だ。

茶髪の髪を眉毛らへんで整えて、柔らかい雰囲気を与える顔のつくり。

その顔をゆるくして、みんなを見つめる。

 

 

「悲しんでいては、ゾロさんもうかばれません。その怒りを、クロコダイルたちにぶつけてやりましょうよ」

「う、うう……でぼぉ」

「でもじゃありません。ビビさん、ゾロさんはなんて言ってました?」

「……っ!! 『何が何でも生き延びろ…………!!!! この先ここにいるおれ達の中の……誰が…!! どうなってもだ……!!!』って」

「そうです。それが、ゾロさんの意思です。ビビさんを生かし、この争いを止める。そのためにはクロコダイルを倒さなければなりません。ルフィさん、悲しんでる暇などないのです」

 

 

ルフィは眼を擦り、顔を上げる。

 

 

「ああ、そうだよな。ナオヤ、ありがとう」

「いえ。それが、副船長の仕事ですから」

 

 

ルフィは強い意志をその目に宿し、上を見上げる。宮殿の上には、クロコダイルがいた。

 

 

「みんな! 終わりにするぞ、全部。もう誰も失わないために」

「ルフィさん、僕も行きます。皆さんは砲撃を止めて下さい」

 

 

ルフィが腕を伸ばし、ナオヤがルフィの身体にしがみつく。そのままゴムの力で飛んだ。

 

 

「ルフィ……!」

「「「勝て!!」」」

 

 

サンジが声をかけ、みんなで激励する。

ルフィは仲間の声を背中に受け、より強く拳を握る。

 

 

「クロコダイルゥゥウウ!!」

 

 

背中のタルの水をかけた拳を、クロコダイルの鼻にぶつけた。水によって、砂になり切れなかったクロコダイルは吹き飛ぶ。

ルフィは殴り飛ばしたクロコダイルを着地とともに両手でつかむ。

 

 

「ゴムゴムのォ……」

「クッ…小僧……!!」

 

 

腕はそのまま、身体を回転し、一気にクロコダイルの鼻を両足で蹴りぬく。

 

 

「"丸鋸(まるのこ)"!!」

 

 

クロコダイルは倒れたまま、しばらく動かなかった。

ナオヤはルフィの後方に着地。

 

 

「立て」

 

 

ルフィは、動かないクロコダイルに声をかける。

 

 

「何でもいい。いいから立て。次こそお前をブッ飛ばす。ケンカの続きだ……!!」

「お前ェがおれに勝つだと……? ハッハッハ…!」

 

 

クロコダイルは笑いながら立ち上がる。その際、鼻から大量の血を垂れ流す。

 

 

「どうやって知ったか分からねェが、さっきも水を使って、殺されかけたばかりじゃねェか!! 埋め尽くせねェ格の差が、おれとお前にはあるんだよ。それが、"七武界"のレベルだ」

「……失礼。話の途中で申し訳ありません」

「ああ? 誰だお前ェは……」

「ツチカタ・ナオヤと申します。以後お見知りおきを」

 

 

ナオヤは腰を折り、礼をする。そして、クロコダイルを指さし言う。

 

 

「なお、あなたは既に拘束済みです」

 

 

血によって土となった砂を扱い、クロコダイルの身体を縛る。

 

 

「あっ……!!?」

「ゴムゴムのォ……」

 

 

ルフィはそれを見て、すぐ、駆け出し両手を後ろに伸ばす。

 

 

「"バズーカ"ァァ!!!」

 

 

伸ばした腕を引き戻し、その勢いを利用して突き出す。

拘束に使った土をも破壊し、クロコダイルは砂の上を転がりまわる。

 

 

「ぐふぅっ……」

 

 

クロコダイルは、回転を活用し体勢を整える。

そして、ナオヤを見て一言。

 

 

「……お前ェ、"土狼"か」

「おやおや、"七武界"様に知られているとは……恐悦至極でございます」

 

 

ナオヤはまた、腰を折り礼をする。その行為がクロコダイルをイラつかせた。

 

 

「……ウザってェな!」

 

 

そして腕を砂にして、振る。

 

 

「"砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)"」

 

 

クロコダイルが振った事によって生じた剣が、砂の大地を断裂しながら進む。

 

 

「あれかっ!!?」

 

 

ルフィは驚き、慌てて回避行動に出る。身体を半身に手を上にあげ、紙一重のところで避ける。

 

 

「危ねェっ!!」

 

 

その時、ナオヤがルフィに声をかける。

 

 

「ルフィさん、ふざけないで確実に仕留めて下さい」

「……わかってるよ」

 

 

ルフィは走り出し、両手を後ろに伸ばした。

クロコダイルはそれを見て、みじゅからルフィに近づき、右手を差し出す。

 

 

「おれの"掌"はあらゆる水分を吸収できる……!!」

「しまっ……」

 

 

ルフィは身体を倒し、クロコダイルの顎を蹴り上げる。

 

 

「ぐほっ……!?」

「ゴムゴムのォ……」

 

 

クロコダイルの動きが鈍ったところで、ルフィは回転を始める。

 

 

「"大鎌(おおがま)"!!」

 

 

長く伸びた腕が、クロコダイルの首に直撃する。クロコダイルの脳みそが揺れ、その場に倒れる。

そこの逃さず、背中のタルを投げつける。

 

 

「おれの狙いは……最初からこれだ!!」

「――そりゃ、当然の狙いだろう。"砂嵐(サーブルス)"」

 

 

掌から作り出した砂嵐で、ルフィの投げたタルを吹き飛ばす。さらに、それを追いかけて破壊した。

 

 

「"砂漠の金剛宝刀(デザート・ラ・スパーダ)"」

 

 

腕を4つの砂の刃に変えて、斬りつける。タルは崩壊し中の水が辺りに撒き散らされた。

それを見て、クロコダイルは高らかに笑う。

 

 

「ククク……クッハッハハハハハハハハハハ……これでどうだ! "麦わらのルフィ"!! お前は水を失った。これでも、おれに勝てるとほざけるのかっ!?」

「クロコダイルめ……」

「見入ってる場合じゃないでしょ? Mr.コブラ」

「ぐあっ!!!」

 

 

宮殿の壁に、杭で打ち付けられていたビビの父親――コブラ国王が、そばにいるニコ・ロビンに杭を抜かれる。

突然の激痛に、そのまま膝をつくコブラ。

 

 

「さァ、あなたは私を案内しなさい。"歴史の本文(ポーネグリフ)"の記される場所へ!!」

「ハァ…ハァ…あんなものを見て……一体どうしようと言うのだ……!!!」

 

 

傷つき疲弊したコブラに対し、非情にもさらに危害を加えるロビン。コブラの背中に腕を生やし、コブラの右腕を背中に持ってくる。そのまま関節を決める。

 

 

「ぐむ!!!」

「くだらない質問をしないで……あなたはただ、案内をすればいい」

 

 

ロビンは関節を決めたまま、コブラを歩かせどこかへ消えた。

クロコダイルは地面に降りて、地面に右手をつける。

 

 

「いいか麦わら……。地表にある全ての岩石は……崩壊するものだ」

 

 

そのとこ場を鍵に、草が枯れ、建物が砂に変わり始めた。

だがその時、乱入者が登場する。

 

 

「クロコダイルっ!!」

 

 

その人物は、"反乱軍リーダー"レイン。レインはこの状況を把握しようと、眼を巡らす。

 

 

「クハハハハ。お前ェは"反乱軍"の統率者レインじゃねェか」

「国王はどこだ!!」

「一足先に、おれの部下が連れて行ったぜ」

「……くそ、遅かったか」

 

 

レインは、肩を落としどうしようかと考えていると……ある人物を見つける。それは、ツチカタ・ナオヤ。

そして、ツチカタ・ナオヤもまたレインを凝視する。お互いがお互いを知らない。その事実を確認しているのだ。

 

 

「ルフィさん。あなたはクロコダイルをお願いします」

「ん? いいけど、ナオヤは?」

「僕はあいつと少し……」

「わかった。任せろ……!!」

 

 

クロコダイルは少し疑問に感じる。この状況、普通ならレインは勘づき、質問を投げかけてくるはず。だが、レインはそれをしない。

 

 

「おい、レイン。お前はどこまで知っている……?」

「………さァな。お前が裏で色々してたぐらいだよ」

「クハハハハハハハハ……。そうかそうか、なかなかやるじゃねェか。危険だな、危険すぎる」

 

 

クロコダイルはレインのその危険性に、脅威を感じ始末することを決める。地面から右手を離し、砂を刃を作る。

ナオヤがそれを見て、ルフィに促す。

 

 

「ルフィさん!!」

「わ、わかってるよ。ゴムゴムの"(ピストル)"」

 

 

ルフィがクロコダイルの邪魔をして、そのスキにナオヤがレインの前に出る。

 

 

「ワニィ!! お前の相手はおれだろォ!!」

「"麦わら"ァ……」

 

 

ナオヤは右腕を土に変え、さらにそれを剣の形に固める。

 

 

「お初にお目にかかります。僕の名前はツチカタ・ナオヤ。以後お見知りおきを」

「……へェ、俺は"反乱軍リーダー"レインだ」

「……………………」

「……………………」

 

 

2人は互いを見合って、動かない。

 

 

「僕の知っている限りでは、"反乱軍"のリーダーはコーザさんだったはずでは?」

「俺の知ってる限りでは、"麦わらの一味"にはお前ェみてェな、胡散くせェふわ男はいなかったはずだが?」

「……………………」

「……………………」

 

 

またも2人は黙る。互いが互いを睨んでいる。

 

 

「あなたは、"転生者"ですね?」

「お前ェ、"転生者"だな?」

「……………………」

「……………………」

 

 

相手の出方を待つ2人。先ほどから微動だにしない2人。

 

 

「やはりそうですか……」

「やっぱな……」

 

 

先に結論を求めたのはレインだった。

 

 

「で? どうする? 協力してヤマダ・リクトなる者を探し殺す旅に行くか? それとも……」

「いえ。僕はこれといって神様に叶えて貰う願いはありません」

 

 

レインの言葉を遮り、否定を示すナオヤ。

 

 

「んじゃ、どうするよ。というか、何の用?」

「僕は現状にとても満足しています。なので、"転生者"というイレギュラーな存在は、はっきり言って邪魔なんです」

「おいおい。お前、まさかだけどよ……」

 

 

嫌な予感が頭をよぎるレイン。額から一筋の汗が流れ落ちる。

 

 

「なので、ここで死んでください」

 

 

物騒なセリフを笑顔で言い切ったナオヤ。レインは生存本能をフルに使い、リクトとの戦いで残った左腕"悪魔の左腕(ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ)"を発動させる。

だが遅かった。

ナオヤは左腕を土に変え、レインの身体を拘束。

 

 

「あ、ああ……ああ! やめっ……やめてくれ。やめろよ、やめろ! 殺さないで!! ころっ……」

「うるさいな」

 

 

先ほど作った土の剣で、レインの首を斬りおとした。首は鈍い音を立てて地面に落ちる。

ナオヤの両腕と胸、首、頬にはレインの返り血がかかっている。辺りは重い血の香り。そんな環境でもふんわりとした笑みを浮かべ呟いた。

 

 

「あと10人か……」

 

 

 

―――――――

 

 

 

「おれはお前と違って忙しいんだ。遊んでる時間はない」

「だから何だ!」

「だから、すぐに終わらせる。"浸食輪廻(グラウンド・デス)"」

 

 

クロコダイルは地面に右手をつき、その手に触れるもの全てを砂に還す。

宮殿の庭も石造も何もかも。

ルフィは、さらに高いところに掴まり逃げた。下を見ると、全て砂になっておりクロコダイルはいなかった。つまり、油断していた。

 

 

「余計な体力を使わせやがって……」

 

 

クロコダイルは砂になりルフィの前まで飛んでくる。人の形に戻るとルフィの首を右手でつかむ。

そして、ルフィの水分を奪っていく。ルフィの身体は見る見るうちシワシワになっていった。

 

 

「…………クロ………コ……」

「また、お前の負けだったな。麦わらのルフィ……」

 

 

 

―――――――




批評受け付けております。よろしくお願いします。
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