夜があけ
「……ふぁ〜。」
「パパ。」
「おはようハナ。」
よっとといい俺はハナを持ち上げる
「……昨日はすいません。えっと。挨拶まだでしたよね。初めましてハジメのダチの渋谷健太です。こっちはハナ。」
「えっと私はシアです。こっちはユエさんです。」
「ん。」
と挨拶をする。
「んでハジメお前ってもしかしてウィルって人の捜索依頼でてるか?」
「あぁ。ってもしかしてお前が協力者なのか?」
「一応な。一応ハナ曰くウィルって奴は生きてはいるらしい。昨日の夜中に命の精霊にライフセンサーを使ったら生命反応には昨日引っかかっていたから多分生きているぽい。」
「何?」
驚いたようにしている
「生憎場所が分からないから気配感知使える奴いないか?俺たち全員使えないから。」
「一応俺が使えるが。お前も行くのか?」
「元々あそこの山は俺の庭みたいなところだからな。土地勘あるやつ一人でも連れて行った方がいいだろ?」
「俺たちは移動手段あるけど。」
「俺は魔法で空を飛べるし転移もできるから関係ないけど?」
「……どうやって?」
するとユエって娘は気になるらしい
まぁ実際みせればいいか
俺は精霊魔法を浮遊を使うと軽く浮き始める
「これで風魔法で気流を調節すればいいだけ。」
「……こんな魔法みたことない。」
ユエは驚いたように俺をみる
「なるほど、それが精霊魔法か。」
ハジメは理解したらしい。
「そういうこと。精霊魔法は周りの空気に含んでいる魔力を使うから消費魔力もないし空間魔法で風圧などは全部カットできるからな。」
「……ちょっと待った。お前消費魔力がいらないって言ったよな。」
「あぁ。精霊って自分は魔力はないからな。周辺の魔力を使わないと魔法を使えないんだよ。上位精霊になると通常の魔法を空気中の普通の魔力を使って使うことはできるけど。」
「……おま、それチートじゃねーか。」
「ついでに俺も使えるからな。魔力を考えずに魔法を使えるし。最悪精霊に空気中の魔力貰えばいいから。」
実質無限に魔法が使えるっていい。
「……それじゃあ何でハナちゃんは空間魔法を使えるんですか?確か中位精霊ですよね?」
するとシアさんがそういう。
「こいつは魔力が生まれた時からあるらしいんだよ。」
「……固有技能か。」
「あぁ。それもかなり膨大な数の魔力をもっているからな。」
「……」
するとシアさんが何か驚いたように見ている
「…それだけじゃない。魔力の使い方も量も私よりも上。」
「何?」
「そりゃ、精霊族は魔法が特化しているからな。俺は人間よりも精霊に教わった時間の方が長いし自然とそっち側の技術が身につく。それに俺も一応勇者軍団のチートと精霊族の秘密のトレーニング受けてきたんだぞ。魔力特化だけどハジメたち全員の魔力を持ってしても量が足りないさ。」
「つまりパパが一番魔法をうまく操れるんだ!」
えっへんと胸を張るハナ。するとシアさんがかわいいって呟く
「……言い方悪いけど適正も技術も持っているからな。それに風魔法俺一番適性ないし。攻撃には使えないから。」
「はぁ。悪い。お前のこと見下していたけど。最悪俺たちよりも強いかもな。」
「敵対してないから別にいいだろ。教会側につくんだったら別だけど。」
「それはないから安心しろ。」
「ならさっさと出ようぜ。俺は別の依頼もあるし。」
と俺たちはそういうと北門へ向かう
幾つかの建物から人が活動し始める音が響く中、表通りを北に進み、やがて北門が見えてきた。と、俺たちはその北門の傍に複数の人の気配を感じ目を細める。特に動くわけでもなくたむろしているようだ。
朝靄をかきわけ見えたその姿は……先生と生徒六人の姿だった。
「……何となく想像つくけど一応聞こう……何してんの?」
ハジメ達が半眼になって愛子先生に視線を向ける。一瞬、気圧されたようにビクッとする愛子先生だったが、毅然とした態度を取るとハジメと正面から向き合った。ばらけて駄弁っていた生徒達、園部優花、菅原妙子、宮崎奈々、玉井淳史、相川昇、仁村明人も愛子先生の傍に寄ってくる。
「私達も行きます。行方不明者の捜索ですよね? 人数は多いほうがいいです」
「却下だ。行きたきゃ勝手に行けばいい。が、一緒は断る」
「な、なぜですか?」
「単純に足の速さが違う。先生達に合わせてチンタラ進んでなんていられないんだ」
「……それなら渋谷は何で。」
「俺は空飛べるし、遅れても転移すればいいだけだしな。」
「……それ人間やめてない?」
「……まぁ、自覚はある。」
園部の言葉に俺は軽くため息を吐く
実際ハナとの契約のデメリットに人間をやめる項目が何個かあるしな。
「……パパ。」
「ん?」
「元気だして。」
「……」
俺はキョトンとしてしまう。意味を理解し苦笑してしまう
なるほど、見抜かれているってわけか
「大丈夫。パパは元気だから。」
「本当?」
「本当、本当。」
俺はハナを抱っこする。わっといいながらも嬉しそうに笑うハナ。
……やっぱりかわいいなこいつ
「すっかり親バカだな。」
「うっさい。お前も親バカになるタイプだろうが。」
「でも本当にかわいいですよね。」
「……うん。」
すると和やかな空気になる
「というより移動手段ってそういや何なんだ?」
「ん?これだよ。」
すると何もない空間から大型のバイクが出現する
「……へぇ、宝物庫か。……燃料は魔力ってところか?」
「あぁ。理解したか? お前等の事は昨日も言ったが心底どうでもいい。だから、八つ当たりをする理由もない。そのままの意味で、移動速度が違うと言っているんだ」
おざなりに返事をして出発しようとするハジメに、それでもなお愛子先生が食い下がる。
すると何か話しているとすると何か諦めたようにして
「わかったよ。同行を許そう。といっても話せることなんて殆どないけどな……」
「構いません。ちゃんと南雲君の口から聞いておきたいだけですから」
「はぁ、全く、先生はブレないな。何処でも何があっても先生か」
「当然です!」
ハジメが折れたことに喜色を浮かべ、むんっ! と胸を張る愛子先生。どうやら交渉が上手くいったっていうよりも諦めない先生にハジメが折れたのだろう
「……ハジメ、連れて行くの?」
「ああ、この人は、どこまでも〝教師〟なんでな。生徒の事に関しては妥協しねぇだろ。放置しておく方が、後で絶対面倒になる。」
「ほぇ~、生徒さん想いのいい先生なのですねぇ~」
「ってよりもハジメのことを心配しているんだろ?日本に帰れた後のことを考えて。」
「……どういうことだ?」
「さぁ。そこはお前が気付くことだと思うぞ。俺だって愛子先生に救われた身だ。あの先生は少し夢見がちだけどそれでも先生なんだよ。」
俺は少し苦笑してしまう。だから尊敬も、敬意も払っているし。俺が困ったら誰よりも相談を求めようとするのが愛子先生だろう。
「でも、このバイクじゃ乗れても三人でしょ? どうするの?」
園部がもっともな事実を指摘する。
「俺が飛んで行ってもいいけど。」
「あっ。渋谷くんも話したいことがあるので。」
「……パパ。私もあれに乗りたい!!」
「……ハジメ。」
仕方なく、ハジメは魔力駆動二輪を〝宝物庫〟にしまうと、代わりに魔力駆動四輪を取り出した。
こいつアーティファクト何個も作っているのかよ
俺はため息を吐くとハジメの方を苦笑するのであった