綺麗なクロコダイル目指したらロビンとビビに好かれました   作:花蕾

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2ヶ月間おまたせして申し訳ありません。ずっと剣盾してました。完璧に私が悪いです

では、どうぞ


3話 麦わらの男

【ナノハナ】

 

汗をダラダラながしながら、バギーはツルハシ片手に工事をしていた。現場監督のおっちゃんにはよく頑張ってるな、と気に入られるまでで頑張っていた。

 

「ふー、今日も元気に工事を…ってなるかぁ!!オイィィ!」

 

1週間ぐらい工事してようやく自分の思い描いていた職場ではないことに気づいたようだ。遅すぎる。

 

「こんな感じだとは思わなかったぞ!オイ!」

 

「じゃあ、これ行くか?一応、オフィサーエージェント用だが」

 

クロコダイルがバギーに手渡したのは一つの依頼書。特に危険度が高く、生存率は限りなく低い。まあ、オフィサーエージェントの生還率は100%なのだが。あれはクロコダイルに地獄のような特訓を受けてきたやつらなので勝手が違う。

 

「あ、遠慮しときます…」

 

調子の良かったバギーすら引くレベルの依頼書。この会社、本当にホワイトなんだろうか。

 

「って、なんでここに!?」

 

ようやくクロコダイルがいることが正しく認識できたようだ。バギーは舌が伸びるほど驚いている。

 

「ただの出迎えだ。それに客も来てるようだしな」

 

「出迎え?客ゥ?」

 

バギーの頭の上にハテナマークが飛んでいると海のほうから大きな声が聞こえてくる。

 

「帰ってきたのねい!!」

 

「へぇ〜ここがボンちゃんの言ってたアラバスタかぁ〜」

 

バギーにとって聞き覚えがある声。片方のオカマの声は知らないが、もう片方は覚えてる。

 

「む、麦わら〜!?」

 

「あ、バギー…なんだ、バギーか…」

 

「フザケンなよー!!このスットンキョー!!」

 

「あら?麦ちゃんのお友達?」

 

「おい、麦わら!!なんだ、この珍獣!?」

 

「なんですって!?あーたのその鼻も珍獣みたいじゃない!」

 

「なんだ、やるか!このオカマ野郎!」

 

「テメェら、工事中のここ、荒らす気か…?」

 

「いえ、そんなつもりは滅相もありません!!」

 

「なら、いいんだが」

 

クロコダイルの地を這うような声に、バギーは敬礼と共に答える。

 

「で、Mr.2、お前、任務のほうは?」

 

「勿論、達成したわね!」

 

「そいつは重畳。しかし、すまんな。一回の航海で任務を5個もさせて…」

 

「別に構わないわね。あちしの任務報告は後で書面で渡すから」

 

「いや、そういうのは、ミス・オールサンデーの仕事だから…」

 

「おい」

 

それでいいのか、社長。ちなみに、クロコダイルが把握している仕事はそこまでない。基本、ロビンが切り盛りしている。個人経営のカジノもロビンが仕切ってる。半分、ロビンのヒモなんじゃないか、この七武海。

 

「しかし、ここまで出迎えなんて意外ね。てっきり本社のほうにいるとばかり…」

 

「…本社のほうはなぜか、ミス・オールサンデーがMr.3をしばいてるから…巻き込まれないように逃げてきた」

 

クロコダイルとMr.2の間に何となく悪い空気が流れる。

それを打ち破ったのは、

 

「なーなー、お前、ボンちゃんの友達か?」

 

麦わらだった。流石、原作主人公。

 

「馬鹿!ルフィ!あんた、あの七武海のクロコダイルを知らないの!?」

 

「七武海?なんだそれ、食えんのか、ナミ?」

 

「食えるわけないでしょ!!!いい、ルフィ。七武海っていうのはね、海軍が特別に略奪を許した七人の海賊のことを言うの」

 

「海軍が海賊を許すって、おかしな話だな」

 

「それだけ実力があるってことよ。ルフィ、絶対喧嘩売っちゃダメよ」

 

「わかった」

 

コクンと頷き、ルフィは

 

「よし、クロコダイル、でいいんだっけ?」

 

「ん?ああ」

 

「飯屋ってどこにあんだ?」

 

何をしでかすのか、とハラハラしていたナミ達がズコーと一斉に転ぶ。

 

「腹減ってんのか?」

 

「おう」

 

「…まあ、いいだろう。うちの社員も世話になったみたいだしな。俺の奢りで食わせてやる」

 

「え、いいの!?」

 

目を$マークに変えるナミ。

 

「構わん。それに見知った顔もあるようだしな」

 

「じゃ、あちしは行くわねーん」

 

「ボンちゃん、行っちゃうのか?」

 

「あちしにも用があるからね。また、逢おうぜ、我が心友」

 

「おう、またなー!!」

 

Mr.2ボンクレーは、奇妙な歌を歌いながら船員を引き連れアルバーナに向かった。

 

(いつ、聞いても慣れんな、これ)

 

クロコダイルの感想は尤もである。

 

◇◇◇

 

【緑の町 エルマル】

 

ナノハナから一番近くの町。船に乗って河を渡る必要があるが、そこまで時間はかからない。

 

「すごい。話には聞いてたけど、砂漠の近くにこんな緑溢れる町があるなんて」

 

ナミがそう言うのも無理がない。陸地のほとんどが砂漠であるアラバスタでここまで自然に囲まれているのは、エルマルぐらいである。観光地としても人気で、世界中から旅行者がやってきたりする。

 

「飯屋!飯屋!」

 

クロコダイルが案内したのは、エルマルで一番人気の食事処。高級なところではないものの、手頃な値段で美味しいものが食べられることから人気を博している。

 

「ほぉ〜すげぇ!いただきます!」

 

流れるように料理が出てき、水のようにルフィの腹に入っていく。

 

「ルフィ食べられるだけ食べなさい!!」

 

口からスパゲッティを垂らしながら右手には骨付き肉、左手には貝料理を持ったルフィは、それに応と頷く。

 

「どこにその量が消えてんだか…そして、久しぶりだな、ロロノアにくいな」

 

「え、何、ゾロ、くいな、お前ら、七武海と知り合いだったのか?」

 

「知り合いというか何というか、金欠の時にちょっと雇ってもらって…」

 

昔、クロコダイルはちょっとした気分でゾロをバロック・ワークスに誘った。自分だったら斬られても大丈夫だろうという判断で行ったら、ゾロだけじゃなく、くいなまで居たのだ。なんで生きてんの?と混乱したものの、まあそういうこともあるよね、と無理やり自身を納得させた。

 

「賞金稼ぎのお前らが海賊になるなんて面白いことになってんじゃねぇか」

 

「まあな」

 

「私はゾロについてっただけなんだけどね〜」

 

クロコダイルはワインを口に含み、

 

「ああ、そうだ。鷹の目から聞いたぞ。お前、あいつと戦ったんだって?」

 

「…ああ」

 

「面白いやつにあった、って言ってたぞ。良かったじゃねぇか、あいつに気に入られるなんて早々ねぇぞ」

 

「ウルセェ。俺はあいつを超えるんだ。それに俺も聞いたぞ。あんたが昔、刀使ってたって」

 

「昔の話だ。てか、なんで鷹の目の野郎は俺の情報を話してやがる!?」

 

「…さあ?」

 

ゾロもくいなも他の麦わらの一味も首を傾げるだけ。どうせ、あの鷹の目のことだ、なんとなく言ったのだろう。今度、殴ると密かにクロコダイルは誓った。

 

「ああ、そうだ。お前、俺の仲間にならねぇか?」

 

突如のルフィの勧誘発言に、一味は口の中身を吹き出してしまう。

 

「ルフィ、あなた何言ってるの!?」

 

「そうだぞ、ルフィ。相手はあの七武海だぞ!!」

 

「…フフフフフ」

 

ナミはあー怒っちゃった、と絶望的な目をするが、クロコダイルは怒ってなどいない。

 

「アーハッハッハッ!!お前、面白いこと言うもんだな!そんなこと言ったのは、今まででロジャーと白ひげのジジイくらいだぞ!!」

 

「おう、で、どうなんだ?」

 

「却下だ。お前さんの船には乗らねぇよ。俺は俺の道をいく」

 

「そっか、残念だ」

 

「ま、誘ってくれたことは嬉しく感じるぜ」

 

ナミとウソップ、チョッパーはほっとする。

 

「ルフィ、あんた、危ないことはやめなさいと言ったでしょ!」

 

「寿命が10年は縮んだぞ…」

 

「ハッハッハッハッ、すまねぇ」

 

一通り話が終わると、そこからはどんちゃん騒ぎだった。

 

海賊の大好きなものといえば、財宝と宴。小さい子供でも知っている常識である。

 

「ルフィ、それ、俺の肉!」

「知らねーよーだ」

「こいつ、一口で食いやがった」

「酒の追加頼む」

「あ、これのレシピ教えてくれないか…え、店の極秘?じゃあ、これは?OK。よし」

「ここに唐辛子をかけて、と」

「辛ーー!!!」

 

2時間ぐらい経ったころだろうか、店の中はごっちゃごっちゃになり、食材が尽き、腹を風船のように膨らませ寝転がるルフィやウソップ。

クロコダイルも酒を楽しく飲んでいたが、その時、くいなが指をチョンチョンと後ろの方に向ける。

 

「ん?どうかしたか?」

 

「クロコダイルさん、後ろ、う し ろ」

 

「あ?何を言って、や、が、る…」

 

振り向けば

 

「あら、楽しそうに飲んでるわね、私に仕事を押し付けて」

 

怒ってるロビンがいた。

 

「なんで、居る?」

 

「誰かさんの帰りが遅いから迎えに来たのよ。じゃあ、この人もらっていくわね。あ、料金はこれで。お釣りは彼らに渡していいわ」

 

「か、かしこまりました!」

 

ロビンは店主に札束を渡し、クロコダイルを引っ張っていく。

ぽかーんとした顔で見送る麦わらの一味。

 

「七武海…」

「相手に…」

 

「すげー」

 

この後、麦わらの一味は物資を購入し旅立っていった。

 

◇◇◇

 

「で、なんであの一味と食事してたのかしら?」

 

「うちの元社員がいたからというのもあるが、あの“赤髪”が、あの帽子を託した男と話しておきたかったんだよ」

 

「そう。それでどうだったのかしら?」

 

「ハハハハ、あの海賊王ロジャーに相当似てたよ、あいつは。俺がもう少し若けりゃあいつの船に乗ってたな、こりゃ」

 

「そんなに…!?」

 

ロビンがクロコダイルの発言に言葉を失う。

 

「ハハハ、楽しくなってきやがった!」

 

「それは良いことね。でも、それはそうと、仕事はやってもらうから」

 

「はい」

 

ちなみに、ルフィたちと食事した理由を大層に言ってるが、ただ気に入られといておこう、という下心だけである。

 

◇◇◇

 

「ああ、そうそう、明日暇かしら?」

 

「あん?まあ、暇だな。特に予定もないし」

 

「デートに行きましょう」

 

「え?」

 

「いいでしょう?」

 

「まあ、構わないけど」

 

「決定ね」

 

その日中、ロビンの顔はゆっるゆっるであったそうだ。




次回予告

「楽しいわね」

ロビンとのデート。しかし、それは穏便に行かないようで…

第四話 デート

お楽しみに

お気に入り人数2500人突破、ありがとうございます。まさか、1600人も増えるなんて思いもよらなかったです

クロコダイルの左手の義手、どうするか?

  • 原作通り、フック
  • ハガレンみたいな感じにする
  • ロケットパンチだろjk
  • ビーム砲つけよう

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