綺麗なクロコダイル目指したらロビンとビビに好かれました 作:花蕾
「やれぇ!リトルオーズJr.!!」
巨人族の数倍はある
多くの海兵がオーズとどう戦えばいいか、わからなかった。巨人族の海兵ですら見上げるという大きさは無慈悲な暴力として湾内の海兵に襲いかかる。
「“
オーズの進軍に待ったをかけたのはニキュニキュの実の能力者である“暴君”くま。彼の両手の肉球から繰り出される衝撃波、否、衝撃砲は周りを巻き込みつつもオーズに大ダメージを与えた。
「せめて…七武海一人でも…!」
この傷で自身がエースの処刑台に行くことは不可能に近しい。そう考えたオーズは少しでも後続の白ひげたちの負担を減らすため、ドフラミンゴがいる湾岸めがけて巨腕を振り落とす。
しかし、その決死の攻撃も
「フッフッフッ!」
届かない。悪魔のような薄気味悪い笑い声をあげながら宙に浮くドフラミンゴは地面に降りたつのと同時にオーズの右足を切断する。
オーズは痛みに声にならない悲鳴を上げる。
「広場に踏み込んだぞ!」
「あど、もうすごし…!!」
オーズは足を引きずりながらもエースの処刑台へと進んでいく。
腕を伸ばし処刑台との距離がおよそ数十メートルとなったところだった。
「ドフラミンゴの野郎!コイツの死体は俺が貰うってのに!!」
モリアのカゲカゲの能力として、死体に生者の影をいれることで兵士として活用することができる。そういう意味で、オーズの死体とはモリアにとってとてつもなく魅力的なものであった。
「“
コウモリ状の影が劔のように連なりオーズの胸を貫く。その一撃が致命傷となりオーズは崩れ落ちる。
「オーズを踏み越えて進めぇ!!」
「ウォオオオオオオ!!!!」
死を嘆いている暇はない。
倒れた仲間の頑張りを無駄にするな、と鼓舞する白ひげ。オーズによって切り開かれた道と白ひげの鼓舞、そして仲間の仇を討つために、白ひげ海賊団はさらに勢いづく。
先程まで、拮抗していた戦線は完全に白ひげ海賊団側に傾いた。
「おい、何か降ってくるぞ!!」
「なんだあれ!?軍艦!?」
空から落ちてきた軍艦。そこは目を瞑ろう。だが、それにしても乗っているメンツがおかしかった。
「助けに来たぞー!!」
“麦わら”のルフィ
王下七武海が一角、“海侠”のジンベエ
ロジャーや白ひげと覇を競った空の海賊、“金獅子”のシキ
インペルダウンから消えた囚人、“奇跡の人”イワンコフ
それ以外にも、過去に名を馳せた多くの海賊たちにオカマ達。
「ガープ!また、貴様の「家族」だぞ!!」
「ルフィ〜!」
「ジンベエ!革命軍のイワンコフ!そして、“金獅子”のシキまでだって!?」
「後ろにいるのも過去に悪名を連ねたインペルダウンの脱獄囚たちだ!!」
現れた面子に戦場は騒然とする。
「ジハハハハ、数十年ぶりか、白ひげ」
「とっくにくたばっちまったと思ってたぜ、金獅子」
白ひげ海賊団とて新しい敵を増やしたくない。大将たちはもちろん、諸事情で大将になっていない中将数名に七武海と厄介な敵は多い。そこに、シキが第三勢力となると白ひげ海賊団は窮地に立たされてしまう。
「安心しろ、テメェに手を出す気はさらさらねぇよ。幸いにもこの戦争は中継されている。…本当の海賊の恐ろしさというのを世界中に教えてやる」
「…ならいい」
白ひげにとってある程度予想していた回答だ。しかし、金獅子のことをあまり知らない新入りたちにはこう明言化することが大事なのである。
脱獄囚たちの中心的な人物となっているのは、当然、シキである。彼は一人の男を呼ぶ。
「中継用のデンデンムシを奪ってこい」
海軍が中継を切る可能性がある。中継を切られてしまえば、どんな結末であれ海賊の真の恐ろしさを世間に知らしめることはできない。ならば、一つくらい確保しておいたほうがいい。
命令された男は嫌そうな顔をしつつも、メガネを手のひらで持ち上げ位置を整え了承した。
「旧世代も新世代もお揃いで面倒くせぇ」
「あん、戻ってきてたのか、ワニ野郎。てっきり、氷の上でおねんねしてると思ったぜ」
「ブチのめすぞ、クソ鳥」
「おお、怖い怖い」
「しかし、随分と遠くなった」
クロコダイルは初撃を白ひげに放った後、何度か攻撃を仕掛けていた。しかし、その全てを白ひげ海賊団の隊長たちに止められていた。傘下の海賊たち相手なら突破は容易いが、隊長格となるとやはり別格である。
「“ブリリアント・パンク”!!」
クロコダイルを追ってきた三番隊隊長のジョズによるタックル。ダイヤモンドの硬さとその速度、そして、熟練された覇気による一撃はとてつもない破壊力を持つ。
「ちぃ、追ってきやがって。ダイヤモンド・ジョズ!」
未だ健在なクロコダイルの姿を視認し、再度攻撃の姿勢をとるジョズ。しかし、それは
「フッフッフッ!手を貸してやろうか?」
ドフラミンゴのイトイトの能力によって止められる。
「手を貸してやる?手を貸させてください、の間違いだろうが。四皇のおこぼれ啜ってる野郎風情が」
「それはおまえもだろう、ネフェルタリ家の犬」
「テメェと違って依存してねぇんでな。“
「血の気が多い野郎だ。“
ここにダイヤモンド・ジョズVSサー・クロコダイルVSドンキホーテ・ドフラミンゴという奇妙な三つ巴の戦いが始まった。
世界中から精鋭を集めたからといって、この戦場にいる海兵全てが六式や覇気を会得してるわけではない。むしろ、そのような海兵のほうが数が多い。そして、海軍は白ひげ海賊団を包囲するように展開している。つまるところ、そのような海兵しかいない箇所が少なからずあるということだ。
例えば、中継用デンデンムシの周りだったり
突然、斬られ、倒れていく。また一人、また一人と血を流し地面に倒れていく。それもそのはず。その攻撃は六式の“剃”並の速度を誇る。
「どうなってやがる!」
フルボディは倒れていく仲間を見て、その不可視の脅威を振りほどくために怒鳴り声を上げる。一方、フルボディと背中合わせに周りを警戒しているジャンゴは唸り声を上げる。
「この光景、どこかで…?」
必至に記憶を探る。少なくとも海兵時代ではない。もっと前、一人旅時代よりも前。
「まさか!キャプテン・クロの“杓死”ッ!?」
答えにたどり着いたと同時にジャンゴは肩から胸にかけて切り裂かれ地面に崩れおちる。
そして、数分とかからず、その場を担当している海兵は地に伏せ、中継用デンデンムシが一体、海賊の手に渡ったのだった。
同じ頃、くまやモリアの妨害があったものの、イワンコフやジンベエの助けを受け着実に処刑台へとルフィは近づいている。錠の鍵はハンコックから受け取ったのであとはたどり着くのみである。
「悪いが赤髪…この力慎みはせんぞ…」
「“鷹の目”!!」
ルフィの前に立ち塞がるは最強の剣士であるミホーク。彼は旧知の仲である“赤髪”シャンクスに断りを入れつつも、ルフィを見極めるため、最上大業物12工であり愛刀である黒刀「夜」を構える。
「さて、運命よ…次世代の申し子の命、ここまでかあるいは…どう逃す…!」
ルフィはミホークのような難敵を相手にしている暇はないと判断し、ギアを上げ一気に距離をとり進もうとする、が
「射程範囲内だ」
戦場の間を縫うように放たれた斬撃はルフィを捉えた。ミホークはさらに追撃を重ねていく。ルフィはそれをギリギリで避けていく。
「“ゴムゴムのJETピス!!?」
ルフィは攻撃体制に入るものの直感したのは斬られた自身の腕。事実、このまま腕を伸ばしていたら切断されていた。
「ビスタ、援護しろよい!」
「了解した!」
マルコの指示でミホークを抑えに入ったのは隊長格の一人。
「5番隊隊長“花剣のビスタ”」
「お初にかかる“鷹の目のミホーク”。俺のことを知ってくれてるとは光栄だ」
「知らんほうがおかしかろう…」
こうなるとルフィへの攻撃を続けることは難しい。
ここで、ミホークはルフィの『本当の恐ろしさ』を見抜いた。
世界を揺るがす力か
否
それとも、どんなものでも魅了する神技か?
否である。
戦場にいるものを自身の味方につける力、それこそがルフィの力の本質である。
(まるで
ミホークはルフィにかの海賊王の面影を感じたのだった。
海軍からはクロコダイルとドフラミンゴはジョズを挟撃してるように見えるけど、本人たちは三つ巴になってるという不思議。
七武海側にいると頂上戦争は書きにくい…
次回予告
「やれ!パシフェスタ!」
くまと同じ姿をした兵器が白ひげたちに襲いかかる。そして、動き出す“英雄”…
第7話頂上戦争③
お楽しみに
クロコダイルの左手の義手、どうするか?
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原作通り、フック
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ハガレンみたいな感じにする
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ロケットパンチだろjk
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ビーム砲つけよう