綺麗なクロコダイル目指したらロビンとビビに好かれました   作:花蕾

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頂上戦争編はちょっとお休み


閑話:アラバスタ

【アルバーナ宮殿】

 

アラバスタ王国の首都、アルバーナにあるアルバーナ宮殿。その一室の窓辺から水色の髪の少女は外を眺めていた。

 

「クロコダイルさん、大丈夫かしら…」

 

彼女の名前はネフェルタリ・ビビ。アラバスタ王国の第一王女だ。

分かりきったことだが、彼女はクロコダイルに好意を抱いている。彼女自身はバレていないと思っているが、実父である国王のコブラや幼馴染であるコーザ、はたまた王宮の末端の兵士にすら気づかれているのが現状だ。

 

件のクロコダイルは海軍の招集で戦場に立っている。

無論、ビビがクロコダイルの強さを疑っているつもりはない。

それでも心配なのだ。

何しろ、相手はあの白ひげ海賊団。

その恐ろしさはビビの耳にも届いている。

 

「デートの約束したのになぁ」

 

クロコダイルが頂上戦争にいく数日前、ビビはなけなしの努力を振り絞ってデートを申し込んだのだ。それが了承された先にこの戦争だ。

デートを早くしたいという気持ちはある。しかし、それ以上に怪我なく無事に帰ってきてほしいという気持ちが強かった。

 

「だったら信じて待つしかないだろ」

 

「…コーザ」

 

ビビの部屋に訪れたのは幼馴染であるコーザだ。彼はユバでの功績が認められ、アラバスタ王国の環境大臣に任命されていた。

 

「覚えてるか。あの当時のこと」

 

「当時?」

 

「クロコダイルさんがアラバスタに来た時のことだよ」

 

「ああ、あのときね」

 

◇◇◇◇

 

6年前、アラバスタは大いに荒れていた。

港町や複数の都市を海賊たちが占領しており、本来アラバスタに流通するはずの物資を奪う、商人を殺すなどの行為が横行していた。

もちろん、王宮は早急に軍隊を派遣した。しかしながら、結果は残念なものになった。

占領していた海賊の頭たちは、前半の海にしては珍しい5000万ベリーを超える懸賞金をかけられる程の危険人物たちだった。

 

コーザ率いる自警団のおかげでなんとか持ち堪えているが、それも直に厳しくなるだろう。

このまま、この国は滅びてしまうのか。その考えが過る人は少なくなかった。

 

「あん?良い国を見つけた、と思ったら、蛆虫が湧いてるじゃねぇか」

 

この現状を招いたのは海賊だが、この現状を打破したのも海賊だった。

 

「サー・クロコダイル!!?」

「なんで、七武海がここに!」

 

クロコダイルは七武海の一人であり海賊狩りをしていたことでも有名であった。

そこに、アラバスタの人々は、希望を、英雄を見た。

 

「テメェら、掃除の時間だ」

 

クロコダイルは部下ーー後のオフィサーエージェント達に海賊の殲滅を命じる。

 

アラバスタで狼藉を行なっている海賊団は計6つ。

1ペアにつき一つの海賊団だ。

こうして、B・W社の初仕事が始まった。

 

 

 

「おい、ありゃ、なんだ?女?」

「かなりの上物だ、捕らえてお楽しみと…」

 

「キャハハハ。あなたたち程度の雑魚相手に捕まるわけないでしょ。地面に埋めてあげる。“1万キロプレス”!」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈ミス・バレンタイン〉“運び屋ミキータ” 懸賞金750万ベリー

 

 

 

「“そよ風息爆弾(ブリーズ・ブレス・ボム)”」

 

「ギャハハ!あいつ、弾が入ってないぜ!」

「間抜けだ、ギャハハハ!…ブヘラッ!?」

「な、なんだ、ば、爆発した!?」

 

「言い忘れたが、おれの“息”は爆発する」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈Mr.5〉“国境のジェム”懸賞金1000万ベリー

 

 

 

「おい、ここら辺穴だらけだぞ!」

「下手に動くな!落ちるぞ!」

 

「立ち止まらず、楽しんでいきな。この縄張りの名は“モグラ塚四番街”!」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈ミス・メリークリスマス〉“町落としのドロフィー”懸賞金1400万ベリー

 

 

 

「い、犬か、あれ?」

「銃と合体してるぞ」

 

「へ…へ…イッキシ!」

 

「何だぁ!」

「ボールを吐き出したぁ!」

 

「フォー!!」

 

「返したぁ!?」

「逃げろ!爆弾だ!」

「避ければ…」

「馬鹿野郎!それは時限爆弾だ!」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈Mr.4〉“キャッチャー殺しのベーブ”懸賞金320万ベリー

 

Mr.4の愛銃“犬銃ラッスー”

 

 

 

「“カラーズトラップ”『闘牛の赤』」

 

「テメェら、どこ狙って撃ってんだ!敵は目の前、地面じゃねぇぞ!」

 

「これ以上、街を傷つけられると社長に怒られるわ。あなたたちは赤いマントに突進する牛のようにその『闘牛の赤』に攻撃したくなるの」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈ミス・ゴールデンウィーク〉“自由の旗手マリアンヌ”懸賞金2900万ベリー

 

 

 

「出撃!“キャンドルチャンピオン”!!」

 

「なんだありゃ!」

「蝋の鎧?」

 

「それだけじゃないガネ。“チャンプファイト”!!『おらが畑』!!!」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈Mr.3〉“闇金ギャルディーノ”懸賞金2400万ベリー

 

 

「来る日も来る日もレッスンレッスン!!磨き上げたオカマ拳法、おめェらごときに破れるものじゃないわよーう!」

 

「あのオカマ、他のやつと違って一人だぞ!」

「ああ、さっさと囲んで倒すぞ!」

 

「囲んだって無駄よーう。回る!回る!あちしは回る!!このトーシューズが情熱で燃え尽きるその日まで!!オカマ拳法!“あの夏の日の回想録”!!!」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈Mr.2ボン・クレー〉“荒野のベンサム”懸賞金3200万ベリー

 

 

 

「あら、あなたたち、私と戦う気?」

 

「当たり前だ!」

「たった女一人に負けるかよ!」

 

「そう、すぐ終わらせてあげる。“トゲトゲ針治療(ドーピング)”!!“スティンガーフレイル”!!!」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈ミス・ダブルフィンガー〉“毒蜘蛛のザラ”懸賞金3500万ベリー

 

 

 

「“殺しの手引き”その一、『標的は弱者より消すべし』」

 

「弱者が何だって!」

「ヒャッハー!殺せ!」

 

「確かにこの数は厄介だ。だが、全て、微塵に斬り裂いてやるっ!“微塵斬(アトミックスパ)”!!」

 

B・W社オフィサー・エージェント〈Mr.1〉“殺し屋”ダズ・ボーネス 懸賞金7500万ベリー

 

 

 

 

次々と各地の海賊が倒されてゆく。彼らの中には相対するオフィサー・エージェントよりも懸賞金が高いものもいた。しかしながら、懸賞金=強さではない。あくまで世界政府が定めた危険度であり、クロコダイルに従うようになってからはエージェントたちの懸賞金は上がっていない。

 

「はあはあ、同じ“自然系(ロギア)”なのに!」

 

「悪魔の実は訓練次第ではいくらでも戦闘能力になる。おれと能力にかまけただけのお前では海賊の格が違うのさ。沈みな!“砂漠の向日葵(デザート・ジラソーレ)”!!!」

 

“王下七武海”B・W社社長〈Mr.0〉“砂漠の王”サー・クロコダイル 元懸賞金8100万ベリー

 

 

こうして、数年にかけアラバスタを苦しめていた海賊たちはクロコダイル率いるB・W社により討伐された。コブラは国を救ってくれた礼として何か欲しいものはないか、と尋ねると

 

「アラバスタは良い国だ。フフ、拠点にしてかまわねぇか?」

 

コブラは即座に了承した。他の海賊であれば、首を縦に振ることはなかっただろう。王下七武海であり、海賊狩りを日頃からしていて民衆から英雄視されていたクロコダイルならでは、の話だ。

 

その後、クロコダイルはアラバスタの首都アルバーナにB・W社の本社を構える。アラバスタの復興が終わるまでは作業を手伝い、終わった後は職が見つかるまで面倒を見るなど手堅い支援を行った。そうしたことにより、アラバスタではクロコダイルを絶対視する傾向がある。

 

クロコダイルの庇護下にあることでアラバスタは外敵からの影響が受けにくく、順調に経済発展を遂げていった。

 

◇◇◇◇

 

「あのときは本当に酷かったね」

 

「ああ、だが、クロコダイルさんのおかげで助かった」

 

「でも、いきなりなんでこんな話を?」

 

「あのとき、俺たちは終わったと絶望した。だが、クロコダイルさんはそんな絶望から救ってくれた」

 

「そうね」

 

「クロコダイルさんは俺たちの英雄(ヒーロー)だ。負けねぇ、そうだろ」

 

「…ええ、そうね!」

 

コーザの言葉にビビは声をあげる。そして、同時に少しでもクロコダイルの強さを疑った自分を恥じた。

クロコダイルは必ず帰ってくる

そう確信があった。

 

 

 

「ふう」

 

コーザは吹っ切れたビビの顔を見てから部屋を出て行く。

 

「さて、やることが多いな。さっき、あった地震で倒壊した建物の修復。軍隊だけじゃ足りんな。B・Wの方に依頼を出して、と。あ、そういや、副社長の方も社員をいくらか連れて出て行ってたな。オフィサー・エージェントの誰かが残っていたら助かるんだが」

 

コーザは謎の地震の復旧作業に向け案を纏めていく。原因は遠く離れた地、マリンフォードで白ひげが起こした振動によるものだが、コーザには知る由もない。

 

「こ、コーザ様!」

 

「どうした?」

 

「砂漠の方に人が落ちてきました!」

 

「何!?すぐ医官の方に回せ!」

 

人が落ちてくる、そんな経験、今までにない。

連絡してきた兵士に治療するよう命じる。

 

「で、どんなやつが落ちてきたんだ?」

 

「こちらの女性です」

 

コーザは落ちてきた人物を見る。身体は傷だらけで痛々しい。服装を見るにこの国の国民では無さそうだが、コーザには女性の顔を見たことがあった。

 

「こいつは、確か。至急、B・Wの方に連絡を」

 

「B・Wにですか?なんと」

 

「元社員が落ちてきた、とな」

 

その女性は、B・Wの元社員で現麦わらの一味、霜月くいなであった。




久しぶりにビビ、というより過去回ですね。
頂上戦争より書きやすい、だと…
地味にMr.3以外のオフィサー・エージェント初登場回。
ほんとはもうちょい、早めに出したかった。



大学受験終わったらパソコン買うんだ…スマホはどこでも書けるんすけど、パソコンの方が書きやすい…

エージェントで不明な人物(Mr.6など)をどうするか

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