ドラゴンクエストーダイの大冒険ー ~忍者に憧れた転生者~ 作:KANDAM
ヒュンケルの闘魔傀儡掌に捕まったオレ達は身動きを取れずにいた。
「おっと動くなよ。こいつらがどうなってもいいのか?」
ヒュンケルは攻撃しようとしたポップに対してけん制した。
「くっ!」
「ヒュンケル、もうやめて!」
マァムがヒュンケルに闘いをやめさせようとしていた。だがヒュンケルが今さらそんなもの聞くわけもなく、オレとダイの縛りをきつくした。
「ぐぁぁぁ!」
オレとダイは闘魔傀儡掌の攻撃に必死で耐えていた。
(ダメだ!ふりほどない!飛雷針の術で飛ぶか?いや・・・飛雷針の術を使うと闘技場の外に出てしまう・・・。そうしたらダイは確実に殺される!)
オレは闘技場内に飛雷針の術のマーキングをしておかなかった事を後悔した。術のノウハウはあってもオレは実戦経験が少ない。オレは自分の実戦経験の浅さを痛感していた。
(こうなったら・・・)
「八門遁甲の陣。傷門 開!」
オレは八門遁甲の陣を使い、力づくで闘魔傀儡掌を破りにいった。
「うぉぉぉぉ!!!」
「無駄だ!闘魔傀儡掌は力づくでは逃れられん!」
「うぉぉぉぉ!!!これならどうだ!杜門 開!おらぁ!」
オレの方は闘魔傀儡掌の糸を力づくで無理矢理引きちぎった。
「ば、バカな!」
そしてオレはダイを解放するため、闘魔傀儡掌の糸が出ているヒュンケルの腕をめがけて手裏剣を投げた。
「くらえ、影手裏剣の術!」
ヒュンケルはいとも簡単に剣で切り払ったが、切り払った手裏剣の影からもう一枚の手裏剣がヒュンケルに襲い掛かる。ヒュンケルは手裏剣をかわすため闘魔傀儡掌を解除した。ダイは闘魔傀儡掌から解放された。
「おのれ、貴様!」
ヒュンケルはオレの影手裏剣に逆上したようだ。
オレはダイを解放するとその場に倒れこんだ。とうとう八門遁甲の効力が切れたようだ。
(もう限界か・・・)
「あとは任せたぞ、ダイ」
闘魔傀儡掌から解放されたダイの様子がおかしい。どうやら意識が飛んでいるようだった。
(マズイ、くそ!もう体が動かない!)
意識が飛んでいるダイはそのままヒュンケルに切りかかった。しかし、ヒュンケルはそれをいとも簡単に捌いていく。
「ムダだ!剣ではオレには勝てん。」
とその時、ヒュンケルの鎧にキズが入った。
「何だと!この最強の鎧にキズが!」
ダイの剣を見ると剣が炎を帯びていた。
「やった!ダ、ダイのやつ・・・この土壇場で新しい技を編み出しやがった!魔法も剣も効かない敵に対してその両方を合わせた。魔法剣を!」
ダイが魔法剣で再び切りかかるや否やヒュンケルは再びダイに闘魔傀儡掌を仕掛けた。
「やべえ!なんとかしなきゃ!」
ポップは上空の雨雲が残っているのに気が付いた。
「ダ、ダイー、イナズマだ!イナズマを呼べ―!」
「させん、ブラッディースクライド!」
ヒュンケルは呪文を唱えられる前にダイに向かってブラッディースクライドを放った。
「ダイー!!」
ダイは信じられない事に闘魔傀儡掌を力ずくで破り、ブラッディースクライドをギリギリのところでかわした。
「バカな、また闘魔傀儡掌を力ずくで破っただと!」
「ライデイン!」
ダイは呪文を唱えた。雷がダイの鋼の剣を覆っていく。そしてアバンストラッシュの構えからヒュンケルに技を放った。
「ライデインストラッシュ!」
ダイはライデインの魔法剣でアバンストラッシュを放ったのだ。ライデインストラッシュはヒュンケルに直撃し、ヒュンケルの鎧は粉々に崩れ落ち、ヒュンケルはその場に倒れこんだ。そして意識を失っているダイはそのままヒュンケルにとどめを刺そうとしていた。
そこにマァムが割り込んできてダイを止めた。
「ダイ!もうやめて!決着は着いたわ。あなたの勝ちよ。」
「マァム?ヒュンケル?あれ?どうして?」
どうやらマァムの声を聞いてダイの意識が戻ってきたらしい。
「・・・もう・・・アバンの使徒同士で傷つけあうのはやめて・・・!」
マァムは泣きながら訴えた。どうやらマァムはこの闘いに相当心を痛めていたようだ。
「なぜ・・・敵であるオレを?」
「敵なんかじゃないわ・・・」
マァムは拾ってあったヒュンケルの捨てたアバンのしるしをヒュンケルに渡した。
「まさか・・・オレの・・・?それをずっと・・・持っていたのか・・・?」
「あなたが私たちの前に現れてあなたが捨てたときに拾ってね。いつかあなたにこれを返す時がくる・・・そんな気がしたの・・・」
ヒュンケルはマァムの優しさに涙した。
「オレの・・・オレの負けだ・・・」
ヒュンケルは負けを認めた。
「ところでレオナはここにいるの?」
ダイはずっと気になっていたレオナの消息についてヒュンケルに尋ねた。
「レオナ?パプニカの姫か?ここにはいない・・・。まだ殺されたという話も捕まったという話もない・・・」
「良かった~、レオナは無事なんだ!」
ダイの表情が急に明るくなった。
(まあ、そりゃそうだよな。あれだけレオナレオナって言ってたもんなぁ・・・)
その時、どこからか氷のツララが飛んできてヒュンケルの胸を貫いた。
「クックックッ・・・クックックッ、ざまぁねぇなヒュンケル」
「・・・貴様は・・・氷炎将軍フレイザード・・・」
「てめえがもし勝っていたらぶっ殺して上前をはねてやろうと思っていたが負けていたとは好都合だぜ!生き恥をさらさずに済むようにオレが相打ちってことにしといてやるよ!泣いて感謝しろい!!」
フレイザードは炎の槍のようなものをオレ達の地面に打ち込んだ。
「クカカカカ!ちょいとここらの死火山に活をいれてやったのさ、もうじきこの辺りはマグマの大洪水になるぜ!」
地面から地鳴りがする。どうやらハッタリではないようだ。
「おのれ!・・・フレイザード!ブラッディースクライド!」
ヒュンケルは胸を貫かれながらも遠く離れたフレイザードにブラッディースクライドを撃ったが、フレイザードに難なくかわされてしまった。
「おっと、怖い怖い。オレはこの辺で退散させてもらうぜ!せいぜい人生最後の溶岩の海水浴を楽しみな。あばよ!」
フレイザードはそう言い残してどこかへ行ってしまった。
「だめだ!もう逃げられない!」
「何とかあの上へ!」
「みんなそんな体力残ってねぇよ。」
オレ達はマグマの噴出に右往左往していた。
(これはマズイ・・・)
「うまくいってくれよ!土遁・土流城壁!」
オレは残ったチャクラを絞り出すように土遁を発動させた。オレ達のいる地面がせり上がり高いところへ行く道ができていく。八門遁甲の陣と土遁で動けなくなったオレとヒュンケルを抱えてダイ達はオレの作った土遁の道を伝って安全な高いところへと避難した。
次の問題はヒュンケルだ。フレイザードのツララが完全にヒュンケルの心臓を貫いている。マァムが必死にベホイミをかけているがもう助からないだろう。
「マァム・・・もういい・・・すまなかった・・・・。オレは・・・死んでも償えない事をしてしまった・・・できることなら・・・お前たちの力に・・・なりたかった・・・」
ヒュンケルはここまで言うと息絶えた。
「ヒュンケル?ヒュンケル?ヒュンケル―!!」
マァムは涙を流しながらベホイミをかけ続け、ヒュンケルの名前を呼び続けた。
原作と違いヒュンケルはここでお亡くなりになりましたが、また出てきます。多分ほとんどの方が想像ついていると思いますがアレです(笑)
2019/10/25
本編のストーリーに影響しませんが、読みにくいところ、台詞等を修正しました。
2019/10/26
本編のストーリーに影響しませんが、読みにくいところ、台詞等を修正しました。