死神の力が個性になったら   作:鮫田鎮元斎

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やるきーすいっちぼくのはどこにあるんだろう?

みつけーておくれよ、ぼくにあるーやるきすいっちー


これが主人公補正か

 熱気が残っている。

 先生が記録を読み上げ直後、歓声が上がった。

 

 今度はみんなに囲まれそうだと思ったけど、先生が苛立っていたようでみんな自重した。

 なぜか鳥頭の男子から熱い視線を感じていたが、話しかけられることは無かった。

 

 その後の記録はまちまちで、すごい記録もあれば平凡な記録もある。デモンストレーションをやった爆豪(だったはず)が700m台の記録を打ち立てた。それ以外は特に言うべきところは無かった。

 

「次、緑谷」

 

 天パにそばかすが特徴的な男子が青ざめた顔で円の中に立った。

 よく考えたら彼は殆ど記録を残せてない気がする。普通の高校の、それも個性無しの身体測定なら間違えなくトップなんだろうけど、今回は分が悪そう。戦闘向きの個性ではないのかもしれない。

 彼はブツブツと呟きながらボールを構え、思い切り目をつぶって放り投げた。

 

『46m』

「な……今使おうとしたのに」

 

 増強型の個性? このタイミングまで温存したのはなんでだろう。

 緑の人は先生からお説教を喰らっていて縮こまっていた。

 

「彼の事が心配?」

「え、あの」

 

 おへそからビームを出してた人が話しかけてきた。

 

「僕はね、全☆然」

「あ、わ、私は」

 

 頑張ってコミュニケーションをとろうとしたけどもう別の人に話しかけにいっていた。よくわからない人だ。

 

 そうこうしているうちに二投目。

 今度は爆音と共にボールが彼方へと飛んでいった。

 

 ……え?

 思っていた以上に飛距離が出ている。その代わりに右手の人差し指が醜く膨れ上がっていた。

 

「先生……まだ動けますっ!」

 

 すごい。

 記録もそうだけど使いにくい個性を土壇場でコントロールした。あの様子だと全力で使えば腕がボロボロだった。だから指先だけに範囲を限定した。

 まるで試合の中で成長していく主人公のよう。

 

 その後もひと悶着あったが、ボール投げはそのまま終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 持久走も終わり、結果発表がされた。

 

 私の結果は3位だった。

 因みに最下位は除籍と言うのは合理的な虚偽だったらしい。よかったね、緑くん。

 

 そんなこんなで激動の初日が終わった。

 私が密かに練っていた『友達百人大作戦』が実行できないまま終わってしまった。

 

「ちょっといいかしら?」

 

 帰ろうと荷物をまとめていたらカエルのような子に話しかけられた。

 

「あ、うん」

「私は蛙吹 梅雨よ。私、思ったことをすぐに言っちゃうから、気分を悪くしないでほしいのだけど――もしかしてアサヒちゃんは一人ぼっちなのかしら?」

 

 何気ない言葉が私の心を思い切り抉った。

 小中学校では友達がいなかった私にとって“一人ぼっち”という言葉ほど刺さるものはない。

 私は話すときのテンポが悪いみたいで、気が付くとどのグループにも属せていなかった。

 

「え、あの、その……」

「ケロ、私もそうなの。同じ中学校から一緒の子がいないの」

「う、うん……私もいない」

「だから――お友達になりましょう?」

 

 頭が真っ白になった。

 友達。

 昨晩どうやって作ろうかずっと悩み続けていたのが馬鹿みたいだった。

 

「も、もちろん! あ、えっと蛙吹、さん」

「梅雨ちゃん、と呼んで欲しいの」

「うん、梅雨……ちゃん」

 

 初めての友達に私が有頂天なっていると、鳥頭の――身体測定の時から私を見ていた彼と目が合った。

 

「……同志」

 

 何かを呟いたようにも見えたけど、よく聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 雄英高校の授業は普通の高校とは一味違ったものが実施される。

 その中でもヒーロー基礎学は特別な存在。

 ヒーロー科をヒーロー科たらしめている科目だ。

 

(いきなり戦闘訓練……)

 

 自分の申請したコスチュームはサポート会社が製作してくれる。

 

「ケロ……ちょっと恥ずかしいわ」

 

 でも詳細を書かないとサポート会社の趣味が反映されてしまう。

 梅雨ちゃんのスーツはカエルらしさを強調するピチピチスーツ。どうやら着やせするタイプみたいで、ナイスなバディが強調されている。

 

「思ったより布面積が多くなっていますね……」

 

 ポニーテールの人がつぶやいている。そんな彼女のコスチュームは露出度の高いハイレグ……これ以上布がなくなったら全裸なんじゃなかろうか。

 

 と、人を見ていたら自分のコスチュームの着替えに手間取ってしまう。

 

「アサヒちゃん、手伝うわ」

 

 私のコスチュームは黒の着物。

 刀に会う服装、としたらこうなった。着替えるのが大変だけど妙にしっくりとくるのはなんでだろう?

 

 

 

 

 

 着替えが終わり演習場に集合すると、いかにもヒーローの卵のような出で立ちになったクラスメートと顔を合わせる。

 

「みんな、似合ってるぜ!」

 

 先生のオールマイトが輝くような笑顔で親指を突き立てる。

 本物がそんなことをしないとわかっていてもあの偽物に襲われたせいで、少しだけあの笑顔が怖い。

 

 目を合わさないように背けていたらいつの間にか説明が終わっており、チーム分けもすでに済んでいた。

 エイリアンみたいな独特な風貌の……確か芦戸さんだ。

 

「第一試合は――Dチームがヴィランサイド、Eチームがヒーローサイドだ!」

 

 爆発小僧とメガネ委員長――爆豪(くん)と飯田くんのペア。

 そして私たち。

 

 対戦カードが発表された瞬間、爆豪がものすごくギラついた目で私の事を睨み付けてきた。向こうはヴィランサイドだから先にビルの中に入っていったが、その際に聞こえるような舌打ちをしていった。

 ……私、何かしたっけ?

 

 

「こわ……なんか身に覚えある?」

「全然ない」

「もしかして――一目ぼれ? だったりして」

「え、無理。生理的に無理」

 

 あんな糞を汚水で煮込んで下水と混ぜ合わせたようなクソ人間に好かれたくはない。

 

「っそんなことより作戦立てないと」

「そっか、核の隠し場所って決められてないもんね。じゃアサヒの魔法みたいな技使ったらいいんじゃない? 炎であぶりだし、とか」

「本物の核爆弾にそれやったら爆発すると思う」

「あ……でもさ、訓練だからそこまで考えなくてもいいんじゃない?」

「訓練は本番のように、本番は訓練のように、だよ。いつも楽観的に考えてたら本番で(いざというとき)失敗する」

 

 芦戸さんがおお、と声を漏らす。少し気が引き締まったのか、悪そうな表情で提案してきた。

 

「だったら……囮作戦はどう?」

 

 

 

 

 

 

 






一応主人公の斬魄刀は卍解まで考えてます。
主人公父の斬魄刀も卍解までアイデアがあります。
謎のヒーローの卍解『花散里』の能力も始解も考えてあります。

問題はやる気だけ。
あと黒い孔のこと(おい)
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