ディザスター・ア・ライブ 〜Returns of Missing〜 作:ふぇるみん
「さて、言ってみたはいいものの、現在地は分かるか?」
「安心しなさい、ラタトスクが保有する設備ですぐに捉えられるわ。あとはどこでデートさせるかだけど.....。」
「ここを知ってもらう為のデートならば一番手っ取り早いのは商店街じゃないか?」
それぞれ案を出していく中、通信が入る。
「琴里。」
「はいはい、何よ士道?」
「ああ、十香と今商店街の飲食ブース当たりに来てるんだけど十香が思いの外たくさん食べるっぽくてな....どこか提携してたりするお店って無いか?」
「ああ、それなら.....ここね。ここなら私達ラタトスクが協力を取り付けてあるわ。」
琴里が空間パネルを操作して一つの喫茶店らしきものを見せる。
「ここなら私達が援護してあげられるけど.....。」
「あ、ここ僕の店だ。」
「はぁ!?」
「うん、2年前に精霊になる前から暇だから開いた喫茶店だね。たまに暇つぶしに接客してるし。」
「どんだけ適応力高いのあなた......。まあ良いわ、なら手伝ってくれるよね?」
「勿論!今日はもともとお休みの日だったけど臨時で僕も行こうかな!」
そう言いアストルフォはニッと笑った。
その頃、士道と十香は誘導どおりにある喫茶店に来ていた。
「シドー、ここは何処なのだ?」
「ああ、ここの店は普段から人気でな。十香の為に前々から予約していたんだよ。ここの店のパンケーキは格別だぞ?」
「それはきなこパンより美味しいのか?」
「きなこパンとはまた違った意味で美味しいと言えるな。きなこパンは外は少し硬いけど中がふわっとしてるだろ?ここのパンケーキは凄くてな、外側は切ろうとすればモチモチで中々一口大に切れないことで有名で、その癖中身はフワッフワだから食感が物凄くいいんだよ。十香の口に合うといいけどな......。」
「そこまで凄いものなら楽しみだな!」
十香の笑顔を見た士道はひとまず店の中へと入っていく。入り口には店員が店番をしている。
「すいません、先日予約していた五河ですが。」
「いらっしゃいませ、照会致しますので少々お待ち下s....「照会は良いよ、僕が案内するから!」店長!?今日は非番だったはずでは!?」
「暇だからね、なら手伝いでもしようかなって。それよりもこの二人は僕が知ってるから安心して。」
「そうでしたか、では2名様、こちらへ。」
その応対をそのまま見ていた二人だったが、心境は揃っていた。
『なんでアストルフォがいるんだ!?』
と。
「まさかアストルフォがここの店長だったなんて.....。」
「あれ、さっきの様子だと何回か来ていたように見えるんだけど?」
あのあと、店員に案内されたのは景色がよく見える二階のテラス席だった。そこに士道と十香が座って待っていると、アストルフォがやって来たのだ。なんでも、
「店長は今日は非番なんですからせっかくですしその友達さんと積もる話を潰してみては?」
とのことである。
「もともとこの店に来ようとは思ってたんだがなかなか時間が取れなくてな.....実際に来るのは今日が初めてになるな。」
「シドーはパンケーキが美味しいって言っていたが?」
十香がそう言うと、アストルフォは興味深そうな反応を示す。
「.....へえ、裏メニューを知らないんだ?」
「裏メニュー?」
「うん、僕が認めた常連さんにしか提供しない特別なメニューだよ。」
「.....まさか?」
「僕も非番だしね、プライベートってことで。」
「おお!アストルフォは良い人だな!」
「よし、ちょっと待っててね。今から作ってくるから。」
「?作る?」
「僕にしかそれが作れないからね。」
「なるほどな。」
アストルフォはそう言うと準備のために厨房の方へと降りていった。それを見届けた士道は十香の方を見た。十香は今か今かと待っている。
「どんなのだろうな!裏メニューと言うことはパンケーキより美味しいのだろう!?」
「恐らくな。しかしあいつがここで店をやってたなんて初耳だな、と言うかここまで社会に溶け込めることが驚きだ.....。十香だって頑張ればこんなふうにできるって言うお手本にはなったが。」
「だが私は......。」
十香が少し気を沈めるがすかさず士道がフォローに入る。
「今回だって被害を出さずに現界出来たんだろ?つまり無意識に自分がそうしてるならば自分でもやろうと思えば出来るはずだと思うが。」
「本当に良いのか?」
「ああ、十香はたくさん美味しいものを食べたいんだろ?」
「うむ、さっき食べたきなこパンは格別にうまかった!」
「人間、だいたい食べれば意外とどうにかなるもんなんだ。」
士道はそう言うと、二人で出てくるのを今しばらく待つ......。
To Be Continued......
多分これ以上は3500超えかねないので分けることにした。