ディザスター・ア・ライブ 〜Returns of Missing〜   作:ふぇるみん

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遅くなった!!ごめんね!!


第20話 穿て!フェンリルランチャー!

十香は、己の霊装を再展開した。展開すると同時に空間が軋み空が悲鳴を上げる。

 

「【鏖殺公】.....!!!」

 

地を蹴ってその剣を持った十香は目の前で討ったASTを所構わず斬り始めた。

 

「やはり貴様らが私を否定する!そしてシドーを殺した!ならば、殺し、滅し、塵す。」

 

一振りするごとに放たれる剣撃の斬撃がASTの僅かな希望の随意領域を尽く割っていく。もちろんその様子は、

 

 

 

 

 

 

「あちゃあ、もう始まってたか。」

 

「まあ、すぐに行動に移すとは思ってたけど、予想より早いね。」

 

「でもまぁ、この私にかかればぜーんぶおわるよ?ざぁ〜こ♡」

 

「はいはいミャチは黙っててくださいな。.....ヴィンス、いや、指揮官、指示を。」

 

「ミャチとティーレはこのままこの位置で待機しながら主砲準備。俺とクロエとクーで十香とASTを鎮める!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

天宮周辺海域にて停泊しているアクシズ直下の専属艦であるビッグ・トレー級水陸両用高速巡洋戦艦4番艦【ティーレ改】、別名【ヴォルガ】。その艦橋ブリッジにて5人は作戦を練っていた。というのも、ASTに持ち込まれたとされるホワイト・リコリスの試作武装であるリコリス砲こと、【380mmメガ・キャノン砲】の破壊、及び関係人物の制圧のために、だが。既にクロエとクー、そしてヴィンスはかつての愛機をCRユニットを組み込んで改修した【ツヴァイ】【キャヴァルリー】【デュラハン】を纏いいつでも出すことができる。その中でもクロエのツヴァイの背部にある巨大な砲身が銀色に鈍く輝いていた。

 

「しっかし、ようやくロールアウトしたか。」

 

「ハイパー・メガ・ビーム・ランチャーの改良型の【フェンリルランチャー】。割と放置されていたからコンデンサが死んでるけど、何もなければ一発なら撃てる代物。これでASTに風穴を開ければ良いんだよね?」

 

「ああ。なんだったらもうすでに使い捨てのコンデンサから供給は完了してるからいつでも撃てる。」

 

「気が利くじゃないお兄ちゃん♪」

 

「何年兄さんやってると思ってる!クー!」

 

「了解!高性能センサーと御姉様のランチャー、リンクします!」

 

クーの視線誘導に釣られ脚部を固定したクロエがその巨大な砲身を構える。同時にヴィンスも腕部に格納しているビームサーベルを取り出すとスラスターを温める。

 

「......砲撃と同時に制圧作戦開始!!!」

 

『了解!1000mm3連装主砲、1番から6番まで装填!!』

 

「データリンク完了!エネルギー充填率100%!!」

 

「ヴィンセント・グライスナー、【キャバルリー】!出るぞ!!」

 

「目標【リコリス砲】!!穿てェッフェンリルランチャー!!!」

 

 

奔流と共に閃光が2つ、3つと蹂躙を繰り出す集団に襲いかかった。真横から襲ってきたその砲撃に全員がバリアを張るが、

 

「そうやすやすとバリアは張らせない!!」

 

「なっ!?」

 

ランチャーよりわずかに早い速度でとんだヴィンセントがサーベルで随意領域を消し飛ばす。数瞬後に無防備になったリコリス砲に直撃し溶けていく。咄嗟に切り離したリコリス砲はそのままスパークし爆散する.......。

 

「ヨイショッ、再装備っと。」

 

「なっ!?スパークしているのに!?」

 

「悪いな.....こいつはちょっと違うんでな。なあ?【エル】。」

 

 

そして、ASTはとんでもない光景を見ることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ......。」

 

一方で、何かに撃たれたとされる士道は何が起こったのかわからず、その身を起こす。周囲を見渡すと無機質なパイプがむき出しになった部屋。それだけで士道はここがフラクシナスだと直感した。そして寝ていたと思われる別途の直ぐ側には令音さんがいた。

 

「おや、目が覚めたようだね。」

 

「ここは、フラクシナス、なんですよね?」

 

「ああ、最初に回収された時の保健室だ。とりあえず早く起きたまえ。司令が待っている。」

 

「琴里が?わかった。」

 

士道はそうと決まればすぐに行動し、すたすたと艦橋ブリッジに向かっていく。扉を開きそこで待っていれば、やがて琴里が士道を見つけた。

 

「やっと来たのね士道。もう少し遅かったら取り返しの付かないことになってたわよ。」

 

「.....あ、十香は!?」

 

「あなたが身を挺して守ったおかげで傷一つないわ。でも、十香は士道が死んだと思って暴走しているみたいね。今はとっさに出てきたヴィンセント達のおかげでどうにか押しとどまっているけど、またいつ暴れ出すかわからないわ。」

 

「......行かなきゃ。」

 

士道は琴里が長話をしている途中でぼそっとそう呟く。それを聞きのぎさなかった琴里はひっそりと眉を上げた。

 

「.....また死ぬかもしれないのよ?」

 

「そんな事はどうだっていい。今はASTとかいう敵になんの理由もなく殺されそうになっているアイツを.....十香を放っておけない。それに、それで後悔するなら今の俺はただのアヒルだ!!」

 

「.....それでこそ私のお兄ちゃんよ。いい、数分後に重力緩和システムでここから十香のところに士道を放り出すわ。速度自体は気にしなくていいから、先ずは十香のところに行きなさい。話はそれからよ。」

 

士道は無言で頷くと転送システムがある部屋へと向かっていった。それを見届けた琴里は再び正面モニターに顔を向ける。

 

「士道.....ここで気張らなきゃ男じゃないわよ....!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....そんな、馬鹿な.....。」

 

「士道を殺したお前達なぞ、生きる資格はない。塵し尽くしてやる。」

 

【最後の剣】を戸惑う事無く乱発していく十香。その余波を必死に受け止めている折紙。【C.C.C.】の改良型である【リコリス砲】を受理され今まで以上の精度で精霊を殺すことができる。と思っていたらまさかの士道に直撃し、プリンセスが激昂。そのまま戦闘になった。等の原因であるリコリス砲は何故か敵に強奪され、そして.......。

 

 

 

「危惧していたとはいえ....まさか本当にこんなことになるとはな。」

 

「全くです!....でも、どこでこんな機体の詳細情報を?」

 

「データベースに全部あったから改修案として記録はしてあったんだよ......。」

 

折紙の目の前にはスパークしたリコリス砲がグニャリと変形し人型と化した光景が目に焼き付いていた。

 

「さて、完全に意味が分から無さそうな顔をしているから説明しておこう。元々プロトタイプリコリス砲は、狙撃を前提として開発した代物だ。そして、蓄積されたデータとともに極秘裏の取引で返却してもらう予定だったが.....。」

 

「まさかあそこまで十香さんがキレるとは思いませんでしたし....。」

 

エルが目線を向けるとそこには折紙以外がほぼ全て気絶している様子。流石にこれ以上は危険と悟ったヴィンセントがその長大な砲身を十香に向けた。

 

「十香、いや、精霊【プリンセス】。お前のお望みは上にいるぞ!!!」

 

「どういう事......dっ!?」

 

十香は警戒しながらも上を向く。そしてそこには、

 

「十香ァァァァァァ!!!!?!?」

 

「し、シドー!?」

 

「十香!無事か!」

 

「シドーこそ、確かメカメカ団にお腹を貫かれて....!!」

 

「でも俺はこうして生きているだろ?」

 

「それはそうだが.....!!」

 

その時であった。不意にチャージを続けていた最後の剣がおかしな挙動とともに黒い波動を生み出し始めた。その反動と同時に十香が顔をしかめる。

 

「っ!?不味いシドー!制御を誤ってしまった!どこかに放出せねば.....!!」

 

「けど.....っ!....十香、よく聞いてくれ。」

 

「っ、なんだ....?」

 

十香を落ち着かせた士道は、その暴走を止める方法を説明した。すべてを説明し終え十香を見るとすごく怪訝な表情をしている。

 

「そ、それで、具体的にはどう....っ!?」

 

士道はもはや一刻の猶予もないか、イチかバチかで十香の唇に互いの唇を合わせた。するとどうだろう。あんなにも放たれんとしていたエネルギーが薄まっていく。それを間近で感じていた十香は少しばかり驚いていた。

 

「こ、これ....は...、?っ!?見るなっ!シドー!」

 

「ウェ....うわァァァ!?!?」

 

十香の言おうとしていることがわからない士道はふと向いてしまった。真っ先に見えたのは純粋な肌色。すなわち。

 

「な、なんで!?」

 

「み、見るな!!」

 

 

そんな様子を遠くから見ていたクロエ達は。

 

「......終わったな。」

 

「........。」

 

「......俺たちがいなきゃ今頃お前らはあの世行きだったんだぞ?」

 

「......どうして、そこまで精霊に肩を持つの.....!!」

 

「.....なぜかって、言われても。俺たちが精霊であり、其の現実を観る者、としか言いようが無いがな。」

 

「現実を観る者......!?」

 

「エルのことも含めて知りたいならアクシズ、いや、フェレシュテ本部まで来るといい。」

 

そうヴィンセントは言い残すとスラスターを光らせ撤退した。クロエとクー、ティーレとミャチも揃って後を追うように撤退した。残されたASTはただただ、あっけらかんとしているだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜のことである。

 

 

「クー、データは取れたな?」

 

ヴィンセントのその一声にクロニクルはジェスチャーで丸を作り取れたことを示す。

 

「識別名【プリンセス】、その精霊データ。これでティーレの次の武装が作れる.....!そして.....。」

 

「ミャチ達の世界の技術を応用して人工霊結晶の制作、ね。」

 

「でもなんでそこまで?」

 

「......一人だけ、救わなきゃならんやつがいるのさ。」

 

「....?」

 

ブリッジにいた全員が首を傾げる。ヴィンセントはわからないだろうな、という一言を残しブリッジから去ろうとした、その時であった。

 

『ヴィンス!!!!』

 

「おわあっ!?」

 

「アリスちゃん!!うるさいいいい!!」

 

『ああ、ごめん!』

 

突然として回線に割り込んできたのはヴィンス達アクシズと協力関係にあるALICEの対女王特化型AI(本人は人間だと言い張ってるしヴィンスたちも人間だと信じている)ことアリスだった。いつもだったら前連絡を入れてくるはずだが、とヴィンスは思念していた。

 

「ソ、それでどうしたんだ.....。」

 

「それが.........、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        ダーウィンがALICEから消えてしまったのよ!!」

 

 

 

「....んんんんん????」

 

前途多難。トラブルはまだあるらしい。

 

To Be Continued.......

 

 





事後処理は今回なし、ということで。
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