ディザスター・ア・ライブ 〜Returns of Missing〜 作:ふぇるみん
実はブロットを考えてないのである!!!!
敵の子を散らすように巻いたクロエたちは本拠地であるヴォルガへと帰還していた。カタパルトに着地した3機はすぐさまコックピットを開ける。
「ストレッチャー用意!!ティーレたちは琴里とアイザックにコンタクトを!!!」
「了解です。」
「わかったっ!」
事態を察した二人は帰還するなり慌ただしく準備をしていく。その合間にストレッチャーが運ばれてきて失血がひどい折紙が載せられる。と、持ってきた明石が、
「これはひどい.....一体何があったんだにゃ....。」
「精霊を連れてきたから裏切り者認定されて撃たれたんだよ.....。明石、やれるな?」
「もちろんにゃ、そっちは?」
「本来折紙が受け取るはずだったアレを盛大な茶番にしてくる。どうせなら仕返しは面白いほうがいい。」
「了解にゃ、1時間したら来てニャ。」
そう言い明石は折紙を載せたストレッチャーを転がしていった。見送ったヴィンセントは一人拳を叩いた。
「クソっ!!!」
それをそばから見ていたクロエたちは介入することもできずただ見ていることしかできなかった。
と、そこにさらに二人加わる。
「なにか色々あったと聞いて来てみれば....本当に何がありましたの?」
「.....折紙がね.....。」
「深くは聞かないでおきますわ。.....それと、これをヴィンセントさんにお願いしますわ。」
「....これは?」
狂三がクロエにふと差し出してきたのは一枚のカードだった。
「これはティーレさん用の仮称【Z2(第十種兵装仕様)】、通称アドナイ・ティーレの設計図ですわ。ここ数日の間にデータは集まっておりましたので軽く作ってみましたわ。」
「....ありがとう。今とっても忙しかったから助かるよ。」
「あまり触れるのもよくなさそうですし私はこのへんでお暇しますわね。」
そう言うと狂三は影に消えてしまった。それと同タイミングでヴィンセントもようやく冷静になったようだ。
「....コンタクトを取りに行くぞ。流石にこれは俺でも看過できん。」
ヴィンセントの目がギラリと光った。
その日の夕方のこと、帰還したAST本部では、重要命令が下されていた。
「....はい?今なんと....。」
「何度も言わせるな。この度の損害を受け、DEMより補充人員が二人、新機体が2機、配備されることとなった。うち一機は鳶一折紙一曹に配備されるはずだったが、此度の件を受け、搭乗者はそちらで決めるがいい。」
「失礼ですが、具体的なスペックなどは?」
「ああ、先日実用試験を行ったとされるあのランチャーの性能を用いた機体でその名も【Lycoris】。そのうちの一番機と二番機である【スカーレット・リコリス】と【ホワイト・リコリス】がこちらに配備されることとなった。」
「了解しました。いつ頃の受領になるので?」
「数日のうちに到着する見込みだ。.....それと。」
上司の変わった雰囲気に隊長である日下部は息を飲む。
「此度の会議にて、正式に鳶一折紙一曹を正式に反逆者と認定、見つけ次第射殺せよとのお達しが来た。手段は問わず、公衆の面前でもよろしいそうだ。同時に援護に来たとされるアクシズも同時に対精霊介助組織と認定された。これにより我々ASTは合法的にアクシズを攻めることができる。如何なる理由があろうとアクシズを合法的に潰すことができるのだ。」
「それは.....いえ、了解いたしました。すぐに作戦を考案し実行に移したいと思います。」
「頼んだ。最低でも一週間以内には発動されたし。」
この謎の会談が、後に自分たちの首を絞めることになるとは、思いもよらなかったであろう。
一方戻って、通信にてそれを聞かされたのはヴィンセントもだった。
『と言うわけで近日ASTがそちらを襲撃しに来るだろう。』
「なーにがしにきますだよこの野郎!?前回の仕返しか!?」
『ああ。その通りさ。少なからず君たちの組織には嫌がらせされているからね。』
「満面の笑みで肯定すな、反応に困るわ。......で?折紙の分は用意してくれるんだろうな?」
そう言うのは頭を突っ伏しているヴィンセント。他の数名も来ていたが、案の定沈黙していた。そして画面に映っているのは密かにラインを持っているアイザック。キザな顔したアイザックは今日も微妙にニヤけていた。
『ああ、数日後にはAST基地に【スカーレット・リコリス】、【ホワイト・リコリス】が配備される。どっちか1機.....と言いたいがあいにくテストを済ませてるのはホワイトだけなのでね。持っていくならホワイト・リコリスを進める。』
「案の定自前でやれとかそううのは出てきそうだったが.....。わかったよ....。」
『それで、折紙の様子はどうなんだい?』
彼とて人の心は持ち合わせている。ヴィンセントはその問いに対し暫し唸りながら、
「こっちの手札を一枚切った。まぁ、あっちの技術とこっちの解析した技術を合わせたものだが....。」
と、その時であった。
『お兄ちゃ〜ん、折紙ちゃん連れてきたよ!』
「入ってくれ。」
『ほう、もう回復したのか。』
「方法が方法だっただけにな。」
そう問いを返すと丁度ドアが開きクロエたちが入ってくる。そしてその後には浮いている折紙も.....?
『.....ふむ?私の目に狂いがなければ全員精霊のように見えるのだが?』
「奇遇だな....若干1名精霊じゃなかったはずなんだが。」
「ごめんねお兄ちゃん、折紙ちゃんが力欲しがったから解析してたデータを切り札に組み込んだら馴染んで精霊になっちゃった。」
「なっちゃった、じゃないわ!?」
「これは必然であり、当然の結末。識別名エンジェル。これから精霊になった私のときはそう呼んで。」
「あ、あぁ。.....おいアイク、おめー、流石に自分の下請けの会社の元部下とはいえこいつも対象にすることは無いよな?」
『さあ?それは私の気分次第だが。』
「クロエー大陸間巡航主砲発射用意〜、クーもメガビームランチャー発射体制〜。」
『......わかったから命令キャンセルしてくれないか。流石に冗談だよ。』
「もとからこっちも冗談だっつうの。」
『....そうか。』
この後、しばらく話した二人は他愛ない社交辞令を交わし通信を切った。それまで残っていた全員にヴィンセントは顔を向ける。
「.....さて、全員揃ったところで今後の予定を話す。数日後、ASTがここを破壊するため襲撃するとの報が来た。そのためこちらも迎撃体制を整える。クロエ、クー、アッス、3人は各機体のメンテナンスを。ラヴィとアリス、ダーはラタトスクと交信を。ティーレとハーディは俺とともに開発室へ来てくれ。クロエから得たデータを元に新型パックの試験を行う。折紙と狂三、そして蓮は迎撃への対応策、そして今後来る精霊たちへの対象の考案を頼む。」
それぞれへの通達を済ませた後、全員は執務室を出ていく。そんな中、一人ラヴィジだけが残っていた。
「ふへへ〜、適合者さんの膝枕〜。」
「そんなに嬉しいか.....?で、なんでまだいるんだ?」
ラヴィジか渋々膝枕から開放すると、雰囲気を変える。
「私みたいなディザスター達がまだこの周囲に数体いるから保護をお願いしようかなって。」
「.....個体名は?」
「ピリジ、グラッジ、そしてフェルミ。今の所確認できているのはこの3体よ。」
「ハイクソゲー。」
柄にもなくヴィンセントは悪態をつくのだった。
To Be Continued....
史実との改変点
リコリスシリーズ
物語の関係上早期にロールアウト、かつホワイト・リコリスは2号機として登録されました。2号機のジンクスを忘れたわけでもあるまい。
エンジェル、顕現。
折紙がここまで早くなったのは正直ブロットが悪い。精霊の霊結晶とメンタルキューブを組み込んだ疑似霊結晶に精霊のデータを組み込ませた結果、絶滅天使として君臨。ブロット完全崩壊の瞬間だった。