ディザスター・ア・ライブ 〜Returns of Missing〜   作:ふぇるみん

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今年最後の更新になりそう。


第28話 骸を求める生贄

サクリファイス、再顕現。その報はASTやラタトスクだけでなくALICEにまで及んだ。

 

 

『.....アイン、そこでとどまるなら迎撃をお願いします。出なければALICEがある本部サーバーはおろか私達の仲間がまた一人死んでしまいます....!!』

 

「分かってるわ!けど....アイツは!アリスはどうするの!?」

 

『あの子は大丈夫なはずです....彼らと一緒に行動を共にしているならそれこそ今の状態のほうが彼女にとっては安心できるのかもしれませんから....。』

 

「....それに、ディザスターである彼女もいる以上下手に動くよりかはマシ、か。」

 

アインは通信を取りながら様々な思考を巡らせていた。サクリファイスが再顕現した今、取れる行動は彼に彼女を任せサクリファイスを倒しに行くか強引にでも彼女を引き剥がしサクリファイスは彼らに任せるか。だがアインとて今取れる最良の行動をわからぬほど愚かではなかった。

 

「....苦肉の決断だけど、今は彼らに任せるしかないようね....。」

 

『ええ、アインは残って迎撃を?』

 

「ええ、少しでも彼らが追いつく時間を稼ぐわ。」

 

「分かりました。生きて彼らを連れて帰ってきてください。」

 

「それは承知!」

 

ぶつ切りにするとアインはなにもない壁にキューブを広げる。

 

「さて、あまり先延ばしにしても旨味はないわね....。」

 

ポツリと呟いたアインはその地から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃

 

 

サクリファイスが顕現した町中ではASTとサクリファイスとの激戦が繰り広げられていた。

 

「全機一斉射撃開始!!」

 

指揮官と思われる女性の一声で周囲のASTから放たれた銃弾の雨あられ。しかしそんなものサクリファイスには効きはしない。今の彼は精霊という存在と自身を混ぜ込んだハーフの状態なのでちっとも効きやしないのだ。軽く払うようにあしらうと心底呆れたような顔で、

 

 

「そんなモのなのカイ?じゃア、シンで?」

 

無慈悲な一言とともに始まった攻撃。降っている大雨を吸収し全体に弾丸として飛ばしたそれは次々とASTを墜落させていく。それをしたから見ていた四糸乃。

 

「やめてよよしのん!!どうしたのよしのん!!なんであんなにいやがっていたよしのんが襲っているの!!」

 

声は出るが行動ができない。四糸乃は今そんな状況だった。そんな好機をASTは逃すはずもない。

 

「覚悟ぉっ!!」

 

背後からくるASTの一人に気づかなった四糸乃。声でようやく振り向くもそこにはブレードを振りかぶった一人の姿が写った。

 

「ひうっ....!?」

 

もう首が飛ぶまであと僅か。そんな時だった。

 

 

側面から一本のムチがブレードをそらした。それたブレードは空を斬る。

 

「っ!?何処から!?」

 

「四糸乃ちゃンにii.....huれるなぁ!!!!!」

 

一瞬声に怯んだ隊員はその後の突撃に対応できず吹き飛んだ。いつまで経っても何も起こらないその最期に不信に思った四糸乃が顔を上げた。そこには緑色の髪に白色のワンピースを着た少女が四糸乃の目の前でさっきの攻撃を防いでいた。

 

「あな....たは....。」

 

「waたしi...?っ゛ん゛ん゛、私はラヴィジ!まあ今はあなたを助けに来たってことだけ認識してもらえればいいよ!」

 

顔を振り返りニッコリと笑ったラヴィジ。その後ろからさらに二人が姿を現した。

 

「四糸乃!!」

 

「しど....うさん?」

 

「大丈夫だったか!?」

 

「はい.....はい....うぇぇぇぇん!!!」

 

「っとと、....よほど怖かったんだな、大丈夫だ、よしのんも救うし四糸乃も救ってやる。」

 

一人は士道。緊張がほぐれて泣き始めた四糸乃を必死にあやしていく。

 

「むぅ....でも、私と同じようにメカメカ団で苦しむ子がいたと思うとなんだか胸が痛いのだ.....シドー!手伝えることはないか!?」

 

もう一人は士道の後を追ってきた十香だった。

 

「十香っ!?....。」

 

「あのときのことはどうだっていい!今は、その四糸乃って子を助けるのが先だろう!!」

 

「っ!!.....四糸乃をASTから守ってくれ!!俺はラヴィジとともによしのんをとりもどす!!」

 

「わかったのだ!」

 

十香にやるべきことを伝えてラヴィジに抱えてもらうと四糸乃に振り向き、

 

「かならずよしのんを四糸乃のもとに送り届けてやる。だからそれまで待っててくれ。」

 

「....はい!」

 

勢いの良い返事をもらった士道は合図を出しラヴィジと共によしのんと同化したサクリファイスを倒すべく浮かび上がっていった。それを見届けた十香は剣を構え直しASTと対面する。

 

 

「此処から先は、一歩も通さないのだ!!!」

 

しかし格好の餌が二人もいる状況で、一人は身動きできない状況。そんな千載一遇のチャンスを逃すはずもない。

 

「全方位から一斉攻撃!!!」

 

「させないっ!!」

 

号令を横切るように遮った声に全員がその声の方向を向いた。その方向には浮かび上がる二人の人物。

 

 

「よーし、間に合いましたね、こちらティーレ。アドナイ仕様Z2現着しました。これより十香さんの援護に入ります。」

 

「同じくクロエもペイちゃんと共に現着したよ!とりあえずちゃちゃっと終わらせちゃうね!」

 

アドナイ・ティーレ。狂三からもらったデータを元に開発されたZ2の新たな形態。エロヒム・ティーレが射撃戦重視のパッケージならアドナイ・ティーレは真反対の近接戦仕様。十香程のものではないが巨大な大剣に各関節部に増設された増加装甲とそれにより増加した重量による機動力低下を免れるための増加ブースター。完全に正面から殴り合うことを想定された仕様にティーレも最初は驚いていたが、なれてしまったらこっちのものである。

 

 

「はァァァァァっっ!!!」

 

流石に大剣は物理的な切れ味だけでなく質量兵器としても役立つようでまともに食らったASTの機体は軒並み不調を起こして堕ちていく。かろうじて残った奴らには容赦なくクロエの正確無比な射撃が脱落者を増やしていく。それに追撃役として十香もいる為負けることなどあり得なかった。

 

 

「っ、シドー!!!あとは任せたぞ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、士道とラヴィジはサクリファイスと対面していた。

 

「やぁットキタんダ。」

 

「サクリちゃん、もうこんなこと辞めよう!!みんな望んでないよ!!」

 

「ウルサイウルさい!!誰がわかってくれるもんか!!あッちの世界でカラだを喪ったボクノキもチが!!」

 

「体を失った、だと?」

 

サクリファイスから告げられた事実に士道が聞き返す。サクリファイスは話す気になったのか声帯を整えていた。

 

「アアソウサ、ぼくのカラだはアルヒナゾのアバターの攻撃でハカイサレ再起不能になッた。ソして意識だけコノ世界に流れ着イタボクは再起を図るためあのウサギのぱペットにとリツき力をタクワえた。だからそこをドケ!!」

 

サクリファイスから放たれた氷の弾丸がラヴィジの腕を貫き右腕の肘から先をもぎ取った。

 

「ぐうぅぅっ!!」

 

「ラヴィジ!?お前っ!?元の仲間に対してなんてことを!!」

 

「ナカマ?アイツにはカラダがあるジャナイカ!!その時点でラヴィじハ敵だ!!!」

 

「くそっ.....サクリファイスに対して対話は無理だ!!琴里、どうするんだよ!!」

 

やむを得ず士道は琴里に助けを求める。対して琴里の返事は苦渋の決断だった。

 

「......サクリファイスとの対話が無理なら、もうこれしかないか....。士道、ラヴィジ。琴里の名において私が命令するわ。サクリファイスを殺しなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「させねぇよ。」

 

 

「何処にっ!?ヴッ!?.....。」

 

突如聞こえた声とともにサクリファイスのうめき声と倒れる音。二人がサクリファイスのいた方向を見るとそこにはよしのんの姿だけ。

 

「.....サクリファイスが、いない?」

 

 

「あいつはもうこいつからは出てこねぇよ。」

 

「ヴィンセント!?」

 

「サクリファイスの電力を軒並み吸い取って完全消滅させた。もらった電力はせいぜい有効活用させてもらうがな。.......が、体を喪った、か。......ラヴィジ。」

 

「っ.....なに?」

 

「2日やる、アバターの特定、お前ならできるな?」

 

「仰せの通りに、なんちゃって。ヴィンセントはどうするの?」

 

「なぁに、技術顧問に依頼をしに行くだけさ。......士道、仕上げは任せたぞ?」

 

そう言いいつの間にか姿を見せていた彼はいつの間にか忽然と姿を消していた。しかしいち早く立ち直った士道は弾丸で傷ついた体を動かし四糸乃の元によしのんを送り届けに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

そしてたどり着くとそこには気絶したASTの姿と無傷の二人の姿。

 

「無事だったか!!」

 

「シドー!!?どうしたのだその怪我は!?」

 

「はは、やっぱりあいつと対峙して、無傷ではかえれなかった、ごめんな。」

 

「良いのだ!!それで、よしのんとやらは?」

 

「ああ、この通り。」

 

ポケットに閉まっていたよしのんを取り出す。その姿を見るやいなや後ろに隠れていた四糸乃が勢いよく飛び出してきた。

 

「ほら、手を出して。」

 

「....?」

 

言われたとおりに四糸乃は左腕を出した。士道は優しくそこによしのんを被せた。装着されて数秒。ぴこぴことうさ耳が動き出す。

 

「.....んあ?僕は今まで一体何してたんだろーねぇ?」

 

「っ!....よしのん!よしのん!うぁぁん!!!」

 

よしのんがもとにもどったのをみて泣き出してしまった四糸乃。数分立っても泣き止む気配はなかった。その様子を見て三人は、

 

 

「....もしかして、以前の私のように助けられたのか?」

 

「どうやら、そうみたいですね。にしてもこの大剣、取り回し悪すぎですよ。重すぎて振り回せやしません。」

 

「まぁまぁ、そこはおいおいの改善点だから。でも、それより先にティーレちゃんには【エル】装備の試験もしてもらわなくっちゃならなさそうだね....。」

 

「ええ、またですか....まあいいですけれども.....。」

 

お互いが愚痴ってる合間に士道はキスを済ませてしまったらしい。そこには髪の毛で重要な部分以外は裸のまんまの四糸乃とあたふたしている士道、そしてそんな四糸乃を見かねて全力で蔓で隠すラヴィジ。特に四糸乃は封印された際の霊装解除のことを知る由もなく、解除された瞬間硬直していた。

 

 

 

 

 

ここに、第4の精霊の封印が完了したわけである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日立って、士道がいつものように学校に向かおうと玄関を出ると、隣の家からの影が異常に大きいことに気づいた。

 

 

 

「な、なんじゃこりゃァァァ!?!?」

 

そこにはいつの間にか巨大なマンションが立っていた。数日でできる規模のものじゃないのは確かだ。すると隣に琴里がやってきた。リボンが黒いということはラタトスクモードらしい。

 

「どう?精霊用マンション。」

 

「こんなものいつの間に作ったんだよ....。」

 

「今どきリアライザを使えば数日でこんなものよ?外見は同じだけど内部の耐久性、防音性はバッチリよ。」

 

そう説明していると士道の後ろからちょんちょんと触れられた。振り返ると、

 

 

「お、おはよう....ございま、す....。」

 

「っ、おはよう、四糸乃。封印後の検査もう終わったのか。」

 

「令音さんと琴里さんに無理言って少しだけ外に出してもらいました.....。」

 

「.....怖かったら無理せず言えよ?四糸乃にとってのヒーローになるって、俺は言ったからな。」

 

「.....はい!」

 

 

 

満面の四糸乃の笑みが溢れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、港区画

 

 

「...ああ、そうだ。バックアップデータは残ってるか?.......残っている?そうか。それなら送ってくれ。どうやら無茶なことはせずに済みそうだ......。」

 

 

 

To be continued....




これにて雑な四糸乃編終わり!!!ナンテコッタイ。


来年からは狂三編......だといいなぁ。
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